仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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278話 最強のアギトの力

 

(注意)アギト超能力戦争のネタバレを含みます

 

 

木野「デヤアッ!!」

 

葉月「ぐはっ…」

 

私はギル・アギトこと木野さんのパンチを受けて壁にぶつかってしまい、呻く私に向かって再び拳を放ち私の装甲が火花を散らした。

 

葉月「ぐっ…つ、強い…」

 

りんね(なら…ハッ!!)

 

りんねが交代して木野の拳を受け止めて自身の元にぐいと引き寄せていつものように足技を繰り出そうとしたが、逆に木野にぐいと引き寄せられてしまった。

 

木野「フンッ!!デヤアッ!!」

 

りんね「ぐっ…うっ…あぁ…」

 

りんねは木野の裏拳を浴びてしまい、吹き飛ばされて濡れた床に転がってしまった。

 

りんね「くっ…負けない…ハアッ!!」

 

木野「無駄だ…」

 

りんねは拳を繰り出すが片手で受け止められ、腕を捻り上げられてしまった。

 

りんね「ぐうっ…」

 

木野「お前の戦い方は既に25年前の戦いで分析済みだ…」

 

りんね「なっ…動きが読まれてる!?」

 

木野「当然だ…アギトとは異なる未知の力…アギトの力をも自分の力に変換する力…君のようなイレギュラーな戦士を警戒しないわけがないだろう?」

 

りんね「ぐはっ…」

 

りんねは腹部に膝を叩き込まれて呻き声を上げながらも必死に拳を振り上げようとするが躱されてしまい、逆に胸を蹴られて地面に転がった。

 

りんね「ぐっ…うぅ…」

 

木野「さて…お前のその腰のベルトをいただこうか…」

 

りんね(くっ…この人もドライバーを狙ってる…?)

 

葉月(りんねさん!!だったら…ヴィーナスグリフォンで…)

 

私は再び交代してヴィーナス・真に変身しようとギングリフォンとキンキラヴィーナのカードを取り出して装填しようと構えた。

 

木野「ダァッ!!」

 

りんね「あっ…しまっ…」

 

木野さんは私の手首を足で蹴り払って私の手からケミーカードを弾き飛ばしてしまい、ケミーカードが床にパラリと落ちてしまった。

 

木野「ンンンン…スゥゥゥ…トゥッ!!」

 

木野さんは力を溜めると高く飛び上がりキックを繰り出した。私は慌てて蹴りを繰り出すが胸を蹴られてしまい、吹き飛ばされてしまった。

 

葉月「きゃあああああっ!!」

 

りんね(くっ…)

 

キックを受けて葉月は壁にぶつかり、そのまま濡れた床に落下してしまった。

 

葉月(………)

 

りんね(葉月さん!?気絶してる!?だったらもう一度私が!!)

 

りんねが再び交代して激しい体の痛みを耐えながらも必死に立ちあがろうと膝を突いたが、変身を解いた木野がりんねに歩み寄って来た。

 

木野「それ以上苦しむ事はない…呉島さん。私と手を組まないか?」

 

りんね「なっ…」

 

木野「人間は弱い…弱い人間はすぐに死ぬ…私は人類を進化させる事で長らく生き延びるために力を尽くしているたけだ…そのための人類の改革だ…」

 

りんね「そのために…命を選ぶなんて!!」

 

木野「人類が進化するにも犠牲は必要な事だ…葦原涼もその1人…彼を死なせたのは残念だが人類の強制進化のために尊い犠牲となった…彼もその事を誇りに思う筈だ!!」

 

りんね「貴方って人は!!」

 

木野「君と私が手を組めば全人類をアギト化させる事も夢ではないだろう…君と私が協力すればその夢にもきっと届く筈だ…」

 

りんね「……黙れ…」

 

木野「さぁ…私と共に人類の進化の道を歩もうではないか」

 

りんね「それ以上…何も喋るな!!」

 

りんねは強く叫び立ち上がると木野はりんねの叫びに思わず口を閉じた。

 

りんね「貴方は25年前に言った…自分はアギトであることに呑み込まれてしまった人間だと…けどそれはアギトのせいではなく自分自身が弱かったからだと俺は自分の弱さと戦う!!お前も負けるな!!とそう言った!!」

 

木野「何?」

 

りんね「あの時、自分も致命傷を負いながらも必死に津上さんを救おうとした貴方は立派な医者だった!!けど…今の貴方は自分の弱さにまた負けてかつての自分すら否定して誤った道へ進んでいる…」

 

木野「そんな事は…とうに忘れた!!」

 

りんね「貴方はもう…私達の尊敬した木野さんじゃない…私達の尊敬した木野さんはもう25年前に死んだ!!」

 

木野「……」

 

りんね「人類の夢と…アギトの未来を全力で命を懸けて守ってくれたのが…私達の尊敬する木野薫という人間だ!!」

 

木野「黙れっ!!…変身っ!!」

 

木野は怒りの表情を浮かべながらギル・アギトに変身し、りんねも既にドライバーを押し込んで2枚のカードを装填していた。

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

(YOACERBERUS!) 

 

 

(NEMINEMOON!)

 

 

りんね「貴方は私が倒す…変身!!」

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

木野「何っ!?」

 

 

(スリーヘッドスリーパー!)

 

 

(ムーンケルベロス!)

 

 

りんねは全体的に白と水色へと変化して腕にはかぎ爪を模したクローのような装備が付き、頭にはケルベロスを模した装飾が付いており、胸には水色の月のようなグラフィックが描かれていた。

 

 

りんね「ふっ!!ダァッ!!」

 

木野「何!?グアッ…」

 

木野の鋭いパンチをりんねは回避すると、お返しにクローの付いたパンチを連続で叩き込み木野を殴り飛ばしてしまった。

 

木野「バカな…」

 

りんね「ハアッ!!フッ!!ハッ!!ダァーッ!!」

 

りんねは続けて蹴りを交えながら鋭いパンチを繰り出すと木野を再び圧倒し、最後に地面に向かって拳を叩きつけた。

 

木野「グアッ…なんだ…その攻撃は!?」

 

地面に満月を模したエネルギーが広がり地面を殴りつけた衝撃と重力で木野は宙に浮かび上がり、すかさずりんねは両手で拳を同時に繰り出すと木野を壁に叩きつけた。

 

木野「バカな…この私がここまで…」

 

りんね「犠牲になった人達と…葦原さんの死を冒涜する貴方を私は絶対に許さない!!」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

りんね「ハアーッ!!」

 

りんねは指輪を翳すと木野へと駆け出して飛び上がると蹴りを放ち、木野の体にキックの連打を叩き込んだ。

 

 

(ムーンケルベロス・ノヴァ!!)

 

 

りんね「ダダダダダダ…ダァッ!!」

 

木野「グッ…グアアアッ…」

 

木野は戸棚を倒しながら壁へと再び叩きつけられるとよろよろと立ち上がった。

 

木野「グッ…呉島…葉月ぃぃ…」

 

その時、気を失っていた葉月が意識を取り戻して体を操作しているりんねへと声を掛けた。

 

葉月(りんねさん!?はっ!?私、気絶してた!?)

 

りんね(葉月さん意識が戻ったんだ!?)

 

葉月(すみません…ここからは…私も一緒に戦います!!)

 

りんね「うん!!一緒にやろう!!」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

りんねは床に転がっているギルスの遺体に一瞬視線を向けると再び指輪を翳した。

 

りんね(葦原さん…貴方の分まで私達は戦う!!)

 

葉月(だから…見守っていてください!!)

 

 

(ハイアルケミスリンク!!)

 

 

待機音が変化してりんねは足元に力を溜めると踵にケルベロスの足の爪のような物が装備され、駆け出して高く空中へと飛び上がった。

 

りんね「タアッ!!」

 

木野「バカな…その技は…」

 

 

(ムーンケルベロス!ビッグバンノヴァ!』

 

 

高く飛び上がると踵落としを繰り出して木野の体にケルベロスの爪を突き刺し、木野は苦痛の声を上げた。

 

 

りんね・葉月「「アアアアアアッ!!ダァッ!!」」

 

かつてのギルスと同じように爪を突き刺した状態で天井に向かってりんねと葉月は咆哮すると、最後に胸を両足で勢いよく蹴り上げて木野を蹴り飛ばすと、回転しながら地面に着地を決めた。

 

 

りんね「はぁ…はぁ…うっ…」

 

葉月(りんねさん!?)

 

りんねさんは膝を付いて座り込んで変身も通常のマジェードへと戻ってしまい、地面に手を突いた。

 

りんね「ごめん…少し体に負担かけちゃった…」

 

葉月(大丈夫ですよ…りんねさん…)

 

りんねはゆっくりと立ち上がるとすぐ近くに転がっているギルスの遺体に向かってゆっくりと歩き始めた。

 

りんね「葦原さん…」

 

葉月(…はっ!?りんねさん後ろ!!)

 

もう少しでギルスの遺体に届くといったところで葉月の声が響いてりんねが慌てて後ろを振り返ろうとしたが、突如背後から木野がギル・アギトの姿でりんねの背後に組みついて来た。

 

 

りんね「なっ…木野さん!?」

 

葉月(そんな…倒せてなかったの!?)

 

木野「甘い奴だ…私を死なせないように僅かに致命傷を避けていただろう?」

 

りんね「っ!!」

 

木野「だが…私のさらなる進化のためにお前を利用させてもらうぞ…」

 

りんね「がっ…」

 

木野はりんねの胸の太陽のコアの部分に何かを突き刺すと力を吸い取り始めた。りんねは慌てて木野に肘打ちをして自身から引き剥がしに掛かった。

 

りんね「なっ…何をしたの!?」

 

木野「お前の力の一部をいただいた…これで私は最強の力を手に入れた!!」

 

りんね「そんな…マジェードの力の一部を奪える道具なんてある筈が…」

 

木野「真・冥黒の三姉妹…」

 

りんね「なっ…」

 

木野「そう名乗る女がこの注射器を私に託したのだ…呉島葉月の持つベルトを奪うかこの道具で力を吸収して自身の体に取り込むか…とね」

 

りんね「真・冥黒の三姉妹が!?」

 

木野「これで私は最強のアギトとなるのだ…」

 

木野は注射器を自身の体に刺すと奪い取った力を体に注入してしまい、目を見開くと注射器を地面に投げ捨てた。

 

木野「そうだ…この力だ…変身っ!!」

 

木野は再び変身の構えを取ると体が巨大化し始めて辺りの壁を壊し始めた。

 

りんね「なっ…巨大化!?」

 

葉月(ザ・サンの太陽の力を取り込んだ…?)

 

木野は4つ足の首も長く伸び巨大な尾まで生えた異形の怪物と化してしまい、顔はまるでアギトシャイニングフォームを思わせる姿をしていた。

 

木野「おぉ…」

 

壁を破壊すると太陽の光が室内に差し込み、木野は太陽を見つめると体にシャイニングカリバーのような武器が装備された。

 

木野「見よ…これが最強のアギトの力だ!!」

 

りんね「くっ…貴方を止める…ハアッ!!」

 

りんねはシャイニング・ギル・アギトと化した木野へ向かって駆け出すが、木野は4本足を振り回してりんねを翻弄しシャイニングカリバーを振り下ろした。

 

りんね「ぐはっ…」

 

葉月(りんねさん!!)

 

りんねはシャイニングカリバーの一撃を躱す事はできたものの地面に倒れ込んでしまい、葉月がすぐに交代してガッチャートルネードを召喚した。

 

葉月「ハアッ!!」

 

???「彼が最強の力を手に入れるには太陽の力を取り込む必要があった…シャイニングフォームと同等…いやそれ以上の強さがあるかな?」

 

診療所の2階の階段の上から小柄な女性が2人の戦いを見物しており、りんねと葉月が苦戦している様子を見て笑みを浮かべた。

 

???「どうやって彼を止めるのかな?見物だね…呉島葉月、そして…りんねちゃん…」

 

 

葉月「ぐはあっ…」

 

葉月は4本足によって薙ぎ払われて再び床に倒れ込んでしまうが、立ち上がろうと力を込めた。

 

葉月「ぐっ…もうあんなのアギトじゃない…もうただの化け物だ…」

 

りんね(葉月さん!!一緒に…)

 

葉月(わかりました!!)

 

 

(アルケミスリンク!)

 

指輪を翳して駆け出すと木野の4本足とシャイニングカリバーが襲い掛かり、葉月とりんねは体を逸らして攻撃を躱しながら接近すると高く飛び上がり、ドライバーを操作した。

 

 

(サン・ユニコーン!ノヴァ!) 

 

 

葉月・りんね「「ハアーッ!!」」

 

葉月とりんねはライダーキックを繰り出すがシャイニングカリバーを構えた木野によって防御されてしまい、そのまま葉月を押し返してしまった。

 

葉月「なっ…」

 

りんね「私達の技が効かない…!?」

 

木野「終わりだ…ハアッ!!」

 

空中で弾かれた葉月は体勢を崩してしまい地面に落下し、そこにシャイニングカリバーの斬撃が繰り出されて葉月達の足元で大爆発が起こった。

 

葉月「きゃああああああっ!!」

 

りんね(あああああああっ!!)

 

葉月は床にゆっくりと倒れ伏してついにマジェードの変身が解除されてしまった。その様子を見た木野はシャイニング・ギル・アギトの変身を解除して背を向けた。

 

木野「君にはがっかりだ…私の使命を理解出来ないとは…いや…氷川誠もそうだったな…」

 

木野はそのまま診療所を立ち去ってしまい、その後ろ姿を葉月とりんねは薄れゆく意識の中で静かに見つめることしか出来なかった。

 

葉月「待…て…」

 

りんね(貴方の好きに…はさせな…い…)

 

葉月とりんねはそのまま濡れた床に倒れたまま意識を失ってしまい、その様子を見ていた真・冥黒の三姉妹の少女が静かに呟いた。

 

 

???「呆気ない最後だったね。呉島葉月…りんねちゃん…」

 

 

 

(注意)次回、アギト超能力戦争のネタバレあり

 

 

 

 

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