司波兄妹の活躍があって今回のテロ騒動は全て丸く収まったらしい。僕としては実験が終わった後もしばらく休みを取っていたので事の顛末は真由美姉さんから聞いた。
今回の騒動では僕が知っている通りで大きく変わることがなかったらしい。しっかりと司波兄妹が事態の収束をしてくれたのは本当に有難い。そして次は九校戦まで大きなことが起こることはないので、静かに学校生活を送ることにした。
試験まで1週間と迫って来た。生徒の中にはすごい気合を入れてこの試験に挑もうとしている人もいるのだ。それは何故かというとこの成績で九校戦に出られるか、出られないかが決まって来るからだ。九校戦に出るのはエリートと呼ばれる少数の人数だけ。九校戦という名前からも分かるかもしれないけど、合わせて九つの高校がそれぞれの学校のメンツを背負って戦うことになる。そこに出場が許されるのは選ばれた人のみ。
それぞれがその選ばれし数人になりたい。
そんなことを考えていると千葉エリカさんに話し掛けられた。
「七草くん」
「どうしたのかな、千葉さん?」
「少し時間いい?」
彼女がなんで僕を呼ぶのかは分からないが、別に時間もあるのでついて行く。
すると彼女は一目の付かない場所まで移動していくので後をついて行くと急に止まった。
「こんなところまで来てどうしたの?」
「七草くんもこの学校に入学してたんだね」
「そうだね。一応、姉さんが入学しているからね。入学するのに知っている人がいるという方がいいという感じで決まったんだ」
「会うのは…1年振りぐらいかな」
「そうかもしれないね。それぐらいになるか」
千葉エリカという女性と僕は接点があったのだ。彼女と初めて会ったのがいつ頃だったのかはあんまり覚えてないが、彼女と会ったのは千葉家の道場だったのを今でも覚えている。
そして明らかに実力差がすごいのに僕は千葉家の道場で千葉エリカとずっと戦っていた。同い年ということもあって組むにはちょうど良かったんだと今でも思う。
「最近来ないよね」
「そうだね」
単純に僕が千葉家の道場に行くのが面倒になったのだ。最初は父上に連れられてやってきて、なぜか通うことになり、そして面倒になってサボることが多くなったのが事実。
「なんか七草くんに嫌われることしちゃった?」
「いや別にしてないよ。僕がただサボっちゃっただけで千葉さんが気にする必要はないと思う」
「…ほんとに?」
「本当だよ。逆に僕みたいなやる気に乏しい人間のことなんか千葉さんは見限っていると思っていたよ」
それぐらい僕はやる気がなかった。父上から言われたことは全てやらなければいけないので行うが、それはあくまでも言われた範囲のことだ。父上に連れて来れたが、それはあくまで見学というだけだった。
そんな僕が道場に通うことになったのは千葉さんのお父さんこと千葉丈一郎さんに気に入られてしまったからだ。なので少しずつ僕という人間の悪いところを見てもらって愛想を尽かせる作戦だったのだ。この際、七草家の一員であることはあまり考えずにサボることにしたというのが現状。
「私は七草くんのことは素直に尊敬してるよ。あそこまで魔法なしで戦える人はいないと思うし」
「そうかな。僕は千葉さんに褒められるようなすごい人間じゃないよ」
魔法師としての才能に恵まれていればその言葉を素直に受け取ることも出来たんだと思う。でも、僕には才能がなくてあるのは、特殊な力だけ。
想像したものを現実に引き起こせる能力なんてあったとしても意味ない。自分は七草家の人間だったからいいけど、もし普通の家庭に生まれていたら気味悪がられたり、実験施設に送られたりする可能性がかなりあっただろうし。
「七草くんはすごいよ。それはあたしが保証できる。七草くんと何度も真剣勝負をしたから」
「そうだと良いな。千葉さんはいつも僕を褒めてくれるよね。本当に優しいね」
「そうじゃなくて…本当に七草くんはつよいよ」
千葉さんは誰かからお金をもらっているんじゃないかと思うほどに褒めてくれる。
「そう言えば、千葉さんは少し前のテロ騒ぎでも大活躍だったって姉さんから聞いたよ。すごいね」
「大したことじゃないわ。自分のできることをしただけだし」
「それがすごいんだよ。やっぱり千葉さんには敵わないな」
「…七草くんがいたらもっと上手くやっていたと思う」
「そんなことないよ」
千葉さんの高評価は本当にどうにかして欲しい。それからも、僕が千葉さんを褒めると千葉さんがそれを倍以上にして返してくれた。
誰を一番登場させて欲しいですか?
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七草真由美
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七草香澄
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七草泉美
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渡辺摩利
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中条あずさ
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服部刑部少丞範蔵
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十文字克人
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司波達也
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司波深雪
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千葉エリカ
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北山雫