正義と悪の溜まり場“三大裏勢力”   作:石嶋 天冬

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今回は短め。


第3話:食の国

 エレジアを出発したトリックスター海賊団は海中を進んでいた。

 

「ん?何か海にいるな。」

「お?また、商船でも通ってるのか?」

「いやぁ、こっちに来てるぞ?」

「海軍か?それとも海賊か?商船は海賊船に近づかねぇだろ?」

「……船じゃないなぁ。人…が泳いでるのか?」

「人…?」

 

 バーエルが海に何か居ることを告げると、アルマロトが備えられた潜望鏡で海上を見つめ始めるが、まだ確認できない。

 そして、バーエルがこちらに向かっていることを告げると、ゼンが確認するがバーエルは船ではなく人であることを告げる。

 その問いに、アルマロトが頭を傾けて再度海上を確認し始める。

 

「お?見えてきたよ。まだ、しっかりとは分からないけど確かに泳いでそうだね。ん〜?背中に誰か乗ってる?」

「……あぁ、分かった。なぁんだここまで来たんだ。だいぶ泳いだねぇ。確かに連絡してなかったや。」

「あれって…アンカーたち?ゴロツキ諸島に残ってたんじゃ?」

「ルーファンにボコボコにされてたけど治ったのか?」

 

 海上を見つめていたアルマロトが泳ぐ影の上に更に人が乗っていることを確認した。

 そしてバーエルが正体に気づき、アルマロトがゴロツキ諸島にいる者たちではと答える。

 ゼンがエレジアに来れなかった者たちと、その原因を告げる。

 そこへ、ルーファンたちも集まり始めた。

 

「どうした?海に何か……。アイツら何してんだ?」

「そりゃあ…。エレジアに行ってた僕らが壊滅して連絡がなければ見に来るか。」

「浮上開始。全く何やってんだか。」

 

バシャバシャバシャバシャ

 

 ルーファンが声をかけながら海へ頭を向けると泳ぐ影を発見しすぐに正体に気づくとバーエルが付け足し、船を浮上させ始める。

 そんなことを話していると泳ぐ人物は船の元へと辿り着く。

 そしてその背から飛び降りる者たちはルーファンたちの前へとやって来た。

 

「ルーファン船長!無事なら連絡してくださいよぉ!電伝虫も繋がらないし、バーエルさんの安全装置はぶっ壊れるわで心配してたら、新聞に何て書いてあったか分かりますか!?」

「落ち着け、クィナーズ。新聞には俺たちが負けたとか書いてないだろ?」

「エレジア壊滅ですよ!!赤髪海賊団といやぁ、静かな印象だったのに!!負けちまったのかと思ってすぐに出発して、来たんすよ!」

「おい…クィナーズ。まず、謝れ。誰のせいで怪我人を運んでこんな場所まで泳いだと思ってるんだ。爺ちゃんたちが負けるわけないだろ?」

「うるさいぞ!アンカーは心配しなさすぎるんだ!!船長の身に何かあったら…どうすんだ!!」

「ウホウホウホッ。」

「お前の言葉は分からねぇよ!!あ、アルマロトさん!シルバはなんて言ってます?」

「はぁ…。クィナーズがうるさいってさ。」

「シルバぁ!!なんだ…ブハァッ!」

 

 開口一番に口を開いて心配するクィナーズと呼ばれた人物はルーファンに捲したてる。

 落ち着かせるルーファンであったが、クィナーズは止まらず話し続けるが、泳いできた巨大な人物アンカーがクィナーズへ謝罪を要求したが、止まらない。

 そこへゴリラのような声が響くとクィナーズは言葉が分からないと告げたがすぐに、アルマロトへと通訳を頼み通訳された言葉にクィナーズが激昂した所にルーファンの拳がクィナーズの顔面へとクリティカルヒットして吹き飛ばされる。

 

「やかましい。お前ら、ケガは治ったのか?」

「まだ治りきってないですよ船長。クィナーズの奴が暴走して仕方なく来たんで。アンカーなんて道中に海王類に何回噛まれたか…。」

「そのたびに怪我人のサルアとグローディンが海王類を追い払っい倒したり…クィナーズの馬鹿野郎も、船長の拳を食らったから暫くは黙ってるんじゃないすか?まったく、狂信者は手に負えないっすよ。」

「そりゃあ…悪かったな。なんかごめんなぁ。アイツは俺でもどうしようも出来ない。まったく、エレジアに連れて行かなくて正解だったなぁ。手のかかる部下たちだ。」

 

〜〜〜

 トリックスター海賊団 船員

 

 “白拳”コング・シルバ

  種族:ブルーゴリラ(アルビノ)

  懸賞金:3億

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   元々はインペルダウンで飼育されていた個体をルーファンが手名付けた。

   脱獄事件後にルーファンの後を追ってゴロツキ諸島まで追ってきた。

 

 “独走者”リグレート・サルア

  種族:人間族

  懸賞金:2億1000万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   特殊な技術を持つ一族の出身で空や海を自在に駆け回ることができる。

   空を掴んでぶら下がることが出来、六式や魚人柔術に似た技を用いる。

 

 “炎の処刑人”ジャエン

  種族:人間族

  懸賞金:2億

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   燃える蛇を全身に巻き付け常に発火しているが、燃える体質を持つため本人は平然としている。

   歩く火災と称されており、かつてはルナーリア族と間違えられ追われている立場にあった。

 

 “枠超え”ワン・ベリー

  種族:人間族

  懸賞金:2億

  悪魔の実:ゲコゲコの実 モデル“大蝦蟇”(動物系“幻獣種”)

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   世界を相手に情報を狂わせるほどの情報操作能力を持つ。

   元々は世界経済新聞社のエリート社員であったが、世界政府に命を狙われたことで退社し、海を彷徨っていた所にルーファン達と出会い、情報力を買われて仲間となった。

 

 “海壁”エルディオン・アンカー

  種族:古代巨人族

  懸賞金:1億5000万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   ペルフェオルの子孫(孫)にあたり、泳ぐ陸として仲間を背中に乗せて海を進んでいく運び屋として活動している。

   海中では魚人並みの速さで移動できる水泳能力を誇り、長時間の水中活動ができる。

 

 “海柱”ガイドナー・マスト

  種族:巨人族(足長族との混血種)

  懸賞金:1億4500万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   アンカーやパドルと共に仲間や物資の輸送を行っておりアンカーの背から周囲への警戒と航海路を示す役割もを持つ。

   元海軍中将でありガトー・プレリアの教え子の一人。

   プレリアが海軍を止めると同時にプレリアを追いかけて海軍をやめた経緯を持つ。

   山を割る嵐脚の使い手。

 

 “海車”ガンボー・パドル

  種族:巨人族(手長族との混血種)

  懸賞金:1億3500万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   アンカーの背から腕をパドルのようにして進む総舵手の役割を持つ。

   元海軍中将でありガトー・プレリアの教え子の一人。

   プレリアが海軍を止めると同時にプレリアを追いかけて海軍をやめた経緯を持つ。

   山を穿つ指銃の使い手。

 

 “怪鳥”ウミダケ

  種族:ネズミのミンク族

  懸賞金:1億3500万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   巨大な大鷲プディンを従えるネズミのミンク族。

   キノコ栽培を得意としており、新種のキノコを栽培しては海賊や海軍相手に効果を試すなど過激派である。

   大空からキノコ粒子をばら撒きキノコ感染を引き起こすことを得意とする。

   また、異名の怪鳥は大鷲プディンのことである。

 

 “狂恐”クレッジ・クィナーズ

  種族:人間族

  懸賞金:1億1250万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   狂った宣教師を自負し活動しているが、非常に真面目で優しい性格をしている。

   真面目で優しすぎる故に狂った・恐怖として狂恐の異名が付けられている。

 

 “段丘”アンデス・グローディン

  種族:人魚族と巨人族の混血種(カジキマグロの人魚)

  懸賞金:1億200万

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   拳で撃った個所を盛り上げる“盛り撃ち”という特殊な体術を用いる武闘家。

 

 “声踊”ロック・ロック

  種族:人間族

  懸賞金:1億

  悪魔の実:なし

   トリックスター海賊団“船員”の一人。

   戦闘能力は皆無に等しいが、声を用いたマインドコントロールを得意とする。

 

〜〜〜

 

「人数が増えちまったなぁ。近くの島で食料でも補給がてら休憩とするか。」

「ん〜。近くの島って言うと堕落島フォールが近いか?治安は悪いで有名だが寄るか?」

「元王族や貴族が過去の栄華に囚われて王族同士で日々争いが続く島だぞ?食料なんてあるわけないだろ?」

「それが、たんまり溜め込んであるんだ。生産力も高いが何より食に対する価値は高い。世界での食料生産率はかなり高いぞ。他はさて置き食料を買い込めるだけの額が足りるかだな。」

「結成したばかりの海賊団だよ?全然、足りないよ。」

「元王族や貴族かぁ…。荒れそうだなぁ。まぁ、最悪奪うか。」

 

 クィナーズたちが合流したことで発生した食料問題。

 近くの島へ寄って補充したいが、近くの島は食料はあれど問題が多すぎることが発覚する。

 そこへアルマロトが金がないことを告げられ考え込んでいたルーファンは最悪の場合は奪うことで話がまとまった。

 船はフォールを目指して進み始める。

 

---

 

Side

 

赤い土の大陸 マリージョア パンゲア城

 

「エレジアの壊滅に…混ざり者が関与していただと?」

「その場に居たCPからはその用に報告が来ている。」

「インペルダウンに甚大な被害を出し、逃亡した後の行方が分からなかったが…エレジアに居たとはな。」

「赤髪にトットムジカ…。そこに混ざり者か…厄介な種は集まる習性でもあるのか?」

「どちらにせよ。奴らは知りすぎている。消すに越したことはない。神の騎士団がいくらか負けたそうだな?名誉挽回のチャンスだぞ。ガーリング。」

「お任せを。」

 

 話し合う5人の権力者たちは、側で跪く人物へ声を掛ける。

 声をかけられた人物フィガーランド・ガーリングは顔を上げずに、言葉を発すると魔法陣の中へと姿を消す。

 

「……失敗は許されんぞ。」

 

---

 

Side

 

堕落島フォール 港

 

「ははぁ。まさか島全体をシャボンで包んで外気を遮断とか…天竜人みたいだな。」

「天竜人に憧れている馬鹿の集まりなんだ。当然だろう。」

「そこいらに城が建ってるよ…。いったい何人の国王が居るんだか。」

 

 ゼンが島の第一印象を声に出しながら伝えると、ルーファンが端的に答える。

 そこへクイチが周りにある無数の城へと視線を向けた。

 すると、そこへ見るからに王様であろう人物たちが一斉に押し寄せる。

 

「我が「私が「ワシが国王だ。」王よ。」この国の王だ。」

 

 島に上陸するなり、押し寄せた王たちは瞬く間にトリックスター海賊団を取り囲むと、あれよこれよと食に対して説明しだす。

 だが、次第に王たち同士での言い争いへと変わり、殴り合いにすら発展している場もあった。

 そんな中でも人だかりの少ないルーファンの元にも言い争いをする王たちがいた。

 

「金もない王は黙って地面に頭を付けておけ!」

「何を!?兵の居ない王などさっさと亡くなれ!」

「やかましい!客人の前だぞ!おぬしら食料を買いに来たのであろう?どうかね?ワシの所で買っていかぬか?」

「コジキ王!抜け駆けは許されぬぞ!おぬしの所は魚だけではないか!お客人!我のところは肉があるぞ?どうかね?」

「まぁ!魚も肉も醜いですよ!栄養価の高い野菜こそが優れているのですよ!どうです?私の所で買われては?」

 

 3人の王は自分たちの生産している食料について述べながら誰から買うのかを競い始める。

 ルーファンは服から手を離そうとしない3人を嫌そうに見ながら、仲間たちへ助けを求めて振り返る。

 が、そこには自身と同じく複数の王らしき者たちに囲まれた仲間たちの姿が目に入る。

 仲間たちもルーファンに助けを求めるように顔を向けるが、頭を振り一番囲まれている人数が少ないことから、ほかに巻き添えを食らわぬように王たちを少しずつ集団から離れたところへと連れて行く。

 

「えぇっと。コジキ王の所では肉が買えるのですな?えぇっと…申し訳ないが他の王のお名前はぁ…。」

「おぉ、すまなかった。名乗るからワシの魚を買ってくれ。ワシはギョルフだ。このフォールの国王だ。」

「待ちなさい。私はベジンス。この国の王よ。貴方はこの国の知識が少なさそうだがら、教えてあげますわ。感謝しなさい。」

「では、この国王コジキが教えてや…ぶへぇっ!」

「私が説明するの。年寄りは魚でも釣ってなさい。それで、この国は訪れた者には自身が最も誇れる食料を売ったものが王としての価値があるの。だから、皆は船が来たら家臣を置き去りにしてまで売りに来る。ここはそういう島よ。……まぁ、ここにいる3人が最も王に近いのだけどね。他の者たちは見る目がないのよ。」

「痛た…。ベジンスの言う通りだ。見た目で判断し麗しい彼女らの所に居るのは墜ちた愚王やなりたての新米王たちだ。故に見る目がない。その点ワシら3人は普段は仲が良いが、客人が来ると敵同士じゃ。まぁ、囲うのは同じなだけに商売敵となって言い争うがな。」

「そうだ。我らは王の座に近い近王である。海賊旗を掲げていようと客は客だ。しかし、取引する相手は船長である必要があるのは当然だ。船長を見極め、商売を持ちかける。常識であるが、今回はちと難しかったか。結成されたばかりの海賊団であろう?異形の者が多く誰も近寄らず、または分からぬ。ちなみに我らはかなり深い所まで情報を拾える伝手があってな。有名人であるルーファン殿については色々と知っておる。」

「インペルダウンから脱獄し、行方を暗ませていたがまさかこの島に来るとはな。近くでは国が壊滅しよった…お主らが関与していないとは言い切れぬぞ?」

 

 3人の王たちが自身を紹介すると島について語り始める。

 普段は仲が良い王たちも実質的な王を決めるために競い合う。

 そして、コジキ・ギョルフ・ベジンスは最も王の椅子に近しい者たちであった。

 故に見た目ではなく情報と各々の直感で判断し船長であるルーファンへ商談を持ちかけた。

 

「ほぉ、売った数で王になるのか。…それに恐ろしい王たちだな。優れた観察眼もお持ちのようで。今は小国であろうと、いずれは巨大な大国となるだろう。…そこで、これは俺の独り言だがデカくなる前に叩く方が脅威は少ないと思うんだが、お前たちも同じもんだろ?」

「これはこれは、恐ろしい独り言だな。だが確かに一理ある。ネズミは数が増えればあっという間に猫すら殺す恐ろしい奴らじゃ。」

「ふふ。私たちも強者から見ればネズミの衆と…。でも、猫は殺せても竜には牙すら届かないのが現実ね。」

「それも単体の竜ではないぞ。群れる竜どもだ。いかにネズミが集まろうと、猫を味方に付けようと鱗に傷をつけるのが限界じゃて。」

 

 ルーファンが三人の王を評価しながらも、脅迫じみた独り言を話し聞いていた三人の王たちは各々が呟く。

 四人は笑みを浮かべながらも、既に各々が言葉によって戦っていた。

 ルーファンは力を得る前に弱者を消しすことを告げ、三人の王はそれに抵抗するべく力を図るが勝算がないと笑い始める。

 

「竜の群れに対抗できるのはこの海では四皇と呼ばれる大海賊たちじゃろう。」

「四皇以外ならば世界政府。大将クラスのそれこそ、中将だが“英雄”ガープが当てはまろう。」

「革命軍にも曲者がいるわよ?軍隊長たちがいい例だわ。」

 

 コジキが目の前の竜に対抗するには四皇クラスの大海賊でないと発言し、ギョルフは世界政府の大将を上げ、ベジンスは革命軍の軍隊長を上げた。

 ルーファンは黙って話を聞いていたが、一層笑みを浮かべると喋り始めた。

 

「ルファファファファ!確かにな!奴らは強えだろうなぁ。だが、戦力が違うだろぉ?四皇に、海軍大将、革命軍の軍隊長かぁ…。うちには元四皇、元大将候補、現軍隊長がいるがぁ…世界は俺たちを止められるだけの力を持っていると?」

 

 ルーファンの突然の発言に三人の王たちは浮かべていた笑みを驚愕へと変貌させ、冷や汗を流し始める。

 

「元四皇…。確かにベルゼ殿のことは存じておりますが…。確か、12年程前に“金獅子”のシキが捕らわれて以降の四皇の座にその名を連ねていましたが、3年程前に“死叫”との戦いで海賊団が壊滅したとか…。」

「そうであったな。竜の頭ばかり気にしていたが竜の手足をすっかり忘れていたよ。元中将であるが最も次期海軍大将に近い男と呼ばれたプレリア殿。悲惨な事件に巻き込まれたことで反逆したとか…。」

「現軍隊長…?存じ上げていないですわ。どなたのことでしょう…。」

 

バリバリィッ!ドォーン!

 

 三人の王たちは汗を滝のように流し始めた。

 また、全ての情報を把握できていないことにも焦り始めるとルーファンが高らかに宣言した。

 

「ルファファファファ!!うちには世界を相手に出来るだけの力を持つ者たちが手を組んでいるんだ!そこいらの新人(ルーキー)共とは歴と質が違うんだ!世界がそれを理解していない筈がない!俺たちに手を出せば滅ぶことぐらい分かり切ってるだろぉ!?」

「これは…我が国は相手と言葉を間違えたようだな。ルーファン殿、失礼した。」

「普段から海軍や海賊を相手に商売をしていたが、流石にルーファン殿のような者たちを相手にしたことはなったな。これは、参りましたなぁ。」

「ルーファン殿。無礼をお許しください。それと…出来れば我らの“王”とお会いできないでしょうか?」

「…王?コジキ王たちが頂点では…?」

 

 コジキたちがルーファンの狂気と漏れ出した覇気に恐怖したことで各々が謝罪し始め、ベジンスが謝罪と同時に王への謁見を求めた。

 ベジンスの言葉を聞いたルーファンは覇気を治めると疑問を口にした。

 フォールの王は目の前に立つ三人が玉座に近い者たちで実質的に統治者はいないと思い込んでいた。

 少し話をしただけでルーファンは厄介な相手と認識し、早々に危険因子を積むべく力を出した。

 ルーファンが覇気を発したと同時に周囲で若い王たちに囲まれていたトリックスター海賊団は戦闘態勢へと移行しており、失天使たちも覇気を発していたがルーファンの覇気が収まると自身の覇気も収めていた。

 

「厳密には“裏の王”ですな。そして我々は“表の王”です。世界政府にはこのように化けの皮を見せていた方が王が動きやすいのです。」

「世界政府からは問題が多い若い王たちを取りまとめる苦労人として見られておりますな。」

「普段は食料を売っているのですが、裏では運搬を行っていますのよ。確か今は…“空を飛ぶ海賊”に荷を運んているとか…。」

「ベジンス!そこまで言うことはないだろ!……まぁ、言ってしまったものは仕方ないか。ルーファン殿は運搬先のことはご存知では?」

 

 コジキ達が裏の支配者について述べながら、フォールがどういう島に見られているかを説明する。

 そして、裏の支配者は現在は運搬作業をしており、運搬先は空を飛ば海賊であると延べ、ルーファンには運搬先に心当たりはないかと問う。

 

「空を飛ぶ海賊〜?そりゃあ、アレか?先程話題に出ていた“金獅子”のことか?奴の居場所が分かるのか?インペルダウンの脱獄者であり、俺らの先輩様だろ?」

「そうですな。流石に我らは場所は知らぬが、何でも新薬を使うために世界中から生き物を集めているとか。」

「私たちの裏の王…まぁ、商長殿は生物の運搬が得意ですから。金獅子からの直々による指名だそうよ。」

「商長…?恩人がそう呼ばれてたが、もしかしてクラウディ・サクロンって名前じゃ?」

 

 裏の王である商長は現在、“金獅子”のシキの元へ運搬作業をしている最中であることが判明し、シキが新薬の実験のために生物を集めていることを知る。

 そこへルーファンがもしやとして商長の名前に心当たりがあるとして名を告げた。

 

「何と!?ルーファン殿はサクロン商長をご存知でしたか。恩人とのことですが…もしや、ワノ国までの道中で子供を拾っていたと聞いた覚えが……。その子供がルーファン殿であったり…?」

「その子供が俺のことだな。いやぁ、懐かしいなぁ。あの頃は崖から落とされて一人でなぁ。無人島で死にかけてた所にサクロンさんが来てくれて船に乗せてくれたおかげで飯も食えて生きてられたからなぁ。モリアの奴が船を襲ってきた時は、サクロンさんが大樽に詰めてくれなかったから師匠とも会えなかった。」

 

 商長がルーファンの命の恩人であることを知ったコジキ王たちはかつてサクロンが運搬中にあった出来事に子供を拾った事が会ったと思い出し、ルーファンへと問いかけるとその子供こそがルーファンであったことが判明する。

 そして、ルーファンがかつての出来事を思い出しながら語り始めると王たちは静かにルーファンが話終えるのを頷きながら聞いているのであった。

 

「そうでしたか。ルーファン殿も随分と慌ただしい過去をお持ちのようで。ワシらもサクロン殿に救われていてな。サクロン殿はお優しい方だが、敵となったら容赦がない方でもある。」

「あぁ、確かにな。ワノ国の道中でゲッコー海賊団に襲われた際は積荷を滅茶苦茶にされたことにキレてたなぁ。おかけで反撃に遭って、船が沈むことになったが大樽に詰め込まれたのはいい思い出だ。まぁ、その後は食料が詰め込まれてた大樽だったからゲッコー海賊団に回収されてワノ国まで運ばれたわけだが…カイドウとの戦いは凄まじかったなぁ。」

「ほぉ、モリアにカイドウとは。名だたる猛者たちですな。確かあの戦争はモリアが敗れ、ゲッコー海賊団が壊滅するキッカケになったとか…。その場にルーファン殿は居たのですな。」

 

 カイドウ率いる百獣海賊団とゲッコー・モリア率いるゲッコー海賊団の戦いに当時は新聞が賑わっていた。

 また、その現場に居合わせたルーファンは戦いを見守っていたがその場を離れ、ワノ国に不法入国していた。

 

「そうかぁ!サクロンさんは今仕事中かぁ。会いたかったなぁ。会いに行くか…?いやぁ、場所が分からねぇんだよなぁ。」

「運搬は2ヶ月ほど前に出かけているのでもしかしたら、待てばお会いできるかもしれませんよ?電伝虫は持っている筈ですが……困ったことに出るのが嫌いなもので…。一方的に送ることしか出来ませんが、報告しておきますね。もしかしたら、返事があるかもしれませんので。」

「おぉ〜!それはありがたい!感謝する!しばらくこの島には滞在することにしよう。あ〜。フィー!来てくれて!」

 

 サクロンとの再会を夢見るルーファンと連絡を取ってみるとその場を離れたコジキ王。残るギョルフ王とベジンス王はその場に残り呼ばれたフィリースが声を掛ける。

 

「どうした?この島を消すのはどうする?さっき何かにキレてなかったか?急に覇気を出されるとこっちも驚いちまうよ。」

「ルファファファ!悪かったなぁ。この島は俺の恩人の住む島だったみたいだ。この島には手出し無用だ。それとしばらくこの島で恩人の帰りを待っていたいから…食料を得るための金銭がなぁ?近くに…海賊船とか居ないか?海軍の軍艦でもいいなぁ。」

「はぁ…分かったよ。全員で行くのか?それとも何人か残しておくか?」

「バーエルとペル…後はトビアとプレリアでいいな。4人でちょっと狩りを頼んでおいてくれ。足りなかったらティリアを経由して伝えてくれとな。」

「了解だ。伝えておく。残りは島で待機でいいのか?」

「あ〜待機でもいいが、動きたかったら狩りの奴らと一緒に行っても構わねぇ。そうだなぁ…。1週間…いや、2週間後にはこの島を出る感じで予定を組んでくれ。狩りのメンバーも行きたいやつが居れば行かせて、行きたくないやつは島で居残りだ。」

「2週間後かぁ。分かった。考えておこう。」

 

 ルーファンとフィリースが今後の予定について話し合いを行う。

 周辺の海域にて海賊や海軍を襲い金品を略奪し、島に滞在している間の食料を買うために用いるためである。

 2週間の間にルーファンの恩人であるサクロンが戻ってくれば良し。戻ってこなければ、また時間がある時に会いに来ることを願っている王たちへ伝え、王たちの会談は終了した。

 トリックスター海賊団は一度船に集って予定を埋めていき、おおよその予定が立ったことで狩り組と居残り組で別れていった。

 居残り組はコジキたち3人の王の城へと招かれ各々がのんびりも過ごしていた。

 各々の王たちが誇る食材を用いりアルマロトが城の料理人たちとともに豪華な食事を作り、食す。

 ある者は国の歴史を調べたり、若き王たちに囲まれながら島を探索したりと自由気ままに過ごす。

 

 トリックスター海賊団がフォールに滞在して4日目に突如としてそれらは現れた。

 

「ほぉ、この島にいたか。混ざり者。」

 

 黒い稲妻とともに謎の紋様から現れた5人はトリックスター海賊団へと各々の武器や能力を出して戦い始める。

 

後に“食糧難事件”として食料の生産大国の一つが壊滅する出来事へと発展する。




次回は外伝。
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