──シャーレ・執務室のテレビ
「カイザーローンはアビドス高等学校にお金を貸し付け」
「違法な利子の取り立てを行い、それで得た利益を元に違法組織と関与」
「アビドス高等学校の土地の権利を迫り、カイザーPMCと結託して、傭兵を差し向け戦闘行為をする等の敵対行動を行っていた事が明らかになりました」
「カイザーコーポレーション本社は本日記者会見を行い」
「カイザーグループを隠れ蓑にこのような悪どい事を行っていた企業があるとは知らなかった、本当に申し訳ないと述べております」
「これに対し再発防止策を問い正す声や」
「白々しい、トカゲの尻尾切りではないのか?といった批判の声もあります」
ピンポーン
今日の当番の生徒が訪れたようだ
テレビを消し、出迎える
"シャーレへようこそ!"
あれ?数が多いな
「こんにちは、先生!」
「お世話になったからねぇ」
そこに居たのは、こちらに笑顔を向ける5人の生徒だった
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あの晩、ホシノ側も大成功だったらしい
ホシノは交渉決裂と同時に
カイザーPMC理事に向けてショットガンを発射
押し寄せて来たPMCの兵士を相手に大立ち回りを演じてくれた
隙を突くようにSRC特殊学園の生徒達が潜入
不正な記録を確保しつつホシノのバックアップを行った
アロナに聞いた話によると、FOX小隊、RABBIT小隊の他にも
SHARK小隊やOCTOPUS小隊も動員したらしい
彼女達はセリカ救出成功と共に撤収
アロナの一存でクロノススクールへ不正の資料を公開
キヴォトス中のお茶の間に晒される事となった
更に追い打ちを掛けるように連邦生徒会が介入
過払い金の全額請求により約9億円の借金は消し飛んだ
それだけでは足らず、二束三文で買い叩かれていたアビドスの自治区の殆ども帰って来た
複利、恐るべしである
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「先生、私達……ずっと借金を返す為に頑張ってきたのですが」
「目標が無くなった今、どうすれば良いのか……」
"先が見えない中ずっと頑張ってきたんだよね"
"まずはお疲れ様、そしておめでとう"
"さて、目標が無くなったという話だけど"
"目標や目的は一番大切な物から順番に整理して、細分化されていくものなんだ"
「細分化……ですか」
"そうだよ、元々アヤネは借金を返したいからアビドス高校へ進学したわけじゃない"
"例えばで幾つか挙げるけど"
"新しい仲間と青春を送りたいとか、アビドス学区を共に盛り上げていくとか、大人になる為に勉強するとか"
"そういう想い、大目標を胸にやってきた筈なんだ"
"でもアビドス高校が今にも廃校しそうだったから"
"障害となる借金返済と戦う事を小目標に設定したんだ"
「大目標、小目標……なるほど……」
"障害を取り除く事が出来たのなら小目標はおしまい"
"改めて大目標からやるべき事を取り出して、新しい小目標を作れば良い"
これ以上深掘りしても良いのだけど
"もし新しい目標に困ったら、ノノミに相談すると良いよ"
「はぁ、ノノミ先輩ですか?」
彼女のウィッシュリストには
きっと幸せな学校生活を送る大事な事が沢山描かれているはずだから
これにて一周目のアビドス編は完結となります
局所最適解というAI用語をご存知でしょうか?
これは見せ掛けの最適解をAIが見付けた後
その選択がさらなる最適解へ到達出来ない原因となっている事はよくある話なのですが
いくら学習を進めても
手前で見付けた見せ掛けの最適解に引き摺られてしまい
本当の最適解へ辿り着けなくなってしまう現象を指します
過去へ遡れる万能生徒会長を潰すには
いくつもの局所最適解に嵌める必要がありまして
それのアイデア出しで結構時間を使いました
(連邦生徒会長が匙を投げる理由が無ければ先生は不要ですからね)
アビドス対策委員会の生徒達の笑顔は
2人にどういう地獄をもたらしてくれるのでしょうか