仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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272話 繋がる心

 

-病院-

 

小沢「呉島さん。貴方のお陰で素晴らしいデータを得ることが出来たわ…」

 

葉月「は、はぁ…」

 

私はあれから病院に運ばれて1週間程入院する事になりベッドの上で今回の戦闘データについての話を聞いていた。

 

葉月「私、ボコボコにやられちゃいました…G3だって壊されちゃいましたし…」

 

小沢「何言ってるの!?旧式であそこまで戦えただけでも十分よ!!そうよね?氷川君!!」

 

氷川「えぇ…呉島さんのお陰で僕はアンノウンを倒すことが出来たんですから!!」

 

小沢「えぇ…北條透なら自分でアンノウンを倒して手柄を立てようと考える筈…でも貴方は氷川君の勝利ために力を尽くしてくれた…」

 

葉月「………」

 

小沢「どうしたの?浮かない顔をして」

 

葉月「いえ…ただ私は今回の件で自分の力不足を実感しました。みんなを守れるくらいに強く…」

 

小沢「貴方は十分にやってくれたわ。きっと将来、G3も量産化されるでしょうね」

 

氷川「それにしても驚きました。呉島さんがあそこまで戦えるなんて…」

 

小沢「言われてみればそうね…何か格闘技でもやっていたのかしら?」

 

葉月「えぇ…まぁ…」

 

小沢「とにかく貴方はよく頑張ってくれたわ。今は休んでいて頂戴!!」

 

葉月「は、はい…」

 

 

-1週間後-

 

私は退院した後ホテルのベッドの上で自身の体の回復を待っていたが突如体の痛みが無くなり慌てて包帯を外して体のあざを確認した。

 

葉月「あざが消えてる…あんなに派手にやられたのに…」

 

ふと窓の方へと視線を向けると私の顔はアギト化しておりそれを見た私は驚いてベッドから落ちてしまった。

 

葉月「うわっ…」

 

床に転がり立ちあがろうとするが自身の手も黒いグローブに包まれており私はアギトへ変わり始めて腰のベルトは眩い光を放っていた。

 

葉月「うぅ…またアギトに…」

 

私は体に漲るアギトの力に必死に抗おうとするが私は力に飲み込まれるのを恐れて耐え切れずに病室の窓から飛び降りてしまった。

 

葉月「逃げなきゃ…誰も巻き込みたくない!!」

 

 

ホテルへ逃げるように帰ると私はベッドの布団に潜り込んで震えていた。

 

耀子(葉月…決して力に飲み込まれないで…力に負けちゃダメよ!!)

 

葉月「無理ですよ…また誰かを傷つけるかもしれないって思うと震えが…」

 

ふと湊先輩の言葉が蘇り、布団を被り直すと服のポケットの中から1枚のカードが溢れ落ちて私はカードを拾い上げた。

 

葉月「ザ・サン…」

 

私はザ・サンのカードを枕元に置くと再び布団に潜り込んで眠りに着いた。

 

 

-夢-

 

私は目を開けるとそこは病院ではなくどこかの草原地帯であり耳を澄ますと男性の叫び声が聞こえて来たので声のする方へと走り出した。

 

宝太郎「俺のせいだ…俺のせいだ…」

 

葉月「宝太郎さんに…りんねさん!?」

 

2人はぼろぼろの姿でりんねさんは倒れており宝太郎さんはりんねさんに泣きながら駆け寄っていた。

 

りんね「私…まだ一緒に戦いたいよ…宝太郎…」

 

宝太郎「うわぁぁぁぁ…」

 

葉月「り、りんねさん…」

 

未来のりんねさんが亡くなっていたことは聞いていたが、まさかここまで辛い別れをしていたのかと思うと私の瞳からも涙が溢れて来た。

 

葉月「戦いたくてもりんねさんはもう…」

 

宝太郎「ああああああああっ!!」

 

宝太郎さんが叫ぶ中でりんねさんの指輪が赤く光り取り落としたザ・サンのカードに光が注がれておりザ・サンのケミーカードは真っ赤な炎のようなイラストへと変化してしまった。

 

葉月「ザ・サンのカードが変化した?」

 

ふとカードを見るとカードにりんねさんの幻影が映っておりりんねさんの魂がカードに宿っている様子が見てわかった。

 

葉月「カードにりんねさんの魂が!?もしかして時々聞こえて来たあの声は…」

 

何度か私の名前を呼ぶ女性の声を思い出して私はようやくその正体が亡くなってしまった未来のりんねさんだとわかり再び涙を流した。

 

葉月「りんね…さんだったんだ…」

 

 

-現実-

 

私は目覚めると枕元に置いたザ・サンのカードを手に取ってじっと見つめた。

 

葉月「りんねさん…貴方だったんですね…私に何度も呼びかけてくれたのは…」

 

りんね(私に気づいてくれたんだ…よかった…)

 

今はカードからは声は聞こえないもののカードの中のりんねさんの存在を感じ取り私は布団を跳ね除けて立ち上がった。

 

葉月「貴方はずっと宝太郎さんと一緒に戦ってくれてたんですね?そして今は私を支えてくれていたんですね…」

 

りんね(宝太郎と約束したから…未来を変えるために葉月さんの力になってあげるって…なぜなら葉月さんは私達の…)

 

葉月「なんだかうじうじ悩んでるのが馬鹿らしくなって来ました…」

 

私はいつもの白いスーツに着替え始めて髪には大きなリボンをつけて最後に指輪をはめた。

 

葉月「もう私はアギトの力を恐れない…どんな敵が相手でも私は戦う!!」

 

直後に私はアンノウンの気配を感じ取り、ホテルを飛び出してトライチェイサーに跨るとヘルメットを被りザ・サンのカードに向かって声を掛けた。

 

葉月「りんねさん…貴方の勇気を少しだけ貸してください!!」

 

りんね(うん!!…戦おう…一緒に!!)

 

 

トライチェイサーで向かった先はどこかの工場でありバイクから降りると誰かが戦っているのが見えた。

 

葉月「氷川さんに葦原さん!?」

 

G3-Xを装着した氷川さんと緑色の戦士に変身した葦原さんにアギトのような戦士に変身した誰かが地面に倒れており私は慌てて3人に駆け寄った。

 

葉月「皆さん!!」

 

氷川「呉島さん?」

 

涼「お前は…」

 

木野「君は…確かあかつき号の?」

 

ふと背後に視線を向けると船で戦ったアンノウンが立っており私は立ち上がってアンノウンと正面から向き合った。

 

葉月「貴方はあの時のアンノウン!!」

 

水のエル「存在してはならないものよ…滅ぶがいい!!」

 

私は腰付近に手を添えるとベルトを出現させて待機音が流れる中で手を前に突き出した。

 

葉月「変身っ!!」

 

ベルトの両側のスイッチを同時に押して私はアギトへと変身して構えをとった。

 

氷川「呉島さんがアギト!?」

 

涼「あんた…」

 

木野「既にアギトに覚醒していたか…」

 

葉月「ハアッ!!」

 

私はアンノウンへ向かって駆け出すとパンチを繰り出すが片手で受け止められてしまい、続けて蹴りを繰り出そうとしたが槍で弾かれてしまい、そのまま槍の一撃を下から浴びてしまい吹き飛ばされてしまった。

 

葉月「ぐうっ…」

 

私は再び立ち上がろうとするがアンノウンにお腹を踏みつけられてしまいアンノウンは私を踏みつけたまま私に槍を向けた。

 

水のエル「消えろ」

 

涼「ウワァァァァ!!」

 

葦原さんが叫びアンノウンへ向かって突進するがアンノウンは葦原さんを槍で殴打してしまいその隙に私はアンノウンの踏みつけから解放されて立ち上がった。

 

涼「ハアッ!!」

 

葦原さんはアンノウンに殴り掛かるがアンノウンは葦原さんに向かって手を払うような仕草を見せるとアンノウンへ向かった筈の葦原さんは一瞬で私の前にまで強制的に移動させられたようで私は突如目の前に現れた葦原さんに殴られてしまった。

 

葉月「ぐはっ…」

 

威力のあるパンチを浴びて私はドラム缶などを薙ぎ倒しながら吹き飛び衝撃で変身が解けてしまった。

 

葉月「ぐふっ…」

 

涼「なっ…ウワァァァァ!!」

 

私は葦原さんの叫びが聞こえたのを最後にだんだんと意識が無くなりそのまま地面に伏せた。

 

 

???「葉月さん!!葉月さん!!」

 

葉月「ここは…そっか…私、負けたんだアンノウンに…」

 

誰かの声が聞こえて来て私は目を開けるとそこは灰色の何もない空間であり私の体を誰かが揺さぶっていた。

 

葉月「りんねさん…?」

 

りんね「やっと会えたね葉月さん…」

 

そこにいたのはまさかのりんねさんであり、その手には私が持つ赤いザ・サンのカードが握られていた。

 

りんね「私の声が聞こえるの?」

 

葉月「はい…聞こえます…はっきりと…」

 

りんね「そっか…よかった…私の声がやっと届いた…」

 

葉月「ごめんなさい…貴方の声が聞こえなくて…」

 

りんね「ううん…葉月さんがもう一度立ち上がろうとしたその気持ちが芽生えたお陰で私の声が聞こえるようになったのかも…」

 

葉月「もう一度立ち上がる…あ、そういえば…」

 

私はアンノウンに敗北して意識を失った事実を思い出してしまいりんねさんへと頭を下げた。

 

葉月「私、アンノウンに負けたんですね…あの船で会ったアンノウンに…」

 

りんね「ううん…まだ負けてないよ!!」

 

葉月「え…」

 

りんね「まだみんなが戦ってる!!まだみんな諦めてないよ!!」

 

葉月「皆さん…」

 

りんね「諦めなければきっと道は開ける筈だから!!宝太郎達が未来を救った時みたいに!!」

 

葉月「諦めなければ…でも私ではアギトの力をうまく扱えません…」

 

りんね「大丈夫…今度は私も一緒に戦う!!」

 

葉月「え?」

 

りんね「葉月さんがヴィーナス・真に変身出来ないのはアギトの力が邪魔をしているから…でもそのアギトの力を私の仮面ライダーの力に変換できれば…」

 

葉月「そんな事が?」

 

りんね「そのためには葉月さんに指輪とザ・サンのカードを通じて私と心で繋がる必要があるの…」

 

葉月「りんねさんと繋がる…?」

 

りんね「私がアギトの力を戦うための力に変換するから私にアギトの力を渡してくれる?」

 

葉月「…わかりました…この力をりんねさんに託します!!」

 

私はりんねさんに光の玉となったアギトの力をりんねさんに手渡すとりんねさんの体は光の粒となって消えてしまい私の指輪がオレンジの光を放った。

 

葉月「指輪が!?」

 

りんね(葉月さん…)

 

葉月「りんねさん?もしかして私の中に?」

 

りんね(ここからは私も一緒に戦えるよ!!だから…半分だけ体を借りるね?)

 

葉月「もしかして私の体を使えば表に出てこられるんですか?」

 

りんね(うん!!私も力になりたいから!!)

 

葉月「わかりました…一緒に戦いましょう…りんねさん!!」

 

 

翔一「ハアッ!!」

 

水のエル「まだ生きていたか…消え失せろ!!」

 

意識を取り戻した翔一がアギトバーニングフォームへと変身して水のエルに立ち向かうがアンノウンの槍で翔一は地面に倒されてしまった。

 

氷川「ぐわあああああ!!」

 

咄嗟に水のエルに立ち向かった氷川は水のエルの槍の一撃で火花を散らしながら高く飛ばされて地面に落下してしまい動かなくなってしまった。

 

涼「ウワァァァァッ!!」

 

続けて涼も投げ飛ばされて転がってしまいそんな3人に向かって水のエルは槍を向けた。

 

木野「くっ…」

 

涼「津上…」

 

3人の視線はそれぞれ気を失って倒れている葉月と氷川に視線を向けるが水のエルは槍を上空に掲げた。

 

水のエル「滅ぶがいい…」

 

翔一「くっ…」

 

 

???「万物はこれなる一者(ひとつもの)の改造として生まれうく」

 

 

突如凛とした声が響いて水のエルは振り向くとドラム缶が浮き上がり水のエルへとドラム缶が放たれて水のエルはドラム缶を跳ね飛ばそうと槍を振り上げた。

 

翔一「!?」

 

ドラム缶は大爆発を起こしてしまい燃えるドラム缶の向こうから指輪を光らせながら葉月が水のエルへと掌を向けていた。

 

涼「あんた…!?」

 

葉月は服装が水色の錬金術師の服装に変わっており再び指輪を光らせながらゆっくりと一歩を踏み出した。

 

水のエル「まだ生きていたか…」

 

葉月?「これ以上貴方の好きにはさせない!!」

 

水のエル「力を持つお前達は存在してはならない…あの方の愛した人間のみがあの方の理想のために生き続ければ良い…それがあの方の定めたルールなのだ…」

 

葉月?「そんな勝手は許さない!!」

 

水のエル「何?」

 

葉月?「人は誰でも自分の意思で生きなきゃいけないんだ!!どんなことがあっても…私達は自分の運命を諦めたりしない!!」

 

水のエル「愚かな…」

 

葉月?「たとえどんな壁が立ちはだかろうとも…私達は戦うことを…生きることを諦めたりしない!!」

 

水のエル「何?」

 

 

葉月?「私のルールは…私が決める!!」

 

 

 

(アルケミスドライバー)

 

 

 

木野「あれは…?」

 

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

 

葉月は指輪をはめ直してドライバーを出現させると指輪をドライバーに翳して2枚のカードを取り出した。

 

 

涼「何をするつもりだ…?」

 

木野「!!」

 

 

葉月は2枚のケミーカードを構えるとドライバーに順番に装填していく。

 

 

(UNICON!) 

 

 

(THE SUN!)

 

 

りんね(行こう…葉月さん!!)

 

葉月(はい…一緒に!!)

 

 

葉月は指輪をはめている左手を上に掲げてゆっくりと下に手の甲を見せながら下ろした。

 

 

(As above, so below……As above, so below…)

 

 

 

待機音が流れる中で葉月は下ろした掌を右手の掌と重ねて横に突き出すと重ねた掌を正面でスライドさせながら最後に両手で三角を作りながら前に突き出して勢いよく叫んだ。

 

 

葉月・りんね「「変身!!」」

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

(プロミネンスホーン!)

 

 

(サン・ユニコーン!)

 

 

翔一「その姿は…?」

 

 

葉月の体を白い装甲と紺色のスーツが覆い胸部にはオレンジの装甲が付いてヘルメットにはユニコンの角が付き、最後に背中には白いマントがついて葉月は仮面ライダーマジェードへと変身を完了させた。

 

 

水のエル「貴様は一体…」

 

 

りんね「字(あざな)は、仮面ライダーマジェード!!」

 

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