仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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36話 この世界の「私」

 

葉月(この世界の私…一体どこにいるんだろ…)

 

私はこの世界の情報収集のために、今度は貴虎さんに会うために呉島邸へとやって来た。

 

葉月(貴虎さん…)

 

私はフードを深く被り直すと玄関へと足を踏み入れてインターホンを押そうとしたが躊躇ってその場で立ち竦んでしまう。

 

葉月(この世界の貴虎さんは無事…さっきの事もあって合わせる顔が無いなぁ…)

 

私は貴虎さんに会うのを躊躇ってしまい元来た道を戻ろうとしたが中から話し声が聞こえて来たので窓に近づいて聞き耳を立てた。

 

 

光実Side

 

貴虎「光実、最近集中出来ていないようだが…何か悩みでもあるのか?」

 

光実「いや…別にそんな事は無いよ…兄さんは出かけるの?」

 

貴虎「あぁ…妻の見舞いに行って来る。あいつが目覚めた時、側にいてやらんと寂しがるからな…」

 

光実「そう…気を付けてね」

 

貴虎「あぁ…」

 

光実(兄さんは独身、妻なんて居ない。何より兄さんは僕が…ここは僕が知ってる沢芽市じゃ無い…何が起こってるのか、それを確かめないと!!)

 

 

葉月Side

 

葉月(えっ…妻?貴虎さん結婚してたの?)

 

私はいきなりの貴虎さんの爆弾発言に衝撃を覚え、口を手で覆って叫ぶのをグッと堪えた。

 

葉月(そっか…貴虎さんはどんな人を妻に選んだんだろう?)

 

私は貴虎さんの結婚相手がとても気になってしまうが玄関へと貴虎さんが出て来たので私は咄嗟に身を隠して様子を伺った。

 

葉月(見舞い…病院?)

 

貴虎さんは黒い車に乗り込みどこかへと走り去ってしまい、私は慌ててロックビークルを起動させて乗り込み、貴虎さんの後を追うために走り出した。

 

 

 

-沢芽市民病院-

 

私は病院に着くと病院の中に入っていく貴虎さんを後ろからこっそり追跡し、一般外来棟を通り過ぎて入院病棟へとやって来た。

 

葉月(どこまで行くんだろ?)

 

貴虎さんは病棟の通路を進んでいき、とても大きい扉の前で止まるとドアを開けて部屋の中へ入って行ってしまった。

 

葉月(特別個室!?)

 

貴虎さんのお相手さんは1番広い特別個室のようで、私は扉の前に立ち気付かれないように音を立てずにゆっくりと扉を開けて中に侵入してドアの陰に隠れた。

 

貴虎「もう少しでお前の病気は完全に治る…サッカーで世界を制して黄金の果実の力でお前を必ず目覚めさせてやるからな…」

 

私の位置からはお相手さんの顔は見えず、貴虎さんの後ろ姿しか見る事が出来なかったが、どうやら貴虎さんはベッドで眠る彼女の手を握っているようであった。

 

葉月(貴虎さんがそこまで気をかけるなんて、どんな人なんだろ?)

 

 

貴虎「だから…もう少しだけ待っていてくれ…葉月」

 

 

葉月(っ!?えっ!?私!?)

 

 

貴虎「葉月…お前の為に黄金の果実は俺が必ず手に入れる…」

 

そう言いながら、貴虎さんは寝ている彼女の頭を撫でながらぎゅっと彼女の手を握り締めると、机の上にお見舞いの花束を花瓶に刺して病室の出口へと向かった。

 

葉月(戻って来た!!隠れなきゃ…)

 

私はドアへ戻って来た貴虎さんに見つからないように近くの机の下に隠れてやり過ごすと、貴虎さんは病室から出て行ってしまった。

 

葉月「……」

 

私は貴虎さんが出て行ったのを確認すると、大きいベッドで眠る彼女のそばに寄って顔を確認した。

 

葉月「私…だ…」

 

貴虎さんが言った通り、ベッドの主はまさしくこの世界の「私」であり今の私より少し大人びているようだった。

 

葉月(そっか…この世界の私は貴虎さんと結ばれたんだ…)

 

つい最近貴虎さんへと恋心に気づいた私としてはとても羨ましいと感じてしまう。そしてこの世界では貴虎さんが生きている事が何より嬉しい一方で寂しいとも感じてしまった。

 

 

葉月(待っ…てくだ…さい…私はまだ…私の気持ちを…貴方…に伝えてきれてないの…に)

 

葉月(私は…貴方の事が…)

 

 

私が最後に交わした貴虎さんへのやりとりを思い出して私は再び涙が溢れてしまった。

 

葉月(貴虎さん…やっぱり私は貴方を諦めたくないです…貴方が死んだなんて信じたくない…)

 

私はスカートのポケットからロングリボンを取り出して見つめると、ロングリボンを髪に付けて鏡の前でぐるっと1回転した。

 

葉月「見ててください…こっちの私…必ず…貴虎さんを取り戻してみせるから…だから…貴方の勇気を少しだけ分けて…」

 

私はベッドで眠るもう1人の私にそう言うとドアを開けて部屋の外へと出て行った。廊下に出て部屋の前の電子プレートを見ると、確かに私の名前が表示されていた。

 

呉島葉月 

 

葉月(呉島…葉月かぁ…)

 

 

 

通行人A「聞いたか?チームバロンとチームシャルモンのアーマードライダーが消えたんだってさ」

 

通行人B「えっ…何で!?」

 

通行人A「あれだよ、戦い勝ち残った者が黄金の果実を手に入れるってやつ。」

 

通行人B「それってつまりアーマードライダー同士で戦って最後の1人以外は生き残らないんじゃ?」

 

私は病院から出て再び情報収集の為に街を歩いていると、黄金の果実の話題をしている人達がいて私はこっそり聞き耳を立てていた。

 

葉月(アーマードライダーが消えた?)

 

ふと通行人の話を聞いていると近くで何か言い争うような声が聞こえて来たので、私は声の方へと駆け出した。  

 

戒斗「さぁ…知ってる事を全て話せ」

 

紘汰「おい!!落ち着け戒斗!!何があったんだ?」

 

ザック「邪魔をするな葛葉紘汰!!こいつはペコの仇かも知れないんだ!!」

 

紘汰「えっ…」

 

戒斗「ペコが消えた時、こいつは近くで俺達の様子を伺っていた…何か知ってる」

 

紘汰「ラピス…どう言う事なんだ?」

 

ラピス「どうしてみんな憎み合うんだい?誰も傷つけない戦い方があるというのに…」

 

葉月(葛葉さんに駆紋さんにザックさん!?何やってるんだろ?)

 

私は3人に話しかけようと近づいた時突如としてザックさんが大声を張り上げた。

 

ザック「もう面倒だあああ!!いいからやっちまおうぜ…戒斗ぉぉ!!」

 

葉月(ザックさん!?様子が…)

 

私がザックさんの豹変ぶりに驚いていると、ザックさんはドライバーを装着してロックシードを取り出しており、ザックさんの怒りの矛先はラピスと言う少年のようだった。

 

ザック「こいつのせいでペコは…絶対許せねぇ!!」

 

(クルミ)

 

(クルミアームズ・ミスターナックルマン!!)

 

ザックさんは素早く変身して怒りのあまり拳をぶつけながらラピスへと向かって行き、葛葉さんに駆紋さんがザックさんを止めに入るが薙ぎ払われてしまった。

 

ザック「ふっ!!…あっ…あああ…うあ…」

 

葉月(ザックさん!?)

 

ザックさんがラピスに拳を振り上げようとした瞬間、ザックさんの体から植物のようなものが生えて来てザックさんを呑み込んでしまった。

 

葉月(な、何が起こって…)

 

ザックさんの体は植物に呑み込まれてしまいザックさんの纏っていた鎧が地面に音を立てて落ちて、鎧はロックシードの中へと吸い込まれてしまった。

 

葉月(ザックさんが…消えた…?)

 

私は駆け寄ろうとしたが近くで呆然と見つめるラピスと呼ばれる少年の方が気になってしまい、私はこっそり後ろからこっそり近づいてラピスの手を掴んで走り出した。

 

ラピス「誰っ!?」

 

葉月「こっちです!!今はこの場を離れますよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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