仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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57話 イドゥン

 

湊「主任!!」

 

貴虎「やはりだ…例の襲撃犯はクラックを操る能力を持っている!!」

 

湊「まさか…襲撃犯がついに主任のところにも…?」

 

貴虎「あぁ…昨晩自宅で例の襲撃犯からの襲撃を受けた。事態は深刻だ…」

 

湊「どれもユグドラシルの人間を狙った犯行…」

 

貴虎「水瀬はどうした?そういえば今日はまだ姿を見ていないが…?」

 

湊「葉月ならもう少しで出社すると思うのですが…まさか!?」

 

貴虎「あぁ…シド、湊、私が襲われたとなれば水瀬も危ない!!」

 

湊は慌ててスマホを取り出して葉月に電話を掛けると数回のコール音の後に聞きなれた声が聞こえて来た。

 

葉月「湊先輩?おはようございます〜」

 

湊「葉月!?今どこ?」

 

葉月「えっ…会社に向かってる途中ですけど…?」

 

湊「例の襲撃犯の次の狙いは貴方よ!!今すぐその場から逃げなさい!!」

 

葉月「…っ!?きゃあっ…」

 

湊「葉月…!?葉月!!」

 

貴虎「どうした!?水瀬は!?」

 

湊「今、悲鳴が…」

 

貴虎「何っ!?」

 

 

 

 

葉月Side

 

私は朝、眠い目を擦りながら会社に向かっているとスマホから着信が鳴っている事に気づいてスカートのポケットからスマホを取り出した。

 

葉月「湊先輩?おはようございます〜」

 

湊「葉月!?今どこ?」

 

葉月「えっ…会社に向かってる途中ですけど…?」

 

湊「例の襲撃犯の次の狙いは貴方よ!!今すぐその場から逃げなさい!!」

 

葉月「へっ…それって…」

 

私は湊先輩に聞き返そうとした時、背後に気配を感じて慌てて振り向くとそこにはクラックが発生しており中から謎のアーマードライダーが出現し私に向かって剣を振り上げていた。

 

葉月「…っ!?きゃあっ…」

 

私はスマホを取り落とすと襲撃犯の剣をしゃがんで躱して懐からゲネシスドライバーとマロンエナジーロックシードを取り出した。

 

???「ハッ!!」

 

葉月「ぐあっ…」

 

私はゲネシスドライバーとマロンエナジーロックシードを武器で、はたき落とされてしまいドライバーとロックシードが音をたてて地面に落ちた。

 

葉月「ぐふっ…」

 

私はお腹に拳を叩き込まれ地面に倒れ込んでしまい目の前の謎のアーマードライダーは地面に落ちた私のゲネシスドライバーとマロンエナジーロックシードを拾い上げた。

 

葉月「か、返して!!それは私の…」

 

???「貴方が悪いんですよ…呉島貴虎に関わるから…」

 

葉月「その…声…まさか…そんな… 藤果さん…?」

 

謎のアーマードライダーはロックシードの蓋を閉じると変身を解除して中から現れのはまさかの朱月藤果さんであり私を睨みつけていた。

 

葉月「藤果さん…なぜこんな事を…」

 

藤果「腐った果実は取り除かなければならないんです…私は呉島貴虎を殺さねばならない…」

 

葉月「そんな…私に近づいたのは…まさか…貴虎さんの情報を得るため…?」

 

藤果「気づいてももう遅いです…では…」

 

葉月「くっ…待って…ください…」

 

私は立ち去ろうとする藤果さんのスカートの裾を掴んで足を止めさせた。

 

藤果「離しなさい!!」

 

葉月「嫌です!!こんな事…間違ってます!!」

 

藤果「離せ!!」

 

葉月「嫌っ!!私のドライバーを返して下さい!!」

 

藤果「ハァッ!!」

 

葉月「がはっ…」

 

私はスカートを掴む手を振り払われて蹴り飛ばされてしまい私は衝撃で意識が朦朧としてしまい去っていく藤果さんの背中に向かって手を伸ばした。

 

葉月「藤果…さん…」

 

私は意識を失ってしまい藤果さんはどこかに去ってしまった。

 

 

貴虎Side

 

数時間後倒れていた葉月を見つけた湊と貴虎は葉月を自宅アパートまで運んでいた。

幸い怪我はしていなかったために病院ではなく安全な自宅へと運び込んだ。

 

貴虎「後は任せてもいいか?」

 

湊「主任はどちらに?」

 

貴虎「襲撃犯に馴染みのある場所…沢芽児童保育院に行ってくる…」

 

湊「まさか…襲撃犯に心当たりが…?」

 

貴虎「あぁ…」

 

 

-沢芽児童保育院-

 

貴虎は今や立ち入り禁止の札のついた金属の門を潜って中へ入って行った。

 

貴虎「ここか…」

 

貴虎は通路を進んで行くと関係者以外立ち入り禁止とある扉の前まで辿り着き扉を無理やりこじ開けて中を進んで行く。

 

貴虎「ここは…」

 

通路を進んで行き扉を開けるとそこには朽ち果てた実験場であり呉島貴虎の父である呉島天樹の元、沢芽児童保育院の子供達の人体実験場が行われていたと言う証拠が目の前に突きつけられていた。

 

貴虎「父さん…貴方と言う人は…」

 

ふと扉の奥に視線を向けると初級インベスが、かごめ歌を歌っており扉の奥に姿を消して貴虎は後を追おうとしたが2階から鎧を纏った何者かがスカートを翻しながら飛び降りて来て貴虎に向かって武器を振り翳した。

 

???「ハッ!!」

 

貴虎「ぐあっ…」

 

咄嗟に受け止めたその武器は自身も使うソニックアローであり襲撃者の姿を見るや貴虎は目を疑った。

 

貴虎「馬鹿な…ヴィーナス!?」

 

それは葉月の変身するアーマードライダーヴィーナスであり貴虎目掛けてソニックアローを振り翳した。

 

貴虎「お前は葉月では無い…」

 

???「ハァッ!!」

 

貴虎「もうよせ!!やめるんだ!!」

 

貴虎はヴィーナスの攻撃を躱しながら体にしがみつくと背中を殴打されてしまいベッドなどの機材の方へ放り投げられた。

 

貴虎「頼む…こんな事は終わりにするんだ!!」

 

???「ハァッ!!」

 

貴虎「ぐっ…ハァッ!!」

 

???「あっ…!!」

 

倒れ込んだ貴虎にヴィーナスが飛びかかるが貴虎の咄嗟に放った蹴りがヴィーナスのドライバーのロックシードに当たり、衝撃でマロンエナジーロックシードはドライバーから外れて吹き飛び襲撃犯も貴虎の蹴りを浴びて転がって行き変身が強制的に解除されてしまい素顔を晒してしまった。

 

貴虎「藤果…」

 

藤果「やはり…気づいてしまったんですね…」

 

藤果は腰に付いてある葉月のゲネシスドライバーを外すと床に投げ捨てた。ゲネシスドライバーは音を立てて地面を転がっていく。

 

藤果「何故です…何故貴方は呉島の人間なのです?私は貴方を殺さねばならない…」

 

貴虎「復讐か…ここが君の育った場所なんだな?」

 

藤果「この施設は将来ユグドラシルの担う人材を育てるための教育機関でした。ある者は指導者としてある者は研究者としてそしてまたある者は社会の闇で暗躍する工作員として…」

 

貴虎「父が君を側に置いてた理由がそれか…」

 

藤果「でも誰もがユグドラシルの御眼鏡に適うじゃありません…選ばれなかった者の末路は悲惨でした…」

 

貴虎「人体実験…さっきのインベスはそれの成れの果てか…」

 

藤果「天樹様もヘルヘイムに侵されていたんですよ。そのためにみんな犠牲になった…!!」

 

貴虎「やはり…君が父を!!」

 

藤果「天樹様は最期はそれはそれは惨めでしたよ。」

 

貴虎「父は死んだ…君の復讐は終わった筈だ!!」

 

藤果「終わってませんよ…何も…」

 

藤果は戦極ドライバーを取り出して腰に装着すると懐から赤いロックシードを取り出して掲げた。

 

藤果「だってユグドラシルは残っている…貴方と呉島光実が生きている…呉島天樹に関わる者はこの世から消し去ってやる!!」

 

貴虎「藤果…」

 

藤果「変身」

 

(リンゴ)

 

(ロックオン•Come on)

 

(リンゴアームズ• デザイア フォビドゥン フルーツ)

 

藤果はイドゥンと呼ばれるアーマードライダーに変身して貴虎に襲い掛かり貴虎は振り翳された剣を避けるが頬に斬撃を受けてしまう。

 

藤果「天樹様はよく仰っておりました…腐った果実は取り除くべきだと!!この世界にとっての腐った果実は貴方達呉島だ!!」

 

貴虎は施設の外まで弾き出されてしまい地面を何度も転がり藤果が剣を手に貴虎へとゆっくりと近づいた。

 

藤果「貴方は死ぬべき運命なのです…」

 

貴虎「私は呉島の人間だ…父と心を通わせるのは無かった…それでも唯一正しいと思える教えがある!!」

 

藤果「何ですか…それは…?」

 

貴虎「ノブレスオブリージュ…私は自らが正しいと思う信念の為に…この命を捧げる!!」

 

貴虎は戦極凌馬から預かったプロトタイプのロックシードを構えると戦極ドライバーを取り出した。

 

貴虎「たとえ…どれ程の罪を背負おうと…人類を救ってみせる!!」

 

藤果「貴方の正しさは他人を追い詰める…いつかきっとその報いを受けるでしょう!!」

 

貴虎「変身!!」

 

(ウォーターメロン)

 

(ロックオン•ソイヤ!!)

 

(ウォーターメロンアームズ!乱れ玉 ババババン!)

 

藤果「はああああっ!!」

 

貴虎「ハァァァァッ!!」

 

2人のアーマードライダーがぶつかり合いお互いの武器が繰り出されて激しく火花を散らした。

 

 

葉月Side

 

葉月「うぅぅん…」

 

湊「葉月…貴方大丈夫!?」

 

葉月「はい…先輩が家まで運んでくれたんですか?」

 

湊「主任と一緒にね」

 

葉月「貴虎さんは…?」

 

湊「呉島主任は襲撃犯と思われる人物に関係のある場所へ調査に向かったわ」

 

葉月「貴虎さん…もしかして襲撃犯の正体を…」

 

湊「何か情報を掴んだと言っていたけど…」

 

葉月「それで…貴虎さんはどこに行ったんですか!?」

 

湊「貴方…まさか主任の元へいくつもり?危険よ!!」

 

葉月「危険でも…私は彼女を止めないといけないんです!!あの人が貴虎さんを傷つける前に!!」

 

湊「彼女…?葉月、貴方襲撃犯の顔を見たのね?」

 

葉月「そうなんです!!彼女にドライバーも取られちゃいましたし…」

 

湊「どうして貴方が襲撃犯を止めようとするの…?呉島主任に任せておけば…」

 

葉月「彼女と少し話す機会があって…話してわかったんです!!本当はあんな事をしたく無いって…そんな酷い人じゃ無いって…」

 

湊「襲撃犯に同情しているの…?それは甘い考えよ?」

 

葉月「それでも…私は彼女を止めないといかないんです!!私のドライバーで貴虎さんを傷つける前に!!だから…貴虎さんの場所を教えてください!!」

 

湊「変身も出来ないのに…行くのね?」

 

葉月「はいっ!!」

 

湊「沢芽児童保育院に行くと言っていたわ…」

 

葉月「先輩…わかりました!!行って来ます!!」

 

湊「必ず生きて帰ってくるのよ!!いいわね!?」

 

葉月「はいっ!!」

 

私は家を飛び出して貴虎さんと藤果を探すために保育院へと走り出した。

 

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