仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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311話 失われた記憶と真実

 

-綾香の回想-

 

-病院-

 

???「おぉ…この子が…」

 

綾香「えぇ…私と貴方の子よ」

 

私の目の前には出産の知らせを聞いて駆けつけてくれた旦那の姿があり、私は旦那と生まれた我が子の顔を交互に見比べた。

 

???「こんな大事な時にずっとそばに居てやれなくてすまなかった…」

 

綾香「謝らないで…お互いに忙しいのはしょうがないじゃん…それに…ちゃんと来てくれたから」

 

???「あぁ…それよりこの子は…」

 

綾香「元気な女の子よ…無事に健康に生まれて来てよかったわ…」

 

???「さて…この子についてだが…」

 

綾香「大切に育てるわ。ただし私達が錬金術師だって事は内緒よ」

 

???「やはりか…」

 

綾香「上級錬金術師の子供となれば悪しき者に狙われる可能性がある。時が来るまでこの子には私達が錬金術師だという事を悟られないようにしないと…」

 

???「名前はもう決めてあるって話だったな?」

 

綾香「えぇ…この子は葉月と名付けるわ。」

 

???「8月生まれだからか?」

 

綾香「それもあるけど、太陽を浴びて光り輝き、生い茂った葉のようにすくすくと生きてほしい。そういった意味も込めたわ」

 

???「いい名前だ…」

 

綾香「大切に育てなきゃ」

 

娘を守るために私達は交代で密かに錬金術師として時々葉月を親戚に預けたり、錬金術師だという事を悟られないように仕事を行っていた。

 

???「葉月は大きくなったら何になりたい?」

 

葉月「うーん…わかんない!!」

 

???「そうか…でも夢は大きく見た方がいいぞ?夢は生きる原動力となる」

 

葉月「げんどーりょく?」

 

???「人は夢を持つ事で強くなれる。夢に向かって頑張れるんだ」

 

葉月「ふーん…」

 

???「葉月の夢…いつか聞かせてくれるか?」

 

葉月「うん!!」

 

小学生となった葉月はすくすくと成長し、私達夫婦は幸せな日々を過ごしていた。

 

 

葉月「私の妹?」

 

???「そうだ…新しい家族だ」

 

錬金術師としての仕事を密かに行いながら、私は未来を予測する力で事前に次の子を出産する準備を行い、無事に2人目の出産を終えた。

 

葉月「名前は?」

 

???「この子の名前は弥生だ…」

 

葉月「お母さんが名付けたんだ?」

 

???「あぁ…仲良くしてあげてくれ」

 

葉月は次女の弥生の姉として面倒を見てくれていたが、私達は錬金術師としての大仕事に追われていた。

 

 

-ウロボロス界-

 

綾香「これがケミーカード…」

 

???「ケミーを保護するために時間は掛かったが完成したな…君のお陰だ」

 

綾香「何言ってるの?私と貴方の研究成果でしょう?風雅さん?」

 

実験に最適なウロボロス界と呼ばれる異世界にてケミーを封印したケミーカードを前に、私は2枚のケミーカードが光っている事に気がついた。

 

キンキラヴィーナ「ヴィーナ!!」

 

ギングリフォン「グーリフォン!!」

 

風雅「君はコズミックケミーとファンタスティックケミーの2体に認められたという事か…」

 

2体のケミーが浮き上がって私の周りを飛び回っており、彼はケミーが私を認めてくれたと話す。

 

その時、現実世界の自宅に設置していた結界が何者かに破られたのを感じた私達は目を見合わせると、ウロボロス界を出た。

 

風雅「グリオンか!?」

 

綾香「グリオンがどうしたの?彼は優秀な錬金術師じゃない?」

 

風雅「グリオンは危険な男だ。彼の裏の顔をまだ知らない者は多い…彼は全てを黄金色に染め上げる事を企んでいる!!」

 

綾香「なっ…」

 

風雅「娘達を会わせるわけにはいかない!!なぜなら…」

 

綾香「下手したら私達の秘密も2人にバレちゃう!?」

 

風雅「全てを知られてしまう…それは避けねばならない…」

 

 

-現実世界-

 

葉月「お兄さん誰!?勝手に家に押しかけて来て!!」

 

弥生「お、お姉ちゃん…」

 

自宅には葉月と弥生が留守番をしていたが、何かが破壊される音が響いて葉月は咄嗟に昼寝をしていた弥生を叩き起こしていた。

 

グリオン「ようやく見つけたぞ。九堂風雅の家を…」

 

結界を破り自宅に侵入したのはグリオンであり、葉月は弥生を背中に隠して部屋の奥に閉じこもった。

 

グリオン「奴の娘か…丁度いい。我が黄金の作品にしてやろう…」

 

グリオンは弥生に向かって手を伸ばすが、葉月が弥生を守るためにグリオンの前に立ち塞がった。

 

葉月「妹には手を出させない!!」

 

グリオン「なら…お前から金色に染めてやろう!!」

 

グリオンは葉月に向かって掌を掲げるが、葉月は弥生を守るために手を広げて代わりに攻撃を受けようとした。

 

グリオン「いい覚悟だ…金色に染まれ!!」

 

弥生「駄目っ!!」

 

葉月「弥生!?」

 

普段大きな声を出さない弥生がこの時は大きく声を張り上げながら葉月を庇うように葉月を押し退けると、代わりに攻撃を受けた。

 

弥生「かっ…」

 

葉月「あ……や…よ…い…?」

 

弥生「ごめん…ね…お姉ちゃん…」

 

弥生は金色に染まり銅像のように動かなくなってしまい、葉月は変わり果てた妹の様子に驚きを隠せなかった。

 

葉月「ねぇ…弥生?どうして金色になっちゃったの?どうして動かないの?」

 

弥生「……」

 

葉月「ねぇ…嘘だよね…ほら…起きてよ?いつもみたいに笑ってよ?ねぇってば!!」

 

グリオン「美しい…なんと美しい黄金だ…これこそ私の求める黄金だ!!」

 

グリオンは黄金に染まった弥生に向かって歩み寄り、その体に触れようと手を伸ばした。

 

葉月「弥生を元に戻せぇぇぇ!!」

 

グリオン「お前に用はない…どけ!!」

 

葉月「きゃっ…」

 

グリオンは足元にしがみつく葉月を蹴り飛ばすと、金色に染まった弥生に触れようとした。

 

綾香「はっ!?やめなさい!!」

 

葉月「お母さん!?何…その姿!?」

 

そこに錬金術師の姿の綾香がドアを蹴破って乱入し、グリオンに向かって走り出した。しかしグリオンは既に弥生の頭に手を置いていた。

 

葉月「あ…あ…ああ…」

 

綾香「っ!?やよ…い…」

 

グリオンが触れた瞬間、弥生は黄金色の砂になって崩れてしまい、衝撃の瞬間に葉月は言葉を失ってしまった。

 

葉月「え…弥生…?」

 

綾香「グリオンーー!!」

 

綾香はグリオンに向かって指輪を向けてそばにあった物を片っ端からぶつけようとしたが、グリオンは同じく指輪を翳すと綾香を吹き飛ばしてしまった。

 

綾香「がはっ…」

 

グリオン「ふむ…研究材料は見つからないか。ならもうここに用は無い!!」

 

綾香「待ちなさい…グリオン!!」

 

グリオンはそのまま一瞬で瞬間移動で消えてしまい、残された葉月に向かって綾香は駆け寄った。

 

風雅「綾香!!娘達は!?」

 

綾香「葉月…大丈夫!?」

 

葉月「………」

 

葉月は妹を失ったショックで返事も返す事もなく俯いてしまい、綾香は必死に葉月の体を強く抱きしめた。

 

風雅「すまない…私がもっと早く駆けつけていれば…」

 

綾香「仕方ない…」

 

風雅「何をするつもりだ?」

 

綾香は指輪を掲げると俯いたままの葉月に向かって指輪の光を放った。

 

風雅「まさか…葉月の記憶を!?」

 

綾香「葉月には全てを知られてしまった。記憶を消さなければこの子はずっと妹のことを引きずって自分を責め続けてしまう…弥生の事も含めて忘れてもらうわ…」

 

風雅「君は自分が何をしたのかわかっているのか!?それではこの子がいつか記憶を取り戻した時に自分を強く責めてしまう!!」

 

綾香「だから…全てを完全に忘れてもらうのよ」

 

風雅「何?」

 

綾香「全てを見られてしまった以上この子とは一緒に暮らせないわ…記憶を書き換えて親戚の家に引き取ってもらう…そうした方がこの子は安全よ」

 

風雅「何を言っている?君はこの子の母親だろう…そんな事が…」

 

綾香「残された葉月を守るためよ…」

 

綾香は気絶している葉月の頭に触れると、目を閉じて頭の中に何かを流し始めた。

 

綾香「私達は亡くなった事にしましょう…そうすれば目覚めた時に不審に思わない。」

 

風雅「君は…本当にそれでいいのか!?」

 

綾香「えぇ…それが葉月の幸せよ!!私達は側に居てはいけない…」

 

 

その後葉月の記憶を操作して両親が事故で死んだと思わせた。さらに記憶の中の両親の顔を存在しない別人の顔になるように記憶を改竄してしまった。

 

 

風雅「あれは…葉月?」

 

それからしばらくしてある日、風雅は道を歩く中学生の葉月を見つけて思わず声を掛けてしまった。

 

風雅「葉月!!」

 

葉月「どちら様ですか?」

 

風雅「私の事がわからないか?」

 

葉月「ごめんなさい…わかりません…」

 

風雅「君は両親の事を覚えているか?」

 

葉月「なんですか?いきなり…」

 

風雅「いや…君の苗字も教えてくれないか?」

 

葉月「水瀬です…」

 

風雅「水瀬…」

 

葉月「私、両親が亡くなってしまって…父はわからないんですが、母が水瀬と言う名字だったので水瀬葉月を名乗る事にしたんです。」

 

風雅「君は父と母の事を覚えていないのか?」

 

葉月「顔はなんとなく覚えているんですが、父のフルネームが思い出せなくて…母の苗字は水瀬である事と私の名前が葉月と言うことしかわからないんですよ」

 

風雅「そうか…君はもう一度両親に会いたいと思うか?」

 

葉月「会いたいですよ…いつか必ず!!」

 

風雅「いつか家族と再会出来る事を願っているよ」

 

葉月「ありがとうございます。それでは…」

 

静かに立ち去った葉月の後ろ姿を父はじっと見つめていた。

 

風雅「駄目な父親ですまない…」

 

 

-ウロボロス界-

 

綾香「ああああああっ!!」

 

風雅「やめろ!!もうやめるんだ!!」

 

綾香は自身の命を削って弥生を復活させるための禁術を発動していたが、同じ顔の弥生が甦ることはなく再び砂に戻ってしまった。

 

綾香「どうして…うまくいかないの!?」

 

風雅「弥生はもう死んだんだ…もう同じ弥生が戻って来る事は無いんだ!!」

 

綾香「違う!!弥生は甦るわ!!必ず…何千回掛かったっても諦めないわ!!」

 

風雅「その禁術は錬金連合の中で最も危険で錬金連合でも死者の復活は禁じられている。君の命も危ういのだぞ!!」

 

綾香「それでも構わない…娘を取り戻せるなら!!」

 

風雅「君は…」

 

綾香「生み出したケミー…あの力があれば弥生は戻ってくるかもしれない…全部のカードを渡して!!」

 

風雅「あれは渡せない…」

 

綾香「ケミーの命を捧げれば弥生は戻ってくるかもしれない…だからケミーを渡しなさい!!」

 

風雅「私は君を止めなければならない…」

 

綾香「私は止まらないわ…絶対に!!」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

(GIGABAHAM)

 

 

(KUROANA)

 

 

(One thing, all things One thing, all things)

 

 

風雅はケミーカードを装填して構えを取ると、ドライバーのレバーを勢いよく引いた。

 

風雅「変身!!」

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

(ダークインフィニティ! )

 

 

(ブラックバハムート!)

 

 

風雅は仮面ライダーウィンドに変身を果たすと、同じく綾香もアルケミスドライバーを出現させた。

 

 

(アルケミスリンク)

 

 

(GINGRFFON!)

 

 

(KINKIRAVINA!)

 

 

綾香「変身」

 

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

(シャイニングフェザー!)

 

 

(ヴィーナスグリフォン!)

 

 

綾香はヴィーナスへと変身すると風雅に向かって駆け出して拳を振り上げた。

 

綾香「はあっ!!」

 

風雅「ダァッ!!」

 

2人の拳がぶつかり合うが、綾香が押し負けて壁に叩きつけられてしまった。

 

綾香「ぐはぁ…」

 

風雅「もういいだろう?弥生の事は残念だ…しかし私達は今を生きる娘のために前に進むべきだ」

 

綾香「私は弥生を諦めたくない!!邪魔をするなら貴方の記憶も奪うわ!!」

 

風雅「無理だ…今の君ではケミーも拒絶するだろう…見なさい!!」 

 

綾香「なっ…あっ…ぐっ…」

 

綾香のドライバーから2枚のケミーカードが飛び出して綾香は変身が解除されてしまい、風雅の手元にカードは収まった。

 

綾香「なっ…私を拒絶するの!?」

 

風雅「さぁ…これ以上は君の体も危険だ…家に帰ろう…」

 

綾香「私は…諦めないわ…絶対に!!」

 

 

綾香はその後も弥生復活のために禁術を使用し続けて何度も弥生を砂から甦らせようとするが、弥生が復活することはなかった。

 

綾香「くっ…過去を何度も巡ったのに…弥生…貴方にもう一度…」

 

???「可哀想ですこと…」

 

綾香「誰っ!?」

 

綾香の側に謎の怪人が現れた。綾香は警戒して指輪を翳すが、背後からの攻撃により吹き飛ばされて地面に崩れ落ちた。

 

???「おいおい…ただの人間が命を甦らせるとは無理だよーん!!」

 

???「よく見ろ…普通の人間ではないようだ…」

 

綾香「敵が3人!?」

 

綾香は指輪を光らせると白い錬金術師のローブを身に纏いマントを勢いよく翻した。それを見た怪人は手を叩いて喜んだ。

 

???「錬金術師だったかぁ!!俺達の後輩ってわけだ!!」

 

綾香「貴方達何者かは知らないけど邪魔はさせない!!」

 

???「生意気だよお前…」

 

綾香「万物はこれなるひと…キャアアアアアッ!!」

 

綾香は錬金術を発動させようとしたが、怪人の放った岩が綾香に命中して綾香は吹き飛ばされてしまい、衝撃で白い錬金術師のローブが脱げて怪人の足元に落ちてしまった。

 

???「水瀬綾香ですわね…」

 

綾香「どうして私の名前を?」

 

???「娘を甦らせたいのでしょう?私が貴方の願いを叶えて差し上げましょう」

 

綾香「本当に?」

 

???「その代わりに私に協力しなさい?」

 

怪人は白い錬金術師のローブを拾い上げて綾香に差し出すと、綾香はローブを受け取って怪人の方をじっと見つめた。

 

綾香「本当に弥生は帰ってくるの?」

 

???「えぇ…さぁ…私の元へいらっしゃい」

 

綾香「…わかったわ…」

 

 

風雅「綾香…君は今、どこで何をしている…」

 

綾香は弥生を復活させる事を諦めていないようで、1人で弥生復活の手掛かりを掴むために修行の旅に出ているとの事であった。

 

風雅「綾香!?」

 

父が自宅へ帰ると綾香が一度帰宅した痕跡があり、綾香の寝室へと向かうとそこには綾香の姿はなく布に包まれた赤ちゃんが眠っていた。

 

風雅「まさか…3人目の子供か!?」

 

葉月、弥生に続く3人目の子供を出産していたのに驚いた父であったが、最も驚いたのはその容姿であった。

 

風雅「弥生によく似ている…」

 

ふと赤ちゃんのそばに手紙が置いてあり、父は手紙を読み始めた。

 

綾香(結局私は弥生を甦らせる事は出来なかった。しかし天の神は私の願いを聞いてくれたのか3人目の子供を出産するチャンスをくれたようで、出産する事が出来ました)

 

風雅「綾香…」

 

綾香「この子は弥生によく似ています。もしかしたら弥生を復活させようとする私を止めるために、弥生に似た子にしてくれたのかもしれません」

 

風雅「あぁ…確かによく似ている…」

 

綾香「おそらく禁術により輪廻転生を繰り返した弥生なのかと思いました。しかしこの子は弥生では無い…この子には弥生の重みを背負わせる事はしたくない…だからこの子には貴方に全てを任せたいのです」

 

風雅「私がこの子を育てる…?」

 

綾香「私はもはや子供を育てる資格はありません…どうかこの子を正しく導いてください…」

 

風雅「あぁ…この子は私が大切に育てよう…約束だ。綾香…」

 

3人目の末っ子の子は葉月、弥生に続く女の子であり、風雅は錬金術の研究などを行いながら末っ子の娘を大切に育てた。そして娘には…

 

風雅「りんね。…それがお前の名前だ…」

 

 

3人目の末っ子の娘の名前は九堂りんね。と名付けられたのであった。

 

 

 

葉月Side

 

私達は母、綾香から私の家族についての話を聞いて衝撃を受けてしまった。

 

りんね「貴方が私のお母さん…?」

 

アイザック「おいおい嘘だろ!?」

 

蓮華「う、嘘やろ…」

 

葉月「じゃあ…私の本当の父は…」

 

私はふと風雅さんへと視線を向けると風雅さんは申し訳なさそうな表情をしていた。

 

綾香「そう、葉月…貴方の本当の父は九堂風雅…本来なら水瀬ではなく九堂葉月と名乗る筈だった」

 

葉月「じゃ、じゃありんねさんは…私の…」

 

 

綾香「葉月…そしてりんね…貴方達は弥生を含めた3人姉妹なのよ!!」

 

 

宝太郎「九堂のお姉さんが…葉月さん…?」

 

綾香「そして今、この場に家族全員が揃った…私はこの日をずっと待っていたのよ」

 

スパナ「全員…?弥生って娘は死んだんだろ!?」

 

綾香「弥生…いえ、ヤヨイならそこに居るわ!!」

 

「「「!?」」」

 

お母さんがどこかを指差すと全員の視線が1人の少女に注がれ、誰もが息を呑んだ。

 

りんね「アポロ…?」

 

綾香「正確には弥生の代わりとなる本物を再現して作った人形よ」

 

アポロ「僕?笑えないな…そんなわけないだろう。僕はグリオン様に…」

 

綾香「いいえ…ヤヨイ…貴方は私が復活させた人形よ…グリオンの手下だと思わせるために記憶を改竄したのよ」

 

アポロ「なっ…」

 

綾香「全ては本物の弥生を完全な形で復活させるために、皆を導いて来たのよ」

 

カスミ(ねぇ…これって…)

 

シン(あぁ…まずいなこれは笛木と同じ思想だ…暦を救うために晴人達を利用したのと同じだ…)

 

 

葉月「お母さん…貴方の目的は何なの!?」

 

綾香「弥生を完全に甦らせるためよ…だから貴方の力が必要なのよ」

 

アポロ「黙れっ!!僕はヤヨイじゃない!!僕の父はグリオ…」

 

綾香「黙りなさい人形風情が…」

 

アポロ「うっ…」

 

綾香は指輪を光らせるとアポロは地面に崩れ落ちてしまい、綾香は葉月とりんねに向かって手を差し伸べた。

 

綾香「今度は私が2人を導いてあげるわ…私と一緒に来なさい!!」

 

りんね「お母さん…どうして…」

 

綾香「りんね…貴方は私のモノよ…風雅の元にいるべきじゃないわ!!」

 

風雅「待てりんねは!!」

 

綾香「貴方達の意見は聞いていないわ!!」

 

ミナト「くっ…これは!?」

 

スパナ「笑えない…ジョークだ!!」

 

葉月とりんねとアポロ以外の足が地面に凍りつき、身動きが取れなくなってしまった。

 

宝太郎「行くな!!九堂!!」

 

りんね「一ノ瀬!!」

 

りんねは綾香から離れて宝太郎の方へと走り出そうとしたが、綾香がその手を掴んだ。

 

綾香「りんね…私の元に来なさい!!」

 

りんね「うっ…!?……はい…お母さん…」

 

宝太郎「九堂!?」

 

りんねは綾香の指輪の影響で目が赤くなった。綾香に操られてしまったようで、暗い表情のまま綾香の元へと歩いて行った。

 

綾香「さぁ…行きましょう。りんね…葉月…」

 

りんね「はい…お母さん…」

 

葉月「………」

 

風雅「頼む…2人を連れて行かないでくれ!!綾香!!」

 

風雅の声が響く中で綾香はりんねの手を握ったまま歩き出そうとしたが、1番後ろで俯いている葉月に向かって指輪の光を向け、その手を握ろうとした。

 

綾香「葉月…一緒に行きま…」

 

葉月「ッ!!」

 

その時、葉月は顔を上げると赤い目は一瞬でいつもの目の色に戻り綾香の手を振り払うと、その顔を思い切り引っ叩いた。

 

綾香「葉月!?」

 

りんね「葉月…さん…?」

 

 

葉月「いい加減にしてよ!!お母さん!!」

 

 

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