明日には、新イベントも始まりますね。オカルト研究会、五条と組ませてみたいです。
五条のハイテンションに付き合いながら、補習授業部の4人は簡単な自己紹介となぜこの部ができたのかの説明が行われた。(なお説明は主にヒフミがやりました)
「えっと、そういうことですので……短い間ですが、これからよろしくお願いします」
「みんなー、説明をしてくれたヒフミちゃんに拍手ー」
「「「……」」」
サイズの合わない椅子に腰かけ足を伸ばす五条がそう声を掛けるものの、3人の返事はなかった。
「ちょっとちょっと!テンション上げて、みんな!」
ハイテンションの五条に答える者は誰もいない。仕方なくヒフミが進行を続けようとする。
「え、えっと、何か分からない点とか気になる点とかがありましたら――」
「大丈夫。これからは普通の授業に加えて、毎日放課後に特殊訓練があるってだけだろう」
そう淡々とした口調で話すアズサに戸惑いつつも、ヒフミは首を縦に振る。
「えっと、訓練と言って良いのか分かりませんが、そうです。私たちが目指すのは、これから行われる特別学力試験で、『全員同時に合格する』こと。先生も手伝ってくれますし、み、みんなで頑張って落第を免れましょう……!特別学力試験は第3次まで、つまり3回あるようですが……そのうち一度でも全員で合格すれば、そこで補習授業も終わりとのことです!」
黒板に内容を記しながら説明するヒフミは、五条の方に向き直る。
「先生には主に……スケジュールの調整や、補習授業を行っていただきます。よろしいですか?」
「オッケー」
手をひらひらさせながら軽い口調で返事をする五条と、ヒフミの説明に頷くアズサ。
「うん、理解した。3回のミッションのうち、一度でも良いから全員で成功を収める。そのために、ここに毎日集まって訓練を重ねる……それほど難しい任務じゃない。この集まりはつまり、各自のリタイアを防ぐための措置……私としては特に、サボタージュする気も理由もない」
アズサの言葉に感動したヒフミは、アズサの手を取って嬉しそうな笑顔で握った彼女の手を上下に振る。
「そうですね、頑張りましょう!えっと、アズサちゃんは、転校してからあまり時間も経ってないんですよね?まだこの学園に慣れてなかったせいもあるでしょうし、みんなで頑張ればすぐになんとかなると思います!」
そこでハナコが、ヒフミの言葉にある疑問を抱いた。
「あら?白洲さんはこちらに転校されて来たのですか?トリニティに転校だなんて、珍しいですね……?」
歴史と文化を大事にするミッション系のこの学校では、後から転校してくる生徒はいない。それはトリニティが名門校であるのもそうだが、キヴォトスでも有数のお嬢様学校であるこの学校に転校してくるならそれ相応のコネがなければ入ることは難しい。
ハナコが知る限りでは、そのような生徒は知らなかった。アズサもハナコの言葉に黙ってしまい、ヒフミは自分がやらかしたのではないかと考えて慌て始める。
「あ、あの、書類上はそう書いてあって……も、もしかして私、余計な事を……?」
「いや、別に隠す事じゃないから気にしないでいい。れっきとした事実だ。こう言われるのは慣れるべきことだし、そのための努力もする」
「なるほど……不躾なことを言ってごめんなさい。それでは私も、アズサちゃんって呼んでいいですか?」
突然の言葉に、首をかしげるアズサだったが、小さく頷いた。
「……?別に良いけど?」
そう答えると、ハナコは嬉しそうに手を合わせて可愛らしい笑顔を見せた。
「では。アズサちゃん。ヒフミちゃん。それからコハルちゃん。うふふふ、何だか良い響きですね。私たちはこれから補習授業部の仲間ということで。アズサちゃんは一見冷たそうに見えますが、なんだか可愛らしいですし。ふふふっ」
アズサの頭を撫でるハナコに、アズサはキョトンとしていた。まるで小動物のような可愛らしさにヒフミも頷いている横で、残されたコハルは3人を侮蔑するような目で見ていた。
そんなコハルに五条が近づく。
「どうしたのー、コハル?あっ、さては仲間に入れなくて寂しいのかな?」
「そ、そんなわけないでしょ!言っておくけど、私は認めないから……!」
「認めないって、何を?」
前かがみになってコハルと視線を合わせる五条に、噛みつく勢いでコハルは彼に啖呵を切る。
「わ、私は、正義実現委員会のエリートだし!私はあんたのことを先生だなんて、認めてないから!」
「こ、コハルちゃん、落ち着いてください……」
「触らないで!」
バチンとヒフミの手を叩く音が教室に響く。コハルは鬼のような形相で、全員を睨みつける。
「私の方が年下だからって、あんたたちを先輩だなんて呼ぶつもりもないから!それにそもそも、こんな部活さっさと抜けてやるんだからっ!あんまり馴れ馴れしくしないでもらえる!?」
声を荒げるコハルに、ハナコは笑顔で頷いた。
「なるほど……確かに補習授業部の中まで、先輩後輩何て扱いにする必要はないと思います。私としては何も問題はありません」
「私も別に。そもそもそういう文化は不慣れだし。そもそも仲良くするために集まってる会じゃない。あくまでお互いの利益のためなんだから、親しいふりをする必要もないはず。違う?」
アズサもハナコの言葉に同意する。二人の言葉に、ヒフミは何も反論することはできずに狼狽えてしまう。
「じゃあ決まり!それに、そもそもの話なんだけど……。私が試験に落ちたのはあくまで……飛び級のために、一つ上の2年生用のテストを受けたせいだから!」
コハルの言葉を聞いたハナコが、ある疑問をコハルに投げかける。
「あら、飛び級?どうしてそんなことを……?」
それを聞いたコハルはハナコから目を逸らし、目を泳がせながら答える。
「ど、どうしても何も……!私はこれから、正義実現委員会を背負う立場になるわけだし……!」
「でも、それで落第してしまったんですよね?一度試しにチャレンジするということであれば理解できますが、なぜそれを何度も……?」
ハナコの投げかけられる疑問に、コハルは一歩後ろに下がりたじろいでしまう。
「う、うるさいうるさい!私が言いたかったのはそういうことじゃなくて!つまり私はいままで、本当の力を隠してたってこと!!」
コハルの言葉に五条とヒフミとハナコは、彼女の言葉を理解できなくてポカンとなってしまった。コハルは自信満々に胸を張って語り続ける。
「今度のテストはちゃんと、1年生用のテストを受けるから!そうすればちゃんと優秀な成績を収めて、はい終わりってわけ。分かる?それで、すぐに補習授業部なんて辞めてやるんだから!」
ビシッと指差しポーズまで決めるコハルに、ヒフミが最初に言ったことをもう一度教えようとする。
「えっと、個人で優秀な成績を出したとしても、それでこの部を卒業できるわけでじゃなくって……」
「なるほど、経歴を隠してたわけか。ちなみに私も今は、前のところとの学習進度の違いが大きかったから、1年生の試験を受けてる」
アズサもコハルの言葉に頷いて話すと、コハルの顔が一瞬明るくなった。
「あ、じゃあ同じ……い、いや!どうせすぐに関係なくなるけど!それに、短い付き合いで残念だったけど、あんたたちはそういう感じじゃないみたいだし?あははっ!じゃあね、精々頑張って!」
「あ、あの……!い、行ってしまいましたね……」
そう吐き捨てると、コハルは教室を出て行った。ヒフミが慌てて追いかけようとするが、もう見えなくなっていた。
そんな様子を見たハナコは面白そうな笑みを浮かべていた。
「ふふ、コハルちゃんはテンションの上下がすごくて、見ていて面白いですね。アズサちゃんは対照的に、一貫して全然ブレないですし」
ハナコの言葉の意味が分からないのか、真顔でキョトンとしているアズサと、早速振り回されてため息をつくヒフミ。そんな3人を見て、五条はやれやれと肩を落とす。
「まったく、困った生徒たちだよ」
その言葉は、仕草とは裏腹にどこか嬉しそうに感じた。
こうして、補習授業部は毎日放課後、教室に集まって特別な補習授業を受けることになった。
次の日の放課後、早速補習授業が始まる。補習授業部はもう席に座っていたが、あと一人がまだであった。
「遅い!!いつになったら来るのよ、あの先生は!?」
コハルが声を大にして叫ぶ。もうすでに補習授業開始の時間になったのに、五条がまだ来ていないのだった。時間になっても五条が来ないことに、コハルはイライラしてヒフミの方に顔を向けると、彼女の頬を指で刺しながら詰問するのだった。
「初日から遅刻なんてどうなってるのよ、あの人は!?」
「あ、あうぅ……コハルちゃん、ほっぺをぐりぐりしないでくださーい……」
「あんたがこの部の部長なんでしょ!だったらなんとかしなさいよ!」
「そ、そんなこと言われても……」
困るヒフミを助けにハナコが、コハルを宥める。
「まあまあ、コハルちゃん。今日は自習なのですから、先に始めていいじゃないですか。それにまだ5分しか経っていませんよ」
「たった5分でも遅刻は遅刻よ!正義実現委員会として見過ごせないわ!大体、あの人は大人なんだから、一番最初に準備しておくもんでしょ!」
「まあ、五条先生なので……」
苦笑するヒフミにハナコがあることを尋ねる。
「そう言えば、ヒフミちゃんは先生と親しい感じでしたけど、何時出会われたのですか?」
「え、えっと……その……私が困っていた、時に……色々と助けられたり、助けたりした……みたいな?」
ヒフミの脳裏にアビドスでの記憶が思い起こされる。ブラックマートに無断で出かけて、チンピラに追いかけまわされたところを助けてもらったのはいいが、その後、銀行強盗に参加させられ、挙句の果てにはその強盗犯のトップにされてしまったことを正直に言えるはずもなく、濁して答えるしかなかった。
それを見たハナコは目を細め、少し恥ずかしそうに言う。
「まあっ!ヒフミさんも大胆ですね。教師と生徒であんなことやこんなことをした関係だなんて……♡」
それを聞いたヒフミとコハルの顔が真っ赤になる。アズサは意味が分からず、キョトンとしていた。
「なっ、あんたそんなことしてたの!?エッチなのはダメ!死刑!」
「ちちち、違います!そんなんじゃありません!」
そんな賑やかに騒ぐ教室の扉が開き、五条が元気よく教室にやってきた。
「はーい、それじゃあ補習授業を始めるよー。みんなー、席に戻りなさーい」
「その前に言うことあるんじゃないの!?」
何事もなかったかのように補習授業を始めようとする五条を、コハルは睨みながら声を荒げる。
「何?教科書忘れたの?しょうがないなぁ……ヒフミ、教科書見せてあげて」
「違うわよ!遅刻しておいて、何勝手に始めてんのよ!」
「大丈夫大丈夫、そんな細かいことに怒ると大きくなれないよ。コハルはチビなんだから」
「はあっ!?」
「こ、コハルちゃん、落ち着いてください!」
暴れそうになるコハルを後ろから羽交い締めにして押さえるヒフミを横に、五条は神妙な面持ちで訳を話す。
「実はね、遅刻したのは大事な用事があったからなんだ……」
「大事な用事?」
「そう、それはね――」
五条は教卓の上にバンとあるものを乗せる。それは――、
「このトリニティ限定のマカロンを入手することだよ!」
「「「「……え?」」」」
思わず4人の声が重なる。
五条がマカロンを手に、力説する。
「ここのマカロンは最高級の素材と最高のパティシエによる至高の一品!量産できないゆえに、一日の販売数も限られてる上に、予約も不可!だから朝一番に並んでようやくゲットできたんだよねー!」
あははと楽しそうに笑う五条に、補習授業部の反応はそれぞれだった。アズサは呆れたようにため息をつき、ハナコはあまりの理由に少しひきつった笑みを浮かべ、ヒフミは相も変わらない五条の自由奔放ぶりに頭を抱え、コハルはというと――、
「ふ、ふざけんじゃないわよ!!」
教室にコハルの怒号が響いた。それと同時に五条はすぐさま逃げ出した。
こうして補習授業部の最初の授業は、笑いながら逃げる五条を追いかけるコハルを止めようとするヒフミとそれを見ているハナコとアズサというドタバタ騒ぎで終わってしまうのだった。
それから3日経過した放課後、補習授業部はというと――、
「ハナコ、この問題はどう解けばいい?」
「どれですか?ああ、なるほど。こういう時はですね、倍数判定法を用いてこのように――」
「なるほど……うん、理解した」
アズサの質問を、ハナコは丁寧に教えてあげる。要領のいい教え方にアズサはすぐに問題の解き方を理解し、答えを導くのだった。
また、教科書とにらめっこしているコハルには――、
「あれ……?」
「えっと、コハルちゃん?何か分からない問題でもありましたか?」
「いっ、いやっ!別に!?」
「ちなみに今見てるそのページは、今回のテスト範囲ではありませんよ」
「えっ、うそっ!?やっ、ちが……っ!し、知ってるし!今回の範囲は余裕だから、先のところを予習してただけ!」
そんな様子をヒフミは苦笑交じりで見ていた。
それからもハナコはアズサの質問を一度も断りもせず、全て優しく教えてあげていたのだった。
アズサとコハルの二人をしっかりと見れているハナコを見て、ヒフミは安心する。
しかし、ヒフミにはまだ不安な者が一人いた。チラッと、そちらの方に目を向けると――、
「あはは!この漫画、マジ面白いねー!」
そこにはゲラゲラと笑いながら漫画を読みながら、ジュースとお菓子を食べ飲みする
それを見たヒフミは深いため息をついて、五条の元へと寄る。
「あの……先生、何をしているんですか?」
「何って、優雅なティーブレイク」
「ここでティーブレイクしないでください……一応、私たちの落第も懸かってますので」
「大丈夫大丈夫、みんないい感じじゃん。これなら余裕で合格間違いないって!」
確かに五条の言う通り、ハナコはアズサの質問にスラスラと教えているし、アズサもハナコの説明を聞いて自力で溶けるようにするほど学習意欲も高い、コハルはもう先のところまで予習できるほど実力があると言っている。ヒフミもテスト範囲の勉強なら一通り終わらせている。確かに安心だと思うのだが、一応五条は補習授業部の顧問であるので、態度だけでも改めて欲しいと思うのだった。
「そうだとしても……『もし1次試験で不合格者が出てしまったら、合宿をしてください』とティーパーティーから言われてまして……」
「何それ?僕、聞いてない!」
顔を上げて近づけてくる五条に、ビックリするように少し縮こまるヒフミは慌てて説明する。
「な、ナギサ様に言われたんです……それに、もし3次試験まで全て落ちてしまったら……あうぅ……」
途中で言い淀みながら目逸らすヒフミを見て、五条は彼女に尋ねる。
「何?なんかあんの?」
「な、なんでもありません……!心配は杞憂で終わりそうですし、暗い話はこの辺りにして……。とにかく、1次試験で終えられれば問題ありませんので!」
ヒフミが大丈夫と言うので、それ以上追及はしないことにした。それにヒフミの言う通り、1次試験で終わればいいのは、事実なのだから。
ヒフミはアズサに教えているハナコを見て、ある疑問が浮かんだ。
「先生、ハナコちゃんはどうやらすごく勉強ができる感じなのですが、どうして落第してしまったんでしょう……?私みたいにテストを受けられなくてとか、何か事情があったんでしょうか……?」
「いやー、モモフレンズのライブのためにテストをブッチするヒフミと一緒にするのは失礼でしょ!」
「うわ~ん!それを言わないでくださーい!反省はしているんですぅっ……!」
こうして補習授業は続いていき、とうとう1次試験の日がやってきた。
試験会場の教室に集まった4人の顔つきは、それぞれ違っていた。ヒフミは少し緊張している様子が見られ、コハルは震えていた。ヒフミが緊張しているのかと聞くと、「こ、これは武者震いよ!私の実力を見せてあげるんだから!」と胸を張って答えた。ハナコは余裕そうな笑みを浮かべ、アズサは相も変わらず静かにしていた。
最後に五条が教室に顔を出す。
「ヤッホー!パパっと全員合格して早く終わらせちゃおうか。頑張ってねー」
「あ、当たり前よ!エリートの力を見せてやるんだから!」
「あ、あはは……頑張ります」
「ふふっ、はい」
「準備は完璧」
4人がそう答えたと同時にチャイムが鳴る。五条は教室を後にして、試験の監督官がテスト用紙を配りだす。
そして、試験は開始する。
ヒフミはテストの問題をスラスラと解いていく。テストの問題は補習授業でみんなと一緒(五条を除く)で勉強した問題が、ほとんどそのままの形で出題されていた。それにテストの難易度も想像していたより簡単なもので、初級というより基礎のレベルのものが多くあった。ティーパーティーには色々と怖いことを言われていたのだが、もしかしてこれは、自分たちへの救済措置なのではないかと考えていた。
テストなので他の人たちの様子を見ることはできないが、これくらいであればみんなも解けるだろうと思ってしまう。
しかし、ここでそんな甘い考えを持つ自分に喝を入れる。
(ですが油断は禁物……!みなさん、最後まで気を抜かずに、笑顔でこの補習授業部を卒業しましょうね!)
そう兜の緒を締め直すヒフミは、テストに集中する。
そしてテストは終了し、テスト用紙を持った五条が補習授業部の松教室に入ってくる。
「みんなー、お待たせ―。待ちに待った試験の結果だよー!」
明るい様子で入ってくる五条を見て、ヒフミは安堵する。
「み、みなさんお疲れさまでした……!えっと、100点満点で60点以上でしたら合格だそうです!高得点は取れなくても、とりあえずそのラインだけ超えられれば大丈夫です。それに内容もか結構簡単でしたし……では、結果発表と行きましょう!」
「おっ、ヒフミ、珍しく上機嫌だねー!自信ある?」
「はい!先生、お願いします!」
「よーし、それじゃあ結果を発表しようか!」
五条は手に持ったテストの点数を読み上げる。まずは――、
「最初にヒフミ、72点!結果は――合格!」
「あ、ありがとうございます!何だか無難な点数ですが、良かったです!」
ホッと安心するヒフミに、五条は次の結果を発表する。
「次に、アズサ――32点!結果は――不合格!」
「……はいぃっ!?」
ヒフミの驚愕の声が教室に響き渡る。それに対してアズサは静かに一言――、
「ちっ、紙一重だったか」
「……ま、待ってください!『紙一重』っていう点数じゃないですよ!?結構足りてないですよ!?」
「はいはーい、ヒフミー静かにー。次に、コハルは――11点!結果はもちろん不合格!」
「――っ!?」
両腕で×を作る五条にコハルは顔を真っ赤にして驚いていた。そしてそれ以上に驚いていたのが――、
「コハルちゃんんんんっ!?ち、力を隠してたんじゃなかったんですか!?今回はちゃんと1年生用の試験を受けたんですよね!?ま、まさかまた2年生用の……いえその点数、3年生用の試験を受けたんですか!?」
「やっ、その……!か、かなり難しかったし……」
「すっごく簡単でしたよ!?小テストみたいなレベルでしたよ!?」
「ちなみにコハルのテストはちゃんと1年生用の試験でーす!」
「コハルちゃーん!」
ヒフミの悲痛な叫びがこだまする。そして最後の一人の結果を発表する。
「最後にハナコ――」
「うぅ……合格したのは私とハナコちゃんだけ、ということでしょうか……となるとまた次の、2次試験を受けないと……」
「ハナコ――2点。結果は不合格で-す!」
「2点!!?!?!?!?」
これまで聞いたことないような大きさの叫びに五条も耳を塞ぐ。そしてパニックになったヒフミがハナコの肩を掴んで思い切り揺らす。
「2点、2点ですか!?20点ではなく!?いえ、20点でもダメなのですが……!むしろ何が正解だったんですか!?と言いますか待ってください、ハナコちゃんものすごく勉強ができる感じでしたよね!?」
「確かに私、そういう雰囲気あるみたいですね。まあ成績は別なのですが」
「雰囲気!?雰囲気だけだったんですか!?成績とは別ってどういうことですかっ!?」
「う……あう……」
五条も思わずテストを見てしまう点数を叩き出したハナコの答えにヒフミは、何も言えなくなり目の前が真っ暗になるのだった。
こうして補習授業部の合宿が決定した。
次の投稿も未定ですが、お待ちいただけると幸いです。