-関東医大病院-
看護師「こちらに着替えてください」
葉月「はい…」
関東医大学病院と呼ばれる病院にて私は血液検査など様々な検査を受けており最後にCT検査をするために検査着に着替えてCT検査の機械のベッドの上に横になった。
葉月「……」
私は機械により体をスキャンされて機会がゆっくりと私の体を調べられていきながら思わず深く息を吸い込んだ。
葉月「何もない筈なんだよなぁ…」
私が検査を受けている様子を病院の先生らしき人と一条さんがじっとみつめていた。
椿「おい…そろそろ話したらどうだ?彼女について…」
一条「それは…」
椿「前も言ったと思うが俺は死体の解剖専門だ…それを五代の時のように無理して病院の設備借りて見てやったものの…なんだよこれ…」
一条「何か?」
椿「驚くほど普通だ…五代のお腹のベルトらしきものやそれといった特徴は一才確認出来ない…」
一条「つまり…?」
椿「彼女は普通の人間だと言う事だ…」
一条「そうなのか…」
葉月Side
検査を終えた私は白いスーツに着替えると一条さん達と合流してレントゲン写真などの結果を見せてもらっていた。
椿「うん…特に異常は見られない…君は間違いなく普通の人間だ。」
葉月「もう…だから言ったじゃないですか…一条さん…」
一条「………」
病院を出た私は車に乗せられると一条さんはどこかに電話を掛けていた。
笹山「一条さんも早とちりすることもあるんですね…未確認生命体の疑いのある女性がいるから一緒に調べて欲しいだなんて…」
一条「あぁ…そうだな…あと、すまないが取調室の確保を頼みたい」
笹山「わかりました」
電話を終えた一条さんは運転席へと乗り込むと私に向かって頭を下げた。
一条「それでは一度本部へと一緒に来てくれないか?」
葉月「え〜まだ検査するんですか〜?」
一条「まだ詳しい取り調べが終わってないからな…すまないがもう少し君の事が知りたい…悪いが最後まで付き合ってもらいたい。」
葉月「それなら最初にして欲しかったんですが…はぁ…わかりました…」
-本部-
葉月「えーっと…」
私は取り調べを受けるために県警本部へとやって来ており一条さんからの取り調べを受ける前に身の回りのボディチェックを受ける事になった。
笹山「笹山です!!よろしくお願いします!!」
葉月「あ、どうも…」
笹山「それではポケットに入ってる物をこちらのトレーに全てお入れ下さい〜」
葉月「はぁ…わかりました…」
私は財布などの私物をトレイに入れると笹山さんのボディチェックを受ける事となった。
笹山「ジャケットも脱いで下さいね〜」
葉月「は、はい…」
笹山さんは私から白のジャケットを預かるとジャケットの中を調べ始めて中に入っていた物を順番にトレーに入れ始めた。
笹山「まだ中に何かありますね?えーと…ハンカチにティッシュ…ケーキ屋さんの割引き券に何かのカード?」
葉月(ごくり…)
笹山さんが最後に見つけたのはまさしくケミーカードであり一瞬だけカードをチラリと見るとすぐに興味を失ったのかトレーに入れ始めた。
笹山「では肩から触りますね〜」
葉月「はい…」
笹山さんは金属探知機を使いながら私の上半身をまずは調べ始めるが特に異常は無いようで次に私の下半身に金属探知機を当てながら私のスカートのウエスト部分を調べ始めた。
笹山「ナイフなどの刃物を隠すなら腰回りなんですが…何もないですね」
葉月「そんな危ない物持ち歩かないですよ…」
笹山「すみません…一条さんから念入りにボディチェックするように言われてたので…」
葉月「はぁ…」
白のタイトスカートの裾の裏まで触ってチェックされてしまい私は思わず苦笑いを浮かべるが笹山さんは私のスカートを隅々までチェックすると最後に私のパンプスを調べ始めた。
笹山「うん…問題なしです…検査は終了ですご協力ありがとうございました!!」
葉月「あ、はい…」
私はトレーの中の私物をポケットに詰めながら溜息をつくとドアを叩く音が聞こえて来て笹山さんがドアを開けると中から一条さんが姿を現した。
笹山「問題なしです」
一条「そうか…あ、そうだ笹山さん…念のため彼女の免許証のコピーもお願いします。」
笹山「わかりました」
葉月「はぁ…」
私は財布から免許証を取り出すと笹山さんに手渡して笹山さんはコピー機でコピーをしてしまい私はコピーの終わった免許証を返してもらうと免許証を財布の中にしまいこんだ。
一条「それでは取り調べを…」
葉月「はぁ…わかりました…最後まで付き合いますよ…」
-関東医大病院-
一方、椿は葉月のCT写真などの様々なデータを確認しながらベルトが見つからずに思わず溜息を吐いた。
椿「まったく…五代のように何か面白いものが見れるかもと期待したんだがな…何も収穫無しか…」
ふと腹部のCT写真を見るがすぐに別の写真へと視線を向けるとある部分に目をつけてじっと見つめた。
椿「なんだ…この心臓は…?深く傷ついた跡があるが…一体何が…」
それはかつてデェジュシャシュによって傷つけられた心臓部分で銀色の果実で修復されたもののその跡はくっきりとCT写真によって捕らえられていた。
椿「心臓の形も妙だ…僅かにだが形が通常の形とは異なっている…まるで…リンゴのような…」
椿は携帯を取り出すとどこかに電話を掛け始めたが応答は無く携帯をパタンと閉じた。
椿「呉島葉月…ただの人間かと思ったが何かありそうだな…」
葉月Side
葉月「やっと終わった…」
一条「本当にすまなかった…君を疑ったりして…」
葉月「いえいえ…はあ〜…よかった…」
結局取り調べでは私が未確認だという証拠は掴めなかったようで私は思わず溜息をついた。
一条「このままポレポレまで送るよ」
葉月「ありがとうございます…」
取り調べを無事に終えた私は一条さんの車に乗り込みポレポレに向かってゆっくりと走り出したが走り出してすぐに無線から声が響いた。
杉田「一条!!30号がまた現れた!!」
一条「30号が!?」
杉田「港区方面へ向けて飛び去るのを目撃されたそうだ!!」
一条「人が多いところを再び狙って来たと言うのか…」
杉田「今日は休日…人が密集している場所をターゲットにしている可能性がある」
一条「だが…港区の今度は一体何処に…」
その時私の座席の下からブルブルと震えて座席の下に隠してあったケミーライザーが反応を示しておりケミーライザーの画面を確認した。
葉月「これは…ケミーが港区に移動してる…?未確認を追ってるの?行く先は…」
ケミーの行きそうな予測ポイントをマップ機能で調べると場所はお台場海浜公園であり新聞で今日は大きなイベントがあることを思い出して隣の一条さんへと叫んだ。
葉月「お台場海浜公園!!」
一条「何!?」
葉月「新聞で見ました!!今日はお台場海浜公園で大きなイベントがあるって!!」
一条「まさか…そんな場所で…」
葉月「ただでさえ広い港区を闇雲に探すのは無茶ですよ!!ある程度目星を付けないと逃げられちゃいますよ!!」
一条「……確かにあの場所なら奴が行き着く可能性がある…君の言葉を信じよう!!」
葉月「はい!!」
-お台場海浜公園-
その頃連絡を受けた警官隊がいち早く現場に到着して警戒態勢に入っていた。
杉田「一条の言う通り確かにイベント会場であるここを狙う可能性はあるな…」
直後に虫の羽ばたき音が聞こえて来て上空からメ・デムド・バが現れて警官隊は一斉に射撃に入った。
警官隊「撃て!!」
メ・デムド・バ「パダギンジャラゾギジャガデデ」
(私の邪魔をしやがって…)
警官隊「うわっ…」
メ・デムド・バは空からオレンジ色の液体を発射し警官隊はオレンジ色の液体を必死に避けるがパトカーに当たってしまい直後にパトカーは燃え始めて大爆発を起こした。
杉田「くっ…」
メ・デムド・バは警官隊を大混乱に陥れたのを確認するとそのまま別方向へと飛び去ってしまった。
杉田「一条!!奴が移動を開始した!!」
葉月Side
一条「レインボーブリッジ!?」
葉月「はい…人を襲った後は次に襲う場所を見つけるため高い所から見渡せる場所…さっきのお台場海浜公園から近いところで休憩も兼ねて行き着くと思います。」
私はケミーライザーの画面をチラリと見ると隣の一条さんへと声を掛けた。
一条「わかった…我々は先にレインボーブリッジへと急ごう!!」
-レインボーブリッジ-
一条「居た!!」
レインボーブリッジにたどり着くとレインボーブリッジの1番上にてんとう虫のような怪人である30号が周りを見渡しており一条さんは拳銃を手に走り出そうとした。
葉月「一条さん!!1人では…」
一条「君は車の中でじっとしていろ!!いいな!?」
一条さんは車から出るとレインボーブリッジの主塔へ向かって銃撃を放った。
メ・デムド・バ「ラダジャラギャバ!!」
(また邪魔者か!!)
一条「うわぁぁぁぁ…」
葉月「一条さん!!」
30号は地上へと降下して下から銃撃を放つ一条さんの背後に降り立つと背中をがっしりと捕まえてそのまま再びレインボーブリッジの上へと連れて行ってしまった。
葉月「助けなきゃ…」
私は車から降りるとレインボーブリッジの主塔へ向かって登り始めるとふと東京湾の真ん中にマーキュリンとドンポセイドンがこちらをじっと見つめている事に気がついた。
葉月(こんな時でも私を見極めようとしてる?いや…ケミーより今は一条さんを…)
私は主塔へと辿り着くと30号は一条さんを手すりに押し付けて首を絞めていた。
葉月「一条さん!!」
一条「呉島…葉月…何故…来た!?」
葉月「1人で無茶しないでください!!」
メ・デムド・バ「ビガラロギビダギボバ?」
(貴様も死にたいのか?)
30号は一条さんの首から手を離して私に襲い掛かり私は咄嗟にケミーライザーを手に構えるが30号は私のケミーライザーを叩き落としてしまいケミーライザーは車の側にガシャリと音を立てて落ちてしまった。
葉月「しまっ…かはっ…」
私は首を掴まれてしまい手すりへと体を叩きつけられて私を落とそうと私の体をぐいと持ち上げた。
葉月(このままだと落ちる…)
メ・デムド・バ「ボボバサゴドギデジャス!!」
(ここから落としてやる!!)
葉月「かはっ…」
必死に振り上げようとした腕も押さえつけられてしまい私はぐいと持ち上げられたまま必死に足で30号を必死に蹴りを放ったが効果はなかった。
一条「呉島葉月!!」
葉月「一条さん!?」
一条さんが30号に背後から組みついて私は突如30号からの拘束から逃れる事に成功するが30号は一条さんの首を掴むと私の時と同じようにぐいと持ち上げた。
メ・デムド・バ「ビガラパギベ!!」
(貴様は死ね!!)
一条「うわあああああっ!!」
葉月「一条さーん!!」
一条さんはついに30号によって殴打されてそのまま主塔から落とされてしまい私はそれを見るや30号を押し除けて指輪を嵌め直しながら主塔から飛び降りた。
(アルケミスリンク!)
(GINGRFFON!)
(KINKIRAVINA!)
私の危機をケミー達が感じとったのか私の白いジャケットから2枚のカードが飛び出して私のドライバーに自ら装填されていき私は素早くレバーを引いた。
葉月「あああああああ!!変…身!!」
(ガガガガッチャーンコ!)
一条「なっ…!?」
(シャイニングフェザー!)
(ヴィーナスグリフォン!)
私は落下しながらヴィーナス・真へと変身を完了すると手から風を起こして一条さんの落下スピードを落としながら一条さんを抱き抱えてゆっくりと地面に降り立った。
一条「呉島葉月…やはり君が…」
葉月「すみません…私が27号です…嘘をついてすみません…」
一条「何故…俺を助けた…」
葉月「誰かを助けるのに理由がいるんですか?」
一条「何?」
レインボーブリッジの下では強風が吹き荒れており私は装飾ディティールである銀色のマントを大きくはためかせながら一条さんの方をじっと見つめた。
葉月「私は困っている人がいたら迷わず手を伸ばしたい…だから戦士になったんです!!」
一条「みんなの笑顔を守るため…か…?」
葉月「はい!!」
一条「……」
一条さんは私の顔をじっと見つめながら何か考えるような仕草を見せるがその時私達の隣にバイクが止まり赤い戦士がバイクから降りた。
雄介「一条さん大丈夫ですか!?レインボーブリッジの上に居るのが見えたのでってあれ…27号!?」
一条「五代…」
戦士クウガが私の方をじっと見つめており私は正体を明かそうか悩んでしまったが戦士クウガは変身を解除して素顔を晒した。
葉月「五代さん…」
雄介「君…呉島さんでしょ?」
葉月「なっ…なんで…」
雄介「うーん…なんとなく…かな?」
五代さんは私に向かっていつもの笑顔を浮かべており私は思わずつられて仮面の下で笑みを浮かべた。
雄介「一条さん…俺、先に行きます!!」
一条「五代…」
雄介「呉島さん…一条さんをお願いします!!」
葉月「あ、はい…」
五代さんはバイクをスロットルを回して飛び去った30号を追って走り出してしまいその場には一条さんと私の2人が残された。
一条(君も…五代と同じようにみんなの笑顔のために戦うのか…)
葉月「一条さん…私達も!!」
私は30号を追うために一条さんへと声を掛けるが一条さんは再び目を瞑って何かを考え始めるがすぐに目を開けて私の方ほど視線を向けた。
一条「呉島葉月!!」
葉月「は、はい!?」
一条「俺について来い!!」
-本部-
私は一条さんの車に乗り再び本部へと戻って来ており地下にある倉庫のような場所へとやって来ていた。
笹山「一条さん!!」
葉月「あれ…笹山さん?」
笹山「あれ…呉島さん?もしかしてやっぱり貴方がそうなんですね?」
葉月「???」
私が頭の中でハテナマークを浮かべる中で一条さんは倉庫を開けて私達は倉庫の中に入ると中に一台のバイクが置かれていた。
葉月「このバイクは…?」
一条「トライチェイサー2000…最新の白バイの試作品だ…五代雄介と同じ高性能バイクだ…」
葉月「はぇ〜凄い…」
一条「27号が信頼出来る相手だと見極めることが出来たらこれを託そうと思っていた…だから笹山さんに準備をお願いしていたんだ。」
笹山「そうなんです!!だからこれを27号さんに託そうと準備してたんです!!」
笹山さんはキャリーケースを手にしており蓋を開けるとバイクのグリップのような物が入っており笹山さんがグリップを取り出すとバイクに嵌め込んで回した。
笹山「0825…と…」
笹山さんはコントラストパネルに何かを打ち込むとバイクのライトが光りエンジンが始動して一条さんがスロットルを回してエンジンを吹かし始めた。
葉月「凄い…」
私はバイクに跨ると笹山さんが壁のボタンを押して倉庫のゲートを開け始めた。
一条「後から俺も行く…頼んだぞ。」
葉月「はいっ!!…それじゃ見ててください…私の変身…」
(アルケミスリンク!)
私はバイクに跨ったまま指輪を嵌め直してドライバーを腰に出現させて指輪を翳すと2枚のカードを順番にドライバーに装填していく。
(GINGRFFON!)
(KINKIRAVINA!)
笹山「あれ…あのカードは…ボディチェックの時に私が見つけたカード…?」
(As above, so below……As above, so below…)
待機音が流れる中で私は手を上に掲げて上から下にゆっくりと下ろすと掌を重ねてスライドさせて最後に両手で三角を作りながら前に突き出して叫んだ。
葉月「変身!!」
(ガガガガッチャーンコ!)
(シャイニングフェザー!)
(ヴィーナスグリフォン!)
私の全身を紺色のスーツと白い装甲が覆い胸のコアの部分が金色に輝いて背中には銀色の2つに分かれたマントがついて私はヴィーナス・真へと変身を完了させた。
笹山「わぁ…」
一条「頼んだぞ…」
私はスロットルを回すと勢いよく発進して外へと飛び出して行った。
一条「笹山さん…呉島さんの事は…」
笹山「えぇ…私達だけの秘密…ですね?」
笹山は一条に向かって笑みを浮かべると一条も僅かに笑みを浮かべた。
一条(思い出すな…五代にTRCSを託したあの日を…)