──最高のゲームを作る秘訣、それはたった一つです
──そしてこのG.Bibleには、その心理が秘められています
「い、いよいよ」
モモイの唾を飲み込む音が聞こえる
モモイだけじゃない、ゲーム開発部の4人は固唾をのんで画面を注視する
──ゲームを愛しなさい
「……まさか、これで終わり……じゃないよね?」
──残念ですがこれが結論です
──ゲームを愛しなさい
「それじゃ、本当に……?」
「こ……これで終わり!?」
「終わりだああぁぁぁああ!!!」
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──シャーレ執務室
無事にG.Bibleの解析データを受け取ったアロナは
ゲーム開発部へ渡す前に私と共に中身をチェックする為にシャーレへ訪れていた
"これはひどい……"
そのアロナはスイーツを頬張り、ご満悦のようですね
美人が台無しである
「さて先生、これを彼女達に見せて問題が解決しそうですか?」
"流石に無理があるよね"
「ですよね……彼女達を絶望させてしまうだけですよね……」
「それに、部員の問題はどうするのですか?」
「ゲーム開発が成功しても、部員が足りないのでは一時凌ぎにもならないのでは?」
"彼女を紹介してみようと思ってね"
「彼女?……そういえば休学中でしたね」
「転入でもさせるんですか?」
"彼女が望んでくれたらね"
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──浦和ハナコ
"彼女"を保護したのはトリニティの体育倉庫だった
陰湿な虐めは日本の多くの学校にもある
キヴォトスでも例に漏れる事はない
特に多くの学校を併合したマンモス校のトリニティはその傾向が強かった
頭脳明晰で成績良好だった彼女はその能力を妬まれ
人当たりは良いがリーダー的な資質に欠けていると見受けられ
派閥に取り込む利点も薄いと評価された
かと言って放置して他の派閥へ取り込まれるのも危険
結果、派閥達は彼女を潰そうと結論づけた
派閥同士が結託し、彼女の数少ない友人を一人、また一人と剥がし
一人ぼっちの生活を強要し、虐め続けた
私は閉じ込められた体育倉庫の中で啜り泣く彼女を見て察し
その日の内にトリニティに休学届を出し
シャーレに連れ帰った
……のだが、私ではハナコを持て余してしまった
数日間ゆっくりと療養していたが
心が癒えるにつれて暇になったのか、私の業務に興味を示し始めた
試しにいくらか仕事を任せた所
読む能力、考える能力、実行する能力全てがずば抜けている為
私や当番の生徒の仕事を全て瞬殺してしまう事がわかった
多くの生徒と触れ合う事が目的なのに
ハナコが瞬殺してしまうとやることがない
D.U.の見廻りや各学園へ訪問も試してみたがあまりしっくり来ない
控え目な笑い方をする彼女がやけに心に残っている
そんなハナコに提案する
"ねえ、ハナコ……ゲームに興味はない?"
「ゲーム……ですか?」
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「あら?ミレニアムへようこそハナコ、歓迎するわ」
「……って、なんでうちの制服着てるの?」
「モモイ!まさか他校の生徒を幽霊部員に偽装するつもり!?」
とんだ濡れ衣だが、数多くの悪行を行っているモモイに信頼はない
"私が呼んだんだよ、トリニティの校風はハナコには合ってなさそうだったからね"
「話を聞いた限りだとそうかも……とは思いましたけど」
「でも、いくら何でも廃部が決定した部活に入るだなんて……」
「ハナコ、考え直すなら今のうちよ?」
「ユウカさん、心配して下さりありがとうございます」
「でも、足掻いてみたいんです……」
「こんな私を喜んで迎え入れてくれた仲間と共に……」
テイルズ・サガ・クロニクルをブチ切れながらクリアして意気投合してたもんな
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結局、G.Bibleのショックは大きかったものの
すぐに立ち直った新生ゲーム開発部
ハナコの「プレイヤーの意思や決定をサプライズと共に歓迎してくれるゲームが作りたい」という要望から
テイルズ・サガ・クロニクル2が作られた
無料ゲームとは思えない豊富なテキスト
一見クソゲーと思える難易度なのに
思い付きでアイテムや戦術を試すと、コンボのようにがっちりハマり嘘のような戦果を叩き出してくれる
暇してそうなアロナにもテストプレイをお願いすると
「もう一回戦術を変えてプレイしてみたいです!」と言いながら10周程遊んでいた
ミレニアムプライスでも
審査員達は「私が何故沢山の学校の中からミレニアムを選んだのか思い出しました」と大絶賛
堂々の入賞を果たした
アリスを加えないなら、何処で補充するか……
関わるなら手持ちの手札で何とかしてしまうのが先生
というわけで、何かと便利なハナコさんにトリニティを辞めて貰う事にしました
もちろん彼女の存在はトリニティにとって重要ですので
トリニティは地図から消えてしまうんではないですかね?
知らんけど