仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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300話(特別編)葉月争奪戦 前編

 

葉月「あれ…ここは!?」

 

ある日、私は目を開けると何故かユグドラシルの会議室におり、立ち上がって周りを見渡しているとスマホが鳴った。メッセージ画面を開くと、差出人の書かれていないメッセージが送られていた。

 

(今から貴方は大勢の鬼達に狙われます。貴方はその手に持つカードを守り抜いてください。明日の夜明けまでカードを守り抜いた暁には貴方の願いを1つ叶えてあげましょう)

 

葉月「願いを!?」

 

(ただしカードを奪われてしまえば、貴方はカードを奪った鬼に1日独占される権利を与えられてしまいます。)

 

葉月「なっ…なんですかこれは!?」

 

目の前に白いカードが現れて「葉月を1日独占出来る権利」と文字がカードに浮かび上がった。

 

 

(カードを奪われないよう最後まで守り抜いてください)

 

 

葉月「えぇっ!?何を勝手に!!」

 

私は思わずスマホの画面に向かって叫ぶが、メッセージはそこで終わってしまった。私はスマホをポケットに仕舞い込んで机に突っ伏した。

 

葉月「くだらない…そんな事より仕事仕事!!」

 

私は何かの冗談や迷惑メールだと思い、いつもの仕事に戻ろうと会議室を出ようとしたが、突如誰かが会議室のドアを叩いて来た。

 

葉月「はい」

 

シロ「おはようお姉ちゃん!!」

 

葉月「シロちゃん?」

 

入って来たのはシロちゃんであり、シロちゃんは私のほうをじっと真剣な表情で見つめた。

 

葉月「なんでシロちゃんがここに…?」

 

シロ「お姉ちゃん…私にカードを渡してくれる?」

 

葉月「なっ!?カードのことをどうして?」

 

シロ「お姉ちゃんを1日独占出来るなんて羨ましすぎる!!絶対私が手に入れるんだから!!」

 

葉月「ちょっとシロちゃん!?いつもより様子が…」

 

シロ「さぁ…大人しく渡してお姉ちゃん…」

 

シロちゃんはじりじりと距離を詰めて来たので、私は思わず後ろに下がった。シロちゃんはついに掌を私に向けた。

 

シロ「カードもーらい!!」

 

葉月「うわぁっ!?」

 

シロちゃんは私を捕まえようとヘルヘイムの植物の蔦を放って来たが、私はギリギリのところで回避することに成功した。

 

葉月「捕まるわけには…いかない!!」

 

シロ「あっ!?待て!!」

 

私は会議室を飛び出して外へと出ると周りには人は誰もおらず、街の様子も普段と違う様子であった。

 

葉月「あぁ…これって夢なんだ…だから人が居ないんだ!!」

 

りんね「あ、葉月さん見つけた!!」

 

私は夢の中の世界だと感じていると、背後から声が聞こえて来て視線を向けると、そこにはりんねさんが立っていた。

 

りんね「葉月さん疲れてない?いつも私とリンクしていて疲労が溜まってるんじゃない?」

 

葉月「え、もしかして貴方はいつも一緒にいる未来のりんねさん?」

 

りんね「そうだよ?たまにはゆっくりした方がいいんじゃない?」

 

葉月「そうですね。たまにはそうさせてもらいましょうか…」

 

りんね「うん。その前に…私にカードを預けてくれない?」

 

葉月「カード…ひっ!?」

 

カードと言う単語が聞こえた瞬間に私は一瞬で危機を感じて思わず後退すると、錬金術師の水色のローブに着替えて指輪を向けたりんねさんの姿が視界に映った。

 

りんね「ねぇ…どうして私から逃げるの?いつも一緒なのに…?」

 

りんねさんは目が黒く染まっており、私は思わずカードを握る手に力が籠った。

 

葉月「りんねさん…どうして!?」

 

りんね「葉月さんは私のモノなんだから…誰にも渡さない!!」

 

葉月「違いますりんねさん!!こんな馬鹿げた事…間違ってます!!」

 

りんね「さぁ…さぁ!!」

 

りんねさんはじりじりと距離を詰めて来たので、私は思わず走り出すと背後からマジェードの変身音が響いた。

 

 

(プロミネンスホーン!)

 

 

(サン・ユニコーン!)

 

 

りんね「ダァッ!!」

 

葉月「嘘っ!?」

 

マジェードに変身したりんねさんが私の背後に飛びかかった。私は咄嗟に地面を転がってりんねさんの飛び掛かりを回避した。

 

葉月「うわぁ!?」

 

りんね「どうして葉月さんは私から逃げるの?だったら…逃げられないようにしなくちゃ…」

 

葉月「一体何がどうなってるの!?りんねさんがヤンデレ化してる!?」

 

りんね「行くよ…ハアッ!!」

 

りんねさんは手からユニコンの角のような物をいくつも発射して、私の足元にいくつもの角のような物が突き刺さった。

 

葉月「りんねさんどうして私を!?貴方には未来の宝太郎さんがいるじゃないですか!!」

 

りんね「ハアーッ!!」

 

葉月「これは…回避出来ない…」

 

動きを封じられた私に向かって再びりんねさんが飛び掛かるが、突如りんねさんはどこからかの攻撃を空中で受けてしまい、地面に落下した。

 

りんね「くっ…うっ…誰!?」

 

チャッキー「葉月さんに手出しはさせない!!」

 

葉月「チャッキーさん!?海外にいる筈じゃ!?」

 

チャッキー「何言ってるの?葉月さんを独占出来るならすぐに飛んで行くよ!!」

 

チャッキーさんは懐から戦極ドライバーを取り出すと、腰に当てて装着してロックシードを2つ開錠した。

 

 

(イチゴ)

 

 

(マロンエナジー)

 

 

葉月「なっ…なんでチャッキーさんが私のドライバーを…?」

 

チャッキー「変身」

 

 

(イチゴアームズ! シュシュッとスパーク!)

 

(ジンバーマロン!ハハーッ!)

 

 

チャッキー「りんねさんには渡さない!!」

 

りんね「くっ…」

 

ヴィーナスに変身したチャッキーさんが無双セイバーとソニックアローの二刀流でりんねさんに切り掛かり、りんねさんは慌てて攻撃を回避し始めた。

 

葉月「いくら夢とはいえカード1枚のためにここまで争う必要があるわけが…」

 

 

(その通りここは夢の中です。これは貴方の危機管理能力を試す試練です。)

 

葉月「なっ!?」

 

しかし、突如メッセージが届いて私はスマホを開くと、驚きのメッセージが送られて来た。

 

 

(この夢の中の人達は全員が貴方の事を好きになっています。)

 

 

葉月「嘘っ!?」

 

(貴方を手に入れるために皆はどんな手段でも使っても、貴方とカードを奪いに来ます。)

 

葉月「夢の中とはいえ…もうなんでもありじゃん」

 

 

(夢の中とはいえ性格まで変わってしまっている人物もいるので気をつけてください)

 

私は溜息を吐くと、りんねさんとチャッキーさんが争っている隙を見てその場から静かに離れた。

 

 

葉月「どこかに隠れよう…日の出まで時間を稼ぐしか」

 

アレクト「見つけたぞ呉島葉月!!」

 

葉月「アレクト!?まさか…貴方まで!?」

 

アレクト「そのカードを奪ってお前を私のモノにしてやる!!」

 

葉月「なんで貴方まで私を!?」

 

私が狼狽えていると、私の背後にラケシスが現れて剣を向けた。

 

ラケシス「あら?葉月は私のペットですのよ?勝手な真似はおよしなさい?」

 

葉月「ペット!?」

 

アポロ「呉島葉月は僕のモノだ。君達にはあげないよ?」

 

葉月「真・冥黒の三姉妹まで!?」

 

ラケシス「アレクト邪魔をしないで欲しいですわ!!」

 

アレクト「ふざけるな!!こいつは私が最初に目をつけていた!!」

 

アポロ「邪魔をするなら2人とも消してあげるよ」

 

アレクト「面白い…掛かって来い!!」

 

ラケシス「受けて立ちますわ」

 

3人は拳や剣を手にするとそのまま戦い始めてしまい、残された私はこっそり忍足でその場から退散した。

 

 

-遊園地-

 

私は遊園地に逃げ込むと、知り合いがいない事を祈りながら観覧車へと飛び乗った。

 

葉月「ふぅ…ここまで来れば大丈…」

 

撫子「待ってたよ葉月さん。」

 

葉月「うわっ!?撫子さん!?」

 

ゴンドラの扉が閉まる直前に撫子さんが中に入って来て、私は思わず座席の奥へと身を寄せた。

 

撫子「まぁまぁ落ち着いてよ。ほら、またデートしよ?」

 

葉月「う、うん…」

 

撫子さんは落ち着いた様子で私の正面に座ると怪しげな笑みを浮かべて、私は一気に警戒度が跳ね上がった。

 

葉月「なんで遊園地にいるってわかったんですか?」

 

撫子「葉月さんと観覧車に乗ったのを思い出してね。きっとここに来るんじゃないかなってゲートのところで待ってたの!!」

 

葉月「うっ…撫子さんもカードを狙ってるんですか?」

 

撫子「まさかぁ…今、こうして葉月さんを独占してるじゃん。私は葉月さんとの時間を大事にしたいだけだよ」

 

葉月「そ、そうでしたか…ならよかったです…あはは…」

 

撫子「…でもさ…」

 

撫子さんは顔を伏せたまま私の隣に移動した。私は再び警戒度をあげて顔を伏せたままの撫子さんの方へと恐る恐る視線をむけた。

 

葉月「…でも?」

 

撫子「他の女性に葉月さんを独り占めされるのは許せないなぁ…」

 

葉月「ひぃぃぃぃ!!」

 

撫子さんの目がりんねさんの時と同じように黒く染まっており、私は後ろを振り返るが背後は壁で逃げ場がなかった。

 

葉月「こうなったら入口のドアを蹴破るしか…」

 

撫子「させないよ葉月さん…」

 

気づけば撫子さんは仮面ライダーイカロスへと変身しており、私の手を掴んだ。

 

葉月「は、離してください…」

 

撫子「あの時とは逆だね…今度は私が葉月さんを抱きしめる番!!」

 

屋上で撫子さんを抱きしめた時と同じような感じで、私は撫子さんに抱きしめられてしまった。

 

撫子「さぁ…カードをもらうよ葉月さん。」

 

撫子さんが私のカードを奪い取ろうと手を伸ばして、私は必死にカードを奪われないようにポケットの奥に仕舞い込んだ。

 

撫子「さぁ…私の手に!!」

 

 

(フローズンイーグル!)

 

 

???「そこです!!」

 

 

撫子「なっ…何なの!?」

 

葉月「仮面…ライダー…?」

 

 

いきなりゴンドラのドアが切り裂かれて外から水色の謎の仮面ライダーが現れ、私に跨る撫子さんに斬撃を与えた。

 

撫子「キャアッ!?」

 

???「さぁ…今のうちに!!」

 

葉月「えっ…いや…あの…貴方は一体!?」

 

???「説明してる時間はありません!!さぁ…私に捕まってください!!」

 

葉月「うわぁ…」

 

私は水色の仮面ライダーに抱えられるとそのままゴンドラから飛び降り、水色の仮面ライダーは翼を広げて空を飛び始めた。

 

???「危ないところでしたね呉島葉月さん…」

 

葉月「貴方は誰ですか?」

 

???「よっと…」

 

地面に降り立った私は、水色の仮面ライダーをじっと見つめた。

 

葉月「初めましてですよね?」

 

???「私の名前は…」

 

???「見つけたぞサヤ!!」

 

そこに金色の仮面ライダーが長い槍のような物を手に歩み寄ってきていた。

 

サヤ「くっ…ここまで追ってくるなんて…」

 

天津「いい加減に君のそのカードを渡してもらおう!!」

 

葉月「カード!?もしかして貴方も私と同じようにカードを!?」

 

サヤ「そう。私も貴方と同じように誰かに独占されるカードを手にしてしまったんです。私は人間じゃないのに夢の世界にいるのは何故かわかりませんが…」

 

葉月「人間じゃない?」

 

天津「サヤ…お前は私のモノだ!!」

 

サヤ「ふざけないで…私は誰のモノにもならない!!」

 

サヤと呼ばれた仮面ライダーが金色の仮面ライダーに挑み掛かり、赤い剣を振り翳すが、金色の仮面ライダーの斬撃を浴びて地面を転がった。

 

 

(ジャックライズ!)

 

 

(ジャッキングブレイク!)

 

 

サヤ「っ!!」

 

 

(ブリザードウィング!)

 

 

(フリージングレイン!)

 

 

サヤ「デヤアッ!!」

 

サヤさんは氷の斬撃を放つが金色の仮面ライダーの斬撃に押されてしまい、ついに吹き飛ばされてしまった。

 

天津「終わりだぁ!!」

 

サヤ「ぐはっ…」

 

葉月「あぁ…」

 

サヤさんは地面に叩きつけられたのと同時に、衝撃で腰の赤いベルトが外れて金色の仮面ライダーの足元にガシャリと落下した。

 

葉月「サヤさん!!」

 

ベルトが外れた事で全身の水色の氷が弾けるように変身が解けてしまい、水色と白のジャケットと黒いスカートを身につけた素顔のサヤさんが姿を現した。

 

葉月「貴方がサヤさん!?」

 

サヤ「くっ…こんなところで…」

 

天津「フン…カードは頂いていくぞ!!」

 

金色の仮面ライダーの足元にカードが落ちており、金色の仮面ライダーはカードを拾おうとカードに手を伸ばした。

 

葉月「奪われる…」

 

 

(ゼロツービッグバン!)

 

 

天津「何!?ぐわあああああっ!!」

 

その時、背後から音声が響き、金色の仮面ライダーに向けて高速移動しながら何者かがライダーキックを繰り出しており、金色の仮面ライダーは蹴りを受けて吹き飛ばされてしまった。

 

葉月「また新しい仮面ライダー!?」

 

サヤ「ゼロツー!?社長!?それともイズ!?」

 

ゼロツーと呼ばれた仮面ライダーは地面に落ちているカードを拾い上げるとカードが光り始めた。

 

(サヤさんを1日独占出来る権利を手に入れたのはシェスタさんになりました!!)

 

 

サヤ「え?シェスタ!?」

 

シェスタ「イズだと思いましたか?残念ながら私です」

 

ゼロツーは変身を解除すると中から黒いジャケットに赤いブーツを履いた女性が姿を現し、カードを手にして満足そうな表情を浮かべた。

 

サヤ「ど、どうして貴方がゼロツーのドライバーを!?」

 

シェスタ「貴方を独占出来ると聞きましてイズからお借りしました。」

 

サヤ「う、嘘ですよね…まさかシェスタが変身してまでカードを狙うなんて…」

 

シェスタ「これで私は貴方を1日好きに出来るというわけですね」

 

シェスタと呼ばれた女性はサヤさんの腕を掴み反対方向へと歩き始めてサヤさんは私の方へと顔を向けた。

 

サヤ「葉月さん…貴方は最後までカードを守り抜いてください!!私はまだ相手がまだ良かったですが暴走気味の人達に奪われば何されるかわかりません!!」

 

葉月「あ、ちょっとサヤさん!?」

 

サヤ「頑張ってください…そして次は現実世界で会いましょう!!」

 

シェスタ「さぁ…一緒に来てください…一緒に仕事を手伝ってもらいます!!」

 

サヤ「えっ!?せっかくの休みなのに!!ちょっと待っ…あ〜れ〜!!」

 

サヤさんはそのままシェスタさんに引きずられるように連れて行かれてしまい、私はその後ろ姿をじっと見つめていた。

 

葉月「誰だったんだろ…あの人…」

 

 

-夜-

 

私は人目を避けて地下駐車場の柱の影に背中を預ける形で座り込むと、ポケットの中のカードをじっと見つめた。

 

葉月「なんだか逃げるのも疲れて来た…もう捕まって楽になった方がいいかな?」

 

葉月は目を閉じるが駐車場内に何者かの気配を感じて慌てて立ち上がると、そこには私の仲間にしたケミー2体が立っていた。

 

マーキュリン「見つけましたよ葉月さん!!」

 

ドンポセイドン「我々からは逃れられない!!」

 

葉月「えぇ!?マーキュリンにドンポセイドン!?っていうか喋ってる…」

 

マーキュリン「葉月さんは私達のモノ!!」

 

ドンポセイドン「他の邪魔者は全て倒してやる!!」

 

葉月「まさか…夢とはいえケミーにも狙われるなんて…」

 

マーキュリン「行きますよ…ドンポセイドン!!」

 

ドンポセイドン「おう」

 

葉月「ま、まさか…」

 

マーキュリン・ドンポセイドン「「変身!!」」

 

 

(ウェーブガーディアン!)

 

 

 

(マーキュリーポセイドン!)

 

 

2体は合体するとヴィーナス・真マーキュリーポセイドンへと変身し、私に向かって手を差し伸べた。

 

葉月「まさか…ヴィーナス・真が…」

 

マーキュリーポセイドン「手荒な真似はしたくないの!!大人しくカードを渡して欲しいな?」

 

マーキュリーポセイドンが歩み寄るがその時別方向から攻撃が放たれてマーキュリーポセイドンは慌てて攻撃を回避していた。

 

 

(ハイテンションダンディ!)

 

 

(ゴキゲンオーディン!)

 

 

ゴキゲンオーディン「葉月には手を出させない!!」

 

ヴィーナス・真ゴキゲンオーディンが掌を構えており隕石の攻撃を放ったようだった。

 

葉月「ゴキゲンオーディン!?ヴィーナス・真が2人!?」

 

マーキュリーポセイドン「邪魔をしないでください!!」

 

ゴキゲンオーディン「邪魔なのは貴方でしょ!!」

 

2人のヴィーナス・真はお互いガッチャートルネードを召喚するとお互いの体にぶつけあい、2人はお互いにダメージを負って地面に倒れ込んだ。

 

葉月「ちょっと2人とも…いえ…4人?えっと…とにかくストーップ!!」

 

私は2人の戦いに割って入り、お互いの肩を優しく叩いてあげた。

 

葉月「貴方達は一緒に戦う仲間じゃないですか!!こんな事をしなくても一緒にいられますよ!!」

 

マーキュリーポセイドン「は、葉月さん…」

 

ゴキゲンオーディン「私達が間違ってたよ…」

 

葉月「だから…このカードを守るために私に協力してくれませんか?」

 

マーキュリーポセイドン「わかりました。葉月さんは私が守ります!!」

 

ゴキゲンオーディン「当然。他の奴らには渡さない!!」

 

耀子「そう…ならそのカードは私がもらうわ!!」

 

突如凛とした声が響いて私達が視線を向けると、アーマードライダーマリカに変身した湊先輩が、ソニックアローを手に歩いて来た。

 

葉月「湊先輩…」

 

ゴキゲンオーディン「しまった…まだこの人が残ってたか…」

 

マーキュリーポセイドン「何、ビビってるんですか!?こっちはヴィーナス・真が2人もいるんですよ?湊耀子にだって勝てますよ!!」

 

ゴキゲンオーディン「そっか…そうだよね私達なら勝てる!!」

 

耀子「そう…貴方達から倒されたいわけね?」

 

ゴキゲンオーディン「私達を舐めるな!!」

 

マーキュリーポセイドン「はああああああっ!!」

 

2人は湊先輩に挑み掛かるが湊先輩はソニックアローで2人をすれ違い様に切り捨てていき、2人は火花を散らしながら体勢を崩してしまった。

 

耀子「その程度なの?」

 

マーキュリーポセイドン「かはっ…」

 

ゴキゲンオーディン「そんな…ぐふっ…」

 

葉月「2人とも!!」

 

湊先輩はマーキュリーポセイドンの首を絞めるとゴキゲンオーディンを踏みつけてしまった。2人は湊先輩に抑え込まれてそのまま蹴り飛ばされて地面で呻いており、私は咄嗟に2人に駆け寄った

 

葉月「しっかり!!」

 

マーキュリーポセイドン「葉月さん…夜明けまであと少しです!!逃げて!!」

 

ゴキゲンオーディン「湊耀子は私達が抑えるから早く!!」

 

2人は湊先輩の動きを封じるために体にしがみ付くと、耀子は必死に2人を引き剥がしに掛かった。

 

耀子「くっ…離しなさい!!」

 

葉月「2人とも…ごめんなさい!!」

 

その時、私の足元にユニコンの角のような物が突き刺さった。私は慌てて後ろに交代すると、地下駐車場の天井を突き破ってりんねさんが姿を現した。

 

葉月「りんねさん!?」

 

りんね「葉月さん…やっと見つけた」

 

マジェードに変身したりんねさんが私の元にじりじりと距離を詰めて来て、私は変身しようと指輪をはめ直してケミーカードを取り出そうとしたが、2枚のケミーは見つからなかった。

 

葉月「あれ…居ない!?」

 

りんね「あの2体も葉月さんを狙って独自に行動しているみたいだね…けれどここまで辿り着けなかった…そういう事だね…」

 

葉月「キンキラヴィーナ…ギングリフォン…」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

りんね「この戦いも私の勝ちだね…」

 

葉月「しまった…」

 

りんねさんが私に向かって蹴りを放っており、私は必死にカードを守ろうとカードを胸に抱えた。

 

 

(サン・ユニコーン!ノヴァ!) 

 

 

りんね「葉月さん…これで終わり!!」

 

葉月「くっ…ここまで…ですか…」

 

私に向かって蹴りを放つが突如別方向から巨大な火の鳥がりんねさんを吹き飛ばしてしまい、地面に転がった。

 

りんね「今度は誰!?」

 

 

(マーズフェニックス!)

 

 

地面に着地を決めた火の鳥は人型へと変わり、赤い仮面ライダーが姿を現した。

 

葉月「赤い…ヴィーナス・真!?」

 

りんね「誰?」

 

赤いヴィーナス・真は赤い装甲と黒いスーツに身を包んでおり、背中の不死鳥の翼を模した赤い2つに別れたマントが風により大きくひらめいていた。

 

マーズフェニックス「九堂りんね…そして愚かな者達よ…いい加減に目覚めなさい?」

 

 

(ガッチャージガン)

 

 

赤いヴィーナス・真はオレンジ色の銃を取り出すと目の前のりんねさんとその後ろの湊先輩に銃撃を放ち、2人はダメージを負ってしまった。

 

耀子「くっ…また新たなヴィーナス・真が!?」

 

りんね「強い…!?」

 

マーキュリーポセイドン「助かりましたマーズフェニックス…」

 

ゴキゲンオーディン「べ、別に助けてなんて頼んでないし」

 

マーズフェニックス「情けないわね2人とも…その程度の力で葉月の支えになれるわけ?」

 

マーキュリーポセイドン・ゴキゲンオーディン「「うぐっ…」」

 

赤いヴィーナス・真が2人のヴィーナス・真に詰め寄っていたので、私は3人の間に割って入った。

 

葉月「まぁまぁ…でも助けてくれてありがとうございます。それにしてもヴィーナス・真が3人も…頼もしいですね!!」

 

マーズフェニックス「私だけじゃないよ」

 

葉月「えっ!?」

 

???「「その通り!!」」

 

地下駐車場の入り口にはまだ2人の謎の仮面ライダーがこちらに向かって歩み寄っており、私達は驚きのあまり目を見開いた。

 

葉月「なっ…オレンジ色のヴィーナス・真と白と水色のヴィーナス・真!?」

 

ジュピタウロス「待たせたな葉月!!」

 

サターンフェンリル「…葉月…助ける…」

 

りんね「ヴィーナス・真が5人も…」

 

耀子「勢揃いってわけね…」

 

ジュピタウロス「葉月…これを!!」

 

サターンフェンリル「…受け取って」

 

葉月「わっ…」

 

2人のヴィーナス・真が2枚のカードを投擲し、私は2枚のカードを掴み取った。

 

葉月「キンキラヴィーナ…ギングリフォン…」

 

ジュピタウロス「大事な相棒を手放しちゃダメだよ!!」

 

サターンフェンリル「…探すのに苦労した…」

 

葉月「ありがとうございます。みなさん…一緒に戦ってくれますか!!」

 

ヴィーナス・真達「「「うん!!」」」

 

耀子「面白いわ…全員倒してカードを回収するわ!!」

 

りんね「覚悟して…手加減しないよ!!」

 

 

湊先輩はマーキュリーポセイドンとゴキゲンオーディンを相手するが2人の連携技に押されてしまっており、そこにマーズフェニックスの銃撃が放たれた。

 

耀子「ぐっ…3人掛かりなんて…」

 

マーズフェニックス「悪く思わないで…これも葉月を手に入れるためよ!!」

 

耀子「調子に乗らないで!!」

 

マーキュリーポセイドン「キャアッ!!」

 

耀子は追い討ちを掛けようとガッチャートルネードを振り下ろすマーキュリーポセイドンの武器を叩き落とすと、腹部に膝を叩き込んで地面に倒してしまった。

 

耀子「まずは貴方から始末してやるわ青いヴィーナス・真…」

 

マーキュリーポセイドン「ぐっ…ううう…」

 

ゴキゲンオーディン「させるか!!」

 

耀子「わかりやすいわね、貴方…」

 

マーキュリーポセイドンの危機にゴキゲンオーディンが槍を手に耀子へと駆け出すが、耀子はソニックアローでゴキゲンオーディンを撃ち抜き、地面に倒してしまった。

 

ゴキゲンオーディン「湊耀子…強い…」

 

 

(ロックオン)

 

 

耀子「2人まとめて…消えなさい!!」

 

 

(ピーチエナジー!)

 

 

耀子はソニックアローにピーチエナジーロックシードを装着すると2人に向かって狙いを定めるが、2人の間にマーズフェニックスが割り込んでガッチャージガンを構えた。

 

 

(GIGABAHAM)

 

 

(KUROANA)

 

 

(GAIARD)

 

 

(ガガガガッチャージバスター!!)

 

 

マーズフェニックス「はあっ!!」

 

耀子「くっ…ぐあっ…」

 

マーズフェニックスの射撃が耀子のソニックアローの一撃を跳ね返すと、耀子はダメージを受けて地面に転がった。

 

マーズフェニックス「ほら2人とも…3人で決めるわよ!!」

 

マーキュリーポセイドン「は、はい!!」

 

ゴキゲンオーディン「わかった!!」

 

 

((アルケミスリンク!))

 

(ハイアルケミスリンク!!)

 

3人のヴィーナス・真は指輪をドライバーに翳してレバーを操作すると、同時に空中に飛び上がり耀子に向かって蹴りを放った。

 

 

(マーキュリーポセイドン・ノヴァ!)

 

 

(ゴキゲンオーディン・ノヴァ!)

 

 

(マーズフェニックス・ビックバンノヴァ!!)

 

 

(ピーチエナジースパーキング!)

 

 

4人の必殺キックが激突するが、3人のヴィーナスが耀子を押し返してそのまま蹴りを叩き込むと、耀子は変身が解除されて地面に崩れ落ちた。

 

耀子「ぐはっ…」

 

葉月「み、湊先輩…」

 

耀子「悔しいわ…でも…全力で戦えて悔いは無いわ…」

 

私は湊先輩に駆け寄ってその体を支えると、湊先輩の体は光の粒となって消えようとしていた。

 

葉月「先輩?湊先輩!?」

 

耀子「心配しないで…夢から目醒めるだけだから…」

 

湊先輩はそのまま消滅してしまい、私はすぐにりんねさんの方へと視線を向けた。

 

 

(YOACERBERUS!) 

 

 

(NEMINEMOON!)

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

サターンフェンリル「わっ…」

 

 

(スリーヘッドスリーパー!)

 

 

(ムーンケルベロス!)

 

 

りんねはムーンケルベロスに姿を変えるとサターンフェンリルに拳を叩き込んで吹き飛ばし、ジュピタウロスへと遠距離から拳の衝撃波を繰り出した。

 

サターンフェンリル「…い、痛いよ…」

 

ジュピタウロス「ちょっと…泣き言言ってる場合!?」

 

サターンフェンリル「…そうだった…私も本気…出す…」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

りんね「この一撃で決める!!」

 

 

(ムーンケルベロス・ノヴァ!)

 

 

りんねが拳に力を込めると、その様子を見たサターンフェンリルとジュピタウロスは同時に目を見合わせた。

 

ジュピタウロス「任せて!!ドラゴナロス!!」

 

 

(ケミーセット)

 

 

ジュピタウロスはガッチャートルネードを召喚するとドラゴナロスのカードを装填してカードを回転させた。

 

 

(トルネードアロー!)

 

 

ジュピタウロス「はあっ!!」

 

りんね「ぐっ…」

 

ジュピタウロスの射撃とりんねの拳がぶつかり火花を散らすが、サターンフェンリルがすぐに指輪をドライバーに翳して飛び上がった。

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

サターンフェンリル「だあっ!!」

 

 

(サターンフェンリル・ノヴァ!)

 

 

りんね「なっ…ぐわああああっ!!」

 

サターンフェンリルの蹴りがさらに押し込まれ、ついにりんねは吹き飛ばされて地面に転がった。

 

葉月「り、りんねさん…」

 

りんね「悔しいな…でも後悔はないよ…」

 

りんねさんも湊先輩と同じように光となって消え掛かっており、私はりんねさんの体を支えた。

 

葉月「また…現実で一緒に戦いましょう!!今は私達はチームなんですから!!」

 

りんね「うん。また…現実で…ね…」

 

そのままりんねさんも消滅してしまい、私はゆっくりと立ち上がると5人のヴィーナスへと視線を向けた。

 

葉月「もう追って来る人はいませんよね?」

 

マーズフェニックス「道中含めて、葉月に関わる人達はほぼ全員撃破した筈よ」

 

サターンフェンリル「…じゃあ残りは私達だけ?」

 

ジュピタウロス「だったら私達5人、いえ6人で決着をつける?」

 

ゴキゲンオーディン「おお!!それいいじゃん。どのヴィーナス・真が強いかはっきりさせよう!!」

 

マーキュリーポセイドン「え〜…私…戦うの嫌なんですけど…」

 

マーズフェニックス「あんた争い事が嫌いなのね?その性格はマーキュリン譲りかしら?」

 

ジュピタウロス「じゃあさ、決戦の場に相応しい場所に移動しようよ」

 

葉月「相応しい場所?」

 

 

-ユグドラシル屋上-

 

強風吹き荒れるユグドラシルの屋上で6人のヴィーナス・真が勢揃いしており、私もヴィーナス・真ヴィーナスグリフォンへと変身を完了させた。

 

マーズフェニックス「じゃあ葉月。カードを置いて!!」

 

葉月「はい…」

 

私はカードを屋上の手すりの側にグリップで挟んで固定させると、5人のヴィーナス・真へと向き合った。

 

マーズフェニックス「いいわね?今から全員が戦って勝ち残ったのがあのカードを手に入れる…誰が手に入れても恨みっこ無しよ!!」

 

ジュピタウロス「うん!!」

 

ゴキゲンオーディン「よし…」

 

サターンフェンリル「勝って…葉月を私のモノにする…」

 

マーキュリーポセイドン「わ、私だって負けません!!」

 

5人の視線が私に注がれて私は溜息を吐くと、一歩を踏み出した。

 

葉月「イマイチ私は納得してませんが…皆の決意は固いようですね…私もあのカードを誰にも譲るつもりはありませんよ?全力で守り抜きます!!」

 

マーズフェニックス「オッケー…なら始めましょうか…最後の戦いを!!」

 

全員が一斉に拳や武器を構えて今にも駆け出しそうな緊張感が漂う中、突如どこからか乗り物の飛行音が聞こえてきて全員が顔を上げた。

 

葉月「っ!?伏せて!!」

 

上空から緑色の矢が放たれて全員が地面を転がって回避するが、上空からロックビークルに乗った何者かが屋上へと降り立った。

 

ジュピタウロス「あの人は!!」

 

マーズフェニックス「まさかあの人まで参加してるなんて…失態だ…」

 

サターンフェンリル「誰?」

 

ゴキゲンオーディン「貴方知らないの?あの人は…」

 

屋上に降り立った最後のラスボスのような雰囲気を漂わせる人物はメロンの鎧を身に纏い、ソニックアローを手にしていた。

 

葉月「貴虎…さん…」

 

貴虎「私だ。葉月、カードを渡して貰おう…」

 

葉月「まさか…貴虎さんまで…」

 

ジュピタウロス「ちょっとちょっと!!いくら旦那様だからって」

 

サターンフェンリル「うん…突然乱入して生意気…」

 

葉月「ちょっと2人とも!?」

 

マーズフェニックス「安心して…私達5人いれば呉島貴虎にも勝てるから貴方はそこで見てて!!」

 

葉月「でも!!」

 

5人のヴィーナス・真が斬月・真に変身する貴虎さんへ向かって鋭い視線を向けた。

 

貴虎「貴様らが相手か…掛かって来い!!」

 

マーズフェニックス「行くわよ!!」

 

5人のヴィーナス・真が一斉に貴虎さんへと飛び掛かるが、貴虎さんはソニックアローで5人の攻撃を弾き返してしまった。

 

マーズフェニックス「嘘っ!?」

 

ジュピタウロス「纏めて防いだ!?」

 

貴虎「ハアッ!!」

 

ゴキゲンオーディン「ぐわっ…」

 

サターンフェンリル「うわぁ…」

 

貴虎「どうしたその程度か?」

 

貴虎さんはヴィーナス・真達を圧倒すると追い討ちを掛けようとソニックアローを向けた。

 

マーズフェニックス「下がって!!私が!!」

 

 

(GAIARD)

 

 

(ガッチャージバスター!)

 

 

マーズフェニックスはカードをスキャンするとガッチャージガンの銃撃を放つが、焦っていたことで銃撃は外れてしまった。

 

貴虎「どこを狙っている…ハアッ!!」

 

マーズフェニックス「ぐはっ…」

 

マーズフェニックスへと素早く接近すると、ガッチャージガンを叩き落として腹部に拳を叩き込んで背中に肘を打ち込み、地面に倒してしまった。

 

 

(サターンフェンリル・ノヴァ!)

 

 

(ジュピタウロス・ノヴァ!)

 

 

(ゴキゲンオーディン・ノヴァ!)

 

 

「「「ハアーッ!!」」」

 

3人が同時に飛び上がり蹴りを放つが、貴虎もゲネシスドライバーのレバーを2回絞った。

 

(メロンエナジースパーキング!)

 

 

貴虎「ハアーッ!!」

 

「「「きゃあああああっ!!」」」

 

貴虎の蹴りが3人を纏めて押し返すと、そのまま蹴りで3人を地面に転がすと着地を決めた。

 

マーズフェニックス「そんな…3人の技が効かない…」

 

貴虎「次は貴様か」

 

マーキュリーポセイドン「い、嫌…私は嫌だ!!」

 

葉月「マーキュリーポセイドン!?」

 

マーズフェニックス「馬鹿!!敵に背中を向けるなんて…」

 

貴虎「愚かな…」

 

マーキュリーポセイドン「きゃあっ!?」

 

貴虎さんは逃げようと背中を向けたマーキュリーポセイドンの背中に向かってソニックアローを向けると容赦なく射撃を行い、マーキュリーポセイドンは地面に倒れ込んだ。

 

貴虎「逃げるな…さぁ、掛かって来い!!」

 

マーキュリーポセイドン「どうして…そうまでして戦わなきゃいけないの!?」

 

貴虎「なぜ…だと?ハアッ!!」

 

マーキュリーポセイドン「ぐうっ…」

 

振り下ろされるソニックアローを咄嗟に召喚したガッチャートルネードで受け止めるが、貴虎の腕力に押され始めた。

 

貴虎「敵に何故などと問いかける者はそもそも戦う資格すらない!!」

 

マーキュリーポセイドン「がはっ…」

 

貴虎「戦いに意味を求めてどうする?答えを探しだすより先に、死が訪れるだけの事…」

 

マーキュリーポセイドン「あ…あ…ああ…」

 

マーズフェニックス「いけない!!」

 

サターンフェンリル「それ以上痛ぶるのはやめて!!」

 

葉月「貴虎さんやめて!!」

 

私は勝利のためにマーキュリーポセイドンを痛ぶる貴虎さんを止めようと駆け出すが、ゴキゲンオーディンが私の体を掴んで止めた。

 

葉月「なんで止めるんですか!?」

 

ゴキゲンオーディン「これは私達のケミーの誇りを賭けた戦いでもあるの…貴方が戦いに乱入しちゃダメ!!」

 

葉月「そんな!!誇りとかそんなことを言ってる場合じゃ…」

 

ゴキゲンオーディオン「ごめんね…ハッ!!」

 

葉月「がっ…あ…何を…するん…ですか…」

 

ゴキゲンオーディンは私のスーツに手を添えると電撃を流してしまい、私は立っていられなくなり地面に伏せた。

 

ゴキゲンオーディン「貴方は私達が守る…それじゃ…」

 

葉月「ま、待って!!」

 

 

マーキュリーポセイドン「きゃあっ!!」

 

マーキュリーポセイドンは何度も切りつけられて装甲には幾つもの傷が付き、武器のガッチャートルネードは既に遠くに転がってしまっていた。

 

マーキュリーポセイドン「もう…やめて…お願い…」

 

貴虎「この世界には、理由のない悪意など、いくらでも転がっている。そんな事さえ気付かずに、今日まで生きてきたのなら貴様の命にも意味は無い。」

 

ゴキゲンオーディン「私の友達を傷つけるな!!」

 

貴虎「ハアッ!!」

 

ゴキゲンオーディンの突進を躱すとガラ空きとなった背中に射撃を叩き込み、ゴキゲンオーディンは地面に倒れ込んでしまった。貴虎はゴキゲンオーディンに狙いを定めると、首を掴んで無理やり立ち上がらせた。

 

ゴキゲンオーディン「消えろ…」

 

マーズフェニックス「やめなさい!!」

 

サターンフェンリル「うあああああ!!」

 

貴虎「次から次へと!!」

 

 

(メロンエナジースカッシュ!)

 

 

貴虎「ハアアアッ!!」

 

「「きゃああああっ!!」」

 

貴虎の斬撃がマーズフェニックスとサターンフェンリルを吹き飛ばしてしまった。次に貴虎は地面で呻いているマーキュリーポセイドンへと再び狙いを定めた。

 

マーキュリーポセイドン「ううう…」

 

マーキュリーポセイドンは既に戦意喪失しており、王冠とゴーグルは割れてしまい、紺色のマントは何度も切りつけられてボロボロになった。貴虎は地面で呻くマーキュリーポセイドンのマントを乱暴に掴んで持ち上げた。

 

マーキュリーポセイドン「もう…やめて…降参するから…それ以上攻撃しないで…」

 

貴虎「消えるがいい!!」

 

ふらふらのマーキュリーポセイドンを無理やり立たせると、ソニックアローの斬撃を放つために大きく振り上げた。

 

マーキュリーポセイドン「嫌あああああっ!!」

 

サターンフェンリル「やられちゃう!!」

 

貴虎「っ!?」

 

貴虎はソニックアローを振り下ろすが、突如間に割って入った人物に驚いた。

 

貴虎「何故邪魔をする…葉月!?」

 

マーキュリーポセイドンを守るために間に割って入ってソニックアローを受け止めたのは、電撃を浴びて動けない筈の葉月であった。

 

 

(夢の中とはいえ性格まで変わってしまっている人物もいるので気をつけてください)

 

スマホに届いたメッセージを思い出しながらも戦意喪失したケミーを攻撃する貴虎さんが許せず、私は貴虎さんに駆け出すとガッチャートルネードでソニックアローを弾き上げた。

 

葉月「ここからは私が相手です。貴虎さん!!」

 

貴虎「葉月…」

 

 

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