仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

295 / 296
295話 奪われたヴィーナス

 

葉月Side

 

気を失っていた私はゆっくりと立ち上がると、すぐ隣にレイカさんが倒れているのに気づいた。

 

葉月「レイカさん!?しっかり…」

 

レイカ「ん…アンタ、呉島葉月。あっ…そういえば私達…あの変なおっさんに…」

 

カスミ「大丈夫だった?」

 

私の近くに桃色の服装の女性が立っており、私達はゆっくりと立ち上がった。

 

葉月「貴方は!?」

 

カスミ「アタシはタイムジャッカーのカスミ。貴方達の味方よ」

 

葉月「タイムジャッカー?それって何ですか?」

 

カスミ「様々な時間や並行世界を旅しながら、仮面ライダーの歴史を観測する者…かな?」

 

葉月「時間を!?私と同じく過去へ行けるんですか?」

 

カスミ「そういう事。それよりやっと会えたね水瀬葉月さん!!」

 

葉月「え?旧姓…」

 

カスミ「アタシ…貴方の活躍をずっと応援してたの!!貴方の戦って来た歴史を全部見て来たから…大変だったよね…」

 

葉月「えっ…あ…うん…」

 

カスミさんに強く手を握られてしまう私は、自分の歴史を見て来たという事実に困惑しながらも、苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

レイカ「そんな事より…今はあのおっさんを倒すのが先決でしょ!?」

 

カスミ「あぁ…そうだった…アタシならオーロラカーテンの向こうへ貴方を連れて行ってあげられるよ」

 

葉月「本当ですか!?」

 

カスミ「アタシは物語を観測する者として過去や未来、あらゆる並行世界へとアクセス出来るの!!当然オーロラカーテンを通り抜ける事もね」

 

レイカ「アンタ…一体何者なの?」

 

カスミ「言ったでしょ?アタシは観測者。ありゆる物語に登場人物の1人として介入出来る存在。」

 

葉月「よくわかりませんが…あのドーパントが向かった場所へと連れて行ってくれますか?」

 

カスミ「そう来なくっちゃ!!さ、乗って!!」

 

カスミさんは携帯のような物を取り出して何かを入力し始めると、上空から巨大な乗り物を呼び出した。

 

レイカ「ごめん…アタシは今、満足に動けないわ…」

 

カスミ「あぁ…これを使って…」

 

カスミさんは何かの注射器を取り出してレイカさんの腕に注射すると、レイカさんの体の崩壊が止まった。

 

カスミ「細胞が壊死するのを止める注射だよ…でもしばらくは動かない方がいいわ。」

 

レイカ「わかったわ。呉島葉月、カスミ、あのおっさんの始末はアンタ達に任せる。」

 

葉月「わかりました。レイカさんはここで休んでいてください!!」

 

注射をしても尚、具合の悪そうなレイカさんを介抱して、私とカスミさんは乗り物に乗り込んだ。

 

カスミ「このタイムマジーンは特別製でね。過去、未来、そしてあらゆる並行世界へ行く事が出来る。アナタをあのドーパンントの元に連れて行ってあげる!!」

 

葉月「お願いします!!」

 

カスミ「それじゃ…行くよ!!」

 

タイムマジーンを起動して時空に謎のゲートを出現させると、一瞬でスピードを上げて穴に飛び込んだ。

 

 

 

京水「ワタシが愛してあげるわ!!」

 

貴虎「こいつは…」

 

貴虎はソニックアローで京水の伸びる手を弾きながら距離を詰めるが、京水は手からマスカレイドドーパントを召喚した。

 

貴虎「何!?」

 

 

(ブドウアームズ!龍・砲・ハッハッハッ!)

 

 

直後に光実のドライバーの変身音が響き渡り、龍玄に変身した光実がマスカレイドドーパントに銃撃を放った。

 

光実「兄さんはあいつを!!ここは僕が!!」

 

貴虎「任せたぞ光実!!」

 

貴虎は再び京水へと視線を向けると、京水は再び手を伸ばして攻撃を放つが、貴虎はソニックアローで斬撃を放ち弾いていく。

 

京水「なかなからやるわね…でも…!!」

 

貴虎「何…!?」

 

すぐに再生した手は貴虎の体を拘束してしまい、貴虎はソニックアローを落としてしまった。

 

京水「捕まえたわよ〜さぁ…いらっしゃーい!!」

 

光実「兄さん!?」

 

京水は貴虎を拘束して自身の元へとぐいと引き寄せようと手を縮め始めた。

 

京水「ワタシが抱きしめてあげる」

 

貴虎「くっ…」

 

貴虎は京水へと引き寄せられるが、そこに貴虎を掴む手を何者かが切り裂き、貴虎は地面に転がった。

 

京水「あっ…もう少しだったのに…もう誰なの!?」

 

凰蓮「大丈夫!?メロンの君!!」

 

そこにはブラーボに変身した凰蓮が貴虎の体を支えており、貴虎はゆっくりと体を起こした。

 

貴虎「その呼び方はやめろ…」

 

凰蓮「前にも言ったでしょ?ワテクシにとってはいつまでもメロンの君よ!!」

 

京水「何よアナタ!?邪魔よ!!」

 

京水は再び腕を伸ばすが、凰蓮はドリノコで攻撃を弾いて距離を詰めた。

 

凰蓮「ハアッ!!」

 

京水「ぐっ…あぁん!!」

 

凰蓮は連続で京水にダメージを与えて蹴り飛ばした。

 

凰蓮「何よ貴方…気持ち悪い悲鳴を上げるのね?」

 

京水「何よ!!レディに対して最低よ!!」

 

貴虎「……決めるぞ!!」

 

凰蓮「えぇ…」

 

 

(メロンエナジースカッシュ)

 

 

(ドリアンスカッシュ)

 

 

貴虎・凰蓮「「ハアッ!!」」

 

京水「いやああああん!!」

 

2人はドライバーを同時に操作してそれぞれの武器を構えると、京水に斬撃を放った。京水は攻撃を受けて吹き飛ばされた。

 

貴虎「ちっ…やりにくい…」

 

凰蓮「まったくほんとよね…」

 

貴虎「いや、お前も…」

 

凰蓮「?」

 

貴虎は脳内にハテナマークを浮かべながらも京水の方へと視線を向けると、変身の解けた京水が立ち上がっており、その姿を見た2人は驚きの表情を浮かべた。

 

凰蓮「あっ…やりすぎちゃったわ!!」

 

貴虎「待て…様子がおかしい…」

 

京水の首は曲がり、腕もあらぬ方向へと曲がってしまっており、普通の人間なら死んでもおかしくない状態であった。

 

京水「よくも…やってくれた…わね…あぁん!!」

 

京水は首を無理やり元に戻すと、首の感触を確かめるためにぐるりと回し始め、首からはポキリと骨が鳴る音が響いた。

 

貴虎「こいつは普通の人間ではないな…」

 

京水「そこのドリアンの仮面ライダー…アンタは許さないわ!!」

 

凰蓮「何よ!!ちょっとばかり体が丈夫だからって、ワテクシ達に勝てるとでも?」

 

京水「そうね。でもワタシにはこれがあるわ!!」

 

京水は葉月のゲネシスドライバーを取り出して装着し、マロンエナジーロックシードを構えると、凰蓮は驚きの表情を浮かべた。

 

凰蓮「なっ…どうしてお嬢さんのドライバーを!?」

 

貴虎「バカな…」

 

京水「変……身!!」

 

 

(マロンエナジー)

 

京水はマロンエナジーロックシードを両手で天に向かって掲げると、ドライバーに装着してハンガーを閉じ、レバーを一気に押し込んだ。

 

 

(ロックオン・リキッド)

 

 

(マロンエナジーアームズ)

 

京水の体を白いアンダースーツが覆い、茶色の栗の鎧を装着するとソニックアローを掴み取った。

 

貴虎「アーマードライダーヴィーナスに…!?」

 

京水「いいわぁ…これが仮面ライダーなのね…アタシにピッタリじゃなーい!!」

 

京水は自身の鎧と白いスーツに触れると体をくねらせ始め、それを見た貴虎は顔を背けてしまい、凰蓮は地団駄を踏んだ。

 

凰蓮「何で貴方がそのドライバーを…まさかお嬢さんに何か!?」

 

京水「あぁ…あの白い短いスカートを履いた女ね。足なんか出して嫌らしいわ!!」

 

凰蓮「なっ…」

 

京水「ちょっとアタシより可愛いからって調子に乗って…だから痛い目をあってもらったわ!!今頃どこかで野垂れ死んでいる筈よ!!」

 

凰蓮「そんな…嘘よ!!」

 

京水「嘘じゃないわ…彼女のベルトがここにあるのがその証拠…」

 

貴虎「…葉月…」

 

京水「ワタシに無様に敗北してベルトを無理やり腰から外されて奪われた時のあの絶望感な表情…あぁん…たまんないわ!!」

 

貴虎「!!」

 

凰蓮「乙女の腰から無理やりベルトをぶん取るなんて…最低よ…さいて…あ…」

 

 

-回想-

 

凰蓮(ついでにお嬢さんのドライバーもいただいていくわね…)

 

葉月(…っ!!やめ…やめて!!)

 

凰蓮(未熟な貴方にはあの白く麗しいメロンの君の秘書は相応しくないわ…その過ぎた力も手放して貰うわ!!)

 

 

-現在-

 

凰蓮も過去に葉月のゲネシスドライバーを無理やり奪った事実を思い出してつい罪悪感が襲い掛かり、思わず地面に膝を突いた。

 

凰蓮「ワテクシも同じだったわ…」

 

京水「さぁ…まずは貴方から始末してあげるわドリアン君。」

 

京水はソニックアローの刃先を凰蓮に向けるが、貴虎が前に出てソニックアローを構えた。

 

貴虎「貴様…先程、葉月が敗北して野垂れ死んでいると言ったな?お前は葉月の事を何もわかっていない…」

 

京水「何ですって?」

 

貴虎「彼女は強い…私が認めた…私が愛した女だ。たとえドライバーを奪われようが、人々の自由を守るためなら諦めずに戦い続けるだろう!!」

 

京水「何…ぐわっ…」

 

京水はどこからか射撃を受けて咄嗟にガードするが、鎧が火花を散らしてしまい、思わず攻撃が放たれた方向へと視線を向けた。

 

光実「葉月さんは強い…これまでも様々な困難を打ち破って来た…僕の仲間が沢芽市を離れても彼女は沢芽市に残って戦い続けている…そんな彼女がお前なんかに負ける訳がない!!」

 

京水「なっ…何なのよ!?彼女のドライバーはワタシが持っているのよ!?彼女は間違いなく負けた…負けたのよ!!」

 

凰蓮「いいえ…お嬢さんの心が折れない限りあの子に負けは無いわ!!」

 

 

(マロンエナジースカッシュ)

 

 

京水はゲネシスドライバーのレバーを一回絞るとソニックアローにエネルギーを溜め始めた。

 

京水「だったら…貴方達を滅ぼして貴方達よりワタシの方が正しいって証明するわ!!」

 

貴虎「来るぞ…」

 

光実・凰蓮「「っ!!」」

 

3人が必殺技に対抗しようと身構えるが、突如上空からタイムマジーンが出現して、京水は思わず動きを止めた。

 

京水「何なのよ、あれ〜?ぎゃっ…」

 

タイムマジーンから銃撃が放たれて、京水はソニックアローを手放してしまい、思わず痛む手を押さえた。

 

葉月「皆さん!!」

 

貴虎「葉月…やはり無事だと信じていたぞ!!」

 

葉月がタイムマジーンから現れて、その後ろからカスミがファイズフォンXを構えたまま姿を現した。貴虎は思わず変身を解いてから葉月に駆け寄った。

 

光実「葉月さんの新しい友達?」

 

カスミ「呉島光実!!ここは葉月に任せて!!」

 

光実「え…でも…」

 

凰蓮「坊や?ここはお嬢さんとメロンの君に任せましょう?」

 

光実「兄さん…葉月さん…うん、わかった!!」

 

光実と凰蓮はロックシードの蓋を閉じて変身を解除し、後ろに後退した。

 

カスミ「さぁ…夫婦のパワーをあいつに見せてあげて!!」

 

京水「夫婦!?まさか…メロンの貴方…その女と!?」

 

貴虎「葉月は私の妻だ…言ってなかったか?」

 

京水「初耳よ〜」

 

葉月「ドーパント!!レイカさんを痛ぶり、私の大切な人達を傷つけると言うなら…私は貴方を倒す!!」

 

京水「なっ…何よ!!貴方のベルトはワタシの物…貴方はもう仮面ライダーになれない!!」

 

貴虎「言っただろう…葉月は…私の妻は強いと…人々の自由を守るなら戦い続けるだろう…」

 

京水「くっ…なら…あの子を殺してメロンの貴方を必ずワタシのモノにするわ!!」

 

 

(アルケミスドライバー)

 

 

葉月「もう…私は貴方には負けない!!」

 

貴虎「油断するな葉月。奴は強敵だ!!」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

私は指輪をはめ直してドライバーを腰に装着させると、指輪を翳してカードを取り出した。

 

葉月「貴虎さんと一緒なら…絶対に負けない!!」

 

 

(GINGRFFON!)

 

 

(KINKIRAVINA!)

 

 

 

(メロンエナジー)

 

 

同じく貴虎もメロンエナジーロックシードを再び起動させ、ドライバーにロックシードを装着してハンガーを閉じた。

 

 

(ロックオン)

 

 

カードを2枚装填した私は、指輪を嵌めている左手を上に掲げてゆっくりと下に手の甲を見せながら下ろした。

 

 

(As above, so below……As above, so below…)

 

 

葉月・貴虎「「変身!!」」

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

(ソーダー!!)

 

 

 

(シャイニングフェザー!)

 

 

 

(ヴィーナスグリフォン!)

 

 

 

(メロンエナジーアームズ)

 

 

葉月はヴィーナス・真に貴虎は斬月・真にそれぞれ変身を完了させると、葉月はガッチャートルネードを掴み、貴虎はソニックアローを手にした。

 

京水「何なのよ…何なのよ…貴方達!?」

 

 

葉月「ここからは…私達のステージです!!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。