仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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271話 暴走するアギトの力

 

葉月「はぁ…緊張して疲れた…」

 

無事G3のテスト装着員に選ばれた私はホテルへ向かうために人気の無い道をバイクで走行していたがどこからか視線を感じてバイクを停車させて振り向くと近くのマンホールが吹き飛んで私の足元に転がって来た。

 

葉月「グロンギ…いや…アンノウン!?」

 

マンホールの下から黒い人形のアリのようなアンノウンが出現し私は思わず後ろに下がるが後ろから別のアリのアンノウンが私の背後から襲い掛かり私は慌てて攻撃を回避した。

 

葉月「どうして…私を!?うぐっ…」

 

私は目の前のアンノウンに首を絞められてしまいそのまま金網に体を叩きつけれてしまい私を締める力がさらに強まった。

 

涼「!!」

 

そこへバイクに乗った葦原涼がアンノウンの出現を察知し駆けつけてヘルメットを外した。

 

葉月「がはっ…あ…!?」

 

突如私の腰にベルトが出現し私の全身から力が溢れて来て私は首を絞められながらも必死にベルトを外そうとベルトを必死に掴んだ。

 

葉月「嫌…アギトにはなりたくない…嫌…嫌…」

 

涼「あれは…」

 

私の願いも虚しくやはり私はアギトへと変身してしまい私の全身に力が溢れて必死にアリのアンノウンを殴り飛ばした。

 

涼「バカな…アギト!?」

 

葉月「うぅ…力が抑えられない…」

 

私は体に漲る力が抑えられずにただひたすら背後に回ったアリのアンノウンを蹴り飛ばすとついに意識が朦朧として来た。

 

葉月「はぁ…はぁ…意識が…朦朧としてき…た…」

 

りんね(葉月さん!?一体何が…!?)

 

葉月「アアアアアッ!!」

 

葉月は力が制御出来ずに力に飲み込まれてしまいただひたすらにアリのアンノウンに向かって拳を振り上げた。

 

涼「何!?」

 

葉月「アアアアア…ハアッ!!」

 

アギトのクロスホーンが展開して足元にアギトの紋章が出現しそのまま葉月は高く飛び上がるとアントロードに向かってライダーキックを浴びせて地面に着地を決めた。

 

葉月「アアアアア…」

 

蹴りを浴びたアントロードは立ち上がると天使の輪のような円盤状の発光体が頭上に出現し直後に大爆発を起こしてしまい残されたアントロードは葉月の姿を見てその場から退散してしまった。

 

葉月「ウゥッ!?」

 

葉月は近くで様子を見ている涼に気づくとゆっくりと一歩を踏み出した。

 

涼「よせっ!!」

 

葉月「ウアアッ!!」

 

葉月は暴走し涼へと飛び掛かると涼を殴り飛ばしてしまい、さらに地面に倒れた涼の首を絞め始めた。

 

涼「変身っ!!」

 

葉月「ガアッ!?」

 

涼は手を掲げるとそのまま葉月のお腹を蹴り葉月を自身から引き剥がしにかかり直後に涼はギルスへと変身を完了させた。

 

葉月「ウアアッ!!ハアッ!!アアッ!!」

 

葉月は涼に向かって鋭い蹴りを放ち涼を蹴り飛ばすと涼は必死に葉月を抑えようと体に組みついた。

 

涼「ウワッ!!」

 

葉月「アアアアア…アアッ!!」

 

葉月は涼を再び蹴り飛ばすと涼は葉月の暴走するアギトのパワーに押されてしまい地面に倒れてしまい葉月は再び涼に攻撃を仕掛けるために高く飛び上がった。

 

涼「くっ…」

 

そこに一台の銀色のバイクが飛びかかった葉月を跳ね飛ばしてしまい葉月は地面を転がった。

 

翔一「葦原さん!!」

 

涼「津上!?」

 

現れたのは仮面ライダーアギトこと津上翔一であり地面に倒れている涼を介抱しながら地面で倒れているアギトへと視線を向けると驚きの表情を浮かべた。

 

翔一「何っ…お前は!?」

 

涼「アギトに覚醒している…気をつけろ!!今、奴は力に飲み込まれている!!」

 

翔一「アギトに!?」

 

葉月「ウゥゥ…」

 

翔一は腰に手を添えると変身ベルト、オルタリングが出現し、手を前に突き出して構えた。

 

翔一「変身!!」

 

サイドのスイッチを同時に押すと翔一はアギトに変身し、起き上がった葉月の変身するアギトへと駆け出した。

 

葉月「アアッ!!ウワッ!!」

 

翔一「ハッ!!」

 

葉月は翔一にパンチを繰り出すが、翔一は冷静にパンチを回避し反撃の蹴りで葉月を蹴り飛ばすと、ベルトのスイッチに触れた。

 

葉月「アアッ!?」

 

翔一「ハアッ!!」

 

青い姿に変わりアギトストームフォームになった翔一は、ベルトからストームハルバードを取り出して展開した。

 

りんね(葉月さんやめて!!)

 

葉月「ウゥ…うぅ…」

 

翔一がストームハルバードを手に葉月の出方を伺っていると、葉月はりんねの叫びにより動きを止めた。

 

翔一「あっ!?」

 

涼「何?」

 

葉月「うぅ…」

 

葉月は翔一に向かって再び拳を繰り出そうとしたが、一歩を踏み出した瞬間に力尽きて地面に倒れ伏してしまい、変身が解けてしまった。

 

翔一「あ、大丈夫ですか?しっかり!!」

 

 

葉月Side

 

私は目を開けると暗闇の中におり、背後に何者かの気配を感じて振り向くと、白い服の少年がこちらに歩み寄っているのが見えた。

 

葉月「な、なんですか貴方!?こ、来ないで!!」

 

少年「………」

 

少年が手を差し伸べて来たので私は思わず差し出された手を振り払ってしまった。

 

葉月「いらない!!アギトの力なんていらない!!」

 

すると少年は笑みを浮かべると消え去ってしまい安心してしまうが、私は突如として目の前に現れたアギトに首を掴まれてしまった。

 

葉月「がはっ…」

 

アギト「……」

 

アギトはまるで自分の力を受け入れろ言わんばかりに私の首を絞めており、私は必死にその手を掴み抵抗した。

 

葉月「やめ…て…あっ!?」

 

気づけば私の体はだんだんとアギトへと変わっていき、金色のボディへと覆われ始めた。

 

葉月「いや…アギトに飲み込まれる…」

 

私の腰のベルトは眩い光を放ってだんだんアギト化し、やがて私の顔が仮面に覆われそうになり私は恐怖で目を閉じた。

 

りんね(ハアーッ!!)

 

アギト「!!」

 

葉月「なに…これ…すごく暖かい…」

 

顔を上げるとそこにはザ・サンがその太陽の光で私を照らしてくれており、ふと視線を動かすとアギトの姿が無くなっており、私もアギトの変身が解けていた。

 

葉月「ザ・サン…貴方のお陰で助かりまし…た…」

 

りんね(葉月さん?葉月さん!!)

 

 

 

私は意識を取り戻して目を開けると、目の前に知らない青年が私の顔をじっと見つめていた。

 

葉月「私は…一体なにを?」

 

翔一「あ、気がつきました?良かったぁ〜」

 

涼「……」

 

葉月「貴方は確か…船の中でアギトになった…」

 

翔一「津上翔一です。こっちは葦原さん!!」

 

葉月「津上さん…?」

 

翔一「そう!!確かあかつき号で一緒だったよね?えーと君の名前は?」

 

葉月「呉島葉月です…」

 

涼「あんた…さっきまでのことを覚えているか?」

 

葉月「私はアンノウンに襲われて…それからアギトになって…そしてその後に別のアンノウンと戦ってる最中に意識を失って…」

 

涼「やはりな…」

 

翔一「え、何かありました?葦原さん?」

 

涼「こいつは覚醒したばかりで力が暴走し、俺達の事もアンノウンに見えたのだろう…」

 

翔一「え、それって…」

 

涼「こいつはアンノウンを倒してその後もアンノウンと戦っていたつもりだったという事だ」

 

翔一「俺達の事もアンノウンだと思って戦っていたと…そういう事ですか?」

 

涼「あぁ…おそらくアギトの力が暴走しその目に映る物全てがアンノウンだと誤認したんだ」

 

翔一「あぁ〜そういえば俺も最初は氷川さんに襲い掛かった事あったな〜」

 

葉月「……失礼します…」

 

私はゆっくりと立ち上がるとその場を静かに立ち去ろうと歩き始めるがその手を津上さんが掴んだ。

 

翔一「あ、ちょっと…どこ行くんですか!?」

 

葉月「帰ります…アンノウンが現れれば私はまた暴走してしまう…アギトの力に飲み込まれてしまいます…」

 

翔一「そんな…アギトの力はきっと…」

 

葉月「アギトの力なんていらない!!」

 

翔一「えっ…」

 

葉月「アギトの力が暴走したら私はもう私ではいられなくなります…」

 

翔一「暴走…」

 

葉月「私はもう…力に飲み込まれたくない…」

 

私は立ち上がるとバイクに跨るとヘルメットを深く被り直してバイクのエンジンを起動させた。

 

翔一「待ってください!!」

 

葉月「ごめんなさい…さようなら…」

 

葉月はそのままバイクで走り去ってしまい、残された翔一は不安そうな表情で葉月の後ろ姿を見つめた。

 

翔一「アギトの力の暴走…」

 

涼「誰しも望んでその力を手にした訳じゃない…力を手にした事でそいつの人生を大きく狂わせるほどのものだ…ああなっても仕方ない。」

 

翔一「………」

 

 

数日後、私は本部にてG3の資料と装備について整備士の人から説明を受けていると私のスマホに着信が入りすぐに応答すると、小沢さんの声が聞こえて来た。

 

小沢「呉島さん。貴方の出番よ!!G3システム出動!!」

 

葉月「わかりました。氷川さんは?」

 

小沢「氷川君は先に向かっているわ!!急いで!!」

 

葉月「わかりました!!すぐに向かいます!!」

 

Gトレーラーは既に出動しているようで、私はG3ユニットのすぐ側の倉庫に駆け込むと、作業員が既にスタンバイしており、私はすぐに出動の準備に取り掛かった。

 

葉月「準備に時間掛かるなぁ…中にスーツを着込んで装備を装着させるなんて」

 

G3インナージャケットのジッパーを閉めて装着すると、私の体に胸部装甲が装着されて私は作業員に介助されながら装備を次々と装着していき、私の腰にはGバックルと呼ばれるベルトが装着されて最後にヘルメットを装着して、G3へと装着変身を果たした。

 

作業員「それではガードチェイサーに乗ってください」

 

ガードチェイサーと呼ばれる白と青の白バイに跨るとエンジンを掛けてスロットルを回した。

 

葉月「G3出動します!!」

 

倉庫のガレージが開いて私は素早く倉庫から勢いよく走り出して、先行している氷川さんのいる現場へとバイクを走らせた。

 

 

葉月「アリのアンノウン…」

 

現場に到着すると既に大量のアリのアンノウン相手にG3-Xを装着した氷川さんが交戦しており、私はバイクから降りると武器の収納蓋のスイッチを押した。

 

小沢「GM-01アクティブ!!」

 

葉月「ハッ!!」

 

装備した銃を連射するが、アンノウンは怯む様子を見せずに私に向かって数体のアンノウンが迫り、私は再び銃をアンノウン目掛けて連射を続けた。

 

葉月「ぐあっ…」

 

銃は弾き飛ばされてしまい、私の腰に数体のアンノウンが群がり必死にアンノウンに肘打ちをするがイマイチ効果はないようで、私は数体のアンノウンに投げ飛ばされてしまった。

 

葉月「ぐっ…なら!!」

 

私は素早く起き上がると地面に落ちた銃を拾い上げてガードチェイサーへと駆け寄り、収納蓋のスイッチを押してグレネードユニットを回収して銃と合体させた。

 

葉月「これならどう!?」

 

砲身下部のフォアグリップをポンプアクションして引き金を引くと、グレネード弾が発射されてアンノウンの一体にダメージを与える事が出来たが、背後に迫ったアンノウンの接近に遅れてしまい、背中から体を掴まれてしまった。

 

葉月「うぅ…」

 

背後から押さえつけられてしまい、目の前のアンノウンが私に向かって爪を振り翳して銀色の装甲から火花が上がった。

 

尾室「胸部ユニットにダメージ…小沢さん大丈夫なんですか!?」

 

小沢「まだよ…呉島さん!!」

 

葉月「ハアッ!!」

 

再び振り翳された爪を蹴りで弾き、私は身を捩って背後のアンノウンを地面に引き倒し足に力を込めて思い切り蹴り飛ばした。

 

氷川「呉島さん!!」

 

アンノウンの群れを掻い潜って来た氷川さんが銃撃を放ちながら私の応援にやって来たものの、大量のアンノウンに囲まれてしまった。

 

葉月「私が時間を稼ぎますから…GX-05を!!」

 

氷川「でも呉島さん1人じゃ…」

 

葉月「大丈夫です!!私の力では奴らは倒せない…でも時間を稼ぐ事は出来ますから!!」

 

私は攻撃を食らいながらも必死に数体のアンノウンを脇に抱えて纏めて地面に押し倒し、立ち上がったところを拾い上げた銃で撃ち抜いていく。

 

小沢「氷川君。今よ!!呉島さんが作ったチャンスを無駄にしないで!!」

 

葉月「ぐうううっ!!」

 

私は数体のアンノウンの中から赤い色をしたアリのアンノウンの鎌の斬撃を浴びてしまい火花を散らしながら地面に転がった。

 

尾室「バッテリー出力30パーセントにまで低下…これ以上攻撃を受けたら危険です!!」

 

小沢「呉島さん!!もう十分よ一旦退きなさい!!」

 

葉月「はぁ…はぁ…」

 

地面に倒れながらも氷川さんの方へと視線を向けると、氷川さんはGX-05を変形させてさらにパーツを装着してランチャーを組み上げているところだった。

 

葉月「まだ…あと少しで…」

 

私は気合いで立ち上がると私に鎌を向けるアンノウンへ向かって拳を叩きつけるが、アンノウンは私の拳を受けながらも鎌を振り上げてヘルメットの一部を破壊し、その衝撃で吹き飛び地面を転がった。

 

葉月「ぐわあああああっ!!」

 

尾室「頭部ユニット損壊!!G3システム戦闘不能!!」

 

小沢「呉島さん!!離脱しなさい!!」

 

映像が乱れて葉月の様子が見えなくなり、小沢は必死に画面に向かって叫び続けるが、葉月には既に小沢の声は届いていなかった。

 

葉月「がっ…」

 

私はヘルメットが外れてしまい汗でぐっしょりと濡れた素顔を晒しながらも、再び振り下ろされた鎌の刃の部分を受け止めた。

 

葉月「ぐうっ…」

 

ふと視線を向けるとランチャーを完成させた氷川さんが銃口をこちらに向けたので、それに気づいた赤い色のアンノウンが私から離れて逃走しようとするが、私は咄嗟にその背中を羽交締めにして動きを封じにかかった。

 

葉月「今です!!」

 

氷川「ハッ!!」

 

氷川のロケット弾がアンノウンの頭部にヒットし一撃でアンノウンは大爆発を起こし、爆発の余波で私は吹き飛び再び地面に転がった。

 

氷川「呉島さん!!」

 

氷川さんは私に駆け寄ると私のバッテリーの切れたGバックルに触れて胸のボタンを押すと銀色の装甲が展開して、私の生身の体が現れて氷川さんは私の体を揺さぶった。

 

氷川「しっかりしてください!!」

 

しかし直後にその場に杖を付く音が聞こえて来て氷川は顔を上げると、女王アリのアンノウンが姿を現した。

 

氷川「お前は!?」

 

私はなんとか立ちあがろうとしたが、うまく体に力が入らずに地面に伏せてしまった。

 

しかし私達の後ろから眩い光が差し込んで思わず視線を向けると、ベルトを付けた津上さんがこちらに歩いて来ており、津上さんはアギトへと変身してアンノウンへと駆け出した。

 

葉月「アギト…」

 

葉月は意識を保っていられずに静かに目を閉じてしまい、氷川はそんな葉月の体を必死に揺さぶり続けていた。

 

氷川「呉島さーん!!」

 

 

 

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