巧Side
葉月の元から離れた巧はオートバシンを走らせて海の見える海岸へとやって来ていた。海を見つめながらかつての友人の言葉をふと思い出していた。
巧(お前…何でそんなに一生懸命なんだ?)
真理(夢を持つとね時々すっごく切なくて時々すっごく熱くなるんだ…だからかな?)
真理(ファイズとして戦えるのは巧しかいない…)
かつて共にクリーニング店で働きながらスマートブレインの陰謀に立ち向かった少女と、あるオルフェノクの青年の言葉がふと思い出す。
木場(たとえオルフェノクであっても人間の心を失わなければそれでいい…人間として生きていけると思うんだけど)
真理(それで何?巧の夢って?)
巧(世界中の洗濯物が真っ白になるみたいにみんなが幸せになりますように)
巧「俺はどうしたら…」
マリ「やっぱりここにきてたんだ」
巧の元にマリと呼ばれる少女が駆け寄る。仮面ライダーXこと神 敬介の預かっている少女であった。
マリ「海は全てを受け止めてくれるんだって!!そう神さんは言ってた。」
巧「そういえばそう言っていたな…」
マリ「お兄ちゃんも仮面ライダーなんだよね?やっぱり何か悩み事?」
巧「俺より生きる意味を見出していた奴が死に、俺が生き残ってしまった…俺は空っぽだ…」
マリ「そうなんだ…」
巧「俺は…何の為に戦えばいい…?」
マリ「うーん…難しい話はよく分からないけど…私だったらいろんな人との繋がりを守りたいって思うな」
巧「繋がり?」
マリ「私、神さんに出会ってからいろんな人と話す様になったんだ…いろんな人と関わっていくうちに自然と繋がりが生まれるんだ…その人達との繋がりは断ち切りたく無いって思うな。」
巧「……」
マリ「お兄ちゃんにもいるでしょ?繋がりを大切にしたい人!!」
巧「俺は…」
ふと巧の頭に浮かぶのは真理や啓太郎、木場などのかつて共に過ごした仲間の顔であった。
マリ「お兄ちゃんの夢は?」
巧「そうだな…世界中の洗濯物が真っ白になるみたいにみんなが幸せになってほしい…ってところだな…」
マリ「そっか…いい夢だね!!お兄ちゃんの夢!!」
巧「…なんかこんなに話したのは久しぶりだな…なんかすっきりしたよ」
マリ「また悩んだら海を見にきて!!悩みなんか吹っ飛んじゃうから!!」
巧「あぁ…そうするよ」
巧は自分の気持ちを海を見ながら吐き出した事で少し満足したような表情になりバイクに乗り、元来た道を引き返した。
葉月Side
私は乾さんを追ってバイクを走らせていた。私の腰には先ほど拾い上げたファイズのベルトが巻かれていた。ゲネシスドライバーと違いベルト帯が付いたままで収納するケースも無い為にバイク移動だった為に仕方なく腰に巻いていたのだ。
葉月「乾さん…どこ…?」
私はひたすらバイクを走らせていたが前方にバタンの集団が道を塞いでいるのに気づいてバイクを急停止させた。
葉月「しつこいですね…またバダンですか…!!」
ヒルカメレオン「きぇぇぇ!!」
ロブスターオルフェノク「ハアアッ!!」
2人の怪人が迫って来たので私はゲネシスドライバーを取り出して腰に当てようとしたがファイズのベルトを巻いていることを思い出してファイズのベルトを外そうと手をかけた。
葉月「あ…あれ…外れない……?」
ベルトを外そうとガチャガチャ動かすがなかなか外す事が出来ず私は酷く慌ててしまう。
葉月「もう…自分で巻いたベルトも外せないなんて飛んだマヌケじゃん…私…」
私は怪人のレイピアを躱しながら、背中のベルト留めを触ったりしたが慌てていたのかなかなかうまく外せないでいた。
葉月(もう…こうなったら仕方ない…)
葉月はファイズフォンをベルトから外して開いて中を確認した。中には変身のためのコードが記載されており私はすぐに変身のためにコードを入力する。
葉月「5・5・5…Enter …よし!!」
(standing by)
葉月「へ、変身…!!」
ファイズフォンから音声が流れて私はファイズフォンを閉じてベルトに装填して横に倒した。
(Error)
葉月「…なっ!?きゃあっ!!」
ファイズフォンからエラー音が響き気づくと私は衝撃で吹き飛び尻餅をついてしまい、ファイズのベルトが腰から強制的に外れてしまい地面にガチャンと音を立てて落ちた。
葉月(そうだよね…私じゃファイズになれる訳ないよね…さっき自分で言ってたじゃん…ファイズは乾さんだけだって…)
私は自分にツッコミを入れながらファイズのベルトを手元に回収しすぐにゲネシスドライバーを取り出して腰に装着した。
葉月(…でもベルトが外れてくれたおかげでようやくこれが使える!!)
(マロンエナジー)
葉月「変身!!」
私はマロンエナジーロックシードをすぐに起動してドライバーに装着してハンガーを素早く閉じてレバーを押し込んで変身した。
(マロンエナジーアームズ)
葉月「やああああ!!」
私は素早く変身を完了させるとソニックアローを構えて怪人2人に攻撃を仕掛けた。
ロブスターオルフェノク「ヤァッ!!」
葉月「あぁっ!!」
私は怪人のレイピアの一撃を受けて後ろに仰け反り、同時にカメレオンのような怪人に背後から攻撃を受けて倒れてしまった。
葉月「がはっ…」
私は2人の怪人の攻撃を受けて地面に何度も転がってしまった。再びソニックアローを構えて狙い撃つがレイピアで弾かれてしまう。
葉月「この2人強い…」
ロブスターオルフェノク「そのベルトはラッキークローバーの所有物よ…返して貰うわ」
葉月「らっきー?くろーばー?」
私は敵の言っている事がわからなかったがファイズのベルトを狙っている事に気づいてベルトを守る為に再び立ち上がった。
葉月「渡さない…これは乾さんが夢を叶える為に必要な物だから…」
私はファイズのベルトを拾い上げてそう言い放つ。これまでこのベルトで変身してたくさんの人達の笑顔を守って来たのだろうと私は思う。
葉月「そんな乾さんが今迷って戦えないでいる…もう一度立ち上がれる様になるまで…私が代わりに戦います!!」
私はふと前に葛葉さんの言い争った出来事を思い出していた。
紘汰(アンタ達は本当に街の皆をボタン1つで皆殺しにしようとしてたのか!!)
葉月(具体的な対策案が無ければ…そうしないといけないんです!!)
紘汰(何の罪も無い人達を大勢見捨てて…何が未来だ…ふざけんな!!)
葉月(私達が罪を背負っているのはわかってます…でも私達はその罪と向き合って未来を切り開いて行かないといけないんです!!)
葉月「そうだ…私は貴虎さんと一緒に人類を救うんだ!!たとえ…どんな辛い道だったとしても…」
私はファイズのベルトを握りながらそう決意して改めて怪人と向き合った。
葉月「戦う事が罪なら…私が背負ってやる!!」
私がそう叫ぶと私の手元にあるファイズフォン…では無く私のスーツのポケットの中にあるファイズのライダーカードが光り始めて形が変化し始める。
葉月「これ…また…ロックシードに変わる…?どういう原理?」
私がそう呟くとやはりファイズのライダーカードはファイズのロックシードへと変化して私の手元に収まった。
葉月「みんなの夢を…守る為に…!!」
(ファイズ)
私はファイズのロックシードを起動するとファイズの顔を模した鎧が現れて栗の鎧が霧散して白いアンダースーツが露出して私は素早くファイズロックシードを装着してハンガーを閉じてレバーを押し込んだ。
(ロックオン・リキッド)
(ファイズアームズ!!ミスタージャスティファイズ!!)
私はファイズの顔を模した鎧を見に纏った。私の両肩にはファイズの黄色の複眼部分が鎧になっており正面の鎧には銀色に赤いラインが入っており、私の手にはファイズエッジと呼ばれる武器が握られていた。
ロブスターオルフェノク「ファイズ…?」
私は変身を完了させるとふとぼそりと呟いた。
葉月「ミス・ジャスティファイズじゃ無いんだ…」