-崩壊した未来-
アポロ「呉島葉月の戦闘データです」
グリオン「ご苦労だったな我が娘よ…」
グリオンはアトロポスと同じ姿のアポロに優しく笑みを浮かべると自身の膝の上に座らせた。
グリオン「呉島葉月…着々と力を付けてきている。だがまだ足りない…我々の使命を全うするにはまだデータが足りない。彼女には散らばったケミーを全て回収してさらに強くなって貰わねば…」
アポロ「グリオン様…僕は…」
グリオン「アポロ…いつも言っているだろう?自分の事は私と呼ぶのだ。出来損ないのアトロポスとは違うのだから…」
アポロ「アトロポス…僕、いえ…私はグリオン様のお役に立てておりますでしょうか?」
グリオン「あぁ…勿論だ。これからも呉島葉月を強くするために時々彼女をつついてきなさい。」
アポロ「はい…グリオン様。ひとつ聞いてもいいですか?」
グリオン「何かね?」
アポロ「アトロポスをモデルにした私になぜアポロと名付けたのでしょうか?」
グリオン「錬金術師の大いなる道と言う本を知っているだろう?錬金術師が錬成した太陽を使い悪魔を倒す話だ。お前には太陽神アポロと呼ばれる男の神のように強く私を照らしてほしいのだ…」
アポロ「僕、いえ…私がグリオン様の太陽に?」
グリオン「そうだ…冥黒を照らす黒い太陽だ…私を照らす太陽となってほしい…」
アポロ「グリオン様。ありがとうございます…私に偉大な男性の神の名前を与えてくれて…」
グリオン「あぁ…期待してるぞ我が娘よ…」
ラケシス「ずるいですわ…グリオン様!!」
そこにラケシスが頬を膨らませながらアポロを抱くグリオンの元へと歩み寄っていた。
アポロ「どうしたんだい?ラケシス…?」
ラケシス「わたくしにも新しい名前を与えてほしいですわ!!アポロばかりずるいですわ。」
グリオン「そうだな…働き次第ではお前には新たなる名前を与えようか…」
ラケシス「そう簡単にはいきませんか…」」
ラケシスががっかりしたような表情を浮かべているとその背後に3人目の姉妹の1人が現れた。
アレクト「グリオン様…私のモデルのクロトーとアポロのモデルのアトロポスが一ノ瀬宝太郎と呉島葉月と共に大量のドレッドを殲滅しこちらに向かっているそうです。」
グリオン「無駄な抵抗を…ならばアレクトよ…今度はお前が過去へ行き呉島葉月を消せ。」
アレクト「仰せのままに…」
クロトーと似た姿であるアレクトと呼ばれる女性は過去へ通じるゲートへと向かった。
ラケシス「アレクト…やけに張り切っていますわね…」
グリオン「アレクト…怒りを力とした復讐の三女神の1人をモチーフに新たに作り出した素晴らしき我の片腕。呉島葉月よ、今までのようにはいかんぞ…」
アポロ「良いのですか?アレクトが行けば呉島葉月は…ドライバーの貴重な経験値が得られないかと…」
グリオン「さぁ…アレクトを相手にどこまでやれるか…?呉島葉月よ…」
耀子Side
私には最近、悩みがある…そう、葉月の事だ。
耀子「はぁ…」
仕事の無い休日。遅く起きた私は、のんびりと遅い朝食を済ませるとまずスマホのメッセージを開く。
耀子「……」
メッセージは仕事に関することばかりで、つい深いため息をついてしまった。
耀子「葉月と最近、話せてないわね…」
そう言いながらも葉月がユグドラシルで奮闘している事は十分に理解している。呉島主任が海外のユグドラシルにて仕事をしており、本来呉島主任がやる筈だった大変な仕事を葉月が引き継いで行っているのだから大変なんてものじゃない。
耀子(私の方が死んでも尚、今だに葉月の側に居たい…貴方を支えたい…そう思ったからよ!!)
以前、葉月の前で堂々と恥ずかしい事を言った事を思い出した私だが、最近は葉月に頼る事が多くて葉月の事を支える事ができていないんじゃないかと思う。
耀子「なんのために復活したの私…今の私では葉月を支えられない…」
耀子は気分を変えるために素早く私服に着替えると、買い出しのためにアパートを出た。
アレクト「よぉ…呉島葉月の仲間の湊耀子だな?」
耀子「っ!?貴方…何者!?」
アレクト「私は…真・冥黒の三姉妹の1人、アレクト!!」
耀子「くっ…ハアッ!!」
突如、アレクトを名乗る謎の人物が私に向かって襲い掛かり、鋭い蹴りを放ち私は慌てて蹴りを放ちすぐに後ろに後退した。
アレクト「いいなぁお前…もっと楽しもうぜ!!」
耀子「くっ…なんて力…強い…」
アレクト「呉島葉月はどこにいる?」
耀子「は、葉月は…今は…」
アレクト「まぁ…いい…貴様をぶっ潰せば呉島葉月の絶望した顔を見れるかもな…」
耀子「何を言っているの?」
アレクト「行くぞぉぉ!!ハアッ!!」
耀子「くっ…何なのその力は…?」
耀子は必死に蹴りを放ち反撃するがアレクトの鋭い蹴りを受けてついに蹴り飛ばされて地面を転がり、地面に転がりながらもゲネシスドライバーを腰に装着してピーチエナジーロックシードを構えた。
アレクト「呉島葉月の前に貴様を倒す!!」
耀子「調子に乗らないで…変身!!」
(ピーチエナジー)
(ロックオン)
アレクト「ハアッ!!デヤアッ!!」
耀子「くっ…ぐあっ…」
耀子はドライバーにピーチエナジーロックシードを装着してハンガーを閉じたもののアレクトの蹴りに翻弄されてしまい、再び地面を転がった。
アレクト「ハアアアアッ!!」
耀子「フッ!!」
(ソーダー)
耀子はアレクトの蹴りを転がりながら回避すると素早く立ち上がり、レバーを押し込みながらアレクトに反撃の回し蹴りを放った。
(ピーチエナジーアームズ)
レバーを押し込んだ事で空中を浮遊していた桃の鎧が耀子の体に装着されて直後に黒とピンクのアンダースーツが体を覆い、その上から桃の鎧が被さり展開して装着された。
アレクト「アアアアアッ!!」
耀子「くっ…ぐあっ…」
耀子はマリカに変身したもののアレクトの鋭い蹴りに翻弄されてしまい胸を蹴られて思わず後ろに下がった。
耀子「なんて強さなの…」
アレクト「呉島葉月をこの手で始末する…それが私が戦う理由だぁぁ!!」
耀子「どうして葉月を!?」
アレクト「呉島葉月…あいつは私からヴィーナスの称号を奪ったんだ!!」
耀子「ヴィーナスの称号?」
アレクト「私達、真・冥黒の三姉妹は古き名前を捨てて、神話の神、女神の名前をグリオン様からいただき、さらなる高みに到達するつもりだったのだ!!」
耀子「古き名前…」
アレクト「私は三姉妹の中でもヴィーナスの名を受け継ぐ予定だったのだ…そこに仮面ライダーヴィーナスの名を持つ仮面ライダーが居たためにそれは叶わなかった!!全ては呉島葉月の存在がいるせいだ!!」
耀子「何、勝手な事を言っているの!?」
アレクト「呉島葉月を消して私がヴィーナスを手に入れるんだ!!ハアッ!!」
アレクトは耀子を再び蹴りで圧倒し耀子は同じく蹴りで反撃に出るがアレクトの圧倒的な怒りの力の籠った蹴りを浴びて再び体勢を崩した。
耀子「ハアッ!!」
アレクト「雑魚が!!ハアッ!!」
耀子「あっ…ぐあああっ…」
咄嗟に繰り出したソニックアローの斬撃を片手で受け止めると耀子の手からソニックアローを叩き落としてしまい再び蹴りで耀子を蹴り飛ばしてしまった。
耀子「くっ…なんて怒りのエネルギーなの…?」
アレクト「オラアッ!!」
アレクトは地面に落ちたソニックアローを拾い上げると耀子に向かって斬撃を放ち、耀子は慌てて攻撃を回避するが3度目の斬撃は防げずにダメージを負った。
耀子「ぐあっ…はぁ…はぁ…こんなところで…」
耀子は立て続けに繰り出される蹴りに体をふらつかせながらも立ち上がるがアレクトは容赦無くソニックアローを構えた。
アレクト「終わりだ…ハアッ!!」
耀子「ぐっ!!」
とどめを刺すべく振り下ろしたソニックアローを掴んで止めた耀子は必死にソニックアローを取り返そうと力を込めるが自身の視界に何かが映り思わず動きを止めた。
葉月「湊先輩!?」
耀子「葉月!?」
アレクト「隙だらけだ…デヤアッ!!」
耀子「あああああああっ!!」
アレクトは耀子に膝を叩き込み体勢を崩すと下からソニックアローで切り上げてしまい耀子は吹き飛ばされて、衝撃でゲネシスドライバーが腰から外れてアレクトの足元にガシャリと落ちてしまった。
葉月「先輩!!しっかりしてください…」
耀子「ごめんなさい…葉月…貴方を支えるといいながら私は貴方を…」
葉月「いいんです。私は…先輩が居てくれるだけで…」
耀子「葉月…」
アレクト「ようやく現れたな呉島葉月!!」
アレクトは地面に落ちたゲネシスドライバーを拾い上げておりピーチエナジーロックシードを同じく拾い上げるとドライバーを腰に当てて装着した。
アレクト「お前を倒してドライバーを奪い、ヴィーナスを私のモノにしてやる!!」
葉月「貴方はもしかして真・冥黒の三姉妹の最後の1人!?」
アレクト「私はアレクト…貴様のドライバーとついでにケミーもいただく!!」
(ピーチエナジー)
(ロックオン・ソーダー)
アレクト「変身っ!!」
(ピーチエナジーアームズ)
アレクトはアーマードライダーマリカに変身してしまい、ソニックアローをその手に掴んだ。
耀子「葉月…気をつけなさい。あいつは貴方の新しいドライバーを狙ってるわ…」
葉月「やはり私のドライバーがあいつらの目的を達するに必要みたいですね」
アレクト「さぁ…さっさとヴィーナス・真に変身しろ!!」
アレクトは早く私からドライバーを回収したいのかこちらをソニックアローの刃先を向けるが私はケミーカードではなく戦極ドライバーを取り出した。
アレクト「貴様…そのドライバーは!?」
耀子「葉月!?錬金術師の力を使わないの?」
葉月「今日はあの力はおやすみです。あいつは戦極ドライバーで充分です…」
葉月は戦極ドライバーを腰に当てて装着するとイチゴロックシードを構えた。
葉月「変身」
(イチゴ)
イチゴの鎧が出現して葉月はロックシードを弧を描くように回してドライバーに装着するとハンガーを閉じた。
(ロックオン・ソイヤ!)
(イチゴアームズ!シュシュッと スパーク!)
法螺貝のような待機音が響いてすぐにカッティングブレードでロックシードの断面をカッティングするとイチゴの鎧が被さり同時に白いアンダースーツが葉月の体を覆い、最後にイチゴの鎧が展開して葉月はアーマードライダーヴィーナスへと変身した。
耀子「葉月…どうして錬金術師の力でもゲネシスドライバーでもなく戦極ドライバーを?」
葉月「さっきイチゴフラペチーノを味わったので気分ですよ!!」
耀子「何よそれ…フフッ…でも葉月らしいわ…」
アレクト「貴様っ!!何だその姿は!?錬金術師の力はどうした!?」
葉月「アーマードライダーヴィーナスですよ?ご存知無い?」
アレクト「ケミーはどうした!?」
葉月「ケミー達なら休暇中です!!」
アレクト「はぁ!?」
その頃、シロはケミー達を連れて岩盤浴へとやって来ており個室の部屋にてのんびりとくつろいでいた。
りんね「葉月さん大丈夫なの!?」
シロ「大丈夫。お姉ちゃんにはバージョンアップした戦極ドライバーを渡してあるし…きっとうまく使いこなしてくれると思う」
りんね「そうじゃなくて…私達がそばに居なくて大丈夫なの?」
シロ「それも大丈夫。お姉ちゃんは1人じゃないから…湊君も居るし」
りんね「信頼しあってるんだ…」
シロ「君と一ノ瀬宝太郎のようにね…さ、私達は次の戦いに向けてのんびりと体を休ませよう〜」
りんね「う、うん…」
葉月Side
アレクト「ハアアアアッ!!」
ソニックアローを手に私に向かって来るアレクトを名乗る人物に対して私は冷静に腰の無双セイバーを鞘から抜いてすれ違い様にアレクトに斬撃を与えた。
アレクト「なっ…なんだ…と…」
葉月「そんな怒りに身を任せた戦い方では私には勝てませんよ」
アレクト「貴様ぁぁぁっ!!」
葉月「ほっ…よっと…」
アレクトはソニックアローを連続で振り下ろすが私は冷静に攻撃を躱して無双セイバーの射撃を行いアレクトに再びダメージを与えた。
アレクト「ぐっ…なぜ…なぜこの私が押される…」
耀子(葉月…動きが洗練されている…)
アレクトは斬撃をやめてソニックアローで射撃を行うが冷静さを欠いた射撃では葉月には攻撃を与えられずに逆に葉月の銃撃を受けて全身から火花を散らした。
(ロックオン)
(イチ・ジュウ・ヒャク)
葉月「ハッ!!」
(イチゴチャージ!!)
葉月は無双セイバーにイチゴロックシードを装着してハンガーを閉じると腰を低くして無双セイバーを構えると一気に振り抜いて赤いイチゴのエネルギーを放った。
アレクト「ぐあああああっ!!」
アレクトは全身から火花を散らして地面に崩れ落ちてしまい同時に衝撃でゲネシスドライバーが腰から外れて地面に転がった。
アレクト「くっ…あり得ない…私がここまで圧倒されるとは…」
葉月「先輩のドライバーは返してもらいますね」
私はゲネシスドライバーを拾い上げるとアレクトは悔しそうな表情を浮かべた。
葉月「貴方が先輩のドライバーを使ったのが敗因でしたね…貴方…射撃が苦手みたいですし…マリカと相性が悪かったですね」
アレクト「くっ…覚えていろ呉島葉月!!貴様は必ず倒す!!」
アレクトはそのまま立ち去ってしまい私はロックシードの蓋を閉じて変身を解除すると湊先輩へと駆け寄った。
葉月「湊先輩大丈夫ですか?」
耀子「葉月…強くなったわ。もう私なんか軽く超えちゃったわね…」
葉月「先輩?」
耀子「葉月…貴方を支えると言っておきながら私は貴方に助けられてばっかりね…こんな私では貴方を…」
葉月「先輩…自分を責めないでください…私は湊先輩が居たからこそここまで戦って来れたんですよ?」
耀子「えっ…」
葉月「ユグドラシルで出会ってから私は先輩の後ろを付いて歩く事しか出来ませんでした…そして先輩を死なせてしまい、私は自分の弱さを味わいました…今のままでは誰も守れないと…」
耀子「葉月…」
葉月「だからこそ…湊先輩が戻って来てくれた時、私はとても嬉しかったんです。そして同時に誓いました…湊先輩は私が守ると!!」
耀子「私を守る…?」
葉月「私はこれまで先輩にたくさん助けられてました。今度は私が先輩を守ります!!」
耀子「葉月…でも私は…」
葉月「だって私は仮面ライダーだから…湊先輩も街のみんなも守らないといけないんです…」
耀子「立派になったわね…葉月。…決めたわ葉月…」
葉月「?」
耀子「私も強くなるわ…貴方を支えられるぐらいに私もこの世界の脅威と本気で戦うわ!!」
葉月「せ、先輩…」
耀子「そしてもう1人の私のように…貴方の行く末を見届けるわ!!」
葉月「はい!!」
シロ「見届けるのはいいけど…自分を犠牲にするのだけはやめてよ?」
耀子「シロ?」
そこにシロちゃんがケミーカードを手に帰って来ており私はシロちゃんからケミー達を受け取った。
シロ「今は私の秘書なんだからさ勝手に居なくなったら困るんだよね…」
耀子「シロ…えぇ…わかっているわ」
シロ「命大事に…だよ?これからもお姉ちゃんの帰りは私達で守るから!!」
葉月「2人とも…ありがとうございます。」
-数日後-
私はケミー回収のために再び過去に飛ぶことになりケミーライザーを装着した。
葉月「それじゃ…」
私はケミーライザーを装着してサーチカードを取り出すとケミーライザーに装填した。
(サーチモード)
カードを装填すると探知音が鳴り響いてしばらくケミーライザーを手に装着したまま待機しているとケミーライザーが反応を示したのか音声が鳴り響いた。
(ケミーヒット!!)
(コズミックケミー!!ファンタスティックケミー!!)
葉月「それじゃ行って来ますね」
耀子「えぇ…行ってらっしゃい葉月」
葉月が手を振った直後に葉月の体は赤い光に包まれて一瞬でこの時代から消え去り、残された耀子は葉月が消えた方向をじっと見つめていた。
耀子(葉月…貴方の帰るこの場所は私が守るわ!!だから任務を達成して必ず無事に帰って来なさい…)