仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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315話 りんね救出作戦

 

その頃、ラケシスとアレクトは綾香と激しい戦闘を行っていたが、ドレッドの力に押されて思わず後退した。

 

アレクト「ちっ…やはり手強いな…」

 

ラケシス「時間は十分に稼げましたわ。撤退しましょう」

 

 

(SCRAP)

 

 

(ヴァルバラブレイク!)

 

 

ラケシス「ハアッ!!」

 

綾香「くっ…」

 

ラケシスの斬撃により地面から大きな砂埃が舞い上がり、綾香は思わず顔を手首で覆って砂埃を防ぐが、その隙にラケシス達は姿を消していた。

 

綾香「逃げ足の早い人形ね…」

 

 

-高架下-

 

綾香と戦っていた筈のラケシスとアレクトは綾香の圧倒的な力に撤退し、建物の影に身を潜めていた。

 

ラケシス「私達…これからどうするんですの?」

 

アレクト「水瀬綾香を放ってはおけない…何か手を考えなくては…」

 

 

葉月Side -病院-

 

葉月「ううん…」

 

私は目を覚ますと知らない天井が視界に入り、体を起こすと目の前にカスミさんと蓮華さんが視界に入った。

 

カスミ「葉月…目を覚ましたんだ…よかったぁ…」

 

蓮華「うちらすごい心配しとった…意識戻ってよかった…」

 

葉月「2人ともわざわざすみません…病院にまで運んでもらって…」

 

蓮華「運んだのはこの子や」

 

ベッドの脇にはこちらをじっと見つめるアポロの姿があり、アポロは気まずそうな表情を浮かべていた。

 

アポロ「君に死なれると困るからね…君は僕の…その…」

 

蓮華「お姉さんって言いたいんやろ?恥ずかしがる事なか!!」

 

アポロ「うっ…記憶を操作されてるとはいえ…僕はずっと生みの親がグリオン様だと思っていたからね…まだ自分の気持ちに整理がつかないんだ」

 

葉月「そんな…今まで色々ありましたから、仕方ないですよ」

 

アポロ「記憶は改竄されても僕の中で君の事が気になっていたのは事実だ…初めから敵とは思ってなかったからね…それは本当の家族だからかもね」

 

カスミ「それで…これまでずっとグリオンに仕えてきたの?」

 

アポロ「そうだ…僕は未来で復活したグリオン様に仕えてきたんだ…グリオンからしてみれば不審に思ったかもしれないけど、僕が従順だったから見逃されていたんだろう…」

 

蓮華「未来?何の話なんや?」

 

アポロ「僕はこの時代と未来の世界をアレクトとラケシスと共に行き来していたんだ…未来の呉島葉月とこの時代の呉島葉月のドライバーを奪うために」

 

蓮華「未来ってもしかしてお宝ちゃんが前に行ったっていう!?」

 

アポロ「そうだよ…未来の世界ではグリオンに加えて、異世界のダークライダーがオーロラカーテンを通して再び崩壊の危機を迎えている」

 

蓮華「いつの間にそんな事が!?」

 

アポロ「呉島葉月…未来の君は君に戦う力としてケミーをこの時代へと送った…しかし何らかのトラブルが起こり時空の狭間にカードは飛ばされた…」

 

蓮華「葉月さんがしばらく居なかったのはもしかして…」

 

葉月「えぇ…様々な時代を巡ってケミーを回収していたんです」

 

私はカードホルダーから集めたケミーカードを取り出し、蓮華さんに差し出した。

 

蓮華「すんごいなぁ…コズミックケミーにファンタスティックケミー達や!!」

 

アポロ「かなりの数が集まったね…しかしまだ足りない…」

 

葉月「あと何枚足りないんでしょうか?」

 

蓮華「足りないのはたしか…ちょっと待ってな、サビーに連絡してみるわ」

 

蓮華さんは私の集めたカードの写真を撮ると誰かに連絡をとり始めた。すぐに返事が来たようで、添付された写真を私に見せてきた。

 

葉月「あと8枚?」

 

蓮華「グランドサターン、ヴァンフェンリル、ジュピッタ、マケンタウロス、クロアナ、ギガバハム、そしてレベルNo.Xのガイアードとドラゴナロス」

 

葉月「まだまだ仲間がいるんですね…」

 

アポロ「いや…後、4枚だ…」

 

蓮華「4枚?」

 

アポロ「クロアナ、ギガバハムはグリオン様の手に…ガイアードとドラゴナロスは未来の呉島葉月の手にある…」

 

葉月「じゃあ、あと4枚回収出来ればいいんですね」

 

アポロ「それより、回収したケミーを君はどうするつもりだい?」

 

葉月「決まってます…未来へ行き、全てを未来の私に返しに行きます!!」

 

アポロ「未来の君はこの時代の危機を察してこのカードを送ったんだ…」

 

葉月「けど…」

 

蓮華「今すぐに返しに行かなくてもええんちゃう?」

 

葉月「蓮華さん?」

 

蓮華「ほら見てみ?ケミー達は葉月さんと絆があるみたいやし、すごい懐いとる」

 

カードへと視線を向けるとケミー達がカードの中で揺れ動いており、まるでしばらくは共に居たいと訴えているようだった。

 

葉月「ありがとう…みんな…さてと!!」

 

私はベッドからゆっくりと立ち上がると壁に掛けられた白のスーツのジャケットを羽織り、乱れた髪を整え始めた。

 

蓮華「ん?りんねから…なんやこれ!?」

 

その時、蓮華さんのスマホがメールの音声が鳴り響いて画面を確認すると、蓮華さんは驚きの声を上げた。

 

アポロ「どうしたんだい?」

 

葉月「これは…!!」

 

メッセージに添付された写真を見ると、水中で泡に包まれて意識を失っているりんねさんを抱えたマルガムか映っており、私は思わず握り拳に力が籠った。

 

綾香(りんねを助けたければ101体全てのケミーカードを持って来なさい…りんねと交換よ!!)

 

葉月「お母さん…貴方って人は!!」

 

私達は慌てて病院を飛び出し、指定された場所へ走りながら隣を走る蓮華さんに話しかけた。

 

葉月「蓮華さん…これを!!」

 

蓮華「何で!?」

 

私はキンキラヴィーナとギングリフォンのカードを差し出すと、蓮華さんは驚きの表情を浮かべた。

 

葉月「りんねさんを助けるためです…この2枚も101体のうちの2体ですよね」

 

蓮華「そうやけど…」

 

葉月「大丈夫です…私に考えがあります…アポロ!!」

 

アポロ「何だい?」

 

葉月「私の指示通りに動いてくれますか?」

 

アポロ「任せて…けどその前に呉島葉月…」

 

葉月「何ですか?」

 

ヤヨイ「僕の事はこれからはヤヨイと読んで欲しい…丁寧口調も不要だ…」

 

葉月「わかった…ヤヨイ…」

 

ヤヨイ「うん。姉さん…」

 

葉月「姉さん…か…」

 

ヤヨイ「それで僕は何をすればいい!?」

 

葉月「えぇ…作戦はですね…」

 

私達は指定された場所に辿り着くと錬金メンバーも揃っており、それぞれ手分けして全てのカードを集めて持って来ているようだった。

 

アイザック「当然全て渡すつもりなんてないだろう?」

 

ミナト「当然だ…全員で一斉に錬金術で彼女を拘束してその隙に九堂を救出する…それで構いませんか?風雅さん…?」

 

風雅「あぁ…」

 

 

綾香「揃ったみたいね…さぁ…ケミーを渡してもらうわ!!」

 

葉月「りんねさんを返して!!」

 

綾香「フッ…アッハッハッハッ!!アーッハッハッハ!!」

 

宝太郎「なっ…何がおかしいんだ!?」

 

綾香「バカな人達ね…罠だとも知らずに…」

 

綾香は手を叩くと葉月達の周りにいつも間にか知らない錬金術師が現れて指輪を光らせると、私達の周囲に結界のような物を張り巡らせ、綾香はその手に謎の炎を宿し始めた。

 

スパナ「バカな…黒い炎だと…」

 

綾香「ウフフ…黒鋼スパナ。貴方の黒い炎を少しだけ吸収させて貰ったわ!!」

 

鏡花「バカな…スパナの黒い炎を取り込むためにスパナと戦っていたのか!?」

 

スパナ「くっ…笑えないジョークだ!!」

 

綾香「貴方達は結界によりもう逃げられない…大人しくケミーを渡しなさい」

 

宝太郎「ケミーは渡さない!!ケミーは大事な仲間なんだ!!」

 

ホッパー1「ホッパ…」

 

綾香「ケミーが仲間ですって?ケミーは力!!大いなる目的への手段にすぎないわ!!」

 

宝太郎「違う…ケミーは…」

 

綾香「話は終わりよ…さぁ全てのケミーよ!!私の元に集まりなさい!!」

 

ミナト「あれは…まずい!!」

 

綾香が手を空に向かって掲げると黒い炎の勢いが強くなり、同時に宝太郎達の手元のケミーカードが黒い炎へと引き寄せられていった。

 

宝太郎「カードが!!」

 

スパナ「これは!?」

 

鏡花「スパナがみんなのカードを奪った時と同じ方法か!!」

 

綾香「結界を操る錬金術師も洗脳して私の操り人形よ!!さぁ…集まりなさい!!」

 

綾香の手に次々とケミーカードが集まりだした。最後にキンキラヴィーナとギングリフォンが綾香の手に収まり、綾香は満足そうな笑みを浮かべた。

 

綾香「フフフ…お帰り…後は…」

 

綾香は再び指輪を光らせると結界を作っていた錬金術師達は意識を失って地面に崩れ落ちてしまい、結界が崩壊して宝太郎は思わず錬金術師達へ駆け寄った。

 

宝太郎「仲間に何をするんだ!!」

 

綾香「言ったでしょう?彼らは私の操り人形よ…もう用済みよ!!」

 

蓮華「ほんま酷い…酷すぎるわ!!アンタそれでも母親なんか!?」

 

綾香「何ですって?」

 

綾香は蓮華の方に視線を向けると、蓮華は綾香にケミーライザーを向けながら一歩踏み出した。

 

蓮華「ケミーや仲間を使い捨てようとするアンタのような奴が、りんねと葉月さんの母親だなんてうちは絶対認めへん!!アンタは母親失格や!!」

 

アイザック「挑発をするな蓮華!!」

 

綾香「そう…なら!!」

 

蓮華「かっ…」

 

綾香は蓮華に手を翳すと指輪が光り、蓮華は突如綾香に引き寄せられてしまった。綾香はそのまま蓮華の首を掴み、奪い取ったケミーライザーを蓮華の顔に向けた。

 

綾香「ならまずは貴方から始末してあげるわ、銀杏蓮華!!」

 

宝太郎「蓮華お姉さん!!」

 

アイザック「逃げろぉぉぉ!!」

 

葉月「ふっ!!」

 

ケミーライザーの銃口が蓮華の顔に向いてボタンが押されようとした瞬間、突如ケミーライザーは葉月の放ったケミーライザーの銃撃で弾き飛ばされた。

 

葉月「そこまでだよ、お母さん。蓮華さんを離してあげて…狙いは私でしょ?」

 

綾香「いいでしょう…」

 

綾香は蓮華を突き飛ばすと葉月がしっかりその体を受け止めた。

 

蓮華「葉月さん…?」

 

葉月「大丈夫です…お母さんは私が!!」

 

私は蓮華さんを後ろに下がらせると、お母さんと正面から向き合った。

 

綾香「葉月…来たのね…」

 

葉月「りんねさんはどこですか?」

 

お母さんはふと川の方に視線を向けながら指輪を光らせると、水中からマルガムが姿を現した。その手にはりんねさんが横抱きにされていた。

 

サブマリンマルガム「おいおい…俺達のディープな時間を邪魔するなよぉ…」

 

綾香「お楽しみは最後まで取っておきなさい」

 

サブマリンマルガム「ちぇ…まぁ…仕方ないか…」

 

マルガムは意識のないりんねさんの抱き抱えたまま、その長い黒髪に触れた。

 

サブマリンマルガム「くう〜!!」

 

綾香「さぁ…葉月…りんねを救いたければ私と一緒に来なさい」

 

宝太郎「九堂を離せ!!」

 

綾香「お黙りなさい!!今は家族の会話の最中よ!!」

 

宝太郎「くっ…」

 

綾香「さぁ…どうするの?まぁ…変身出来ない貴方の選択肢は一つしかないわよね…」

 

蓮華「くっ…卑怯や…」

 

スパナ「くっ…なら俺が行くしか…」

 

スパナが武器を綾香に向けるが、ミナトが慌ててその手を止めた。

 

ミナト「待て…九堂が人質に取られている以上、俺達が動く事は出来ない!!」

 

スパナ「くっ…ならどうしたら!?」

 

ミナト「彼女の選択に託すしかない…」

 

綾香「さて…さぁ!!葉月いらっしゃい!!」

 

葉月「詰めが甘いよ、お母さん…」

 

綾香「何ですって?」

 

 

マーキュリン(それーっ!!)

 

ドンポセイドン「ドーン!!」

 

 

綾香「なっ…ぐっ…全てのケミーは回収した筈!?」

 

お母さんが警戒する中、背後からマーキュリンとドンポセイドンがお母さんに体当たりを仕掛けて体勢を崩し、お母さんは辺りを見渡した。

 

綾香「くっ…ヤヨイ!!」

 

ふと視線を向けると少し離れた高台からヤヨイが事前に渡していたケミーカードを使い、マーキュリンとドンポセイドンを解放して反撃のチャンスを作ってくれていた。

 

ヤヨイ「今だよお姉ちゃん!!」

 

 

(アルケミスリンク!)

 

 

綾香「っ!!りんねを!!」

 

サブマリンマルガム「くう〜!!それじゃバイビー!!」

 

マルガムがりんねさんを抱えたまま川に飛び込んでしまい、直ぐに私は後を追うために指輪をドライバーに翳すと川へ飛び込んだ。

 

 

(DONPOSEIDON!)

 

 

(MERCURIN!)

 

 

葉月「変身!!」

 

 

(ガガガガッチャーンコ!)

 

 

(ウェーブガーディアン!)

 

 

(マーキュリーポセイドン!)

 

水中に飛び込む直前、マーキュリンとドンポセイドンがドライバーへ自ら装填され、私は素早くレバーを引いてマーキュリーポセイドンに変身し、水中に身を投じた。

 

葉月「りんねさん…どこに…」

 

サブマリンマルガム「くう〜!!」

 

突如背中に衝撃を感じて振り返ると、マルガムが私に向かって魚雷を発射しており、私は魚雷を撃ち込まれてダメージを受けた。

 

葉月「ぐっ…うぅっ…」

 

サブマリンマルガム「水中では俺には勝てないぜぇ…くう〜!!」

 

葉月(このマルガム…りんねさんを抱えてない!?)

 

マルガムはりんねさんを抱えておらず辺りを見渡すと、川の底に泡に包まれているりんねさんが視界に入った。

 

葉月「りんねさん!!」

 

サブマリンマルガム「どこへ行くんだーい!!」

 

葉月「がっ…あぁっ…」

 

私は再び魚雷を浴びて大ダメージを負ってしまい、川の中を漂い始めた。

 

サブマリンマルガム「君さぁ…あの子の姉なんだって?君も可愛いから俺のモノにしてやるよ!!」

 

葉月「なっ…何を!?」

 

私は川の底に体を押し付けられてしまい、マルガムは仮面の金色のゴーグルを嫌らしい手付きで撫で始めた。

 

サブマリンマルガム「さぁ…その可愛い顔を見せてくれよ!!くう〜!!」

 

マルガムは私の顔を晒すために強制的に変身を解除させようと、私のアルケミスドライバーに手を伸ばした。

 

葉月「くっ…りんねさ…ううん…違う…りんねは私の妹!!」

 

私は視界に映るりんねさんへ必死に手を伸ばして叫び続けた。

 

 

葉月「りんね…りんねぇぇぇぇ!!」

 

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