仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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304話 葉月の両親

 

葉月がファントムとの戦いに巻き込まれている一方で、宝太郎達は真・冥黒の三姉妹との戦いに苦戦を強いられていた。

 

宝太郎「やめてくれ…俺はもうお前達とは戦いたくないんだ!!」

 

アレクト「ハッ!!お前になくても私にはある!!」

 

アレクトは宝太郎を容赦なく蹴り飛ばすが、宝太郎は素早く起き上がるとエクスガッチャリバーを取り出して変形させた

 

宝太郎「どうしてわかってくれないんだ!!」

 

 

(クロスオン)

 

 

宝太郎「力を貸して…エックスレックス!!」

 

 

(グレイトフルエンシェント!)

 

 

アレクト「なんだそれは?」

 

 

(ガッチャーンコ!X!)

 

 

(X-REX!スーパー!)

 

 

宝太郎はスーパーガッチャードクロスエックスレックスへと強化変身すると、空中へ高くジャンプして飛び上がった。

 

宝太郎「うおおおおおお!!」

 

アレクト「エックスレックスの力を持ってるのがお前だけだと思うな」

 

 

(X-REX)

 

 

(ドレイン)

 

アレクト「デヤアッ!!」

 

宝太郎「うわっ…」

 

アレクトはエックスレックスのレプリケミーカードをドライバーにスキャンして装填すると、足元に巨大な足が生えて空中から踵落としを決め、宝太郎を蹴り飛ばしてしまった。

 

宝太郎「エックスレックスのレプリケミーカード!?」

 

アレクト「オラオラッ!!」

 

アレクトは地面に倒れた宝太郎を掴むと腹部に向かって棍棒を叩きつけるが、エックスレックスの顔を模した歯の部分が棍棒を止めた。

 

宝太郎「まだ…だ…」

 

アレクト「それで止めたつもりか?ウラアッ!!」

 

宝太郎「なっ…うわあああああっ!?」

 

りんね「一ノ瀬!?」

 

棍棒から赤いエネルギーが溢れて宝太郎は棍棒を通して体にエネルギーを流されてしまい、思わず膝をつきながらも新たにカードを取り出した。

 

宝太郎「こうなったら…ユーフォーエックス…」

 

アレクト「遅い!!」

 

 

(ドレッドブレイキング!)

 

 

レバーを戻して再び展開すると、アレクトは禍々しい光に包まれた棍棒を宝太郎へ容赦なく叩き込んだ。

 

アレクト「砕け散れ…ハアッ!!」

 

宝太郎「ぐっ…うわあああああっ!!」

 

宝太郎は必殺技を受けて吹き飛ばされてしまい、ついに変身が解除されてしまった。

 

りんね「一ノ瀬!!」

 

アポロ「余所見はいけないな…りんねちゃん…」

 

りんねは変身の解けた宝太郎へと駆け寄ろうとしたが、アポロはレイピアからユニコンの角のような物を召喚するとりんね目掛けて放ち、背中を見せたりんねはユニコンの角を受けてしまった。

 

りんね「ぐはっ…」

 

アポロ「そんなに仲間が大事かい?」

 

りんね「当たり前でしょ…一ノ瀬は私達の…」

 

アポロ「そうやって君は仲間を庇って無様に死んで行くんだ…もう1人の君のようにね…」

 

りんね「もう1人の…私?まさか!?」

 

アポロ「やはり僕を満足させられるのは呉島葉月だけだね…」

 

りんね「葉月さん!?貴方…葉月さんに何をしたの!?」

 

アポロ「知る必要はないよ…君も、もう1人の君と同じように死ぬだけだ」

 

 

(ドレッドブレイキング!)

 

 

アポロはりんねに素早く距離を詰めるとりんねに向かって連続の突きを繰り出し、りんねの装甲からは大きな火花が上がった。

 

アポロ「フッ!!」

 

りんね「ぐっ…ああああああっ!!」

 

りんねは大ダメージを負って地面に倒れ込み、変身こそ解けなかったものの地面に倒れたまま必死に起きあがろうと力を込めた。

 

りんね「アポロ…」

 

アポロ「これで終わりだよりんねちゃん…君は誰も救えない。無力な自分を呪うんだね…」

 

アポロはレイピアの切先をりんねの顔に突きつけており、とどめを刺そうとしたが、突如レイピアはどこからか放たれた銃弾によって止められた。

 

スパナ「九堂…りんね…大丈夫か!?」

 

りんね「黒鋼先輩…」

 

ラケシス「貴方も他人を心配する余裕があって!?」

 

ラケシスがスパナに蹴りを繰り出しており、スパナは咄嗟にヴァルバラッシャーで蹴りを受け止めた。

 

スパナ「こんな戦い…さっさと終わらせてやる!!」

 

ラケシス「ぐっ…あぁっ!?」

 

スパナはヴァルバラッシャーでラケシスに斬撃を与えて吹き飛ばすとすぐに銃撃を放ち、ラケシスはたまらずダメージを受けた。

 

スパナ「おおおおおおっ!!」

 

ラケシス「!!」

 

スパナは地面に倒れたラケシスへと駆け出すとヴァルバラッシャーを振り下ろした

 

 

スパナ(人間になったら何をしたい?)

 

ラケシス(まだ内緒ですわ)

 

スパナ「!?ぐっ…」

 

スパナはヴァルバラッシャーを振り下ろす直前にラケシスとのやりとりを思い出して攻撃の手を止めてしまった。

 

ラケシス(さっきの質問の答えを教えますわ…人間になったら、したい事…恋ですわ…)

 

スパナ(ラケシス。お前は人形じゃない…俺達と同じ人間だ…)

 

 

スパナ「俺は…」

 

ラケシス「隙だらけですわ」

 

スパナは攻撃の手を止めて大きな隙をみせてしまい、それを見たラケシスは仮面の下でニヤリと笑みを浮かべると、カードを取り出してスキャンを行った。

 

 

(VENOMDAKE)

 

 

(ドレイン)

 

 

スパナ「ぐあっ…うぐっ…これは…毒!?」

 

スパナはヴェノムダケの毒を浴びてしまい、ダメージにより地面に崩れ落ちた。

 

スパナ「また…同じ手に掛かるとは…くっ…」

 

ラケシス「フフフ…今どんな気分?黒鋼スパナ?」

 

スパナ「なん…だと…」

 

ラケシス「私の忠犬になれば許して差し上げますわ。はい…お手。」

 

スパナはかつてのラケシスと同じように扱われて悔しさに拳を握り締めるが、再びラケシスが生き絶える場面を思い出して握り拳を解いた。

 

スパナ「もう…やめてくれラケシス…」

 

ラケシス「あら?歯向かう意思もなくなりましたの?もう終わりですわね…」

 

ラケシスはスパナに向かって拳を構えるととどめを刺すべく力を込めた。

 

ラケシス「それでは…ご機嫌よう…」

 

鏡花「やめるんだラケちゃん!!」

 

その時、鏡花の声が響いてラケシスは思わず動きを止めると、鏡花が予備のヴァルバラッシャーを構えていた。

 

ラケシス「あら?今度は貴方が相手してくれますの?」

 

鏡花「世界が違おうがなんだろうが君は私達の知っている優しいラケちゃんだ!!私達はそう信じてる!!」

 

ラケシス「何をわけのわからないことを…」

 

鏡花「君は人形なんかじゃない…君は本当は人間になりたいんじゃないのか?」

 

ラケシス「なっ…何を!?」

 

スパナ「そうだ…お前を甦らせたのはグリオンだろう?だがあんなやつのいう事に従っていていいのか?」

 

ラケシス「わ、私は…」

 

 

宝太郎「やめるんだクロトー…お前は俺達の…」

 

アレクト「くどい!!私はアレクトだ!!クロトーなんかと一緒にするな!!」

 

宝太郎「ぐはっ…あああああっ!!」

 

アレクトは変身の解けた宝太郎の腹部を容赦無く踏みつけると、宝太郎はたまらず悲鳴を上げた。

 

アレクト「丁度良い…貴様のドライバーを貰おうか!!」

 

宝太郎「なっ…やめてくれ!!」

 

アレクトは宝太郎の腰のガッチャードライバーに手を掛けてそのまま腰から外そうと力を込めるが、宝太郎は必死に奪われまいとアレクトの手を掴んだ。

 

アレクト「暗黒の扉を開くための保険として貰って行くぞ!!」

 

宝太郎「があっ…」

 

宝太郎の腰からガッチャードライバーが取り外されてしまい、アレクトは奪ったドライバーをじっと眺めた。

 

アレクト「素晴らしいデータ量だ…これがあれば!!」

 

クロスウィザード「やめろっ!!」

 

宝太郎「クロっち!?」

 

宝太郎の危機に宝太郎のカードホルダーから飛び出して実体化すると魔法を放ち、アレクトの手からガッチャードライバーを弾き飛ばした。

 

アレクト「なっ…貴様っ!?」

 

弾かれたガッチャードライバーは遠くに転がり、クロスウィザードが魔法で手元に引き寄せて掴み取った。

 

クロスウィザード「宝太郎のドライバーは返して貰ったよ!!」

 

宝太郎「おおお!?ありがとうクロっち!!」

 

クロスウィザード「今、助けるからね宝太郎!!」

 

アレクトに踏みつけられている宝太郎を助けようとクロスウィザードは魔法を使おうとしたが、アレクトがクロスウィザードへとゆっくりと距離を詰めようとした。

 

アレクト「そのドライバーを渡してもらおうか!!お前と一緒にな!!」

 

宝太郎「はっ!?逃げるんだクロスウィザード!!」

 

クロスウィザード「ウィッ!?」

 

アレクト「ウラアアアッ!!」

 

アレクトはクロスウィザードに向けて手を伸ばして捕まえようとしたが、クロスウィザードは咄嗟に後ろに退避しようとした。

 

クロスウィザード「ウィッ!?ウィーーッ!!」

 

突如クロスウィザードの背後からオーロラカーテンが出現してクロスウィザードを飲み込んでしまい、クロスウィザードはオーロラカーテンの向こうへと姿を消してしまった。

 

アレクト「何っ!?どこへ行った!?」

 

宝太郎「クロっち!?どこ行ったんだよクロっち!!」

 

 

-霞の部屋-

 

クロスウィザード「宝太郎にドライバーを届けないと…ウィッ!?」

 

オーロラカーテンに飲み込まれたクロスウィザードは自身の知らない場所へと連れて来られてしまい、通行人が多いのを気にしてケミーカードへと姿を変えて移動を始めて、その様子を霞達がタブレットで様子を観察していた。

 

霞「ガッチャードの世界のクロスウィザードが葉月の居る2012年に飛んでる!?」

 

シン「一体どういう事だ!?魔法繋がり…って訳じゃないよな?」

 

霞「オーロラカーテンは時空も超えられるって話だったけど…ここまで来ると誰かの仕業としか思えないんだけど!!」

 

レイカ「ねぇ…オーロラカーテンって一体なんなの?」

 

シン「オーロラカーテンは他の世界と繋ぐ橋のような物だ。お前もオーロラカーテンを使って移動をしただろう?」

 

レイカ「あぁ…あの銀色のオーロラ現象の事か…」

 

霞「最近はあちこちでオーロラカーテン現象が多発していて、様々な怪人や戦士達が沢芽市へとやって来ているのよ」

 

シン「時空がだいぶ歪んでいるのかもな…お前が遭遇したという白ウォズが現れたのがその証拠だ…」

 

霞「あいつ…葉月の事を救世主って言ってた…救世主ってゲイツへの呼び名の筈なのに…」

 

シン「じゃあソウゴ達が遭遇した白ウォズとは違う世界の白ウォズって事か?」

 

霞「おそらく…」

 

シン「まさかとは思うが、呉島葉月が引き寄せたわけじゃないよな?」

 

霞「そんな事は…」

 

レイカ「ねぇ…葉月って一体何者なの?」

 

シン「ん?」

 

レイカ「あいつが全ての中心にいる気がして…けどあいつの事よく知らないのよね…」

 

霞「呉島葉月…旧姓水瀬葉月…ユグドラシルコーポレーションにて主任の呉島貴虎の秘書。現在は自身が貴虎の代理として主任になっている…」

 

レイカ「家族構成は?両親とか…出身とか…」

 

霞「それは不明…シロや湊耀子なら知ってるかも…」

 

シン「なら湊耀子とシロに聞いてみるのはどうだ?」

 

霞「そうね…直接会って聞いてみるわ…」

 

霞は再びタブレットを起動させてタイムマジーンに乗り込み、沢芽市へと旅立って行った。

 

 

-ユグドラシル-

 

耀子「葉月の事を知りたいって話だったわね…」

 

カスミ「そうそう…家族構成とかいろいろ話を聞きたいんだけど…」

 

耀子「余所者に葉月の情報を話すのは…って思ったけど貴方は以前葉月を助けてくれたそうね?貴方には知る権利があるわね…」

 

カスミ「教えて…呉島葉月の事について…」

 

耀子「葉月の両親は幼い頃に2人とも未確認生命体に殺害されたそうよ」

 

カスミ「未確認生命体…グロンギ!?」

 

耀子「父親の事はわからないけど、母親が亡くなっている様子は私もこの目で見たわ」

 

カスミ「どういう事?貴方がこの目で見たって…」

 

耀子「ケミー探しに過去へ行った時に私も一時的に葉月に同行したのよ。その時に葉月の母親が亡くなっているのを目撃したわ…」

 

カスミ「その時代はいつ!?」

 

耀子「えぇと… 確か2001年1月29日の長野県の松本市だったわ…」

 

カスミ「その日って確か…ダクバが市民を無差別に襲った日!?」

 

耀子「長い黒髪にベージュのジャケットとスカート…そしてスケッチブックを持っている女性だったわ…」

 

カスミ「わかった…ありがとう!!」

 

カスミは会社を飛び出すと再びタブレットを操作してタイムマジーンを呼び出し、2001年へと時代を設定させて時空の穴に飛び込んだ。

 

 

 

-2001年1月29日-

 

カスミはタイムマジーンを降りると大雨の降りしきる中でシンへ電話を掛けた。

 

カスミ「シン…2001年に着いたわ」

 

シン「気をつけろよ…ダクバが松本市の人々を大量虐殺した日だ…」

 

カスミ「わかってるわ…慎重にいくから…」

 

シン「あ、あと呉島葉月とは遭遇しないようにしろよ?」

 

カスミ「えぇ…また連絡するわ。」

 

カスミは通話を切ると大雨の中を歩き始め、遠くに見える白い煙が立ち上る方向へと歩き始めた。

 

 

葉月「離して先輩!!アイツは…アイツがぁぁ!!」

 

耀子「いいから葉月!!逃げるのよ!!」

 

葉月「離してぇぇぇぇ!!うわあああああっ!!」

 

 

カスミ「居た!!」

 

現場に辿り着いてすぐに物陰に隠れていると、葉月が泣き叫びながら高台から見下ろしている青年に向かって手を伸ばしていた。

 

カスミ「あれが…ダクバ!!」

 

直接にタイムロードが起動したようで、葉月と湊耀子は2001年から立ち去ってしまい、その場にはダクバ1人が取り残された。

 

カスミ「あれがダクバ…なんて恐ろしいの…」

 

カスミは物陰から様子を伺っていたが、突如バイクの走行音が聞こえて来て、再び姿勢を低くして様子を伺った。

 

カスミ「あれは…五代雄介!!」

 

五代雄介とダクバは何かを話しているとダクバは姿を消してしまい、入れ替わるようにもう一台のバイクが五代雄介の隣に停車した。

 

カスミ「あの人…一条さん!?」

 

一条「五代!!」

 

雄介「一条さん!!」

 

一条「第0号は!?」

 

雄介「たぶん九郎ヶ岳だと思います!!」

 

一条「そこで決着をつけるつもりか…」

 

雄介「行きましょう!!」

 

 

カスミ「よし…これで誰も居なくなったわね…」

 

五代雄介と一条さんが立ち去ったのを確認すると、カスミは地面で倒れている遺体の数々に視線を向けた。

 

カスミ「酷い…死体の焼ける匂いだ…」

 

遺体の中から湊耀子の言っていた特徴を持つ人物を探していると、近くにスケッチブックが散らばっているのを発見した。

 

カスミ「この人が…葉月の母親…」

 

スケッチブックの側に長い黒髪の女性が倒れており、私はその顔を確認していた。

 

シン「カスミ!!見つかったか!?」

 

ファイズフォンXから着信音が響き、すぐにシンと通話を始めた。

 

カスミ「見つけたわ…この人が呉島葉月の母親よ」

 

シン「間違いないのか?」

 

カスミ「えぇ…さっき過去の葉月がこの遺体に向かって声を掛けていたから間違いないわ」

 

シン「わかった…彼女の名前や情報を引き出したい…持ち物を調べられないか?」

 

カスミ「わかったわ」

 

カスミは母親の遺体の側のバックの中身を開けて財布を確認しようとしたが、再びシンの声が響いた。

 

シン「おいカスミ!!誰かがこっちに来るぞ!!」

 

シンのタブレットの映像に傘を差した不審な人物がカスミのいる場所へと歩いて来ており、カスミは慌てて物陰に隠れた。

 

???「くっ…まさかここまでやるなんて…念の為この子に行かせて正解だったわ。」

 

カスミ(女性…?)

 

傘を差した人物は女性のようで、葉月の母親の遺体の前で止まるとその体に触れた。

 

シン「おい…どうなってる?状況は!?」

 

カスミ「謎の女性が葉月の母親の遺体に何かを…」

 

シン「まさか…窃盗!?遺体から金品を奪う気か!?」

 

カスミ「なっ…嘘でしょう…って…財布をポケットに入れた!?」

 

シン「この女…絶対に許さん…おい霞…」

 

カスミ「わかってるわ…今、私が…」

 

 

???「隠れてないで出て来なさい?いるのはわかってるわ…」

 

 

カスミ・シン「「!?」」

 

突如女性の声が響いてカスミは緊張してしまうが、すぐに冷静になり物陰からゆっくりと姿を現した。

 

カスミ「貴方のやってる事は犯罪よ?目の前の遺体はアタシの大切な友達の母親なんだから!!金品を奪うなんて許さないわ!!」

 

???「友達…貴方…未来からやって来たの?」

 

カスミ「なっ…」

 

???「貴方…葉月か弥生の友達?」

 

カスミ「弥生?弥生って誰よ!?アタシが言ってるのは葉月!!」

 

???「葉月…そう…葉月の友達って事は貴方、未来からの介入者ね」

 

カスミ「なっ…何でそれを?」

 

???「葉月の友達を私が知らない筈がないじゃない?なぜなら…」

 

突如女性は傘を閉じてしまい深く被ったレインコートのフードを取って顔を晒した。

 

カスミ「なっ…う…そ…な…んで…」

 

シン「おい…どうしたカスミ!?」

 

カスミ「同じ…顔…葉月の母親と…全く同じ顔!!」

 

その人物は遺体となって目を瞑る葉月の母親と同じ顔をしていた。

 

シン「まさか…母親の妹とか?」

 

???「いいえ…貴方の見た通り…私は葉月の母親よ」

 

カスミ「そんな!?だったら目の前の遺体はどう説明するつもり?」

 

カスミは遺体である葉月の母親と目の前の葉月の母親を名乗る女性を見比べた。

 

???「あぁ…その遺体は私が自身と同時に別行動を取るための義体よ」

 

カスミ「なっ!?」

 

突如目の前の女性は指輪を掲げると、葉月の母親の遺体は砂となって消滅してしまい、身に纏っていた服と荷物だけが残された。

 

シン「おい…嘘だろ!?今のは九堂りんねの父親の九堂風雅が使った…」

 

カスミ「錬…金…術…!?」

 

???「九堂風雅…そう、あの人の事を知っているのね?」

 

カスミ「まさか…貴方が本物の葉月の母親で…」

 

???「名乗るのが遅れたわね…私は水瀬綾香。葉月と弥生の母親で」

 

カスミ・シン「「なっ!?」」

 

目の前の水瀬綾香を名乗る本物の葉月の母親は指輪を光らせると、自身の服装が真っ黒の錬金術師のローブへと変わった。

 

綾香「錬金術師よ」

 

シン「嘘だろ…呉島葉月の母親が…錬金術師!?」

 

綾香「さてと…ここであった事は忘れてもらうわ」

 

カスミ「何をするの!?」

 

綾香「ここで見た事の記憶を全て消させて貰うわ!!悪く思わないで」

 

カスミ「そうはさせない!!貴方には聞きたいことが山程ある!!」

 

カスミはゲネシスドライバーを腰に当てて装着すると、マロンエナジーロックシードを取り出した。

 

綾香「何よそれ?」

 

カスミ「変身っ!!」

 

 

(マロンエナジー)

 

 

(ロックオン・リキッド)

 

 

(マロンエナジーアームズ)

 

 

カスミは素早くアーマードライダーヴィーナスへと変身を遂げると、綾香さんは驚きの表情を浮かべた。

 

綾香「ヴィーナス…私の知らないシステムでヴィーナスへ変身を…いいわ…相手をしてあげる」

 

綾香は指輪をはめ直すと、腰に見覚えのあるドライバーを出現させた。

 

 

(アルケミスドライバー)

 

 

カスミ「なっ…そのドライバーは葉月とりんねと同じ!?」

 

シン「おいおい…まさか…」

 

 

(アルケミスリンク)

 

驚きの表情を浮かべるカスミ達だが、綾香は2枚のケミーカードを取り出し、ドライバーに指輪を翳して2枚を順番に装填していく。

 

 

(GINGRFFON!)

 

 

(KINKIRAVINA!)

 

 

シン「なっ…」

 

カスミ「まさか…そんな…」

 

 

(As above, so below……As above, so below…)

 

 

綾香「変身」

 

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

 

(シャイニングフェザー!)

 

 

 

(ヴィーナスグリフォン!)

 

 

綾香はまさかのヴィーナス・真へと変身し、カスミはソニックアローを正面に掲げた。

 

綾香「仮面ライダー…ヴィーナス!!」

 

カスミ「綾香さん…貴方から色々話を聞かせてもらいますから!!」

 

綾香「いいわ。掛かってきなさい?」

 

カスミ「はああああああああっ!!」

 

 

-霞の自宅-

 

レイカ「水瀬綾香…それが母親の名前…死んでると思ってたけど生きてたのね?」

 

シン「なぜ…ケミーカードを彼女が持っている?」

 

レイカ「どういう事?」

 

シン「ケミーカードは以前、九堂りんねの父親である九堂風雅が纏めて所持していた筈だ…彼女も錬金術師だろうが関係ない…所持している事自体がありえない!!」

 

レイカ「なっ…」

 

シン「考えられる可能性は…いや…これは絶対にあり得ない!!それだと辻褄が色々と合わない!!」

 

レイカ「それに弥生って誰よ!?」

 

シン「俺もわからん…だが綾香さんの口ぶりから察するに、葉月の姉か妹なのだろう…」

 

レイカ「そんな後付け設定みたいな…葉月から弥生って姉か妹の話題は無かったわよ」

 

シン「俺も初耳だ…あーーー!!情報量が多すぎて処理しきれんわあああ!!」

 

 

その日、カスミの部屋の中にシンの大きな叫び声が響き渡った。

 

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