仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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日常編
245話 免許を取りたい


 

シロ「免許を取りたい!!」

 

葉月・耀子「「!?」」

 

とある休日、沢芽市のとあるレストランにて私の向かい側に座るシロちゃんが突如叫び出して私とシロちゃんの隣の湊先輩が突然のシロちゃんの言葉に食事の手を止めてしまった。

 

葉月「シロちゃん?いきなりどうしたんですか?」

 

耀子「そうよ…大人しく座りなさい。」

 

シロ「…車の運転してみたいなぁって!!免許を取れれば車運転出来るし!!」

 

葉月「どうしていきなり免許をとりたいなんて思ったんですか?」

 

シロ「それはね…」

 

 

 

シロSide

 

- 数日前-

 

シロ「それじゃ行こっか湊君?」

 

耀子「君…って貴方…いつもは「さん」付けでしょう?なんでいきなり…」

 

シロ「その方が社長っぽくない?仕事の時だけ湊君って呼んでいい?」

 

耀子「それは…」

 

ふと耀子の脳裏にはユグドラシルに所属していた時の戦極凌馬とのやりとりの記憶がふと蘇っていた。

 

凌馬(湊君?お手柔らかにね。)

 

湊(はい。プロフェッサー凌馬…)

 

凌馬(湊君。支度を…)

 

湊(はい。プロフェッサー凌馬…)

 

 

耀子「それだとプロフェッサーと被ってしまうわ…」

 

シロ「はぁ…しょうがないか…普通に湊さんって呼ぶことにするよ…」

 

シロは社用車を運転しようと運転席側に回るが耀子がその手を掴んだ。

 

耀子「待ちなさい。貴方は助手席に座りなさい」

 

シロ「え、私運転したい!!」

 

耀子「貴方…車の免許持ってないでしょ?」

 

シロ「持ってない…だって私オーバーロードだもん」

 

耀子「免許が無いと運転出来ないわ…常識でしょう?」

 

シロ「だって…私社長なのに免許1つ無いなんて恥ずかしいじゃん…」

 

耀子「車を運転するなら免許を取る…それが人間のルールよ!!」

 

シロ「ぶー…なら湊さんは持ってるの?」

 

耀子は財布から免許証を取り出してシロに突きつけるとシロは思わず肩を落とした。

 

耀子(本当は人格が分かれる前の耀子が取った免許だけど…同一人物だし免許も改めて更新したし…いいわよね?)

 

 

シロ(免許…取る…そうすれば湊さんも私をもっと一人前の社長として認めてくれるかも!!)

 

 

-現在-

 

シロ「私は一人前の…いや…1人の社会人として車の免許を取る!!」

 

葉月「え…本当に!?」

 

耀子「私が運転するって言うのに…まったく…」

 

シロ「嫌だ!!免許を取る…もう決めた事なの!!」

 

葉月「えぇ…本気ですか!?」

 

シロちゃんは頬を膨らませながらそう叫ぶとバックから何かを取り出して読み始めた。

 

葉月「なんですかこれ?」

 

シロ「自動車学校の教本!!もう既に入校手続きは済ませてあるから!!」

 

耀子「いつの間に…」

 

シロ「もう明日から仕事終わりに行ってくるから!!」

 

葉月「だ、大丈夫なんですか…」

 

耀子「ほんっと…貴方の行動力は凄まじいわね…」

 

 

-翌日-

 

仕事終わりにシロは耀子に連れられて自動車学校にやって来ており入校式を済ませると初日にいきなり教習を受け始めていた。

 

耀子「初日にいきなり運転教習だなんて…」

 

葉月「あ、先輩!!」

 

そこにコース全体を見渡せる場所へとやって来た耀子の元に葉月が遅れてやって来た。

 

耀子「葉月…わざわざ来てくれたの?」

 

葉月「そりゃシロちゃんの運転…見てみたいじゃないですか!!」

 

そう呟く葉月の服装はいつものスーツ姿では無く私服であり同じく耀子もいつものスーツ姿ではなく私服であった。

 

耀子(葉月の私服…なかなかおしゃれね…秘書になりたての時より大人な女性になったわね!!)

 

葉月のコーデは黒のボタンジャケットにその下にブラウンのトップスに白のロングスカートを履いておりベージュのブーツに黒い帽子を被っていた。

 

葉月(湊先輩の私服!!湊先輩の私服!!普段はスーツだから凄い新鮮!!)

 

耀子の私服は水色のボタンシャツにその下に白いTシャツに黒いジーンズを履き小さいバックを手に持っていた。

 

葉月(ジーンズ似合うなぁ!!先輩足長いから凄い似合う!!)

 

葉月は耀子の全身を舐め回すようにじっと見つめるとその様子に気づいた耀子が僅かに頬を赤く染めながら視線を逸らしてしまった。

 

耀子「そんなに見つめないで葉月…恥ずかしいわ…」

 

葉月(先輩の私服!!先輩の私服!!)

 

私は冷静さを装いながら私服姿の湊先輩にテンションが上がってしまっていたが湊先輩の冷ややかな表情に私は視線を教習コースへと戻した。

 

 

入校式と運転適正検査を終えて初日にいきなり教習を受けることになったシロは自動車の基礎知識を先生から習い車をその後、自由にコースを回る事になった。

 

シロ(いきなり自由に走っていいなんてラッキー!!)

 

シロは車の乗り降りや運転姿勢に指導を受けながらシートベルトを締めて座席を調整し始めた。

 

シロ「最初に私が運転するなんて今頃湊さんも驚いているだろうなぁ!!」

 

そんな事を思いながらシロは頭に叩き込んだ基礎知識を思い出しながら車を勢いよく発進させた。

 

 

葉月side

 

耀子「嘘…いきなり?」

 

葉月「運転席に乗り込みましたね?いきなり運転させてもらえるのでしょうか?」

 

耀子「この自動車学校は最初にお試しにコースを自由に走らせるのがやり方なのかしら?」

 

シロちゃんは勢いよく発進させるとそのまま勢いを保ったままコースを爆走し始めて私達は頭を抱えた。

 

葉月「飛ばしすぎですよ!!」

 

耀子「変ね…普通は何の知識も技術も無いまま運転席に座らされると怖がってなかなかスピードが出せないのが普通なのだけど…」

 

葉月「私も確か、もっとスピード出せって言われたような気がします…」

 

耀子「普通はそうなのだけど…いきなりあそこまでスピードを出せるなんて…運転席に座ったら性格が変わるタイプなのかしら?」

 

葉月「さぁ…」

 

曲がり角ではスピードを落とすと思いきや勢いよく曲がりそのまま加速を続けていると急に車が停車してしまった。

 

葉月「あ…」

 

耀子「流石に隣でブレーキ踏まれるわよね…」

 

葉月「助手席にもフットブレーキがありますもんね」

 

その後再び車は動き出して先程よりゆっくりと安定した走りを始めて私達は胸を撫で下ろした。

 

葉月「でもこの調子ならあっという間に第二段階へ行けそうですね!!」

 

耀子「そうかしら…?あの子は知識はあるけれど実力がどうか…まるで貴方と一緒ね…」

 

葉月「……?何の話ですか?」

 

耀子「思い出して見なさい…貴方がユグドラシルに入社してからしばらくしてバイクの免許を取る事になった時を…あれは苦労したわね」

 

葉月「あぁ…そんなこともありましたね」

 

 

-葉月の過去-

 

凌馬「免許が無い?」

 

葉月「すみません…」

 

私は凌馬さんからロックビークルの走行テストをしようと街中を走ろうとしたのだが私がバイクの免許を持っていない事に気がつくと顔を僅かに顰めた。

 

貴虎「彼女はまだ大学を卒業したばかりだろう…教習所に通う時間が取れなかった筈だ…」

 

凌馬「では仕方無い…今回の件は湊君にお願いする事にしようか…」

 

葉月「す、すみません…」

 

私は力になれなかった事に悔しくて思わず半泣きになりながら頭を下げると貴虎さんが私の肩を叩いた。

 

貴虎「気にする必要は無い…君は君にできる事をすればいい…」

 

葉月「うぅ…貴虎…さん…」

 

シド「…まったくお優しいこった…アンタは水瀬の父親かなんかかい?」

 

湊「……」

 

凌馬「それじゃ湊君?任せてもいいかい?」

 

湊「プロフェッサー…今回の件はやはり葉月に任せるべきかと」

 

凌馬「ほぉ?」

 

そう言うと湊先輩は私に詰め寄りロックビークルを私に向かって差し出して来た。

 

湊「葉月…貴方最初から他人に頼り気味よ…なんでも自分の力で解決しようと思わないわけ?」

 

葉月「でも…私じゃ力になれそうもないので…」

 

湊「そんな甘えは大人の世界じゃ通用しないわ!!」

 

葉月「っ!!」

 

湊「貴方はすぐに私を頼ろうとする…お茶の淹れ方や書類の作成、コピー機の使い方とかわからないことはすぐに私に頼ろうとするじゃない!!」

 

葉月「でも…やり方が…わからな…」

 

湊「まずは自分でやって見なさい!!そうでないと何も始まらないわ」

 

葉月「は、はい!!」

 

それから私は自動車学校にてバイクの免許を取るために教習を受け始めたのだが私は慣れないバイクに手こずってしまいなかなか乗りこなす事が出来ないでいた。

 

葉月「ぎぎぎ…うぐぐ…重い…」

 

400㏄のバイクを引き起こす事が出来ずに苦労しており教習指導員に起こして貰う日々が続いていた。

 

葉月「マニュアルバイク…操作が難しいなぁ…」

 

操作の仕方は頭に叩き込んだもののいざ実践ともなれば思い通りに行かずにスラロームや一本橋などの課題をクリアするのに手間取っていた。

 

葉月「もっと練習しなくちゃ…」

 

 

貴虎「水瀬?怪我をしたのか?」

 

葉月「バイクで転んじゃって…大した事ないので気にしないでください!!」

 

私は何度もバイクを倒してしまい同時に私自身も倒れて顔や足に怪我を負ってしまいガーゼをいくつも貼り付けていた。

 

貴虎「練習も程々にな」

 

葉月「は、はい…」

 

私は返事をしながら静かに貴虎さんの執務室から立ち去るが貴虎さんは私の方を最後まで心配そうな表情で見つめていた。

 

シド「随分と熱心だねぇ…あんなにぼろぼろになってまで何をそこまで彼女を駆り立てるのかねぇ?」

 

貴虎「彼女は完璧な人間では無い…しかし完璧では無いからこそ必死に足掻こうとしている。私も彼女のように諦めない姿勢を見習うべきなのかもしれないな…」

 

シド「何だい?スカラーシステムの件、まだ迷っていたってのかい?」

 

貴虎「…私は水瀬のように足掻く事にしよう…人類を救うために!!」

 

 

葉月Side

 

私は教習が無い日曜日にもバイクに乗って練習したかったために教習所のコースへとやって来ていた。

 

葉月「これが…ロックビークル…」

 

錠前を開錠するとそれは白いバイクに変形して私はプロテクターを体に装着するとバイクに跨ってエンジンを吹かした。

 

葉月「いざ…」

 

ギアを入れてスロットルを回すとバイクは走り出してコースを一周すると最初のスラロームに入った。

 

葉月「ほっ!!はっ!!」

 

パイロンをエンジンを吹かしながら避けながら前に進むが最後のパイロンを避けた瞬間にバランスを崩して車体が倒れて私はバイクから落下してしまった。

 

葉月「あたっ…」

 

その後も S字やクランクなどさらに一本橋に挑戦していきなんとかクリアしていくが最後の難関である急制動に挑戦することになり一度停車して深く息を吐いた。

 

葉月「行くよ!!」

 

バイクを発信させて制動開始地点まで辿り着くと私は一気にバイクを加速させてスロットルを戻そうとした。

 

葉月「しまっ…遅かった…」

 

私はスロットルを戻して前後ブレーキを慌てて掛けるが停止位置を大幅に超えてしまい慌ててブレーキをかけた事で前のめりになってしまった。

 

葉月「うわあああっ!!」

 

私は余裕を持ってブレーキを緩めずに急にブレーキを踏んだ事によりバイクから吹き飛ばされてしまい地面にバイクを倒してしまい私自身は地面を何度も転がってしまった。

 

葉月「ぐっ…うぅ…痛い…」

 

私は地面で呻きながらなんとか体を起こして倒れたバイクを起こそうとするが力が入らずに再びバイクと共に倒れそうになってしまった。

 

葉月「力が…入ら…ない…」

 

バイクの倒れる音が響くと思いきやバイクは突如何者かの手によって支えられて車体を元の位置に戻し始めた。

 

葉月「えっ…湊先輩!?」

 

湊「休みの日までこうやって練習していたのね?」

 

バイクを支えてくれたのはまさかの湊先輩であり仕事帰りなのか白いスーツの上にピンクのコートを羽織っていた。

 

湊「苦戦しているみたいね?」

 

葉月「は、はい…お恥ずかしながら…」

 

湊「今の様子見せてもらったわ…まだダメね…」

 

葉月「お手本を見せてあげるわ…見ていなさい」

 

湊先輩はピンクのコートを脱ぐと私に手渡して来て私からヘルメットを取り上げるとバイクに跨りスロットルを握った。

 

葉月「ちょっ先輩!?プロテクターも無しに!?あとタイトスカートで跨るのは危険じゃ…」

 

湊「ハッ!!」

 

私の忠告も聞かずに湊先輩はタイトスカートのままバイクに跨るとスロットルを回してバイクを走らせると私がやって来たコースに挑戦し始めた。

 

葉月「おおっ!?」

 

スラロームにS字にクランクを難なくクリアしていき一本橋を余裕で通過すると急性動の最初の停止位置でピタリと止まった。

 

葉月(ごくり…)

 

私はその様子をじっと見守っていると湊先輩は一瞬だけこちらに視線を向けると私はこくりと頷きそれを見た先輩は視線を戻してスロットルを勢いよく回した。

 

葉月「おおっ!?」

 

湊先輩は加速すると制動停止位置の手前でスロットルを戻してゆっくりとブレーキを掛けると制動停止位置のところで余裕を持って停止していた。

 

葉月「凄い…」

 

湊先輩「貴方がスラロームでバイクを倒したって話は聞いたけどスピードが足りなくなっているのよ…スピードを維持してエンジンを吹かしながら、体を倒すイメージで進みなさい…」

 

葉月「は、はい!!」

 

湊「S字もクランクも一本橋も同じくエンジンを吹かして…そして急性動だけど…」

 

湊先輩は停止位置の手前にやってくると地面に向かって指を差した。

 

湊「この辺りでスロットルを戻して余裕を持ってブレーキを掛けなさい」

 

葉月「わ,わかりました!!」

 

湊「さぁ…やってみなさい!!」

 

葉月「はい!!…それにしても先輩…タイトスカートでバイクなんて先輩も大胆ですね?」

 

湊「くだらない事を言ってると帰るわよ…」

 

葉月「あぁっ待ってください先輩!!私が悪かったです…練習見てくださいよぉぉ!!」

 

そして私は毎週仕事終わりに教習所に通いながら練習を重ねながらしばらくしてからついに卒業試験当日になった。

 

葉月「行くよ!!」

 

私はコースを巡りながら各課題を順調にクリアしていき、最後の急性動のエリアへと辿り着きバイクを停止させた。

 

葉月「GO!!」

 

私はスロットルを回して走り出すと一気に加速していき湊先輩に教えられた地点にまで辿り着くとスロットルを戻してブレーキをゆっくりと掛け始めた。

 

葉月「よし!!」

 

私は停止位置で綺麗に止まる事が出来て心の中でガッツポーズをしながら最後のゴール地点に向かうために再び走り出した。

 

 

-数日後-

 

湊「よくやったわ葉月。」

 

葉月「先輩の指導のお陰です!!」

 

その後運転免許試験場での学科試験も難なく突破して私は免許を取得して免許証を湊先輩に見せていた。

 

湊「後はロックビークルの走行テストだけね…」

 

葉月「免許も取れたし後は楽勝ですよ!!」

 

湊「何を言っているのかしら?ちゃんとした道路でテストすると思った?」

 

葉月「へ?」

 

湊「テストする場所はクラックの中よ…足元が不安定な場所でバイクを走らせる事で走行テストをするのよ…ちゃんと舗装された道路じゃないから難しいわよ!!」

 

葉月「…まじ…ですか?」

 

湊「えぇ…」

 

葉月「練習して来ます…」

 

私は練習をするためにロックビークルを手に人工クラックを維持している地下へと歩き始めた。

 

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