仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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307話 魔法使いと錬金術師

 

-霞の家-

 

霞「シン…どうしたの?」

 

シン「あぁ…霞…ずっと水瀬綾香について調べていたんだ…」

 

霞「綾香さんの事を!?」

 

シン「水瀬綾香と未だに姿を見せない弥生という娘について詳しく調べていたんだ」

 

霞「何かわかった?」

 

シン「どうやら弥生と言う娘は亡くなっているらしい…」

 

霞「何ですって!?」

 

シン「これを見てくれ」

 

シンはタブレットで記録映像を流すと、霞は流れる映像を食い入るように見つめた。

 

 

-スマートブレイン-

 

村上「死体が残らなければ再生は不可能ですね」

 

綾香「くっ…」

 

村上「貴方の娘さんを甦らせるには相当な技術が必要ですね。どうです?私の部下になりませんか?一緒に娘さんを甦らせる方法を見つけるのは?」

 

綾香「オルフェノクに頼ろうとした私が馬鹿だった…」

 

 

霞「あれはラッキークローバーの…」

 

シン「仮面ライダーファイズの時代で娘を甦らせる方法を探していたみたいだな」

 

さらに別の映像に切り替わり、次に映し出された映像に霞は驚きの声を上げた。

 

 

バトルフィールド

 

綾香「ぐあっ…」

 

攻撃を受けて地面に転がった綾香は変身が解除されてしまい、ベルトのIDコアにヒビが入った。

 

???「俺の勝ちだ」

 

綾香「くっ…私は願いを叶えなければ…娘を甦らせなければならないのに!!」

 

???「俺にも叶えたい願いがある…あんたには悪いが退場してもらう」

 

綾香「貴方…一体何者なの!?一体何を願うつもり!?」

 

瑛磨「俺の名は水瀬瑛磨。その名前をお前は信じるか?」

 

綾香「水瀬ですって!?偶然同じ苗字…?」

 

ツムリ「おめでとうございます水瀬瑛磨様。今回のデザイヤロワイヤルは貴方の勝利となります。これにより貴方がデザ神となります!!」

 

綾香「貴方…一体何を願ったの!?」

 

瑛磨「俺の願いはひとつ…姉さんと再会する事だ。」

 

綾香「くっ…私は娘を…弥生を…」

 

その瞬間綾香は退場してしまい現実世界へと帰還したが記憶は残っており、指輪を光らせながらどこかに去ってしまった。

 

綾香「こんなところで記憶を消されるわけにはいかないわ!!まだ別の手を考える!!」

 

 

-古い洋館-

 

木野「残念ですがこうなってしまっては手の施しようがありません」」

 

綾香「やっぱり…肉体を復元する必要があるってわけね」

 

木野「えぇ…貴方の言う錬金術がどのようなものかは分かりませんが、私では力になれません…」

 

綾香「それで…貴方はあれをどうするつもりですか?」

 

綾香は溶液に浸かっている損壊したギルスの頭部に視線を移し、木野は容器に手を当てた。

 

木野「彼を救えなかったのは残念ですが、彼は人類の進化に貢献してくれそうです。既に私の作品が人類の選別のために動いています。」

 

綾香「作品?」

 

ルージュ「あ〜ら…また美人ちゃん…貴方のその指輪。もっとよく見せて頂戴?」

 

綾香「っ!?」

 

綾香の背後にルージュが現れて綾香の肩を優しく掴むが、綾香は慌ててルージュの手を振り払うと後ろに跳躍して距離を取った。

 

綾香「何者!?」

 

ルージュ「貴方のその指輪素敵ね…私に譲ってくれないかしら?」

 

綾香「ふざけないで」

 

綾香は指輪をはめ直すと新たな白の錬金術師の衣装を身に纏い、指輪をルージュへと向けた。

 

木野「その服装が錬金術師の姿というわけですか…」

 

ルージュ「素敵よ貴方…さぁ見せて頂戴…貴方の力を!!」

 

綾香は指輪を光らせてドライバーを出現させようとしたが、ケミーカードを持ち合わせてない事に気がついて動きを止めた。

 

綾香「そうだった…ケミーはもう…」

 

ルージュ「隙だらけよ貴方…」

 

綾香「あぐっ…こ…の…」

 

綾香はルージュの念動力で首を締め上げられるが、苦痛の表情を浮かべながら懐からケミーライザーを取り出した。

 

 

(ケミーライザー)

 

 

ルージュ「ぐうっ!?」

 

綾香の射撃がルージュの念動力を中断させた。その隙に綾香は再び指輪を光らせた。

 

綾香「万物はこれなる一者(ひとつもの)の改造として生まれうく」

 

棚に置いてあった瓶を浮かび上がらせるとそのままルージュへ向かって瓶を放ち、ルージュは瓶の中の液体を浴びて大火傷を負った。

 

ルージュ「熱い!!熱すぎるわ!!」

 

綾香「仕方ない…撤退ね」

 

綾香は辺りに煙を放つと煙に紛れて姿を消し、残された木野は舌打ちをした。

 

木野「逃げ足の早い人だ…」

 

 

綾香は懐からレプリケミーカードを取り出すと、カードの絵柄が薄くなっている事に気がついた。

 

タイムロード「ターイム…」

 

綾香「もう限界ね…こうなったらもう…あの手しかない!!」

 

 

霞Side

 

シン「タイムロードのレプリケミーカードをいつの間に…」

 

霞「一体何をするつもり…?」

 

レイカ「弥生って妹が既に死んでるのはわかったけど、父親の方はどうなのよ?」

 

霞「葉月の父親…」

 

シン「父親の方は引き続き調査を進めてみる。水瀬綾香を追えば必ず父親に辿り着ける筈だ!!」

 

 

-2012年-

 

クロスウィザード「行けっ!!」

 

フェニックス「ぐっ…小癪な真似を!!」

 

クロスウィザードは魔導書を開き、拘束魔法でフェニックスの身体を縛り上げた。

 

クロスウィザード「激流よ!!」

 

フェニックス「ぐっ…そんな攻撃が効くかぁ!!」

 

クロスウィザード「なっ…」

 

フェニックスは再び強化された炎の翼を広げて辺りを炎で包み込み、クロスウィザードは思わず後退してしまった。

 

凛子「フェニックスの炎がさらに強く…」

 

純平「あぁぁ…どうしたら…」

 

フェニックス「行くぜぇ?オラッ!!」

 

クロスウィザード「うわっ…うぐっ…」

 

クロスウィザードはフェニックスの剣で身体を切り裂かれ、たまらず苦痛の声を漏らした。

 

クロスウィザード「ま、まだ僕は…」

 

フェニックス「少しはやるようだが…終わりだ!!」

 

地面に倒れたクロスウィザードに向かって剣を振りかぶろうとしたが、突如その手が止まった。フェニックスは動きを止めた自身の手を掴んだ。

 

フェニックス「まだ…抗うか…俺様の物になりやがれ!!」

 

クロスウィザード「インフェニックスそこにいるんだね?」

 

フェニックス「無駄だ…てめぇの声はこいつには響かねぇよ!!」

 

クロスウィザード「僕だけじゃ…インフェニックスを助けられない…」

 

フェニックス「これで塵になりやがれ!!」

 

フェニックスが再び剣を振り下ろそうとしたが、何者かの射撃が剣を弾き飛ばし、フェニックスは思わず後ろに下がった。

 

フェニックス「誰だぁ?」

 

攻撃を放ったのは海に落ちた葉月であり、ガッチャートルネードを構えていた。

 

葉月「よく頑張りましたねクロスウィザード…」

 

クロスウィザード「葉月!?無事だったんだね!!」

 

 

葉月Side

 

海に落ちた筈の私は気づくと知らない空間にいた。立ち上がると背後に気配を感じて振り返ると、ベージュのコートの男性が立っていた。

 

笛木「大丈夫か?」

 

葉月「貴方は誰ですか?」

 

笛木「私は笛木。魔法使いだ」

 

葉月「魔法使い!?」

 

笛木「君はあのフェニックスの攻撃を受けて海へ落ちた。」

 

葉月「あ…貴方が助けてくれたのですね」

 

笛木「あぁ…以前君の母親に助けてもらった恩があるからな」

 

葉月「母が!?」

 

笛木「あぁ…君と同じ戦士の姿に変身していた。錬金術師と言ったか…」

 

葉月「母がヴィーナス・真に…?」

 

笛木「君の母親は娘を亡くしたと言っていた。私も同じく娘を亡くしていたこともあり、どうにかして甦らせようと方法を模索していたのだ」

 

葉月「えっ…亡くした…?」

 

笛木「あぁ…名前は弥生と言っていたかな」

 

葉月「弥生…最近カスミさんから聞いた名前…まさか私に本当に妹が…というか亡くしたって…」

 

笛木「弥生という娘は遺体が崩壊してしまっており、もはや原型を留めていなかったのだ…私の力でも元に戻す事は叶わなかった」

 

葉月「弥生はもう死んでいる…しかも遺体が崩壊って…」

 

笛木「彼女の錬金術では死者を甦らせる事は叶わなかった…当時私は錬金術など魔法の紛い物だと否定してしまった。しかし私は魔法の力で死者を甦らせる方法を見つけてそれを彼女に伝えようとした…しかし…」

 

葉月「母は貴方の元を去った…そして貴方は私に出会った…というわけですね」

 

笛木「あぁ…私は彼女の行方を探していたのだ。彼女は今、どこにいる?」

 

葉月「それが…私もわからないんです。私は母が死んだと思っていたので」

 

笛木「そうか…」

 

葉月「あの…ひとつ教えて頂けませんか?」

 

笛木「フェニックスの倒し方が聞きたいのだろう?」

 

葉月「そうです。フェニックスの中に私の使い魔が取り込まれていて…なんとか助け出したいんです!!」

 

笛木「フェニックスは不死身のファントムだ…倒すのは不可能だが、一時的に撃破させる事が出来る。再生には時間が掛かるからな…」

 

葉月「どうしたら…」

 

笛木「君の使い魔に呼びかけるのだ…使い魔はおそらくフェニックスの炎のエネルギーを欲して近づいたのだろう…使い魔を奴から引き剥がせば、力を失ったフェニックスを撃破出来る。」

 

笛木さんは水晶玉を取り出すとフェニックスと戦う謎の戦士へと視線を向け、私は思わず水晶玉へと顔を寄せた。

 

葉月(あれは…もしかしてクロスウィザード!?)

 

笛木(あの戦士…魔法使いに似ているがベルトが彼女の物と似ている…錬金術師の関係者か…)

 

葉月「おそらく私の友達です。助けに行かなきゃ!!」

 

笛木「あの魔法使いの戦士は君の知り合いか?」

 

葉月「えぇ…錬金術から生まれた魔法使い型の使い魔です。」

 

笛木「魔法使いを使い魔とは…面白い…ぜひ研究のためにと言いたいところだが、それどころではないようだな…」

 

葉月「私…戻ります!!みんなの元へ!!」

 

 

私は笛木さんの魔法によりクロスウィザードの元へと転送されて、ガッチャートルネードを構えて弓を放った。

 

クロスウィザード「葉月!?」

 

葉月「一緒に行きますよ!!インフェニックスを取り戻すんです!!」

 

 

-霞の自宅-

 

霞「何かわかった?」

 

シン「……」

 

シンは自身のタブレットで綾香の行動を映像でチェックしていたが衝撃的な映像を見てしまい、ついタブレットを床に落としてしまった。

 

シン「ありえない…まさかとは思ったが…そんな…バカな!!」

 

霞「何…何を見たの!?」

 

シン「葉月の過去を追っていたが、水瀬綾香と娘である葉月と弥生に行き着いた」

 

霞「生前の弥生に!?」

 

シン「そして弥生の最期の瞬間だ…」

 

タブレットを拾い上げて映像を再生させると、驚きの瞬間が映し出された。

 

霞「こいつは…」

 

シン「あぁ、間違いない…弥生を殺したのは…こいつだ!!」

 

映像に映し出された人物に心当たりがあり、霞はその人物を睨みつけた。

 

霞「これでわかったわね…弥生を殺した犯人が!!しかも母親と葉月の目の前で殺されている…」

 

シン「驚くのはそれだけじゃない…」

 

霞「何なの?これ以上に驚くことなんて…」

 

シン「問題はこの後だ…そう…この男だ!!」

 

弥生が殺害された現場に新たな男性が姿を現し、こちらに背中を向けたまま葉月達へと駆け寄っていた。

 

霞「この男はまさか…父親!?」

 

シン「あぁ…葉月と弥生の父親だ…」

 

霞「嘘っ!?葉月の父親はグロンギに殺されたって!?あ、それは改竄された嘘の記憶だったっけ…」

 

シン「あぁ…それは間違いなく改竄された記憶だな…本物の父親は目の前に居る」

 

霞「って言うか背中を見せたままじゃ顔が見えないじゃない…」

 

シン「映像の向きを切り替える…えっと…こうだ!!」

 

霞「どれどれ…どんな父親はどんな顔をして…る…の…」

 

葉月の父親の顔を見た霞は驚きのあまり固まってしまい、タブレットを床に落としてしまった。

 

シン「な?信じられないだろ?」

 

霞「信じられない…あり得ない…それは流石に無理があるわよ!!」

 

シン「これで一つはっきり言える事があるな…」

 

霞「何?」

 

シン「水瀬綾香はずっと水瀬という旧姓を名乗り続けた…そして今の出来事があり葉月の記憶を消した…葉月は父親の苗字を名乗っていたと勘違いしているが、実は母親の旧姓を名乗るように記憶を操作されていたんだ。」

 

霞「じゃああの男が本当の父親なら…」

 

シン「あぁ…今は結婚して呉島を名乗ってはいるが葉月の本当の苗字は…」

 

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