仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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90話 名前

 

葉月Side

 

 

それは私がワームとの戦いで川に落ちる少し前の話であった。

 

葉月「ネイティブの私をライダーとして覚醒させる?」

 

天道「彼女はネイティブでありこれからもZECTの上層部やワームに狙われる可能性がある…だから彼女自身に強くなってもらう必要がある」

 

葉月「それは…自分の身は自分で守れるようにって事ですか?」

 

天道「そうだ…俺や加賀美が守る事も出来るが…俺にはひよりを…加賀美にはガタックとしての使命がある…そう簡単にはいかないだろう…」

 

葉月「そのために…彼女が新しいゼクターに認められるために成長するよう手助けするんですね?」

 

天道「そうだ…それに彼女が擬態したと同時に突如現れたモルフォゼクター…これは偶然では無い…」

 

葉月「でもネイティブって争いを好まない性格なんですよね?一体どうしたら…?」

 

天道「簡単な事だ…自分の意思でワームと戦うための決意を固めて貰う」

 

葉月「それはどうやって…?」

 

天道「オリジナルのお前が死んだように見せかけてオリジナルに代わって戦うと言う決意を固めて貰う…」

 

葉月「私が…死ぬ?」

 

天道「ワームに狙われているのを利用して戦いで敗北したようにみせて彼女自身に立ち上がってくれれば計画通りになるだろう。」

 

葉月「…でも私がワームに負ければ彼女、戦いを恐れて逃げ出す可能性もあるんじゃ?」

 

天道「お前が逆にネイティブだったらどうする?」

 

葉月「仇を討とうと戦う決意を固めると思います。」

 

天道「オリジナルのお前の記憶も意識もコピーした…今お前が思ったように彼女も同じ事を考える筈だ。」

 

葉月「なるほどです!!」

 

 

-現在-

 

葉月?「それで死んだように見せて私が立ち上がるためのきっかけになったと…」

 

葉月「後は…私が川に落ちた時に天道さんがこっそり救出してそのまま姿を隠していたってところです。」

 

葉月?「でも…オリジナルは確かに川に落ちた筈…水飛沫も上がったのに…何で生きてるんですか?」

 

天道「それは…」

 

天道さんが呟くと突如目の前に銀色のカブトムシ型のゼクターが現れて天道さんの手に収まった。

 

葉月?「なるほど…ハイパーゼクター…カブトハイパーフォームのハイパークロックアップを使ったんですね?それなら納得です…」

 

葉月「私もびっくりしましたよ…確かに私は川に沈んでいたのに川に落ちる前まで時間を巻き戻すなんて…」

 

葉月?「全く…こっちはめちゃくちゃ心配したんだから!!馬鹿っ!!」

 

葉月「まぁまぁ…そんな事より…貴方…丁寧口調が抜けてますよ?」

 

葉月?「なっ…何を!?」

 

天道「お前も自分では気づいていないようだが…擬態したオリジナルから性格や口調が本来の自分に戻っているようだ。」

 

葉月?「そんな…事は…」

 

葉月「貴方は…私じゃない…貴方は貴方って事ですよ!!」

 

葉月?「じゃあ…呉島葉月になりきれない私は何を名乗ったら…」

 

葉月「じゃあ…今日から新しい名前を名乗るのはどうですか?私が2人居るとやっぱり不都合が多いですし…」

 

葉月?「じゃあ…貴方が私の名前を考えて下さい…」

 

葉月「わかりました…では早速……貴方は誕生日はいつですか?」

 

葉月?「えっ…5月ですけど…って…まさか…」

 

葉月「では…貴方の名前は…皐月です!!」

 

葉月?「えぇっ…安直過ぎる!!自分が8月だからって…」

 

葉月「では…皐月さん…いえ皐月!!最後の試練に行きますよ!!」

 

皐月「いや…私の話を聞きなさいって!!って…最後の試練って何っ!?」

 

いつまでも必死に抗議するもう1人の私「皐月」の手を取り私はとある場所へと彼女を引きずっていった。

 

 

 

-砂浜-

 

私達は深夜の人気の無い海へとやって来ており私と皐月は砂浜の上でお互い正面から向き合っていた。

 

皐月「それで…最後の試練って何?」

 

葉月「私と戦って貰います…私の代わりにこの世界でワームと戦っていけるかどうか…オリジナルの私が直接確かめさせて貰います!!」

 

皐月「いや…私もう変身してワームも倒しましたし…」

 

葉月「私はそれを直接見ていないですし…」

 

皐月「くっ…わかりました…」

 

葉月「その前に私のドライバーを返して下さい…」

 

皐月「全く…でもいいんですか?貴方はそれで…?」

 

皐月は私に向かってゲネシスドライバーを投げて寄越して私はそれを受け取るが皐月は私の方をみて呆れたように呟いた。

 

葉月「?」

 

皐月「クロックアップの出来ないアーマードライダーでは私と対等に戦えないんじゃ無いんですか?」

 

葉月「ふっふっふっ…」

 

皐月「なっ…何がおかしいの!?」

 

皐月が私の方を睨みつけるが私は私服の上着のジャケットのボタンを外すと腰に付けてあるそれを皐月に見せつけた。

 

皐月「そ、それは…ライダーベルト!?」

 

私が腰に装着しているのは紛れもないライダーベルトであり皐月は私のベルトを見ると予想通りとても驚いていた。

 

皐月「何で貴方がライダーベルトを!?」

 

葉月「天道さんからお借りしたんですよ…試練のために協力して下さいました。」

 

皐月「嘘…」

 

天道「嘘ではない」

 

皐月「天道さん!?」

 

砂浜近くの高台から天道さんがこちらを見下ろしており天道さんは皐月が驚く中で私の元へとやって来て私の手に何かを握らせた。

 

天道「ちゃんと見定めてやれ…」

 

葉月「はいっ!!」

 

天道さんが私の手に握らせたのはカブトゼクターであり私はカブトゼクターを構えるとベルトに装着した。

 

葉月「変身!!」

 

(HEN-SHIN)

 

私の体を銀色の鎧が覆い私はカブト・マスクドフォームへと変身を完了させて武器であるカブトクナイガンを手に取った。

 

皐月「オリジナルが…カブトに…そんなのアリなの!?」

 

天道「丁寧口調になったり丁寧口調が抜けたりで忙しい奴だな…」

 

皐月「くっ…だったら私も!!」

 

皐月は手につけたライダーブレスを掲げると白い蝶のゼクターであるモルフォゼクターが飛来して自動的にブレスに装着された。

 

皐月「変身っ!!」

 

(HEN-SHIN)

 

私が見守る中で皐月も蝶のライダーに変身を完了させるが私はある事に気づいて変身を完了させた皐月に声を掛けた。

 

葉月「そういえばそのライダーの名前は何て言うんですか?」

 

皐月「あっ…名前…考えてませんでした…」

 

皐月は自身のライダーの名前を考えていなかったらしく自身のライダーの名前をかんがえはじめてしまった。

 

皐月「モルフォゼクターだから仮面ライダーモルフォ…いや…これじゃ安直過ぎる…もっとカッコいい名前がいい…」

 

 

皐月Side

 

私は自身のライダーの名前を考えていたが、なかなかいい名前が思いつかず悩んでいたがふと初めて変身した時を思い出した。

 

皐月(そういえばあの時大きな月が出てたっけ…貴虎さんの「斬月」みたいな名前にしようかな?)

 

私はつい直接会ったことの無い貴虎さんの事を考えてしまっていた。

 

皐月(貴虎さん…オリジナルが恋した男性…私も彼の事が…)

 

私はつい貴虎さんへの恋心に気持ちが揺らいでしまうが貴虎さんはオリジナルの物だという事実にちょっと嫉妬してしまうが私はぐっと気持ちを抑えてオリジナルの方へと視線を戻した。

 

皐月(私は貴虎さんの隣にいるべき人じゃ無い…だったらせめて近い名前だけでも…)

 

葉月「名前は…決まりました?」

 

オリジナルの私が問いかけて来たので私は深く深呼吸して落ち着けると自身のライダーの名前を口にした。

 

皐月「マスクドライダー…月光です!!」

 

 

 

 

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