仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

92 / 281
92話 2人の進む未来は

 

皐月「くっ…マントが…」

 

私は濡れた上に砂を被って重くなったマントをバサリと翻すと再びクナイガンを剣にして構えた。

 

皐月「飛べなくなったって…負けない!!」

 

葉月「どんどん行きますよ!!」

 

私は葉月の拳をギリギリで避けながらクナイガンの刃を繰り出すが直後に繰り出された葉月の蹴りによってクナイガンを蹴り飛ばされてしまい私のクナイガンが地面に落ちた。

 

葉月「はあっ!!」

 

皐月「きゃああああっ!!」

 

私は再度繰り出された葉月の蹴りを浴びて砂の上に再び倒れ込んでしまった。

 

皐月「ぐっ…もう…力が…出ない…」

 

私は思わず声を漏らしてしまい砂浜に倒れながらもなんとか立ちあがろうと必死にもがいた。

 

葉月「……」

 

皐月「くっ…やっぱりオリジナルには勝てないの?偽物は本物には勝てないの?」

 

葉月「何言ってるんですか?」

 

皐月「えっ…」

 

葉月「貴方はもう私でもないし、私の影でもありません!!貴方は貴方でしょ!!」

 

皐月「葉…月…」

 

葉月「貴方は私の偽物じゃない…貴方は水瀬皐月…さっき自分で言ったじゃないですか!!」

 

皐月「わ…たしは…」

 

加賀美「皐月!!」

 

皐月「!?」

 

突如男性の声が響き私は思わず視線を向けると加賀美さんか私に向かって叫んでおり私は加賀美さんの声を聞いて目を見開いた。

 

加賀美「お前はお前だ!!最後までお前自身を…水瀬皐月を信じろ!!」

 

皐月「加賀美…さん…」

 

私は目の前の葉月と加賀美さんの事を受けてなんとか立ち上がり鎧についた砂を払った。

 

皐月「そうだ…私は私だ…最後まで自分を水瀬皐月自身を信じる!!」

 

 

湊(最後まで勝つ事を信じれば、自然と勝つ道筋が見えて来る筈よ…)

 

かつて葉月が湊先輩から言われていた言葉が私の頭をよぎり私は再び拳を構えて葉月と正面から向き合った。

 

皐月「私は…負けない…ネイティブの仲間も人間も…この世界を…守る!!」

 

私は葉月に向かってそう叫ぶと私の目の前に時空の歪みが発生して中から銀色の何かが現れて私はそれを掴みとった。

 

加賀美「あれは…」

 

天道「ほぅ…皐月の思いに奴が答えたと言うことか」

 

皐月「ハイパーゼクター…?」

 

私の目の前に現れたのは天道さんが使用するハイパーゼクターであり私はハイパーゼクターを掴み取るとハイパーゼクターをじっと見つめた。

 

皐月「私に力を貸してくれるんですか?」

 

機械音が響き私はハイパーゼクターをバックルの横に取り付けてバックルに取り付けたハイパーゼクターに声を掛けた。

 

皐月「今の私じゃハイパーフォームにはなれない…けど力を貸して!!」

 

ハイパーゼクターは再び機械音を響かせ、ふと私は後ろを振り返ると背後には大きな月が出ており月の光が私の姿を照らし出しているようだった。

 

皐月「月…」

 

私は月の光を浴びていると突如強風が吹き荒れ始めて私は勢いに顔を手で覆うが、すぐに異変に気づいて自身の体の状態を確認した。

 

皐月「体が…軽くなった…?」

 

私は疲労と身体中の濡れた水分が吹き飛んでいくのを感じると再び恐怖が吹き荒れて私は思わず顔を手で覆った。

 

皐月「何…この風…?」

 

葉月「皐月…マントが…」

 

皐月「えっ…?」

 

葉月が私のマントの何かに気づいたようで、ふと背中に視線を向けると突然の強風により海水と砂で重くなった筈のマントが強風により音をたてて再びはためき始めて勢いよく舞い上がっていた。

 

皐月「もしかして…」

 

背中から外れそうなくらいに暴れるマントは月の光を浴びて光り輝いており私の背中ではためき強風が止むとマントも私の背中にはらりと垂れた。

 

皐月「マントが…元に戻ってる!!」

 

マントを掴み確認すると月の光を浴びた影響かマントは元の乾いた状態で砂の1つも無くなっていた。

 

皐月「なるほど…そういう事ですか…」

 

葉月「一体何が…?」

 

皐月「私は月の光を支配するライダー…つまり月の光の元では私は無敵…そういう事です!!」

 

葉月「なるほど…それで月光…そう言う意味もあったんですね!!」

 

私は月の光で力が漲るのを感じて私は葉月へと駆け出して拳を繰り出すと同じく葉月も拳を繰り出して私達は拳がぶつかり合い辺りには衝撃が走った。

 

葉月「ぐっ…」

 

皐月「はああああっ!!」

 

私の拳は葉月を押し返しており私はひたすら拳と蹴りを繰り出して葉月を翻弄して葉月は攻撃することが出来ずに防御に集中しているようだった。

 

葉月「うっ…さっきまでとは全然違う…凄い力…」

 

皐月「やああああああっ!!」

 

葉月「ぐっ…うあああああっ…」

 

私の拳が葉月の体にめり込み葉月は悲鳴を上げながら砂浜を何度も転がってしまった。

 

葉月「くっ…うぅぅ…」

 

皐月「これで…決めます!!」

 

私は勝負を決めるためにベルトのサイドに取り付けたハイパーゼクターの角を1回倒してエネルギーを溜めていてハイパーゼクターから音声が流れた。

 

(MAXIMUM RIDER POWER)

 

皐月「…っ風が…また…!!」

 

私の体の周囲に再び強風が発生して私の背中のマントが蝶の羽のように展開して私の体は宙へと浮いて上空へと舞い上がった。

 

葉月「飛んだ!?」

 

皐月「…行くよ!!」

 

私はモルフォゼクターを再び180度回転させると私の腕から足先へとエネルギーが集まり始めて私はとどめの蹴りの体制に入った。

 

皐月「ライダー…キック!!」

 

(RIDER BEAT)

 

 

葉月Side

 

私は上空に舞い上がって蹴りの体制に入った皐月を見るとこちらも必殺の蹴りを繰り出すために立ち上がってカブトゼクターのスイッチを順番に押した。

 

葉月「受けて立ちます!!」

 

(One, Two, Three.)

 

私は順番にスイッチを押すとゼクターホーンを操作して私は足に力を込め始めた。

 

葉月「ライダー…キック!!」

 

(Rider Kick")

 

私はゼクターホーンを操作するとバックルを展開させてキックの待機状態に入り上空から迫り来る皐月を迎え撃つために上空へと視線を向けた。

 

皐月「はああああああっ!!」

 

葉月「たあっ!!」

 

上空から皐月がライダーキックを繰り出して私は地上から勢いよく飛び上がると上空に向かって蹴りを繰り出した。

 

皐月「はあああああっ!!」

 

葉月「やあああああっ!」

 

私達の蹴りがぶつかり合い2つの必殺のエネルギーか交わりあって私達は力の限りぶつかりあった。

 

皐月「負ける…もんかああああっ!!」

 

葉月「うっ…うううううう…」

 

私は皐月に押され始めてしまい私はだんだんと後ろに下がり始めて私はこれまでの出来事が走馬灯のように脳内をよぎった。

 

 

皐月(貴方達がワームを倒してくれないと私達の種族は滅びてしまいます)

 

皐月(助けてくれたのは感謝しますが…これ以上私に構わないで…)

 

皐月(オリジナルが…死んだ……私は…どうしたら…)

 

葉月(貴方は…私じゃない…貴方は貴方って事ですよ!!)

 

皐月(私の名前は…水瀬皐月!!マスクドライダー月光!!私は戦う!!貴方のように…大切な人達を守るために!!)

 

 

葉月(皐月…貴方ならきっと…大丈夫…この世界で生きていけますよ)

 

私は気づくと皐月に蹴りで押し切られてしまい、そのまま勢いよく砂浜に叩きつけられてしまった。

 

 

皐月Side

 

皐月「これで…どうだあああっ!!」

 

葉月「きゃあああああっ!!」

 

私の蹴りが葉月を押し切ってしまい葉月は私の蹴りを浴びて勢いよく砂浜に叩きつけられてしまい地面に倒れてダメージによりカブトゼクターがライダーベルトから離れて飛び去ってしまった。

 

皐月「葉月!!」

 

私は変身の解けた葉月に駆け寄って抱き起こすと葉月は目をゆっくりと開けて笑みを浮かべた。

 

葉月「負けました…完敗です…」

 

皐月「うん…」

 

葉月「これで私の役目も終わりですね…」

 

皐月「えっ…出番…あっ…」

 

見ると葉月の姿が粒子状になり始めておりシロちゃんからの試練を達成し現実世界に戻る時が来た事を現していた。

 

皐月「なっ…なんで…いつの間に試練を…?そもそも試練って何だったんですか?」

 

葉月「ようやくわかりました…この世界の試練は料理が上手くなるわけでもなくて…」

 

皐月「えっ…」

 

葉月「この世界のもう1人の私を1人の人間として…ライダーとして導く事…だったんです…」

 

皐月「まさか…料理はきっかけに過ぎなかったって事ですか?」

 

葉月「恐らく… ビストロサルに辿り着いてから全ての物語が始まっていたんですね」

 

皐月「私と貴方が出会ったのも…私が貴方に擬態したのも運命だったんだ…」

 

私達の元に天道さんと加賀美さんがやって来て天道さんは葉月に声を掛けていた。

 

天道「行くのか…」

 

葉月「はい…ここでお別れですね天道さん…加賀美さん…」

 

私は腰に装着してあるライダーベルトを取り外すと天道さんへと差し出した。

 

葉月「ひよりさんを必ず助け出してください…」

 

天道「あぁ…」

 

葉月「加賀美さん…もう1人の私…いえ…皐月をよろしくお願いします!!」

 

加賀美「あぁっ!!俺達に任せておけ!!」

 

最後に葉月は私の方へと顔を向けると私の手を握り私も葉月の手を握りしめた。

 

葉月「さようなら…皐月…貴方は幸せに生きて下さい…ネイティブ…いえ…1人の人間として…」

 

皐月「うん…私に…任せて葉月!!シロちゃんやみんなによろしくね…」

 

葉月「うん…」

 

ついに葉月の姿は微粒子に包まれてそのまま天へと昇っていきこの世界から消滅してしまった。

 

 

皐月「必ず…沢芽市に会いに行くから…だから未来で待っててね…」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。