仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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285話 不死鳥の導き

 

-2018年-

 

インフェニックス「フェニーックス!!」

 

葉月「あれ…貴方は…」

 

ファンガイアと揉み合った際に、事前に恵さんのコートのポケットに仕込んであったマーキュリンの反応を追って廃ビルへと辿り着いた私は、前方の建物から赤い鳥のようなケミーが飛んで来るのが見えて、トライチェイサーを停車させた。

 

葉月「もしかして貴方がこの時代に迷い込んだケミー!?こんなところに居たなんて…」

 

インフェニックス「フェニックス!!」

 

鳥のケミーは自分でケミーカードへと戻ると私の手元に収まり、私は新たに手に入れたケミーカードをじっと眺めた。

 

葉月「インフェニックス…貴方もしかして人目を避けてここに…?」

 

ふと廃ビルへと視線を向けると同じくカードに戻ったマーキュリンとインフェニックスのカードを交互に見比べた。

 

葉月「マーキュリンもお疲れ様…確かにここはケミーが隠れるのにも恵さんを誘拐するのにも最適な場所ですね…」

 

私は廃ビルへと入ると足跡が微かに残っており私は足跡を辿って廃ビルの奥に足を踏み入れた。

 

葉月「居ない…一体何処に…」

 

ふと辺りを見渡すと近くの古びた棚の上に女性の服が置いてある事に気が付いて思わず駆け寄って女性の服を手に取った。

 

葉月「これ…恵さんの…?」

 

インフェニックス「フェニックス!!」

 

カードの中のインフェニックスが鳴き始めて私は顔を上げると建物の外に通じる明け放たれたドアが目に入り、ドアの向こうへと足を踏み入れた。

 

葉月「建物の隣に式場?」

 

隣の建物に式場のような古びた建物があり式場の入り口を開けると中から人の話し声が聞こえて来た。

 

悟「なんで俺がウェディングドレスやマニキュアを買わなきゃいけない…」

 

糸矢僚「恵ぃぃぃぃ!!素敵なドレスだぁぁ…結婚式を始めよう!!」

 

悟「聞いているのか!?グアッ…」

 

スパイダーファンガイアは悟を蹴り飛ばしてしまいその腹部を踏みつけた。

 

糸矢僚「お前はもう用済みだ…」

 

悟「ぐっ…貴様ぁ!!」

 

スパイダーファンガイアは悟を糸で体をぐるぐるに縛ると地面に転がしてしまい、人間体に戻ったスパイダーファンガイアは黒いドレス姿で同じく糸で体を拘束されたままの恵にゆっくりと顔を寄せて来た。

 

糸矢僚「さぁ…誓いのキスをしよう!!」

 

恵「嫌っ…嫌ぁ!!」

 

悟「くっ…」

 

もう少しで唇と唇が重なるといったところで突如入り口のドアが勢いよく明け放たれて眩しい陽の光が差し込んだ。

 

 

葉月「その結婚…待ったああああっ!!」

 

 

恵「呉島さん!!」

 

葉月「ハアッ!!」

 

葉月はインフェニックスのケミーカードを構えると恵に向かって投擲し体を縛る糸を切り裂くと恵さんは拘束から抜け出して葉月の元へと駆け寄った。

 

糸矢僚「恵ぃぃぃぃ!?お前…許さんぞ!!」

 

葉月「恵さんが貴方のような人と結婚?ふざけないで…ハアッ!!」

 

糸矢僚「ギャッ!!」

 

葉月は恵の銃を連射し人間体のスパイダーファンガイアに容赦なく銃弾を浴びせた。

 

葉月「さぁ…逃げましょう!!って着替えるの早い!?」

 

恵「私、プロだから!!早着替えなんて朝飯前なのよ!!」

 

葉月「いえ、プロは関係ないような…それよりここから逃げましょう!!」

 

恵「うん!!ありがとう…助けに来てくれて!!」

 

葉月「マネージャーですから…さぁ行きましょう!!」

 

建物の外へと抜け出すとトライチェイサーに跨り私達その場から退散しその後をスパイダーファンガイアが怒りの表情で追いかけようと走り出した。

 

糸矢僚「恵ぃぃぃぃ!!逃がさああああん!!絶対に捕まえて結婚するのだぁぁ!!」

 

???「いや…充分楽しめた。貴様にもう用は無い!!」

 

山を降りる途中でタブレットを持った謎の人物が立ち塞がりスパイダーファンガイアは怒りの表情を浮かべた。

 

???「ヒロイン2人の逃走劇…ここからが本番なんだよ!!」

 

糸矢僚「ぐぎいいいい!!お前…恵の場所を教えてくれた筈だぁぁぁそれなのに何故だあああ!!」

 

???「決まっているだろう?私が楽しめればそれでいい…本来の歴史とは少し展開が変わりそうだからな!!お前は充分役目を果たしてくれた…」

 

糸矢僚「許さああああん!!お前は消えろ!!」

 

人間体からファンガイアへと変身したスパイダーファンガイアは謎の人物に襲い掛かるが突進を冷静に躱すと背後に蹴りを浴びせてしまった。

 

???「そもそも貴様は呼んだつもりはなかったんだが…私に利用される事を有難く思うがいい!!」

 

糸矢僚「貴様ぁぁぁ!!」

 

スパイダーファンガイアは怒りの表情を浮かべるが謎の人物はタブレットを操作すると腰にベルトを出現させた。

 

???「蜘蛛相手ならこっちも蜘蛛だ…変身!!」

 

 

(Open Up)

 

ベルトのバックルを展開すると蜘蛛の絵柄のシールドのようなものが出現してスパイダーファンガイアを弾き飛ばしてしまい謎の人物は仮面ライダーレンゲルへと変身を完了させた。

 

???「仮面ライダーレンゲル!!」

 

糸矢僚「アアアアアッ!!」

 

スパイダーファンガイアは糸を吐いて攻撃するが謎の人物はレンゲルラウザーで攻撃を弾いてしまい素早く接近するとラウザーを体に叩きつけた。

 

???「お前はもう用済みだ…」

 

 

(ブリザード)

 

(スクリュー)

 

謎の人物は2枚のカードをラウザーにスラッシュすると技が発動し手に氷のエネルギーがチャージされた。

 

 

(ブリザードゲイル)

 

糸矢僚「なんだコイツ…ひぃぃぃ」

 

スパイダーファンガイアは背中を見せて逃走を始めてしまいその背中を向かって手を広げて構えた。

 

 

???「逃すか…ハアッ!!」

 

拳から吹雪が放たれてスパイダーファンガイアは凍りついてしまい謎の人物は3枚のカードを取り出して構えた。

 

???「こいつらを使ってやる」

 

3枚のカードをスラッシュして足元に力を溜めると何かに気づいて動きを止めた。

 

???「やはりカリスの技の音声は流れないか…まぁいい…」

 

再び構えに入ると足元に風の力が宿り高く飛び上がるとぼそりと呟いた。

 

???「スピニングダンス」

 

回転しながら氷漬けとなったスパイダーファンガイアへと突っ込んでそのまま爆発する事なくその体は粉々に砕け散ってしまい地面に着地を決めた。

 

???「えっと…この後なんて言ったかな…」

 

謎の人物はタブレットを操作して何かの映像をチェックすると再びタブレットを仕舞い込んで台詞をぼそりと呟いた。

 

???「これが最強のライダーの戦い方だ!!」

 

その様子を影からゴートファンガイアが覗いており、静かにその場を離れて山を降り始めた。

 

悟「あいつに関わるとやばい…早く恵を俺の手に取り戻さないと!!」

 

 

 

 

葉月Side

 

私達は山を降りると一般道を駆け抜けてカフェ・マル・ダムールを目指して走っていたが近くから爆発音が聞こえて来て辺りを見渡した。

 

葉月「今のは…」

 

恵「あれ!!」

 

恵さんが何かに気づいて視線を向けると近くの広場に巨大な怪物がおりその真下には金色の戦士が剣を手に戦っていた。

 

恵「渡君!!」

 

葉月「えっ…じゃああの人がキバ!?」

 

悟「逃がさんぞ…恵ぃぃぃぃ!!」

 

恵「うわっ…しつこいファンガイア!!」

 

私達の後方から縛られていた筈のヤギのファンガイアが迫って来ており私達はトライチェイサーを発進させると広場に乱入してトライチェイサーを停車させた。

 

 

(ウェイクアップ!!)

 

 

ふと少し離れた場所にいる渡さんへと視線を向けると渡さんは剣を手に巨大な怪物を切り裂いているところであり怪物は切り裂かれて大爆発を起こした。

 

恵「渡君、立ち直ったんだよかった…」

 

葉月「はっ…恵さん!!」

 

そこに私達の後を追ってヤギのファンガイアが迫っており私達にじりじりと迫って来ていた。

 

悟「追い詰めたぞ!!さぁ…俺の元に戻るんだ恵!!」

 

恵さん「ごめん!!私、貴方タイプじゃないの!!」

 

葉月「そういう事です。だから恵さんの事は諦めてください」

 

悟「くっ…恵ぃぃ…俺のものにならないというのなら…死ね!!」

 

名護「呉島君!!恵!!」

 

恵「名護君!?」

 

私達の背後からイクサらしき戦士に変身した名護さんがゆっくりと現れてヤギのファンガイアに向かって剣を向けた。

 

名護「恵を救ってくれたんだな…よくやった!!」

 

葉月「名護さん…」

 

名護「後は私に任せなさい…ファンガイア!!その命…神に返しなさい!!」

 

名護さんが私の前に立とうとしたが私は名護さんを制して止めた。

 

葉月「あのファンガイアは私が倒します」

 

名護「何を言っている?イクサも無しに奴に挑むつもりか?」

 

葉月「まぁ…見ててください」

 

名護「しかし…」

 

恵「名護君!!呉島さんを信じましょう?きっと呉島さんには何かある…」

 

名護「…わかった…」

 

名護さんと恵さんが後ろに下がるのを確認すると私はファンガイアの前に一歩進み出た。

 

悟「貴様…散々俺の邪魔をしてくれたな!!貴様のライフエナジーを頂く!!」

 

突如、空中に2本の牙が出現して葉月の首を狙って牙が一斉に放たれた。

 

名護「やめなさい!!」

 

恵「呉島さん!!」

 

葉月「!!」

 

ギングリフォン「グリッ!!」

 

キンキラヴィーナ「ヴィーナ!!」

 

突如私のポケットから2枚のケミーカードが飛び出して空中の牙を弾いてしまいファンガイアは体勢を崩してしまった。

 

悟「なっ…なんだ今のは!?」

 

 

(アルケミスドライバー)

 

 

私は指輪をはめ直して、2枚のケミーカードを掴み取ると指輪を翳してカードを構えた。

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

 

(GINGRFFON!)

 

 

葉月「ふっ!!」

 

 

(KINKIRAVINA!)

 

 

カードを2枚装填すると私は指輪をはめている左手を上に掲げてゆっくりと下に手の甲を見せながら下ろした。

 

 

(As above, so below……As above, so below…)

 

 

私は下ろした掌を右手の掌と重ねて頭の上に掲げながら重ねた手を反転させると続けて重ねた掌を胸の辺りまで一気に下げて最後に両手で錬金マークを作りながら前に突き出して勢いよく叫んだ。

 

 

葉月「変身!!」

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

 

(シャイニングフェザー!)

 

 

 

(ヴィーナスグリフォン!)

 

 

私は仮面ライダーヴィーナス・真へと変身を果たすと目の前のヤギのファンガイアに向けて戦闘のための構えを取った。

 

名護「何…あれは!?」

 

恵「イクサ以外のライダーシステム!?」

 

悟「なんなんだよお前!?」

 

葉月「字(あざな)は、仮面ライダーヴィーナス・真!!」

 

名護「ヴィーナス…だと…」

 

葉月「ハッ!!」

 

葉月はマントを翻しながら素早く接近するとゴートファンガイアの顔面に拳を叩き込み、思わず顔を覆ったファンガイアに対して腹部に連続で拳を叩き込んで最後に蹴りを叩き込んだ。

 

悟「ぐふっ…調子に乗るな!!」

 

葉月「ふっ!!」

 

ゴートファンガイアは角から斬撃の刃を飛ばすが葉月は背後に高く飛び上がり空中で一回転しながら地面に着地を決めた。

 

 

キバットバットⅢ世「おい渡!!あれを見ろ!!」

 

渡「あれは…!?」

 

太牙と別れた渡はゴートファンガイアと戦う謎の戦士に視線を向けるとその戦いをじっと見つめた。

 

キバットバットⅢ世「すっげぇなぁ…あんな可憐な戦い方が出来るとは…」

 

渡「恵さんや名護さんが側に居るって事は知り合いかな?」

 

 

悟「ハアッ!!」

 

葉月「うっ…あぁっ…」

 

接近戦で圧倒していた私であったが突如ファンガイアは高速で動き始めて私は何度も突進を受けてしまい地面を転がった。

 

葉月「なんて素早い…」

 

悟「ハッ!!俺の動きにはついて来れない!!」

 

私は首を掴まれてしまいそのまま放り投げられてしまい地面を何度も転がりながらも体勢を整えようと膝を突いた。

 

葉月「あいつの動きを止めなきゃ…」

 

インフェニックス「フェニーックス!!」

 

突如手首のカードホルダーから声が聞こえて来たのでカードホルダーの蓋を開けてカードを取り出すと新たに仲間に加わったインフェニックスであった。

 

葉月「インフェニックス?でもガッチャンコ相手が居なきゃ貴方は…」

 

りんね(葉月さん!!ケミーライザーを使って!!)

 

葉月(っ!!そっか…その手がありましたね!!)

 

私はカードを腰のケミーライザーに素早く装填するとボタンを押した。

 

 

(ケミーライズ・インフェニックス)

 

 

葉月「フッ!!」

 

私の足元に火炎の力が宿り、足を地面に叩きつけると私の周りに火柱が上がり高速移動していたファンガイアは火柱に巻き込まれてしまった。

 

悟「ガッ…バカな…」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

動きを止めたファンガイアに向かって駆け出すと火炎の力が宿った足で回転蹴りを浴びせるとファンガイアを上空に蹴り上げた。

 

 

葉月「ハッ!!」

 

 

(ヴィーナスグリフォン・ノヴァ!)

 

 

悟「バカなぁぁぁぁ…」

 

 

葉月「デヤアアアアアッ!!」

 

私のライダーキックがファンガイアに叩き込まれてファンガイアはカラフルなステンドグラスが砕けるように粉々に砕け散ってしまい私は地面に着地を決めた。

 

葉月「ふぅ…」

 

恵「やったわ!!」

 

名護「呉島葉月…女神ヴィーナスの名を持つ戦士か…」

 

戦いを終えた葉月の元に駆け寄る恵に対して名護はヴィーナスの名を持つ戦士の姿を思い出して首を傾げながらも遅れて葉月の元へと合流した。

 

 

 

 

 

 

 

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