-翌日-
錬金アカデミーには宝太郎、りんね、蓮華、錆丸、そしてミナトと勢揃いしていたが、そこには葉月の姿がなかった。
宝太郎「葉月さん今日は来れるのかな?大怪我したって聞いたけど」
錆丸「まさか…怪我がまだ治ってないんじゃ…」
りんね「ううん…姉さんなら今日の朝には退院したよ」
ミナト「そういえばスパナの姿もないな…」
蓮華「どうしたんやろ…」
全員が心配する中、アカデミーの扉が開いてスパナを先頭に葉月が室内に入って来て、りんねが葉月に駆け寄った。
りんね「姉さん…今までどこにいたの?」
葉月「ちょっと道場に…」
蓮華「道場…?」
宝太郎「あれ…葉月さんドライバーを装着してる?」
葉月の腰にはアルケミスドライバーが装着されており、宝太郎は不思議そうにドライバーを見つめた。
宝太郎「葉月さんもしかして…」
ミナト「じゃあ早速テストを開始する。準備はいいか?」
葉月「はい。いつでも」
ミナト「では、アッパレブシドーとスケボーズのケミーカードを天秤の上に乗せるんだ」
葉月「わかりました」
私は2枚のカードのうち、1枚をドライバーから取り出すと、もう1枚のカードをジャケットのポケットから取り出した。
りんね(ドライバーにどうして1枚だけ?)
蓮華(何で別々に?)
葉月「それじゃ行くよ2人とも…」
葉月は2枚のカードに静かに呟くと指輪をはめて2枚のカードを手に乗せて軽く上下と軽く動かした。そして最初にスケボーズを天秤に乗せるとはかりは重さで深く沈んだ。
葉月(よし…)
次にアッパレブシドーのカードを天秤に乗せるとスケボーズの方が浮き上がり、アッパレブシドーがゆっくりと沈み始めた。
宝太郎「お?おおおお!?」
しばらくは2枚が上下と揺れ動いていたが、やがて2つが水平になったところで私はガッツポーズを取った。
葉月「出来た!!」
りんね「姉さん!?どうやったの!?」
アイザック「スゲェ…」
蓮華「やるやん!!」
宝太郎「うおおおお!?凄い!!やったね葉月さん!!」
ミナト「見事だ…ちなみにどうやったか聞いてもいいか?」
宝太郎「そうそうどうやったの?もしかして俺みたいに?」
りんね「ちょっと一ノ瀬!?あのやり方は…」
葉月「ちなみに宝太郎君はどうやったんですか?」
宝太郎「それは…」
-回想-
宝太郎「うおーっ!!出来たぁぁぁ!!」
りんね「一体どうやったの!?」
宝太郎「2人に頼んだんだよね〜」
宝太郎の脳内にオドリッパとカマンティスに必死に手を合わせている様子を思い出していた。
宝太郎(お願いします!!痩せて!!)
オドリッパ(リッパ…)
宝太郎(太ってお願い!!)
カマンティス(カッマ…)
宝太郎「オドリッパにはダイエットしてもらって…カマンティスには太ってもらって!!」
りんね「えっ!?」
宝太郎「いや〜2人には無理掛けたかな〜」
ミナト「本来こんなやり方は無い!!…が合格だ!!」
宝太郎「うおおおお〜!!ガッチャー!!じゃあ俺はこれで!!」
-現在-
葉月「へぇ…でも宝太郎君らしいやり方かもですね」
宝太郎「そうでしょそうでしょ〜」
りんね「一ノ瀬…だからあれは錬金術師的にはルール違反だから!!」
宝太郎「けど俺は俺のやり方でやったし絶対無理じゃ無かっただろ?」
蓮華「確かにお宝ちゃんらしいわ」
アイザック「あぁ…宝太郎らしいやり方だな…」
りんね「それで…どうやったの姉さん?」
葉月「それはね…」
-葉月の回想-
私は重さを揃える方法が最初から指輪にあると思い、指輪をはめてカードを上下させるのを繰り返していた。
葉月(指輪を使えば質量交換が出来るはず…けど重さを揃えるにはまだ足りない…これは私が錬金術師として技術が皆無だからだよね…)
最終的に思いついたのが、ひたすら上下に動かして重さの変化の感覚を掴みながら繰り返し動かす事であった。
葉月「僅かな重さの誤差はドライバーが調節してくれるかも…本来はこんなやり方はしないと思うけど…」
私はアルケミスドライバーを装着してアッパレブシドーの僅かな重さの誤差を調整するために道場へと足を運ぶと既に先客がいる事に気がついた。
スパナ「あんたか…」
葉月「こんにちはスパナさん…」
スパナ「テストを受けるそうだな…調子はどうだ?」
葉月「後もう少しなんですが…」
私は竹刀を手に取って素振りを始めるとスパナさんがその様子をじっと見つめた。
スパナ「なんとかなりそうなのか?」
葉月「えぇ…私は錬金術師の才能が無いらしいですが、無いなりの工夫があるんですよ」
スパナ「あんたが九堂りんねの姉だと聞いて正直驚いた。2人はよく似ている…九堂りんねの真面目さと戦い方などほぼ同じだ…」
葉月「りんねの事…よく見てるんですね…」
スパナ「あぁ…共にグリオンや強敵と戦って来たからな…」
葉月「そっか…」
スパナ「あんたはケミーの事をどう思っている?」
葉月「と言うと?」
スパナ「俺はケミーは道具だと思っている…ケミーが世間に広まれば混乱が起こる…人々はケミーを求め、争いが起こる…ケミーは人々の秩序を乱す…」
葉月「……」
スパナ「あんたはどうだ?ケミーの事をどう考えている?」
葉月「最初に私は…ケミーは「力」だと思っていました」
スパナ「?」
葉月「私が錬金術師の仮面ライダーになったのは、後輩の仮面ライダー達を導くための力が欲しかったからです…新しい力があれば自分の中で新しい可能性が生まれると思ったんです」
スパナ「そうか…」
葉月「ケミーと出会ってから強い力を感じました…しかしマルガムなどの存在を知ってからは、ケミーは善にも悪にもなる現実を思い知りました…」
スパナ「当然だ…」
葉月「ただケミーにはちゃんと心がある…ケミーと一緒に戦う中で絆が芽生えていったんです…だから100パーセントの力を引き出すにはちゃんと心で通じ合っていかないと思うんです…」
スパナ「……」
葉月「だから今はケミーの事は一言で例えるなら「相棒」でしょうか」
スパナ「あいつと似たような事を言うんだな…」
葉月「?」
スパナ「いや…なんでもない…けどあんたがどういう人間か少しわかった気がする…」
葉月「甘い考えだって思われるかもしれませんが…これが私なんです。」
私はふとスマホの時刻を確認すると約束の時間が迫っている事に気づいて竹刀を元の場所に戻した。
葉月「行かないと…」
スパナ「見せてもらうぞ…あんたとケミーの絆を…」
葉月「えぇ…」
私はスパナさんの後に続いてアカデミーへと続く扉の前へと歩いて行った。
-現在-
ミナト「なるほど…2枚の重さの調整を繰り返しながら感覚を掴んでいったのか」
りんね「どうしてドライバーに入れたりしたの?」
葉月「この2枚がガッチャンコ相手だったからだよ」
宝太郎「???」
葉月「パートナー同士だから2人のバランスを調整しやすいと思ったの…錬金術師の才能がある人なら指輪をはめて動かずだけで質量交換が出来るけど、初心者の私はそれに慣れてないから簡単にはいかない…だからドライバーを装填して取り出して上下する事を繰り返したんだ…」
りんね「それってもしかして…」
葉月「ドライバーには内部の天秤機構がカードを計測して力の均衡を測定・調整する機能があるんじゃないかなって気づいたんだ…そうじゃなきゃ2つの力を合わせて変身なんて出来ないよね?」
宝太郎「???」
ミナト「なるほど…ドライバーの機能を知った上でその方法も思いついたのか」
葉月「えっと…どうでしょうか?」
ミナト「合格だ…見事な分析とひらめきだ…やはり只者じゃなかったな…」
蓮華「凄いやん、おめでとう!!」
宝太郎「おおおおっ!?言ってる事はよくわからなかったけどおめでとう葉月さん!!」
葉月「ありがとうございます」
私がみんなに頭を下げているとスパナさんがゆっくりと近づいて来て私に耳打ちをしてきた。
スパナ「これもケミーとの絆か?」
葉月「えぇ…そうかもですね」
私の方へとミナト先生がやって来て私はすぐにミナト先生の方へと視線を向けた。
ミナト「改めてだが…今回のテストの結果により…君を錬金術師として認める」
葉月「はいっ!!」
りんね「やったね、姉さん!!」
葉月「うん!!」
私とりんねが笑みを浮かべているとアカデミーの扉が開いてお父さんが姿を現した。
風雅「どうやらテストは終わったようだな?」
葉月・りんね「「お父さん!?」」
ミナト「はい…彼女はテストを見事にクリアしました」
風雅「そうか…なら、これを託そう!!」
葉月「?」
お父さんが私に向かって指輪を光らせると私の服装が錬金術師の服装となり、私は自信の服装を眺め回した。
りんね「白い錬金術師の制服?」
風雅「綾香が着ていた物と同じ物だ…上級の錬金術師が身につける特別な白がお前には似合うと思ってな…」
葉月「上級…」
宝太郎「カッコイイじゃん葉月さん!!」
りんね「ちょっと羨ましいかも…」
風雅「これでお前も立派な錬金術師だ…」
葉月「うーん…ちょっと待ってお父さん…」
りんね「姉さん?」
葉月「似合うって言ってくれて嬉しいんだけど、ごめんなさい…この制服は着れない…」
宝太郎「葉月さん!?」
蓮華「なんでなん?お母さんとお揃なのに…」
風雅「…理由を聞かせてくれるか?」
葉月「理由は…今の私はこの白を身につける資格がないからだよ」
風雅「資格…?」
葉月「この白は本来は上級の錬金術師が身につける物でしょ?錬金術師になりたての初心者の私が白を着たら他の人達に申し訳ないよ」
宝太郎「俺達は全然気にしないけど…」
葉月「ううん…私が気にするんだ…ちゃんと錬金術師としての経験を積んで、この白を身につけるに相応しい実力を身につけてからにしたいんだ…だって私はまだ錬金術師としてのようやくスタートラインに立ったばかりだからさ…」
風雅「葉月…」
りんね「姉さんはそれでいいの?」
葉月「うん…」
ミナト「君は謙虚な人だ…それならこれはどうだ?」
次にミナト先生が私に向かって指輪を光らせると、白い錬金術師の制服からワインレッドの色の制服へと変わり、再び私は自身の制服を眺め回した。
ミナト「君の錬金術師としての成長を楽しみにしている」
風雅「葉月…これからも己を信じて進むなさい…いいな?」
葉月「はいっ!!と言うわけで改めましてよろしくお願いします皆さん」
私は宝太郎君達に軽く頭を下げるとりんね達が駆け寄って来た。
宝太郎「こちらこそよろしくお願いします、葉月さん!!」
蓮華「よろしゅうな。うちらと同じカラーやな似合ってるで!!」
アイザック「よろしくな後輩!!」
蓮華「コラッ!!葉月さんの方が年上やろ!!偉そうに何言うてんねん!!」
蓮華さんがタブレットを掴み怒鳴るが、私は蓮華さんの肩を叩いてこちらへと視線を向けさせた。
葉月「まぁまぁ…呼び方はなんでもいいですから…」
蓮華「よろしくな、葉月さん」
私は蓮華さんと握手して次に錆丸さんへと握手を交わすと、スパナさんの方へと視線を向けた。
スパナ「あんたはこれからも強くなる…成長を楽しみにしている」
葉月「ありがとうございます…スパナさ…」
スパナ「丁寧口調も不要だ…好きに呼んだらいい」
葉月「…よろしくね、スパナ君…」
スパナ「…あぁ…」
次に宝太郎君へと視線を向けると宝太郎君が私の手をがっしりと掴んだ。
宝太郎「これからよろしく、葉月さん!!」
葉月「よろしくね、宝太郎君」
宝太郎「うおおおおーガッチャー!!」
最後に妹のりんねに視線を向けると、りんねは私に向かって満面の笑みを浮かべていた。
葉月「どうかな?似合う?」
私はワインレッドのマントを広げて見せると、りんねは私の顔を見てさらに笑みを浮かべた。
りんね「似合ってるよ、姉さん…これからもよろしくね」
葉月「これからは一緒だね…」
りんね「うん!!」
その時、画面のモニターから音が響き渡り、思わず視線を向けると男性の声が聞こえてきた。
ミナト「錬金連合からだ…」
錬金術師「本部より連絡…現在襲撃を受けています…」
スパナ「襲撃だと!?」
錬金術師「我々、連合は…うわあああっ!!」
グリオン「お前達はもう用済みだ…」
錬金術師の男性が背後から攻撃を受けて床に倒れて、画面には襲撃者の男性の姿が映った。
宝太郎「グリオン!?お前は倒した筈じゃ!?」
グリオン「久しぶりだな…一ノ瀬宝太郎…そして九堂風雅…」
風雅「グリオン…復活したのか…」
葉月(あれがグリオン…弥生の仇…)
黒いスーツにモノクルを掛けて金色のルーリックキューブを持つ男性は金色の目を光らせていた。
グリオン「世界を再び黄金に染める…完全静止した世界を作るために、人間全てを黄金に変えて私の理想のエルドラドを作るのだ!!」
葉月(黄金…?)
りんね「あいつがかつて世界を黄金に変えて支配しようとした…また復活するなんて…」
宝太郎「そんな事…させてたまるか!!」
グリオン「一ノ瀬宝太郎…貴様は黄金に染める価値もない…私が直々に始末してやる…」
スパナ「復活したところで…また倒すだけだ!!」
りんね「私達には仲間がいる!!」
グリオン「くだらん…いずれ貴様らを滅ぼして私の作る理想のエルドラドの素材にしてやろう…楽しみに待っているがいい!!」
映像はそこで終了し、全員が衝撃的な状況に思わず言葉を失った。
風雅「連合を乗っ取ったのか…」
スパナ「厄介な奴が地獄から甦ったか…」
宝太郎「大丈夫!!俺達とケミーの絆があればどんな奴にも負けはしない!!」
ホッパー1「ホッパーッ!!」
宝太郎君の隣でホッパー1が跳ね回り、宝太郎君がいつものガッチャのポーズを取った。
りんね「姉さん…」
葉月「大丈夫…今度は私も居るから…」
ミナト「全員、グリオンの動きには注意する事!!何かあればケミーライザーで連絡をするように!!」
-その夜-
自宅に戻った葉月はふと自身が錬金術師となった事を思い出しながらオレンジ色の指輪をじっと見つめた。
葉月「沢芽市のクラックは全部閉じて問題は解決したけど、これからはケミー回収しながらアカデミーにも顔を出さないと…」
シャワーで汚れた体を洗い流しながら呟く葉月だが、右脇腹には戦いで受けた傷があり、傷口が緑色に微かに光り始めていたが今の葉月は気づいていなかった。
葉月「さて…と…そろそろ寝ようか…」
葉月は寝る支度を整えるとベッドにダイブするが玄関のチャイムが鳴り響き、のっそりと玄関へと歩いて行った。
葉月「こんな時間に誰…?」
葉月がドアを開けると外に居た人物が突如として倒れ込み、葉月はその人物を慌てて受け止めた。
葉月「どうしたんですか!?しっかりしてください!!」
???「やっと見つけたわ…呉島葉月…」
葉月「あれ…貴方は…確か…」
???「もう…限界…うっ…」
葉月「あっ!?ちょっと…しっかり!!」
慌てて寝かせた人物はピンクと白のメッシュが入った黒髪のロングヘアーの女性でピンクと黒を基調としたゴスロリチックな衣装を身に纏っていた。
葉月「名前は確か…ベロバさん…酷い怪我…しっかり!!」
-翌日-
ベロバは酷い痛みで目を覚ますと、見知らぬベッドに寝かされている事に気が付いた。
ベロバ「痛っ…私としたことが、あそこまでやられるなんて…」
葉月「あ、目を覚ましました?」
葉月は隣で何かの作業を行っており、体を起こしたベロバへと視線を向けた。
葉月「ベロバさんですよね?…皐月の友達の…」
ベロバ「ハァ?私があんなやつと友達だなんて…」
葉月「ベロちゃんベロちゃんって喜んでましたよ皐月…」
ベロバ「サッキー…」
ベロバは体を起こそうとしたが、自身がジャージに着替えさせられている事に気がついた。
ベロバ「私…いつの間に着替えて…」
葉月「一体何があったんですか?」
葉月の手にはベロバの服があり、ビリビリに破れたゴスロリの衣装を修繕している最中だった。
葉月「こんなに服がボロボロになるなんて…一体何があったんですか?」
ベロバ「アンタ…サッキーと最近会ってる?」
葉月「それがこの前シロちゃんから連絡があって、皐月と連絡が取れないって言ってました…私もずっとメッセージ送ってるんですが返事がなくて…」
ベロバ「…数ヶ月前にサッキーに襲われたわ…」
葉月「えっ!?」
ベロバ「いつも通り遊びに誘おうと待ち合わせしていたら、突如彼女に襲われたのよ…」
葉月「なっ…皐月が!?」
-回想-
ベロバどうして…私を攻撃して…アンタ…裏切ったの!?」
皐月「あぁ…いいわ〜ベロちゃん!!貴方最高に不幸に満ちてるわ!!」
ベロバ「なっ…アンタ…口調が…」
皐月「信じていた人に裏切られてどんな気分かしら?あぁ…貴方の不幸は最高よ!!」
ベロバ「アンタ…私の口調の真似を!?いや…何かが違う…」
皐月「じゃあ私は行くね?バイバイ…ベロちゃん!!」
ベロバ「待ちなさい…サッキー!!」
-現在-
ベロバ「私からレーザーレイズライザーを奪って姿を消したわ…」
葉月「皐月に他に何か変わったところはありました?」
ベロバ「あの子、顔が変化していたわ…アンタと私の顔を混ぜ合わせた顔にしたって言ってたし、口調も服装も私に似せていたわ…」
葉月「一体何を考えているの、皐月…まるで悪者を演じてるみたいな…」
ベロバ「ネイティブって言ってたわね…擬態元のアンタを尋ねれば何かわかると思ったけど無駄足だったわ…」
葉月「じゃあ体の傷はもしかして皐月に?」
ベロバ「ここに来る途中で変なオーロラに巻き込まれて異世界の怪人に襲われたわ…」
葉月「オーロラカーテン現象…」
ベロバ「呉島葉月…私の代わりにサッキーを止めて欲しいのよ…あの子、何か大きな事を考えてるみたいだから…」
葉月「友達…ですもんね…」
ベロバ「勘違いしないで頂戴…私の居ないところで勝手に不幸になるなんて許さないわ!!」
葉月「わかりました…皐月の事も調べて見ます…はい、修繕完了!!」
葉月はベロバの服を返すとベロバは隣の部屋へと移動して着替え始めた。
葉月「そういえば誰かに操られているって可能性は?」
ベロバ「それは無いと思うわ…あくまでサッキー自身の意思の筈よ…」
葉月「一体何を考えているの…皐月…」
ベロバ「それじゃ私は帰るわ。サッキーの事、任せたわよ」
葉月「えぇ…お気を付けて…」
ベロバは家から出るとその後ろ姿を見つめながら、連絡の取れない皐月の事を思い出していた。
葉月「皐月…今、どこにいるの?」
一方で皐月は、とある研究室にてパソコンに何かのデータを入力していたが背後の人物に気づいてパソコンの画面に視線を向けたまま背後の人物へと声を掛けた。
皐月「どうして貴方がここに…ううん…なんで生きているのかしら?」
瑛磨「姉さんこそ…こんなところで何してる?」
皐月「はぁ…」
皐月は作業を中断して椅子から立ち上がると変わり果てた姿に瑛磨は驚きの表情を浮かべた。
瑛磨「姉さん…どうしてベロバの姿に?」
皐月「別に今の私に相応しい格好でしょ?」
瑛磨「今の私?」
皐月「今日見たことは忘れてあんたは帰りなさい」
瑛磨「そうはいかない…俺がこうしてここに来たのも…姉さんを取り戻すためだ!!」
皐月「私を取り戻すですって?」
瑛磨「あぁ…今の姉さんはまともじゃない!!」
皐月「まともじゃない?アッハッハハッハッ!!アーハッハッハッ!!」
瑛磨「ね、姉さん?」
皐月「そう…邪魔をするつもりね…なら…変身…」
(チェリーエナジー)
皐月の腰にはゲネシスドライバーが装着されており、チェリーエナジーロックシードを解錠してドライバーに装着した。
(ロックオン・ソーダ!)
(チェリーエナジーアームズ)
アーマードライダーアルテミスへと変身した皐月はソニックアローを瑛磨へと向けた。
皐月「私の邪魔をしないで瑛磨…」
瑛磨「姉さん…どうして!?」
皐月「バイバイ… 瑛磨…」
直後、皐月のソニックアローの射撃音が響いて研究室は真っ暗闇に包まれた。