仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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鎧武外伝 仮面ライダー斬月
56話 朱月藤果


 

それは私がゲネシスドライバーを初めて手にした日であり、本格的にヘルヘイムの脅威に立ち向かおうと決意を固めた時であった。

 

貴虎「あと10年で世界はヘルヘイムに飲み込まれ滅びる我々ユグドラシルは如何なる手を使ってもそれを防がなくてはならない」

 

私の前には貴虎さんと葛葉さんがおり貴虎さんは厳しい目で葛葉さんへと向き合っていた。

 

貴虎「二度と我々の邪魔をするな…これ以上私の前に立ち塞がるのなら今度こそ容赦はしない…」

 

紘汰「なぁ、あんた本当にこんなやり方でいいのかよ!!胸張って正しいって言えんのか!?」

 

葛葉さんの問いかけには答えず貴虎さんは私と葛葉さんを残して去ってしまった。

 

葉月「本当に正しいやり方なんて無いのかもしれません…」

 

紘汰「それは…」

 

葉月「人類全てを救うなんて現実的に不可能です…やはり私達は私達に出来る事を遂行するしかないんです」

 

紘汰「でも…それは!!」

 

葉月「わかっています…それが如何に残酷で厳しい事であるかを…でも私達は罪を背負って人類を救わなきゃいけないんです!!」

 

紘汰「水瀬さん…」

 

葉月「さっきも言いましたがヘルヘイムの侵略の恐怖に立ち向かう者は…立ち向かう力を持った人達…つまり私達ユグドラシルの人達が担うべきです。後は私達に任せて葛葉さんは今は余計な事はしないで下さい…」

 

紘汰「そんな…」

 

葛葉さんはやはり納得がいかない表情をしているが私は納得して貰いたくて葛葉さんの手を掴んだ。

 

葉月「大丈夫です…このドライバーを腰に巻いた時点で私は覚悟を決めました。私は私に出来る事をやり遂げようと思います!!だから葛葉さんも…もう無茶をしないで下さい…」

 

紘汰「水瀬さん…」

 

葉月「出来る事なら私は貴方と戦いたくないです…どうか…お願いします…」

 

 

その夜私はゲネシスドライバーでの戦闘状況の報告をするために凌馬さんの研究室へと向かった。

 

凌馬「やぁ水瀬君お疲れ様!!どうだい?初めてゲネシスドライバーを使った感想は?」

 

葉月「そうですね…戦極ドライバーよりも扱いやすかった気がします」

 

凌馬「そうだろう?君が量産型ドライバーの初めての被験者になってくれたおかげでかなりのデータを得る事が出来たからね…」

 

葉月「いえいえ…被験者になったのは偶然ですから…」

 

凌馬「おっと…そうだったね…君も苦労するよね…秘書の面接に来た時に戦いに巻き込まれて量産型ドライバーを手にするなんてね…」

 

葉月「そうですね…でもそのおかげで貴虎さんからお声を掛けて頂いたんですから…運命の出会いだったのかもしれませんね…」

 

凌馬「本当に面白いね水瀬君…女性である君が量産型ドライバーであそこまで戦えるのには本当にびっくりしたけどね…」

 

葉月「と言うと?」

 

凌馬「元々あの量産型ドライバーは男性が装着する事を前提に開発したからね…女性である君にはアーマーやライドウェアは負担が大きかったね」

 

葉月「でも私が新しく変身するアーマードライダーは女性である私が扱えるように女性用のスーツに調整して作成してくれたじゃないですか」

 

量産型ドライバーを使用した時には男性が装着する事を前提としていたために男性用のアンダースーツだったのだ。

 

凌馬「湊君のを参考にさせて貰ったからね調整は苦じゃなかったよ」

 

葉月「あの…ちなみにスーツの色が白色なのは…?」

 

凌馬「君は貴虎の秘書だろう?だから貴虎とお揃いの色にさせてもらったよ…女性用だからいろいろとオプションを加えたけどね…湊君からの意見を参考にさせて貰ったよ」

 

葉月「オプション?あぁ…スカートですか…」

 

私の白のアンダースーツには前掛けのようなスカートが付いており前掛けには私のアーマーである栗の模様が付いていて表側の生地は白で裏側は湊先輩と同じく銀色である。

 

葉月「あれ気に入っちゃいました!!」

 

凌馬「気に入ってくれてよかったよ…でも1つだけ注意すべき点がある…」

 

葉月「注意すべき点?」

 

凌馬「ゲネシスドライバーにはイニシャライズ機能が無いからね…エナジーロックシードとゲネシスドライバーがあれば誰でも同じアーマードライダーになれると言う点だ」

 

葉月「じゃあ…私のエナジーロックシードとゲネシスドライバーがあれば誰でも私と同じアーマードライダーになれるって事ですか?」

 

凌馬「そう言う事だ…だから他の者に奪われたら厄介な事になるよ?同じアーマードライダーに変身してその人に成りすます事だって出来るからね…」

 

葉月「それは確かに厄介ですね…気を付けます…あと私の変身するアーマードライダーの名前って何ですか?」

 

凌馬「アーマードライダー…ヴィーナスだよ」

 

葉月「ヴィーナス?」

 

凌馬「ヴィーナスという呼び名はローマ神話の女神ウェヌスの英語読みだよ」

 

葉月「ウェヌス…?」

 

凌馬「別名みたいなものだね…けど、わかりやすいようにヴィーナスにしようと思ってね」

 

葉月「な,なるほど…」

 

凌馬「私の趣味だ…いいだろう?」

 

私はそれから凌馬さんからヴィーナスの歴史やローマ神話などについての熱心な話を聞いてしまい話が終わる頃には日付が変わる頃だった。

 

 

葉月「帰るの遅くなっちゃった…」

 

私は夜道を1人で歩いており自宅のアパートへと帰っている途中だった。ふと道を歩いていると何かに気づいて足を止めた。

 

葉月「植物の蔦?いや…これ…ヘルヘイムの植物!?」

 

地面に生えていたのはヘルヘイムの植物であり私は慌てて周りを見回した。

 

葉月「何でこんな所まで…」

 

ヘルヘイムの植物は私の向かう進行方向へと伸びており私はヘルヘイムの植物が発生している方向へと歩き出すと地面に誰かが倒れている事に気づいて慌てて駆け寄った。

 

葉月「シドさん!?大丈夫ですか…しっかり!!」

 

倒れていたのはシドさんであり体を揺さぶって呼びかけたものの意識を失っているようであった。

 

葉月「血…酷い怪我…誰がこんな事を…?」

 

シドさんは顔は刃物のような物で斬られており、側にはシドさんのチェリーエナジーロックシードが落ちていてロックシードも血で汚れてしまっていた。

 

葉月「シドさんがここまでやられるなんて…これはどうみてもインベスの仕業じゃ無い…一体誰が…?」

 

私はシドさんを病院に運ぶために応援を呼び同時に植物を処理するための処理部隊に応援要請するために電話を掛けた。

 

翌日私は病院にてシドさんの病室の廊下で湊先輩と合流していた。

 

湊「シドの様子は?」

 

葉月「重症です…顔以外にも体のあちこちに斬られた跡があったそうです…」

 

湊「やはり…例の襲撃者の仕業ね」

 

葉月「襲撃者って…最近ヘルヘイム植物処理班を襲撃したって言う…?」

 

湊「そうよ…手口からして間違いないわ!!」

 

葉月「襲撃者はユグドラシルに恨みのある人物の犯行なのでしょうか?」

 

湊「はっきりした事はわからないわ…でも油断ならない相手よ。不意打ちとはいえあのシドがやられるなんて異常だわ…」

 

葉月「一体誰が…?」

 

 

 

 

藤果「あの…待って下さい…」

 

数日後、私は仕事を終えて自宅のアパートへと帰るために職場の地下駐車場通っていると後ろから誰かに呼び止められて振り返った。

 

葉月「はい…?私に何か御用でしょうか?」

 

藤果「このハンカチ貴方のですよね…落としたのを拾いまして…」

 

葉月「あっ…私のです…ありがとうございます!!」

 

ハンカチを拾ったと言う女性の手には確かに私のハンカチかあり私は女性からハンカチを受け取りながら頭を下げた。

 

藤果「貴方はユグドラシルの関係者ですか?」

 

葉月「そうですよ!!ユグドラシルに何かご用事でも?よければ正面玄関までご案内しましょうか?」

 

藤果「貴方はここの職員…?研究者ですか?」

 

葉月「私、秘書を任されておりまして…」

 

藤果「秘書…?もしかして呉島貴虎の…?」

 

葉月「貴虎さん…なぜ貴虎さんの事を…?もしかして…」

 

藤果「はい… 朱月藤果と申します」

 

葉月「朱月…藤果さん…!?もしかして最近貴虎さんが久しぶりにお会いしたって言ってた呉島家の使用人さん…ですよね!?」

 

最近貴虎さんから呉島家の使用人に再会したと言う話を聞いており私は一度話してみたいと思っていたのだ。

 

葉月「私…呉島貴虎さんの秘書を務めております水瀬葉月って言います!!」

 

藤果「水瀬…葉月さん…貴虎の坊ちゃんがよく貴方の事を話していました。」

 

葉月「私の事を…?って坊ちゃん!?」

 

藤果「あの…もしよろしければ今から私の元へ来ませんか?」

 

葉月「はい?」

 

 

 

-藤果の家-

 

葉月「貴虎さんの子供時代にはそんな事が…」

 

藤果「そうなんです…」

 

私は藤果さんの自宅にお邪魔しており貴虎さんの昔話を聞いており私は貴虎さんの少年時代の話に興味津々でかなりの熱量で質問を繰り返していた。

 

藤果「あの…よかったらどうぞ…」

 

葉月「アップルパイですか!!藤果さんアップルパイ作れるなんて凄いです!!」

 

私は丁寧に作られたアップルパイに目が釘付けになりアップルパイを口に運ぶが私はアップルパイの味に体が硬直してフリーズしてしまう。

 

藤果「すみません…美味しく無いですよね…」

 

葉月「いえ…そんな事は…ただなんと言うか独特な味ですね!!」

 

藤果「貴虎の坊ちゃんははっきり不味いと言ってくださったんですよ」

 

葉月「えぇっ…貴虎さん…ストレート…酷い!!」

 

藤果「酷い…?」

 

葉月「貴虎さん…乙女心をわかって無いですよ…酷い!!」

 

藤果「ふふっ…」

 

葉月「ふふふっ…」

 

藤果「あの…よかったらアップルパイの作り方お教えしましょうか?」

 

葉月「へっ?」

 

藤果「私ではもう美味しいアップルパイを作ってあげる事が出来ないので…葉月さんが貴虎の坊ちゃんに作ってあげて下さい…」

 

葉月「わかりました…是非作り方を私に教えて下さい!!」

 

それから私は藤果さんから長い時間を掛けてアップルパイの作り方を教えてもらっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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