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Side
とある島
後の四皇の一人である“百獣”のカイドウ(当時15歳)がロックス海賊団へ入団してから4年が経ちロックス海賊団の時代と呼ばれ始めていた頃、とある海上には海軍本部より受けた指令のため海軍の最高戦力である大将“灰熊”ユウテイが軍艦5隻を率いて島へと上陸していた。
「何じゃあ、この有様はぁ!?」
「緊急報告です!ユウテイさん、先に上陸していた部隊が壊滅!浸食の海賊団の行方も未確認です!」
「調査隊が壊滅じゃと!?浸食の海賊団にやられたのか?アレほど忠告していたんじゃ。手を出さず、見つかるなと。奴らはロックス海賊団やロジャー海賊団に並ぶ大悪党だというのに。馬鹿な奴らじゃな、それで報告は以上か?」
「先遣隊から報告が来ており生存者が1名確認されているとのことです。敵味方不明とのことで現在取り囲んでいます。どうされますか?」
「我が見に行くしかないじゃろ。全員、周囲に警戒せよ!海軍本部にも連絡しろ。至急応援を寄こせと。」
「はっ!」
島の状態を確認したユウテイはその異常な状態を目にしたことで直ちに応援を呼ぶよう指示を飛ばす。
別の事件へ向かう道中に海軍本部より、海賊団の戦闘が確認されたことでその被害状況の確認に訪れたユウテイは事の深刻さを理解すると、生存者の元へと海兵を引き連れて歩み始めた。
道中には激しく争った痕が残っており、巨大な何かが移動したように道が形成されていた。
「おい、生存者ってのはアイツか?他の者たちが囲っていると聞いておったが…敵だったみたいだなぁ。」
「取り囲んでいた海兵20名が…全滅?中将も居たんだぞ…。」
「外れを引いたようじゃな。おい、貴様ぁ!海軍に対する敵対行為と海兵殺しにより、ここで討ち取らせてもらう!」
島の中央へと進んだ海兵たちは血に濡れて倒れている先遣隊を発見して中央に座り込んでいた異形へと銃を構えた。
白い煙に包まれた人物は赤く光る影からシルエットが浮かび上がっていた。
シルエットはゆっくりと立ち上がるとその巨体から海兵たちを見下ろし、鋭い眼光を向けていた。
「ルックック!おかわりが多いなぁ。今度は誰だ?また、海兵かぁ…。強い覇気を持つのは一人だけだなぁ?」
「随分とデカい怪物だな。我は海軍大将“灰熊”ユウテイ!名もなき怪物を討ち取る者だ!亡くなった海兵への恨みだ!」
大将と怪物が同時に動くとその拳が触れ合い衝突し膨大な覇気が辺りを迸り大地を砕いた。周囲にいた海兵は衝撃で吹き飛び、中将たちも各自が武器を取り襲い掛かる。
後の大事件の一部始終であった。
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Side
偉大なる航路“新世界”
ここは、1つの儲け話の為にかき集められてできた凶悪な集団たちが集う島。
通称“海賊島”ハチノス。
世界最強と呼ばれた“ロックス・D・ジーベック”が率いるロックス海賊団もまたこの島に集っていた。
後の四皇である白ひげ、ビッグマム、金獅子、百獣などの強者たちや銀斧に王直、キャプテン・ジョンなどの世界に名を轟かせる大海賊たちで構成された海賊団には、若くして伝説の海賊たちと互角に張り合う化物が在籍していた。
その名は“霧の化物”アダマス・ファルバウティ。
懸賞金額は12億と破格の額を誇る凶悪な大海賊である。
船長であるロックスの『世界の王』になるという野望の元、テロリストのように世界政府に牙を剥き、政府に揉み消されるほどの事件を数多く引き起こし世界の禁忌(タブー)に触れた海賊団である。
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海賊島ハチノス 港
「ぎゃははは!見たか今朝のニュース!!海軍の大将さんが死んだってよ!」
「あははは!海兵のやつら大慌てだろうなぁ!!新世界の守り手が殺されたんだ!」
「ちげぇねぇ!だが、殺したヤツ…コイツぁ誰だ?知らねぇ奴だな。」
「新米…な訳ねぇか。ポッと出の野郎に大将を殺せるとは思わねぇが…。」
「“霧の怪物”ねぇ〜。中身は誰なんだろうなぁ?」
「さぁな!お、“白ひげ”だ!おぉ〜い!って…あ?後ろの奴って…まさか……話題の…怪物…。」
港で新聞を片手に酒の入った樽を囲うように集っていた海賊たちが今朝の大ニュースを肴に騒いでいた。
海軍大将の死亡という出来事は世界を大きく変化させるキッカケとなるため、世界中が大混乱に満ちていた。
新たに結成された海賊団に身を隠していた者たちが大将の死で動きを活発にさせ既に多くの事件が発生していた。
そんな中、楽しげに酒を交わしていた面々は船から降りてきた人物に対して呼びかけたが、すぐ後ろをついて行くモノに目が止まると言葉が出なくなっていた。
そして白ひげの後ろにいる人物と思われるモノと今朝の新聞を交互に見返すだけであった。
「おい!ロックス!何処に居るんだぁ!?」
「ルックック!ニューゲート、そんなに叫ばんでもええだろぉ。この島に居るんだろ?声がたくさん聞こえるが、どいつだ?」
そんなことはつゆ知らずと巨大な体格に白いヒゲ、薙刀を持つ男は大声で誰かの名を叫ぶ。
後の四皇である“白ひげ”エドワード・ニューゲートと白い霧に覆われた異形が騒がしく歩き回る。
「やかましいぞ!ニューゲート!俺ならここだぁ!」
「グララララ!おい、ロックス!リンリンが推薦してた奴を連れてきたぞ!頼りになる化物だ。」
「ルックック!そりゃあ、ヒデェ言われようだなぁ?何処にいても怪物扱いは変わらねぇか。」
大きくうねり逆立った髪と凶悪な笑みを浮かべた男が大声を上げながら近づいてくる。
ロックス海賊団の船長であり、“世界最強”の海賊団を率いる伝説の大海賊ロックス・D・ジーベックである。
ロックスに対してニューゲートは横に並ぶ白い煙を指しながらロックス海賊団へ入団させることを提案する。
指を指されながらも悪態を吐く煙の人物は自身の扱いに不満を漏らす。
「リンリンが推薦してたヤツか?その得体の知れないやつをロックス海賊団に加えるだと!?いいぞ!リンリンとお前が判断したなら大丈夫だろぉ!カイドウも優秀な奴だったからな。お前が連れてきたんだから面倒を見てやれよ。…だが!妙な真似をすればすぐに殺せ!!お前も覚えておけ!」
「こりゃあ、怖いなぁ。まぁ、入れてくれるならいいか。俺の名はアダマス・ファルバウティだ。よろしくなぁ。船長さん。」
「グララララ!おい、ロックス!コイツはあの霧の怪物だぞ。海軍の暴れ熊を倒し、誰にも手が付けられないで有名な。ここに連れてきたのもリンリンがどうしてもって騒ぐからわざわざ俺が探して連れてきたんだ。」
「ルックック!あの時は驚いたぞ。酒場で飲んでたら急に後ろから刺しに来やがってなぁ。何処のどいつだと振りかってみりゃああの“白ひげ”が武器を構えて立ってるんだ。命を狙われる覚えはなかったが……命を狙われたなら話は別だからなぁ。おもいきりぶん殴ってやった!」
「グララララ!ロックスに入るなら弱え奴はすぐに殺される。仲間殺しが絶えない海賊団だからなぁ。軽く突いたつもりが、強力な拳をもらうハメになったぞ。」
「なんだ!?お前ら楽しそうなことをしてたのか!?くそ〜!俺が誘いに行けば良かったかぁ。」
ヒューンッ!スカッ!ズドオォーン!
ロックス、ニューゲート、ファルバウティの三者はその後も話を続けていたが、突然空から岩が落ちてきてファルバウティへと直撃…するかのように思われたが霧を透過して岩は地面へとめり込んだ。
「ジハハハハハ!自然系の能力者か。おい、ロックス。コイツが新たな仲間か?随分といい能力を持ってるみたいだな。」
「シキ!冗談が過ぎるぞ!……ん?」
空に浮かび高らかに笑うシキと注意するニューゲートであったが岩が貫通して霧が崩れていたファルバウティは元の形へと戻ると空へと浮かび上がるとシキの前で止まる。
「ルックック!相変わらずだなぁ。挨拶にしては危ねぇなぁ?先輩!!【
「ぬお!?」
ファルバウティが言葉を発しながらも霧を拳状に集めるとシキへと向け放つ。
シュオオ〜ズドォン!ビリビリィ!
「くぅっ!いい一撃だぁ!お返しだぁ!【
両腕を交差して拳を防ぐシキは後方へと吹き飛ぶが空中で停止するとファルバウティへ能力を発動させる。
浮き上がる複数の岩塊は無数に分かれ、ファルバウティへと降り注ぐ。
「面倒な先輩だなぁ。
「はぁ〜い。食らえ!【
ザパァ!ギュルギュルギュル!シャキィーン!
シキの攻撃に対してファルバウティが誰かへと問うと霧の中から水が吹き出し三叉の槍へと形状を変化させた。
ヒュンッ!ヒュンッ!ドガガガガッ!
「はぁ!?そいつは!その能力は!くっ!」
槍は空中を自在に動き回り、シキの降らす岩塊を破壊していく。
岩塊を降りそそがせ接近していたシキだが、ファルバウティの霧の中から現れた水を眼にするとその場を離れ、愛刀を抜き放つと岩塊を破壊し終え迫りくる槍を捌き始める。
「何だこの水!覇気で斬ってるのに再生しやがるぞ!?リンリンの太陽と同類だろ!?リンリンはどうした?殺したのか!?」
槍を何度か斬り裂くシキであったが、何度も再生し変幻自在に動き回る槍に対応していたシキはリンリンが連れている燃える火球である
「リンリン?さぁな。だが…流石だな。すべて捌くか。じゃあ、量を増やすか?絞り取れ!
「はぁ〜い!【
ファルバウティが槍の形態である
ヒュゴ〜。
「あぁ?何をしてやがる?……こりぁ、空気が乾燥していってる?まさか!!」
攻撃が止まったシキが、水球の動き観察するなか異変を感じ取り、周囲の空気が乾燥していることに気付くと水球へと目を向けた。
水球は周囲の水分を集めると自身の体積を増やし始める。
「思い通りにさせるか!【
ズパッズパッズパッ!!
シキが愛刀を振るい乱発させた飛ぶ斬撃は、水球へと襲い掛かり体積が大きくなり避けれずに斬撃を受け続ける。
次第に体積が減り始め遂には完全に消滅するほどに至ると、シキはファルバウティの方へ向きを変える。
「自慢の水はなくなったぞ。どうする?まだ、このおれに歯向かうか?」
「ルックック!流石は先輩だ!
「は?ぐふぅ!あぁ…?」
ヒュンッヒュンッヒュンッ!ドスドスドスゥ!
シキがファルバウティに対して質問すると、笑いながら褒め称えるファルバウティに苛立ちながらも話を聞いていたシキはファルバウティの放った言葉を聞くと同時に武器を構えて咄嗟に身構えたが背中への攻撃を許してしまう。
背中に刺さる三本の槍を見て悔しがるシキであったがすぐに周囲へと目を向け始めて絶望の顔をする。
周囲には無数の槍が矛先をシキへと向けて静止していた。
だが、次第に一本…また一本と槍がシキへと向けて放たれ防ぐシキであったが増え続ける槍を捌ききれずに少しずつ肩、足と槍を受け始めた。
「はぁ…はぁ…。何なんだよ。この槍は……。覇気を纏い始めやがった…。それに…これは海水だ。」
「その通りだ。先輩が細かくしてくれたから手間が省けたよ。今ならハチノス全体を海水で満たせるまでに
「ジハハハハハ…。なるほどな。それがお前の強さか。だが、おれは負けねぇ!【
ドゴォ!ガオォーッ!
地面を複数の獅子の形に変え、ファルバウティへと襲い掛からせるが、難なく対処して獅子を破壊していく。
「おいおい…。俺を狙うのか。
「はぁい!【
ザザァグルグルグルッ!ドオォォ!
ファルバウティが
「ぐふぅ!ゴボゴボッ…」
シキを包みこんだ
「とーさ…。ファル〜?こいつどうする?溺れさす?」
「ルックック。アトランティスそいつは解放して戻ってこい。強者に歯向かうとどうなるか分かったろ。」
「はぁ〜い。」
ザザァ、ベシャッ
ザザァン
「ほぉ。海水のホーミーズ…か?シキも似たような芸当が出来るか?」
「ファルバウティ!今のは
「んん?あぁ。今のはソルソルの実の能力で俺が生み出したホーミーズだ。まぁ、少し特殊な奴だからな。なんだ?珍しいか?」
「そりゃあ、珍しいだろう。その能力はリンリンの能力だ。お前が使えるってことは…」
「ロックス!!リンリンは何処だ!!新入りに合わしてやるから顔を出せと言って来やがったのに何処にも…何だ?ソイツは?それに動く…水?今顔がなかったか?……おい、お前!リンリンをどうした!?」
ニューゲートがファルバウティの能力を見てリンリンの能力と近親感を覚え問うとファルバウティが隠す気もなくソルソルの実の能力であることを告げた。
そこへリンリンに呼び出されたカイドウが現れ、ファルバウティと横に浮く水球に顔があることを確認すると、手に持つ金棒を握りしめ始めた。
「グララララ!ファルバウティ、俺も気になっていた。なぜリンリンの能力をお前が使える?自然系の能力じゃなかったのか?その霧もホーミーズか!?」
「おい!落ち着けカイドウにニューゲート!ファルバウティお前も何か答えろ!この島を消すつもりか?!」
衝突する三者の覇気によって遠巻きで見物していた海賊たちが倒れていく。
ニューゲートが興奮気味に疑問を口にしながら薙刀を構え、カイドウは言葉はなく金棒に覇気を纏わせる。
そして白い霧に包まれながらも覇気を練り始めたファルバウティに珍しくロックスが仲裁へ入るも止まる気配がないために武器に手をかけた所に炎と声がかけられる。
「【
「リンリン!!無事だったか!?」
「じゃあ…コイツの能力は何なんだよ?」
強大な覇気を感じ取り急行したリンリンが炎を放ちながら三者の元へと降り立ち、周りを見渡す。
リンリンの炎を避けて遠ざかっていたカイドウとニューゲートは覇気を抑えて武器を下ろす。
ふぅ〜っと大きなため息をついたロックスも武器から手を離してリンリンの元へと歩み寄る。
そんな中、炎を避けれずに燃え盛るファルバウティは叫びながら地面を転げ周り、炎を消火させる。
ボオォォ!バタバタッ!ゴロゴロ!シュー
「アチチチチ!!おい、リンリン!!入団初日でお前のせいで焼き殺されかけたぞ!それに白ひげに睨まれるなんてこれっぽちにして欲しいぞ!」
「何だい、ファルバウティ。焼かれたくなきゃ避けりゃよかったろ。ニューゲートに睨まれた?何をしたん…ってシキ!?何故倒れてるんだ!?…ん?濡れてる?」
「シキは自業自得だぞ。ファルバウティに先にケンカを売ったのが悪いからなぁ。過剰だがな。」
「ははぁん?さてはあの海の子を見たんだろ?アレを見たらここにいるヤツらはだいたいはおれが死んだと思っちまうだろうね。あの海の子…アトランティスだったか?アレはおれにも分からねぇが…おれの魂も入ってるだろ?いつ盗ったのかは知らねぇが…このおれの魂を奪えるやつなんていないだろ?」
リンリンの元へ泣きつくファルバウティを軽く振りほどいたリンリンは倒れるシキを発見し駆け寄ると濡れていることに気付き、今回の件の予想し始めた。
そしてファルバウティが持つ謎のホーミーズに付いてはリンリンですら謎であることを明かす。
「リンリン、能力が奪われたわけじゃないだろ?」
「能力者が能力を奪われるのは死んだ時だけだ。」
「まぁ…ここに、例外がいるがな。」
「おれが始めてあった時はニューゲート、アンタのグラグラの能力をコイツは使ってきやがった。おれもお前が死んだんじゃないかって驚いたが、電伝虫に出たろ?不思議に思ったがコイツの能力は他の能力者の能力を扱えるらしい。」
「ルックック!おい!リンリン喋りすぎだぞ!まぁ…いいか。能力を扱えるのはオマケだぞ。覚醒による副産物だ。元々の能力はあらゆる術が使えるって能力だがな。」
カイドウがリンリンを心配して声を掛けるがニューゲートが能力の継承について述べる。
ロックスが目の前の例外に対して呟くとリンリンがファルバウティと初めて会った際の出来事を語り初め、ファルバウティが喋りすぎだと警告するが自身の能力について喋り始めた。
「まだ、広まっちゃいないがコイツはあの“浸食”を殺してるんだ。オレらが束になっても勝てないよ。」
「はぁ!?クラフトの野郎が死んだ!?コイツにか!?ロックス海賊団と同等と言われたアイツが!?喧嘩を売ってきたから総出で殺りに行くはずだったろ!?」
「ルックック!俺は知らなかったが大物だって聞いてな。先に喧嘩を売っていたと聞いてたから手土産に潰しに行ったのさ。そしたらリンリンと出くわしてなぁ〜。ロックスに入れろって叫んだら試験を受けろと抜かしやがるんだ。」
「マンママンマ!ロックスのクズに報告しなきゃならねぇ事件を起こしたのはどいつだい?試験も強そうなやつを倒してこいって言ったが…よりにもよって海軍大将を消すとはね。“灰熊”に喧嘩を売りに行ったと思ったら…今朝の新聞に死亡事件が載ってて驚いたさ。大海賊と海軍の大将を単独で消す力を持つお前をおれ一人で対処できるはずがないだろ!」
リンリンはファルバウティが大海賊団の一角を潰したことを告げるとカイドウが驚愕の顔を浮かべてリンリンへと迫る。
驚きを隠せないのはロックスやニューゲートも同じであったが、ファルバウティが“浸食”のクラフトを討ち取った経緯を説明し始めたリンリンの話を静かに聞き、そこで出会いロックスへの入団を希望したがファルバウティが起こした出来事はリンリン一人では解決できないと判断したことで、時間を稼ぐために適当に吐いた強者を倒してこいという発言を残して、その場を去った。
だが、ここで予想も出来ないさらなる大問題が度重なった。
リンリンが去ってからしばらくして、大海賊のクラフトと謎の人物が戦闘を始めたと情報を手にした海軍本部が偶然近くの任務に当たっていた海軍大将へと様子を見させに行ったのである。
海軍本部上層部の考えではクラフトの圧勝であるため、被害状況の確認のために向かわせクラフトとの戦闘許可を出していなかった。
状況確認後は計画されていた極秘の事件へ向かわせる予定であったが、当時の元帥の耳には海軍大将の戦死の知らせが飛び込んできたのである。
当時は無名の人物が最強と恐れられた大将“灰熊”ユウテイと海軍の艦隊が壊滅した知らせは情報を隠蔽・改竄する間もなく世界へと報じられた。
そして事件を引き起こした人物を特定し、ロックス海賊団と繋がっていることを知ると破格の懸賞金額を懸けて指名手配を行った。
後に判明したことだが、大海賊であり賊軍殺しとして恐れられた“浸食”のヴェルド・クラフトをファルバウティが単独で討ち取っていたことを知った元帥はその座を下りて行方知れずとなった。
しばらくして気絶していたシキが目を覚ましロックス海賊団の主力達が集い、新たな仲間を迎え入れた。
「アダマス・ファルバウティ!今日からお前はロックス海賊団だ!」
「「「うおおおぉぉ〜!!」」」
この日を境に海賊島ハチノスでは新入りを試そうとした海賊たちが返り討ちに遭う仲間殺しが頻発したが、誰も止めようとはしなかった。