仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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58話 藤果と葉月

 

藤果Side

 

貴虎と藤果の戦いはメロンエナジーロックシードを取り戻した斬月・真が制し藤果は貴虎に見逃されてしまい階段から落ちて床でリンゴロックシードの副作用に苦しめられていた。

 

藤果「ぐっ…うぅぅ…」

 

凌馬「あーあ…やっぱそうなっちゃうか…それは私がまだ天樹氏の元にいた頃初めて完成させたロックシードで、ヨモツヘグリ同様失敗作に過ぎないけど思わぬ形で実験出来た。」

 

階段上から凌馬が見下ろしており藤果は一瞬手元のリンゴロックシードに目をやるとすぐに凌馬へと視線を戻して睨みつけた。

 

藤果「貴方は…」

 

凌馬「そのロックシードで限定的とはいえヘルヘイムを操る事が出来たと言う事は私の理論は正しかったと言う訳で…つまり黄金の果実は存在する!!」

 

藤果はフラフラの体を動かしロックシードを手に立ちあがろうとするがうまく力が走らないのかベッドの端に手をついて体を支えた。

 

凌馬「君のお陰だよ、朱月藤果君…せめて苦しまないように眠らせてあげよう!!礼は要らない…同じ施設の仲間じゃないか!!」

 

藤果「貴方もこの施設で育てられた事があるの…?」

 

凌馬「変身」

 

(レモンエナジー)

 

(ロックオン・ソーダー)

 

(レモンエナジーアームズ)

 

 

(リンゴアームズ• デザイア フォビドゥン フルーツ)

 

凌馬はデュークに変身すると藤果も震える体を起こして再びイドゥンに変身して武器を構えるが凌馬はソニックアローにロックシードを装着して弦を引き絞った。

 

凌馬「天樹氏によろしく伝えといてくれたまえ」

 

(ロックオン)

 

凌馬「それではさよなら…」

 

(レモンエナジー)

 

藤果「うっ…ぐああああっ…」

 

凌馬の一撃は藤果を撃ち抜き一瞬で変身を解除させ藤果は力尽きて地面に崩れ落ちた。

 

凌馬「ハッハッハッハッ」

 

藤果「貴…虎…」

 

薄れゆく意識の中で藤果が呟いたのは貴虎の名前であり藤果は貴虎の名前を呟くと静かに目を閉じた。

 

 

葉月Side

 

葉月「貴虎さん…藤果さん…どこ…!?」

 

葉月は沢芽児童保育院に辿り着き空き部屋を一つ一つ見て回るが人の気配は無く奥へと歩みを進めると無理やりこじ開けられた扉を見つけて中に入っていく。

 

葉月「保育院の中にこんな場所が…ここで一体何を?」

 

ふと通路を進んでいき扉を開けると目の前の視界に飛び込んできたのは実験場であり葉月は実験道具が散らばり荒れ果てて居るのを見て衝撃を受ける。

 

葉月「まさか…児童を連れてここで人体実験を…?なんてこと…」

 

ふと足音が聞こえてきて音のする方に歩いて行こうとすると私の足元に何かが当たり拾い上げるとそれはゲネシスドライバーであった。

 

葉月「藤果さん…ここに居るの?」

 

私がさらに奥に歩みを進めるとそこにはデュークに変身した凌馬さんと床には意識の無い女性が倒れており女性の腰にはなぜか戦極ドライバーと赤いロックシードが装着されている。

 

葉月「藤果…さん!?…藤果さん!!しっかりして下さい!!」

 

床に倒れていたのは藤果さんであり私は必死に体を揺さぶるが意識は戻らないようであった。

 

葉月「凌馬さん!!藤果さんを助けて下さい!!」

 

凌馬「無駄だよ…彼女は禁断のロックシードに手を出してしまったからね…もう手遅れさ…」

 

葉月「禁断の…ロックシード!?」

 

凌馬「それは私が最初に開発した危険なロックシードでね…使用者にはかなりの副作用が起こってやがて死に至る代物さ。」

 

葉月「くっ…何でこんな危険なロックシードを…」

 

私は藤果さんの腰からリンゴロックシードを外すと投げ捨てて脈があるかどうかを確認する。

 

葉月「大丈夫…まだ辛うじて脈はある…でもこのままじゃ…」

 

私は藤果さんの体を支えて立ち上がると出口へと歩き出した。その様子を見ながら凌馬さんは地面に落ちたリンゴのロックシードを拾い上げた。

 

凌馬「やれやれ…どうして助けるんだい…君や貴虎を襲った奴だろう?」

 

葉月「それでも…私はこの人に生きていて欲しい!!こんな事…本当は望んでやりたかった事じゃ無い筈です!!」

 

凌馬「彼女はもう死ぬよ?助けたところで意味は…」

 

葉月「死なせない!!絶対に助けます!!」

 

私は凌馬さんの言葉を最後まで聞かずに藤果さんを肩で支えたまま敷地内から出て車通りのある方へと歩き出した。

 

葉月「生きて…!!生きて下さい!!死んじゃ嫌だ!!」

 

それから私はすぐに救急車を呼び、意識の無い藤果さんを病院に運びこんだ。藤果さんは即入院となり病室で長い昏睡状態になってしまった。

 

 

 

 

病院に運んでしばらく月日が経つと葛葉さんの活躍で世界は救われてヘルヘイムの侵略は終焉を迎えた。

 

それから7ヶ月後ようやく藤果さんは奇跡的に目を覚ました。

 

 

藤果「うっ…ここは…?」

 

葉月「藤果さん…!?よかった…目を覚ましたんですね!!」

 

藤果「病院…?」

 

葉月「あの後私が病院まで運んだんですよ?もうあれから7ヶ月経ってます…」

 

藤果「どうして…私を助けたんですか?私は貴方と貴虎を…」

 

葉月「もう…いいんです…もう全て終わったんですよ…もう藤果さんが誰かを恨む必要なんて無いんです…」

 

藤果「……」

 

葉月「私はユグドラシルも大切な仲間も失いました…もう貴方まで失いたく無い…」

 

藤果「そう…なのですね…」

 

私は藤果さんに必死に気持ちを伝えると藤果さんは涙を流し始めた。

 

藤果「復讐も遂げられず私はこれから…何のために生きていけば良いのでしょうか…?」

 

葉月「生きていればきっと道は見えてきますよ!!これからどうしたら良いか私と一緒に探してみませんか?」

 

藤果「葉月…さん…」

 

葉月「これ…」

 

私は藤果さんに教えてもらったアップルパイを冷蔵庫から取り出すと一口サイズに切り藤果さんへと差し出した。

 

藤果「これは…」

 

葉月「藤果さんから作り方を教えて頂いたアップルパイです…よかったら是非」

 

藤果「おいしい…」

 

葉月「よかった!!」

 

藤果「なぜ私を助けてくれたのですか?あのまま見捨てていれば…」

 

葉月「初めて会った時から心優しい人だと思いました。そして藤果さんの作るアップルパイ…作った人の心の優しさと気持ちがとても篭っているように感じました。そんな人が傷ついて誰も知らないところで1人で死んでしまうのは私には耐えられないです」

 

藤果「葉月さん…」

 

葉月「だから…何のために生きたら良いかわからないなら…それを私と一緒に探してみませんか?」

 

藤果「貴方と一緒に…?」

 

葉月「もう一度やり直しましょう。藤果さん…私と一緒に!!」

 

藤果「……はい…。」

 

私は藤果さんに手を差し出すと藤果さんは手を握り返してくれて笑みを浮かべた。今思えば当時は仮初の笑顔をしていたのだろうと思ったが今の笑顔は正真正銘の本物の彼女の笑顔だった。

 

数週間後

 

葉月「藤果さん料理美味しいですね…私なんてまだまだ修行不足です…」

 

藤果「葉月さんならきっと料理も上達しますよ…呑み込みも早いですし」

 

藤果さんが目覚めてから数週間後、リンゴロックシードの毒が体から完全に抜けたようでリハビリをしながらもようやく藤果さんは退院を迎えて自分の家に帰って来ていた。

 

藤果「それにしても驚きました…葉月さんが貴虎と結婚なさるとは」

 

葉月「いえいえそんな…」

 

藤果「2人はとてもお似合いだと思いますよ!!」

 

葉月「でも…藤果さんも貴虎さんの事…」

 

藤果「私は復讐の事が頭にちらついてしまい最終的にすれ違ってしまったので仕方無いんです…」

 

葉月「それに…良いんですか?貴虎さんに自分が生きてることを伝えなくて…?」

 

藤果「いいんです…あの人とは直接的に関わるとお互いにギクシャクしてしまいますしそれに…葉月さん…貴方に迷惑をかけてしまいます…」

 

葉月「そんな!!迷惑だなんて…」

 

藤果「それに…私決めたんです!!命を救って頂いた葉月さんを支えていきたいって!!」

 

葉月「藤果さん…」

 

藤果「ヘルヘイムの脅威が無くなっても貴方は重い使命を背負っているのでしょう?」

 

葉月「私も今や呉島の名前を背負っています…名前を背負っている以上は避けられない責務です…」

 

藤果さんは私の正面に周り込み私の肩を掴む。

 

藤果「やはり…葉月さんも貴虎と同じ事を仰るのですね…」

 

葉月「貴虎さんと…?」

 

藤果「前にこの場所で貴虎は同じ事を仰いました。葉月さんと貴虎はよく似ています。」

 

葉月「私と貴虎さんが…?」

 

藤果「本当に…それは本当に貴方が1人で背負わなければならない物ですか?」

 

葉月「藤果さん…?」

 

藤果「せめて私が…その重荷の半分でも背負ってあげる事が出来れば…」

 

藤果さんは私の胸に手を当てると私は思わず藤果さんを優しく抱きしめてあげていた。

 

葉月「藤果さん…ありがとうございます…」

 

 

それから沢芽市は再び大きな危機に直面し、私と貴虎さんと表で藤果さんは裏で私のサポートをそれぞれが己の使命と向き合いながらこの町を守るために戦いそれから5年が経った。

 

 

 

 

-トルキア共和国-

 

葉月「ついにここまで来ましたね…」

 

藤果「ここまでの道のりはとても長かったですね…」

 

葉月「でも…本当によかったんですか?今回の旅は危険がいっぱいなのに…」

 

藤果「私は葉月さんと貴虎の力になりたいんです…だから貴方と一緒に行きます。」

 

葉月「藤果さん…わかりました!!藤果さんの力を貸して下さい!!」

 

私は藤果さんの手を握ると目の前に広がる巨大な穴へと向き直り私と藤果さんは同時に戦極ドライバーを取り出して腰に装着した。

 

葉月「それじゃ…行きましょう!!藤果さん!!」

 

藤果「はいっ!!」

 

私は2つのロックシードを取り出して構え、同時に藤果さんも黄緑色のロックシードを構えた。

 

葉月•藤果「「変身!!」」

 

(イチゴ)•(ピーチエナジー)

 

(リンゴ)

 

私はイチゴロックシードを戦極ドライバーに装着してコアスロットにピーチエナジーロックシードを追加で装着し藤果さんは黄緑色の青リンゴのロックシードを戦極ドライバーに装着して私達は同時にハンガーを閉じた。

 

 

(ロックオン•ソイヤ!!ミックス!!)

 

(ロックオン•Come on!!)

 

 

(イチゴアームズ!シュシュッと スパーク! ジンバーピーチ!ハハーッ!)

 

私はイチゴロックシードとピーチエナジーロックシードによりアーマードライダーヴィーナス•ジンバーピーチアームズへと変身を果たしてソニックアローを装備した。

 

 

(リンゴアームズ• デザイア フォビドゥン フルーツ)

 

藤果さんも青リンゴロックシードによりアーマードライダーイドゥンに変身して剣と盾を装備した。

 

葉月「はあっ!!」 

 

藤果「はっ!!」

 

 

私達は変身を完了させると手を繋いで穴に飛び込み巨大な穴の底に広がる地下世界・アンダーグラウンドシティへと飛び込んでいった。

 

葉月「今行きます…貴虎さん!!」

 

 

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