私達2人にSRT特殊学園8人を乗せて装甲車は走る
その空気は最悪だった
片方は自分達の成果と犠牲を無に帰す無能達の尻拭い
片方は現場を知らない素人上司の指揮に従えと命じられる
ただでさえ戦力が拮抗しそうな戦場でこれとは
どちらの小隊も内心ブチ切れモノだろう
ブリーフィングでは唯一愛想の良さそうにしていた
大きな耳の生徒も心底つまらなそうにスマホを操作しているし
ミヤコは隣の丸眼鏡を掛けた生徒と耳打ちで会話している
せめて大成功させないとな……
この作戦、戦力分析をするに私は恐らく不要だ
むしろ戦えない分居ないほうがマシだろう
そんな私が何故この装甲車に同行しているのか?
それは出撃前にアロナから二つの目標を与えられていたからだ
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──時は少し遡り、連邦生徒会長室
「今回の暴動鎮圧ですが、先生には2つの事を求めます」
「一つ、ミヤコ達RABBIT小隊を完全に使いこなす」
「二つ、完膚なきまでの勝利」
"えっ、流石にそれは無理じゃない?"
"私は戦闘に関しては完全に素人だし、彼女達の強さも知らないんだよ?"
「はい、良い指揮とは長く深いコミュニケーションの先でようやく得られるもの」
「普通に考えればあり得ません」
「そこで、私の過去に戻る能力をフル活用します」
「24時間を超える巻き戻りはそれなりの代償を必要としますが」
「数時間程度ならば常日頃から気軽に使ってます」
「例えばシミュレーションゲームがあるとします」
「同じ状況ならば、敵は全く同じ動きをしてきますよね」
「それをセーブ・ロードを駆使して最適解を見付ける作業と思って下さい」
なるほど……スパルタ式OJTってわけか……
いつかは生徒を率いて戦うのだから
ここで100回同じ戦闘を繰り返して慣れておけと
"そしてシミュレーションゲームにしてくれるのは……"
シッテムの箱を撫でる
"これには戦場を俯瞰する機能があるんだったね"
"プラナ、お願いするね"
すると生徒会長室にワイヤーフレームが走り
小さな部屋の中に私とアロナが映し出される
これで相手の戦力を丸裸にしつつ
あの4人を指示するシミュレーションゲームをしてくださいと
その位なら私にも出来るかもしれない
それはそうと私がハゲ頭な似顔絵なのはどうして……
まだふさふさだよ!
「先生の似顔絵は私が描きました」
"あはは……ありがとう……"
まぁ、味があって良いんじゃないかな
時間は殆ど無かったが
アロナは物分りの悪い私の為に根気よく説明を続け
何度も時間を戻してくれた
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装甲車は前回と寸分同じ所
いや重量が増えている分ほんの僅かに遅れて停車した
背後のドアが開き、8人の少女達が飛び出していく
私もそれを追い掛けていき
銃弾が突き刺さり鮮血を撒き散らす
……はっ!!
「……先生、ドアが開いてSRT特殊学園の生徒達が飛び出します」
「すると敵はどう行動するでしょうか?」
"彼女達へ機銃や小銃で撃つわけか……"
「そのとおり、焦って追い掛けると流れ弾に当たる確率は高いでしょう」
「能力の高い彼女達ならば安全な空間を作ってくれるので、少し伏せて待って下さい」
"わかった"
なんだコイツら?と突き刺さる視線が辛い
「それじゃ、もう一度戻しますね……先生、頑張って」
ついに地獄の死に戻りゲームが始まりました
先生はエデン条約編で凶弾に倒れます
しかし、その後も涼しい顔でトリニティ学園を練り歩き
シャーレに戻ってからも心理的な抵抗があるような描写は一切ありません
これは常日頃から撃たれている経験があり
そんなもんだよな位の慣れがあるんじゃないかと推測しました
その経験は何処から来たのか?
こういう失敗しても良いすぐに戻せる環境
砂場(サンドボックス)の様にすぐリセット出来る環境で慣れているのだと定義付けしました
こうしてキヴォトスで活動するのに特化したやべー地球人が作られていったわけですね