そして1年経つと僕は国立魔法大学付属第一高校へと入学した。ここまで全てが筋書き通り。そして僕の制服には八枚花弁のエンブレムが刺繍されている。
刺繍されていることからも分かるかもしれないけど、僕は一科生と入学する。正直成績的にはギリギリ、二科生になってもおかしくないようなところだったと思う。でも、さすがに『七草家』の人間が二科生として入学するようなことがあったらかなりの問題だ。そうならず、運命通りになってくれたことにほっと胸をなで下ろす。
真由美姉さんが生徒会長として在籍している学校なので、僕が二科生とかだと姉さんに迷惑を掛けることになってしまう。姉さんには色々とお世話になっていることを踏まえれば迷惑を掛けるなんてダメだ。
今日は入学式が行われる日。
真由美姉さんは生徒会としてやることがあるようそうでいつもより早く家を出て行った。僕は時計を見ながら適度に余裕が持てるぐらいの時間に家を出ようと思っていた。
なのでリビングでしばらく時間を潰していると…中学校の制服に身を包んだ双子がやってきた。
「ボクたちも来年には第一高校に入学できるんだよね!」
「はい、そうなったら兄様と一緒にいられます」
「いや、それはまだ先の話」
この双子が少しでも僕と話す時間を他の子との会話に使ってくれたら嬉しい。ずっと僕の側でこの二人はクラスで孤立しているんじゃないかと少し不安だった。
「そうだけどさ、そういう風に思ってないと兄さんと一緒に入れない寂しさが……」
「そうですね。兄様と一緒に登校ができないというのはやはり寂しいです」
寂しいって…家に帰れば顔を合わせるわけだし、そこまで寂しがる必要はないと思うんだけど。
「そうだね、僕も寂しいよ」
これを言わないと双子は「兄さんはボクたちのことなんてどうでもいいの?」とか「兄様は私たちよりも大事な人が…」とか言い出すから寂しいというようにしている。
「ボクたちも寂しいから…我慢できるようにお願い」
「お願いします、兄様」
この子たちがお願いしていることは簡単に言えば『抱きしめろ』ということだ。普通の兄弟の関係で抱きしめたりするのかは疑問だけど、彼女たちが抱き締めないとずっと言い続ける。さすがにそれは面倒なので、早い内に抱きしめた方が後々のことを考えても楽だ。
「わかったよ。今日も香澄と泉美が健康で楽しく過ごせますように」
そう言いながら僕は二人のことを優しく抱きしめた。彼女たちの息が少し荒くなっているのを感じて離れようとするとなぜか二人共離してくれそうにない。
「どうした、二人共?」
「ボク、離れたくない」
「どうしてだ?」
「兄様の匂いを包み込まれているような感覚が…」
なんか香澄はまだいいとしても泉美に関してはこのままでいいんだろうか。泉美は頭が良いし、冷静な判断ができる妹だと思っていた。でも、冷静な判断が出来るという認識は少し改めないといけないかもしれない。
「二人共、生徒会に入っているんでしょ。そんな二人が遅れるわけにはいかないと思うよ」
「ボクは兄さんに抱きしめてもらえるならこのままでも…」
「うん、私も香澄ちゃんと同じでこのまま抱きしめてもらえるんであれば、ずっとこのままで」
「…僕は二人が生徒会で学校のために頑張っているところを見たいよ。自慢の妹たちなんだからさ」
それから1分ぐらい経ってやっと二人は離れてくれた。
「兄さんにそんな風に言われちゃったら頑張るしかないじゃん!」
「そうですね。私たちが兄様の自慢の妹であるために!」
そしてやっと二人は部屋を出て、中学へと登校していった。
僕も時計を確認するとちょうどいい時間になっていたので父上に挨拶をしてから国立魔法大学付属第一高校へと歩みを進めた。
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七草真由美
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七草香澄
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七草泉美
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渡辺摩利
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中条あずさ
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服部刑部少丞範蔵
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