仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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9話 防衛

 

ある日私は会議室に招集がかかり、貴虎さんと一緒に会議室に向かうと、そこには凌馬さん、湊先輩、シドさんの研究部門メンバーが勢揃いしていた。貴虎さんの話によると街中にクラックが再び出現したとの事だった。

 

凌馬「とうとう隠しきれない場所にクラックが出現した…市街地の真っ只中にある橋の上だ」

 

貴虎「橋の両側を封鎖して時間を稼ぐしか無いな。インベスさえ出てこなければそもそもクラックがどういう存在なのか遠目で見てる限りは理解さえできない筈だ。」

 

凌馬「クラックの向こう側に立入禁止の札でも下げるのかい?」

 

貴虎「そうだ、ヘルヘイム側の入り口に防衛線を貼りインベスの侵入を食い止める。」

 

シド「悪足掻きにしかならないだろ、それ」

 

貴虎「スカラーシステムの使用はインベスがクラックを突破して来た後からだ。」

 

凌馬「ま、責任者は君だから…貴虎。最も重大な決断は君に任せるのが妥当だろう」

 

スカラーシステムの事を知っていた私はいざとなれば貴虎さんが全ての責任を背負ってしまうのだと不安な気持ちになってしまう。

 

凌馬「いよいよ沢芽市を焼き払うしか他に無いと結論が出たら君がスカラーシステムのボタンを押すんだ。」

 

凌馬さんが貴虎さんのボタンを押す仕草をして貴虎さんがそれを振り払ったのを見て今回の任務が如何に人類の命運をかけた重大な任務なのだと緊張してしまう。

 

凌馬「安心したまえ、ヘルヘイム側には僕が自ら赴く。君の期待に応えられるよう頑張るよ…湊君、支度を…」

 

湊「はい…プロフェッサー凌馬。」

 

凌馬さんが先に支度のために退室し続いて湊先輩が私の方を一瞬だけ向いてそのまま退室してしまった。

 

 

 

葉月「貴虎さん…スカラーシステムは…」

 

貴虎「いざとなれば私が全ての責任を背負う…君が心配する必要は無い…」

 

貴虎さんは私の不安を和らげる為か私の肩に手を置いてそう話すが私は不安で仕方が無かった。

 

葉月「じゃあ私も凌馬さん達と一緒にヘルヘイム側に向かいますね。」

 

貴虎「待て…君には市街地の橋の上からの防衛を頼みたい。」

 

支度の為に退室しようとした私を貴虎さんは呼び止めて私は再び貴虎さんに向き直った。

 

貴虎「クラックを突破して来るインベスを橋の上から食い止めて貰いたい。」

 

葉月「私は橋の上から…ですか…?私1人で…?」

 

貴虎「お前なら…出来ると信じている…やってくれるな…水瀬?」

 

葉月「やります…任せて下さい!!」

 

貴虎さんは期待の眼差しで私の方を見つめてきたので私はそれに応えたくて貴虎さんの目を見ながらそう応えた。

 

葉月「それではこれから現場に向かいますね。」

 

シド「待て、水瀬…」

 

再び私は呼び止められて私は呼び止めたシドさんに向き合うとシドさんは私に1つの白いロックシードを手渡して来て、私はそれをおずおずと受け取った。

 

葉月「これは…?」

 

貴虎「シド…?貴重なロックビークルを良いのか?」

 

シド「出血大サービスって奴だ…それに…」

 

シドさんは私を引き寄せて貴虎さんに聴こえないように耳打ちをして来た。

 

シド「この間の礼だ…借りは返しておくぜ」

 

葉月「あ、ありがとうございます…大事に使わせて頂きます!!」

 

 

 

貴虎Side

 

葉月が退室した後、シドと2人きりになった貴虎は先程の葉月となやりとりを振り返りながら話していた。

 

貴虎「シド…水瀬に貴重なロックビークルを託すとは一体何があった?」

 

シド「貴虎…あいつには最近の俺の仕事の一部を引き受けてもらってるからな…御礼って奴だ…」

 

貴虎(水瀬…君には負担ばかりを押し付けてすまない…)

 

シド「あいつは非常に優秀だな…正直あんたの秘書にするには勿体無い逸材だな…」

 

シドが皮肉を込めてそう言うが貴虎はとうとうシドから視線を外してしまう。

 

貴虎(水瀬…)

 

 

 

 

 

 

市街地の橋の上近くの道路の橋に1台の黒い車が止まり、車内から銃を武装した人達と、1人の女性が後から続いて降りて来た。

肩までかかった黒髪にリボンの髪留めを付け、白いシャツに上から黒のジャケットを羽織り、黒のフレアスカートを身に着けており、腰にはゲネシスドライバーが装着されている。

 

水瀬葉月と呼ばれる彼女はユグドラシルの社員を従えてクラックがある橋の上に到着してそれぞれの持ち場に着いて警備体制に入った。

 

 

葉月「ご苦労様です」

 

私は警備員に挨拶して封鎖してあるゲートの中に入り、安全第一と書かれた囲いの中に入るとやはり報告通りクラックが出現しており、側には銃を持った社員が待機していた。

 

葉月「こちら水瀬…配置に着きました。これから防衛に入ります…」

 

私はすぐに貴虎さんとヘルヘイム側にいる凌馬さん達に通信で伝えて。返事が来ると通信を一旦切り、ロックシードを取り出して開錠した。

 

葉月「変身…!!」

 

(マロンエナジー)

 

私はマロンエナジーロックシードをドライバーに装着してハンガーを閉じてすぐにレバーを押し込み変身する。

 

(マロンエナジーアームズ)

 

私の体を白いアンダースーツが覆ってすぐに茶色の栗の鎧が被さり私の変身を完了させた。私はすぐにソニックアローをクラックの中に向けて構えて射撃の体制に入った。

 

葉月(どうか…何事も起こりませんように…)

 

湊「葉月…インベスが現れたわ!!そっちは任せたわよ。」

 

私がそう思ったのも束の間、湊先輩からの通信が入り、クラックの中を覗くと大量のインベスが何処からか現れて襲撃をかけているところだった。

 

葉月(始まった…)

 

湊先輩達がインベスを食い止める為に戦いが始まり羽の生えた個体がクラックを突破しようとこちらに迫って来たので私はそれをソニックアローで撃ち抜いていく。

 

葉月(大丈夫…落ち着いて…私なら出来る…)

 

次々と羽が生えたインベスが飛んできたので私は緊張してしまうが深く深呼吸してソニックアローで冷静に撃ち抜いた。

 

葉月(数が多すぎる…)

 

ソニックアローが連射出来る事に有り難みを感じつつひたすら引いて撃ってを繰り返してインベスを撃破していった。

 

葉月(湊先輩だって向こうで頑張ってるんだもの…私も…)

 

 

 

しばらく射撃で集中してインベスを撃破していたがついにクラックが閉じたのを確認して、私はほっとため息を着いた。

 

葉月(終わった…あー緊張した…)

 

私はそう思いながらも凌馬さんと本部の貴虎さんに通信で報告をした。

 

葉月「こちら水瀬…クラックの消滅を確認しました。」

 

凌馬「こっちも確認したよ…いやーお疲れ!!」

 

貴虎「こちらも確認した…皆ご苦労だった…」

 

湊「こちらも確認したわ…葉月、良くやったわお疲れ様…」

 

それぞれの通信が入って私は安心して変身を解除すると同じく変身を解除したであろう湊先輩に呼びかけた。

 

葉月「先輩…!!この後一緒にランチでも行きませんか?」

 

湊「そうね…この後一旦本部に集まって…うっ!?」

 

葉月「先輩…っ!?先輩!?どうしたんですか?湊先輩!!」

 

突如として争う様な音が聞こえて来たかと思うと湊先輩からの通信が切れてしまい…私はイヤホンに呼びかけ続けると湊先輩から再び通信が入った。

 

湊「葉月!!葛葉紘汰が本部へと逃走したわ!!今すぐに向かって!!」

 

葉月「葛葉さんが…何で…?」

 

湊「狙いはスカラー兵器よ!!下手に手を出されるより前に彼を止めて!!」

 

葉月「わ、わかりました!!」

 

私はユグドラシル社員に撤収作業を任せて、道路に出てシドさんから貰ったロックビークルのロックシードを開錠してバイクモードへと変形させた。

 

葉月「シドさん…有り難く使わせてもらいますよ!!」

 

ヘルメットを付けて私はすぐにバイクを発進させて本部へと向かった。

 

葉月(葛葉さん…なんて無茶を…余計なことしないで下さい…)

 

私はそう祈りながらバイクのスロットルを回して本部へと急行した。

 

 

 

 

 

 

 

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