仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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35話 違う世界の沢芽市

 

葉月「うっ…うぅ…貴…虎…さん…?」

 

私はどれぐらい意識を失っていたのだろうか?私は何とか起き上がり状況を整理した。

 

葉月「止めなきゃ…兄弟同士で戦うのは絶対駄目!!」

 

私はすぐに起き上がり走り出そうとしたが私のすぐ近くに紙袋が置いてあるのを見つけてそれを拾い上げた。

 

葉月(何…これ?)

 

私は勝手に開けるのを躊躇ってしまうが紙袋に「水瀬へ」と書かれた文字を見てあわてて中を開封した。

 

葉月「ヘアリボンと…手紙?」

 

紙袋に入っていたのは黒のロングリボンであり私は一緒に入っていた手紙を広げて読んでいくと涙が溢れてくる。

 

 

水瀬へ

君の好みに合うか分からないが受け取ってくれると嬉しい

葛葉達と共にこの街を頼む

 

呉島貴虎

 

 

葉月「この街を頼む…って…最初から居なくなるつもりだったじゃないですか…」

 

私は手紙を涙で濡らしながらリボンを手に取って髪に結ぼうとしたがふとその手を止めた。

 

葉月(今、リボンを結んだら貴虎さんが居なくなる事を認めてしまうみたい…)

 

私はそう思うとリボンと手紙をスカートのポケットに押し込んでゆっくり立ち上がった。

 

葉月(まだ…間に合う!!今から行けば止められるかも…)

 

そう思った時にはすぐに私は貴虎さんの自宅を飛び出してロックビークルに乗って走り出した。

 

 

-波止場-

 

私は光実君と貴虎さんが集まりそうな場所をしらみつぶしに探していたがなかなか2人を見つけられずに最終的に波止場へとやって来ていた。

 

葉月「貴虎さん!!」

 

私は貴虎さんの名前を叫ぶがそこには誰も居らず辺りは静まり返っていた。

 

葉月(あれは…?)

 

私は地面に何か黒い物が落ちているのに気がついてそれを拾い上げると私はショックのあまり膝をついてしまった。

 

葉月「そ…そんな…これは…貴虎さんの…」

 

それは貴虎さんの戦極ドライバーとメロンロックシードであり2つとも深い傷が入っておりこの場で激しい戦いがあった事を物語っていた。

 

葉月「い…嫌…そんな…」

 

私はふと海を見渡すが貴虎さんの姿は影も無かった。私は膝をついたまま涙をぼろぼろと流しながら海に向かって叫んだ。

 

 

葉月「貴虎さあぁぁぁぁん!!」

 

 

 

私は涙が止まらずその場で泣きじゃくっていると突如何者かの気配を感じて私は慌てて立ち上がり辺りを見渡すと謎の虫の集団のような物が私の周りを飛び回った。

 

葉月「何…この大群…?」

 

私が手で虫の群れを払うと集団は1つに集まっていき最終的に人型へと姿を変えて私に向かって飛びかかって来た。

 

葉月「何こいつ…?インベスじゃ無い?」

 

謎の怪物はバッタのような姿をしており鋭く尖った爪と足を持っており執拗に私を狙って攻撃をして来た。

 

葉月「うっ…変身する隙も与えないってわけ…?」

 

私はバッタのように素早く動き回るバッタ怪人に翻弄されてドライバーを取り出す余裕さえ無かった。ひたすら攻撃を回避し続けていたが痺れを切らしたのか私に向かって飛び蹴りをして来て私は勢いの乗ったキックを躱す事が出来ずに吹き飛ばされてしまった。

 

葉月「きゃあああっ…」

 

私は何度も地面を転がってしまうがすぐに立ち上がり次の攻撃に備えるが私のすぐ側にクラックが発生している事に気づく。

 

葉月「クラック!?このバッタが生み出したの?」

 

バッタ怪人は私を押し除けてクラックの中へと飛び込んで行ってしまい私は飛び込んで行ったクラックへと駆け出した。

 

葉月「待ちなさい!!」

 

私はバッタ怪人を追いかけてクラックの中へと飛び込むとクラックの向こう側の地面にスタッと着地した。

 

葉月「逃がさな…えっ…?」

 

私はクラックの中に飛び込むと中には大勢の人々がおり、人々は何故かユニフォームばかりを着用しており何かのイベントに集まっているようだった。

 

葉月「えっ…何でこんなに人が…?みんな避難している筈じゃ…?」

 

私は周りを見渡しているとヘルヘイムの植物が全く無い事に気づいて、私は状況を整理しきれずにぽかんとしてしまう。

 

葉月「ど…どういう事…?ここ沢芽市?…ヘルヘイムの被害は…?」

 

全く知らない土地に来てしまったのかとふと思ったが、近くにユグドラシルタワーが見えており改めてここは沢芽市で間違い無いと実感する。

 

DJサガラ「ハロー沢芽シティ!!みんな昨日の試合は凄かったよな?でもホットなチームは鎧武やバロンだけじゃ無いぜ!!」

 

ふと巨大なモニターを見るとDJサガラの放送が流れており私は改めてぽかんと口を開けたまま映像に見入ってしまう。

 

葉月(???試合???)

 

私は頭の理解が追いつかずに頭を抱えるが次のモニターに他のチームの写真が公開されると私はとても驚いてしまった。

 

葉月「チームゲネシス!?チームシャルモン!?」

 

そこにはいつものスーツ姿では無くユニフォームを身に纏った貴虎さんとシドさんと湊先輩が映っており私は衝撃を受けるがだんだんと今の状況を理解し始めた。

 

葉月(貴虎さんとシドさんが居るって事は…ここは私の知ってる沢芽市じゃ無い…違う世界の沢芽市なんだ…)

 

DJサガラ「沢芽シティは今、ま・さ・に!!サッカー戦国時代!!」

 

葉月(サッカー?何で?)

 

どうやらこの沢芽市ではサッカーが流行っているようで広場に集まる人々はサッカーのイベントに夢中のようであった。

 

葉月(こんな事してる場合じゃなかった…早くさっきのバッタ怪人を見つけないと!!)

 

私はふと思ったものの、ふと自身の服装を改めて見るとスーツだと周りに浮いて見えると思い近くのスポーツショップに駆け込んで店員さんに話しかけた。

 

葉月「チームゲネシスのシャツとパーカーありますか!?」

 

 

 

-ユグドラシル本社-

 

私はチームゲネシスのパーカーを羽織りフードを深く被ると、私はまず情報収集のためにユグドラシルの会社へとやって来ていた。ICカードで受付を通過して階段を登って研究部門へ通じるエレベーターへとやって来ると後ろから誰かに話しかけられてしまった。

 

湊「待ちなさい…ここから上はプロジェクトの関係者以外立ち入り禁止よ」

 

葉月「湊先輩!!」

 

私は湊先輩に駆け寄るが湊先輩は警戒しているのか私から距離を取ってしまう。

 

湊「貴方…誰?」

 

葉月「えっ…!?」

 

何故か私の事を分からないようで湊先輩の私を見る目が警戒した怖い目をしてしまう。

 

葉月「私ですよ!!同じ研究部門メンバーの葉月ですよ!!」

 

湊「葉月…?いいえ貴方なんて知らないわ?」

 

葉月(そ、そんな…この世界の私はユグドラシルの人間じゃ無いの?)

 

私はフードをとって顔を見せて名乗ったがやはり私の事を分からないようで湊先輩の私に対する態度がだんだんと警戒モードへと変わっていくのを感じた。

 

葉月「研究メンバーを騙るなんて怪しいわね…一緒に来てもらうわ!!」

 

湊先輩は私の身柄を抑えるつもりか私の手を掴んでどこかに連行しようとしてしまい、私はあわててその手を振り払ってしまい距離を取った。

 

葉月「やめてください…先輩。」

 

湊「そう…大人しく着いてきてくれないってわけね…だったら力尽くで連れていくわ!!」

 

葉月「先輩!?ひゃあっ!?」

 

湊先輩は私に向かって拳を繰り出して私はそれを両手で受け止めると次に湊先輩の蹴りが飛んできたので私も同時に湊先輩直伝の蹴りを繰り出した。

 

湊「ハアッ!!」

 

葉月「やあっ!!」

 

私と湊先輩は全く同じ戦闘スタイルのためお互い同じ技がぶつかり合い私達は一旦距離を取りお互いに息を整えながら相手の出方を待った。

 

湊「貴方なかなかやるわね…その蹴り方…一体誰に教えて貰ったの?」

 

葉月「湊先輩ですよ!!」

 

正確には違う世界の先輩だけどね…と自分でツッコミながら私は湊先輩の出方を伺っていると湊先輩はゲネシスドライバーを取り出して腰に装着してロックシードを構えた。

 

湊「気に入ったわ!!こうなったら絶対に貴方を捕まえてやるわ…変身!!」

 

(ピーチエナジー)

 

(ピーチエナジーアームズ)

 

湊先輩は意地でも私の身柄を抑えたいのかとうとう変身してソニックアローを構えた。

 

葉月「ちょっ…変身するなんて…そこまでして私を捕まえたいんですか!?」

 

湊「当然よ…貴方を必ず捕まえるわ!!」

 

葉月「わあああああ!!」 

 

先輩は私にソニックアローの斬撃を繰り出すが私はそれを避けて蹴りを繰り出すが,私の渾身の蹴りを片手で受け止められてしまい私は足を掴まれて地面に引き倒されてしまった。

 

葉月「あぅっ…痛っ!!」

 

私は頭を地面にぶつけてしまい痛みに悶えるが倒れる私の胸倉を掴み上げて無理やり立たせて階段の方へと放り投げられてしまった。

 

葉月「うわぁ…落ちる落ちる…」

 

私は階段から落ちそうになりあわてて身を捩るがぶんぶん振り回す手を湊先輩が掴み自身のところへ引き寄せられ私は先輩に抱きしめられる形になってしまう。

 

湊「やっと…捕まえたわ!!」

 

葉月「うぅ…離してください…先輩…」

 

湊「いいえ…私は貴方を絶対に離さないわ!!」

 

葉月「えっ…そのセリフはちょっと嬉しいような…」

 

湊「はっ!?そう言う意味じゃ…」

 

葉月「隙あり!!」

 

湊「きゃっ!?」

 

動揺する先輩を突き飛ばして私は体勢を立て直し改めて湊先輩と正面から向き合った。

 

湊「私、貴方と初対面の筈なのに、貴方と居ると何故か調子が狂うわ…」

 

葉月「先輩…いい加減に諦めたらどうですか?」

 

湊「なっ!?挑発のつもりかしら?いい度胸ね!!」

 

湊先輩はもう意地になっているのかソニックアローの刃を向けながら私にじりじりと歩み寄って来る。

 

葉月「だったら…私のするべき事は1つですね…」

 

湊「そう…覚悟を決めたというわけね」

 

私が俯きながらそう呟くと観念したかと思われたのか湊先輩はソニックアローを下ろしてしまった。

 

葉月「さよなら!!」

 

湊「あっ!?ちょっと待ちなさい!!」

 

私は元来た道を走り出した。不意を突かれた先輩は当然追いつけず距離をかなり離して私はついに先輩を振り切る事に成功し、建物の外へと脱出する事に成功してしまった。

 

 

葉月「この世界の私はユグドラシル所属じゃ無いの…?じゃあ一体どこに?」

 

 

 

 

 

 

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