葉月「はぁ…はぁ…はぁ…」
私はスカートを翻しながらなんとか着地を決めるが倒れたままの湊先輩に駆け寄ろうとしたが、満足に動けず疲労のために膝を突いてしまった。
葉月「先輩…湊先輩…!!」
私は震える足を動かしてなんとか倒れたままの湊先輩に駆け寄ろうとしたが、先ほど後ろに控えていたはずの凰蓮さんが現れて倒れている湊先輩を見つけると驚いた目でこちらを見る。
凰蓮「嘘っ!?ユグドラシルが負けるなんて…でも今度はワテクシが相手よ!!」
葉月「くっ…これ以上は体が…動かない…」
私は既に変身を完了させてゆっくりと武器を構えて私にじりじりと歩み寄る凰蓮さんに向かってソニックアローの刃を構えるがもうソニックアローを振る力すら残っていなかった。
凰蓮「おっほっほっほっ…悪いわね…メロンの君の正体の居所を知るためよ!!」
葉月「ぐっ…」
凰蓮「ハアッ!!」
葉月「うわっ…」
凰蓮さんの一撃が私に振り下ろされたがいつまで経っても衝撃は訪れず顔を上げると突如割って入ったソニックアローが凰蓮さんの武器を受け止めていた。
凰蓮「なっ…ヴィーナスが2人!?」
シロ「…もう勝負はついた…今回は貴方達の負け…」
凰蓮「何言ってるのかしら?勝負はこれから…」
シロ「私が相手をしようか?」
凰蓮「フン…いいわ…ちょうどパイ生地が焼き上がる頃だったからこの辺りで勘弁してあげるわ…」
シロ「…素直じゃ無い…私達2人では勝ち目が無いって思った癖に…」
凰蓮「覚えておきなさーい!!」
凰蓮さんはそのまま倒れたままの湊先輩をそのままにして退散してしまい私はイチゴとマロンエナジーロックシードの蓋を閉じて変身を解除した。
葉月「湊先輩!!」
私は気を失ったままの湊先輩に駆け寄るがシロちゃんは冷静に私の肩を掴む。
シロ「大丈夫…限界以上の力を出したせいで眠っているだけ…少ししたら目を覚ます…」
葉月「そうですか…よかった…」
シロ「2人を治療するね」
シロはまず倒れている湊先輩に手をかざすとキラキラした何かを湊先輩に当てると傷が無くなっていった。
葉月「凄い…人の怪我も治せるんですね?」
シロ「…うん…次はお姉ちゃんの番…」
続けて私も回復してもらいシロちゃんは回復を終えると笑顔を見せた。
シロ「試練達成おめでとう…お姉ちゃんの憧れの人に勝てたね…」
葉月「うん…勝ったんだね…私…湊先輩に…」
シロ「さて…この人どうしようか?」
シロちゃんは倒れたままの湊先輩を見下ろすと私は地面に転がっている湊先輩のゲネシスドライバーを拾い上げるとシロちゃんに手渡した。
葉月「…シロちゃんの力でユグドラシルの休憩室まで運んであげられない?」
シロ「わかった…後は任せて…」
葉月「後は…記憶の事…任せてもいい…?」
シロ「うん…後はこちらでやっておくね…」
シロちゃんは湊先輩のゲネシスドライバーを腰に巻いて気を失った湊先輩を抱えると、瞬間移動で姿を消してしまった。
-数十分後-
シロ「ユグドラシルに連れて帰って…そしてお姉ちゃんに関する記憶を消してきた…」
葉月「うん…ありがとう…」
シロ「…でもよかったの?貴方の先輩ぐらいは記憶を残していていても…」
葉月「いいの…この世界は私の本当の世界じゃ無いから…余計な記憶は消していたほうがいい…」
シロ「……お姉ちゃん…無理してる…?」
葉月「私は…大丈夫だから!!シロちゃん…!!」
シロ「……そっか…じゃあ…」
私とシロちゃんはこの世界から離れるために手を繋いだ。
シロ「……帰ろう…現実世界に…」
葉月「…帰りましょう!!」
私は意識が急浮上していき、だんだんと天へと昇っていく感じがしたが隣からシロちゃんの呑気な声が聞こえてきた。
シロ「…1つ目の試練…クリア…おめでとう…」
葉月「うん!!ありが……ん…1つ目!?」
-現実世界-
葉月「はっ!!」
チャッキー「帰って来た!!」
私は目を覚ますとそこは旅立つ前の神社の本殿の中であり私は体をゆっくり起こした。
葉月「帰って来たんだ…」
シロ「お疲れ様…1つ目の試練クリアおめでとう…」
葉月「うん…じゃなくて…試練って今回の奴だけじゃ無かったんですか!?」
シロ「…ごめん…圧倒的説明不足だった…試練は全部で3つある…」
葉月「3つ!?」
シロ「3つの試練にはそれぞれテーマがあって各世界にて試練が与えられるの…」
チャッキー「テーマ?」
シロ「1つ目の世界が「ダンス」チームNo.1になること」
チャッキー「ダンス!?葉月さん…向こうの世界でダンスチーム組んだんだ!?」
葉月「う、うん…」
シロ「そして追加で与えたのが憧れの先輩に勝つ事だったね…」
チャッキー「もしかして憧れの先輩って…湊さん?」
葉月「うん…そうなんです…」
チャッキー「先輩に勝てたんだ…凄い!!」
葉月「いえいえ…そんな…ギリギリでしたし…」
シロ「そして2つ目の試練のテーマは「料理」だよ…」
葉月•チャッキー「「料理?」」
シロ「うん…試練の内容は具体的には言えないけど…料理に関する事…クリアしたら自動的にこっちに戻ってこれるから…」
葉月「うーん…料理の試練についてもう少し教えてくれませんか?」
シロ「料理の試練はその名の通り、料理が上手くなる事…それ以上は言えない…」
葉月「なるほど…でも料理が上手になる…それだけが試練達成の条件じゃ無いですよね?」
チャッキー「…どうして?」
葉月「料理を極めるだけなら異世界に行かなくてもこの現実世界でも出来るから…ですよね?」
シロ「…そう言う事…」
チャッキー「じゃあやっぱり料理以外にもやるべき事が他にもあるって事なんだ…」
葉月「そう言う事ですね…それで3つ目の試練は…?」
シロ「3つ目の試練のテーマは「武神」」
葉月「武神?」
シロ「これは2つ目の試練をクリアして帰って来たら説明するね?」
葉月「わかりました…それじゃあ今から2つ目の世界に行くんですね?」
シロ「うん…」
葉月「それにしても料理か…凰蓮さんの店でパティシエ修行?それとも坂東さんのお店でパフェ作りかな?それとも沢芽市の有名レストランで修行?」
シロ「…あ、言い忘れたけど2つ目と3つ目の世界はね…沢芽市じゃないよ?」
葉月「えっ…どう言う事ですか?」
シロ「次の世界はお姉ちゃんが全く知らない世界だよ…沢芽市には知り合いが多すぎてトラブルに巻き込まれやすい事がわかったから…」
葉月「なるほど…?」
チャッキー「大丈夫…なのかな?」
葉月「大丈夫…料理は私も得意だから今回の試練は簡単かもしれないですよ?」
シロ「…うーん…次の世界はそう簡単では無い気がする…」
葉月「???」
シロ「それじゃ…また儀式を始めるね?」
葉月「チャッキーさんまた行って来ますね?」
チャッキー「行ってらっしゃい!!」
私は仰向けになると私の横でシロちゃんが神楽鈴を手に取り私の横で神楽舞を披露しており鈴をシャンシャン鳴らしていて舞を終えるとシロちゃんは私の額に手を当てるとシロちゃんは目を閉じた。
シロ「今回は私は手を出さないから…お姉ちゃん頑張って…」
葉月「はい…」
シロ「大丈夫…きっと向こうの世界でお姉ちゃんを助けてくれる人は居るから…」
そうシロちゃんの声が響くと私の意識は一瞬で暗闇に吸い込まれて行き、現実世界から再び一瞬で旅立ってしまった。
-???-
葉月「はっ…」
私は意識が戻ると今度はどこかの駐車場の端に私服で倒れており、頭に地面の感触を感じて慌てて立ち上がった。
葉月「今度は室内じゃなくて外からスタートか…」
私はまず自身の持ち物を確認すると私のお財布がスカートのポケットに入っていた。
葉月「そうだ…ドライバーは!?ロックシードは!?」
ふと懐を確認するとゲネシスドライバーがあり、ピーチエナジーロックシードを所持していた。
葉月「さっき湊先輩に勝ったから手に入ったのかな?でも…マロンエナジーロックシードが無いなぁ…」
私はドライバーを仕舞いながら辺りを見回すとやはり全く知らない土地であった。
葉月「ここ…どこ?日本語の看板があるから日本には間違い無いだろうけど…」
私は道を歩きながらそう呟くがすぐ側の道路を黒と灰色の大きい車が連なって猛スピードで道を駆け抜けていき、私はぽかんとした表情で走り去る車を見つめた。
葉月「スピード違反じゃないの?あれ…」
しばらく道を歩いていたがどこかの住宅地に迷い込んでしまい、私は行く当てもなく、彷徨い続けていたが、私は遠くにそびえ立つ建造物を見て目を丸くした。
葉月「あれって…まさか!?」
私が見つけたのは赤と白の巨大な建造物であり私はそれをみてここが何処かを瞬時に理解した。
葉月「東京…タワー…」