ということで、今回のお話はちょっと甘めになっております。
黒舘ハルナはパフェを食べたい
ゲヘナ・中心街
ハルナ「あら、先生。奇遇ですわね」
五条「おっ、ハルナじゃん!今日は一人?」
ハルナ「ええ、そうなんです。ジュンコさんはバイト、イズミさんは補習、アカリさんは牢屋ですので」
五条「あはは!さらっとえげつないの入れるねー」
ハルナ「そういう先生はここで何を?」
五条「フウカとの用事でね、今日は色々と回ってたんだよ」
ハルナ「へえ、フウカさんと……回ってたってことは、もう終わったということでよろしいのかしら?」
五条「うん、まあね」
ハルナ「でしたら、よろしければ私の用事にも付き合っていただけませんか?」
五条「えー、めんど……」
ハルナ「偶然にも限定パフェの優待チケットがここに」
五条「さあ、お手をどうぞ、お嬢様。私目がエスコートさせていただきます」(とびきりのイケボで)
ハルナ「はい、ありがとうございます♪」
高級スイーツカフェ
従業員「お待たせいたしました。こちら、限定パフェ『シェリー』でございます」
五条「おー!来た来た、これは美味しそうだね」
ハルナ「ええ、これは確かに美味しそうですわね。では、いただきましょうか」
五条「そうだね」
カチャカチャ
五条「いやー、確かに美味しいね」
ハルナ「本当にそうですわね。味はもちろんのことながら、見た目も、そして、細かな装飾までしっかりと手の込んだものになっていて最高ですわね」
ハルナ(しかし、先ほどから何やら見られているような……何なのでしょう)
女生徒A「あれって、あの噂の……?」(ヒソヒソ)
女生徒B「そうそう。ここであのパフェを食べたカップルが結ばれるっていう迷信がある」(ヒソヒソ)
女生徒A「ええ!ヤッバー!」(ヒソヒソ)
ハルナ「!?」
五条「うわっ!?どうしたの、ハルナ?」
ハルナ「あっ、いえ……な、何でもありませんわ!ちょっと噎せてしまいまして……」
五条「ははは!がっつきすぎだって!まあ、確かにこのパフェはそれくらい美味いけどね」
ハルナ「え、ええ……そうですわね……」(顔を赤くしてチビチビ食べる)
五条「ん?」
それからして
五条「いやー、おいしかったー!」
ハルナ「そうでしたわね……」
五条「さてと、それじゃあ行こっか」(ごく自然に伝票をとって立ち上がる)
ハルナ「えっ!?せ、先生!ここは私が!」
五条「いーのいーの!そんな細かいこと気にしなくて」
ハルナ「しかし……いえ、やっぱりここは……って、あら?先生は?」
五条「ハルナー、もう出るよー!」(すでに会計済み)
ハルナ「は、早い……」
ハルナ「今日は本当にありがとうございました、先生。とても楽しかったですわ」
五条「そりゃ、良かった。僕も楽しかったし!」
ハルナ「そうですか、先生のその言葉を聞けて、本当に嬉しい限りです」
五条「そっか、じゃまたねー!」
ハルナ「ええ、また」
五条と別れて、一人帰り道
ハルナ「たかが迷信、されど迷信……」
ハルナ「ふふっ、叶うと良いですわね」
後日
ハルナ「ふんふふ~ん♪」
ジュンコ「なんか、ハルナ機嫌いいね」
イズミ「なにか美味しい店でも見つけたー?」
ハルナ「え!?え、ええ。そうですわね」
イズミ「えー、ズルーい」
ハルナ「そうですわね、今度はみんなで行きましょうかしら」
アカリ「……」
ハルナ「アカリさん、どうかしましたか?」
アカリ「いえ、楽しかったですか……?」
ハルナの耳元まで近づく
アカリ「先生との食事」(ボソッ)
ハルナ「!?」(ボッ)
アカリ「ふーん、そうですか……。では、今日は私が先生をもらいますね♡」
ハルナ「えっ!?」
ジュンコ「は?」
イズミ「えー、そうなのー」
アカリ「それではお先に失礼しますね」
ハルナ「あ、アカリさん!?お待ちになりなさい!」
ジュンコ「ちょっと、ハルナ!アカリ!」
イズミ「待ってよー」
早瀬ユウカは甘えたい
早瀬ユウカ、現在4徹目。身体も心もボロボロになっていた。
ユウカ「……」(カタカタカタカタ)
コユキ「…い……ぱい」
ユウカ「……」(カタカタカタカタ)
コユキ「ユウカせんぱーいっ!!」
ユウカ「ひゃあっ!?何よ、コユキ!?」
コユキ「なによ、じゃありません!私たちが何度も呼んでいるのに、ずっと無視するじゃないですか!」
ユウカ「そうだったの……ごめん。要件は?」
ノア「私たちはこれから、シャーレの当番に行ってくるのですので、ユウカちゃんは少し休んだらどうでしょうか?ここ数日寝てないでしょう?」
ユウカ「あ、ああ……そうね……」
コユキ「もう、しっかりしてくださいよね!これだから――」
ノア「コユキちゃーん、それ以上しゃべると怒りますよ~」
コユキ「ヒッ!?」
ノア「それでは、行ってきますね」
ユウカ「ああ、うん……いってらっしゃい……」
それから、結局休むことなく仕事して気づけば夜になっていた。
ユウカ「あっ!もう暗くなって……帰らなきゃ」
椅子から立ち上がった途端に、目の前の意識が歪む。
ユウカ「あ……あれ……?なんか……」
意識が途切れ、前に倒れ行くユウカの体を受け止める腕。
ユウカ「……」
五条「あっ!目、覚めた?」
ユウカ「先……生……?」
五条「当番に来たノアに心配だから見に行ってきてくれって頼まれたんだよね」
ユウカ(先生がなんか言ってる……?よく聞き取れない……。もしかして、これって夢?)
五条「そんで来てみたら、ユウカが倒れそうになってたから。いやー、我ながら完璧のタイミングだったね!あれ?もしもーし?聞こえてる?」
ユウカ(夢ならいっそ……)
ユウカ「しぇんしぇ……だっこ……」(ギュッ)
五条「!?」
ユウカ「えへへ……しぇんしぇ、よしよししてぇ」
五条「……はいはい、よしよし」
ユウカ「ゆうか、がんばってるんだよ。みんなのためにいっぱいいっぱいがんばってるんだよ」
五条「そうだね、頑張ってるね。みんな分かってるさ。分かってるから、ユウカに甘えるんだろうね」
ユウカ「わたし、わたし……」(ポロポロと目から涙がこぼれ出る)
五条「よしよし、ユウカは偉いね」
五条はユウカが眠るまで頭を撫でて、よしよしとなだめるのだった。
そして、眠ったユウカに毛布を掛ける。
五条「おやすみ……それから誕生日おめでとう、ユウカ」
そう言って、静かに部屋から出るのだった。
五条「さてと……」
ニヤッと笑ってスマホを操作する。
翌日
ユウカ「良い夢を見れたおかげか、今日は調子がいいわね」
ガチャ
ユウカ「おはよう、ノア!コユキ!」
ノア「あら、ユウカちゃん。おはようございます」(ニコニコ)
コユキ「ユウカ先輩、おはようございまーす!」(ニヤニヤ)
ユウカ「どうしたの?二人とも朝から、そんな顔をして……」
コユキ「えー、そんなことないですよー」(ニヤニヤ)
ユウカ「何よ、まさかコユキ、また悪さしたの!?」
コユキ「違いますよ~」(ニヤニヤ)
ユウカ「コユキ、白状しなさい!」
ゲンコツ!
コユキ「うわーん!ユウカ先輩がなぐったー!」
ノア「ユウカちゃん、コユキちゃんは何もしてませんよ」
ユウカ「そうなの?」
コユキ「そうですよ!」
ユウカ「じゃあ……さっきからの、その笑いは何なのよ?」
コユキ「いや、ユウカ先輩は知らない方が……」
ユウカ「コ~ユ~キ~!」
コユキ「分かりましたよ!教えますよ!それはコレですよ」
そう言ってスマホを取り出して操作すると、ある音声データを再生した。
ユウカ『しぇんしぇ……だっこ……』
ユウカ「!?」
ユウカ『えへへ、しぇんしぇよしよししてぇ』
ユウカ「!!?」
コユキ「おやおや~!なんか楽しそうですね~。あれー、この声どこかで聞いたことがありますね~?」
ユウカ「あわ、あわわ……」
コユキ「あー!そうだー!!ユウカ先輩に似てますねー!!」
ユウカ「……」(顔真っ赤)
コユキ「ねーねー、どんな気持ちですかー!?ねーねーねー」
ゲンコツ!×3 ドサッ
コユキ(チーン)
ノア「あらあら、コユキちゃんが倒れちゃいましたね」
ユウカ「ののののの、ノア……これって……」
ノア「これは、昨日先生から送られたんですよ」
ユウカ「はあっ!?」
ノア「本当に楽しそうで、良かったですね、ユウカちゃん♪」
ユウカ「……」
ノア「ユウカちゃん?」
ユウカ「先生ーーっ!!」(叫びながら部屋から飛び出す)
ノア「あらら、行っちゃいましたね……。でも……」
ノアはスマホから再びユウカの甘え声を聞く。
ノア「甘えられる相手ができて良かったですね、ユウカちゃん」
後日、この音声データがなぜかキヴォトスに回り、大きな騒動を起こすのはまた別の話。ちなみに、犯人はコユキ。
コユキ「うわーん!」
いかがだったでしょうか。
正直、初めての甘めの内容だったので苦戦しました。
次回は本編です。