アヤネのイケナイ勘違い
シャーレ・執務室前
アヤネ「用事済ませてたらすっかり遅くなっちゃった。先生にお使いを頼まれてたのに……。あ、着いた」
アヤネが扉をノックしようとしたその時、中から声が聞こえてきた。
五条「みんな、準備は出来てるかい?」
アヤネ(あれ、中に誰かいるのかな?)
ホシノ「うへ~、先生本当にやるの?」
アヤネ(ホシノ先輩?)
五条「そんなこと言って、ホシノも準備は出来てるくせに」
モモイ「先生、早くやろうよー」
イブキ「先生、イブキも早くやりたいよー」
五条「ほら、みんなもこう言ってるよ。後はホシノだけだよ」
ホシノ「いや、そう言われても……。おじさんはこういうの、初めてだから……」
五条「大丈夫、最初だけだって。やればすぐに気持ちよくなるから」
アヤネ(え、えっ!?)
モモイ「そうそう、すぐに楽になるから」
イブキ「ホシノ先輩も、イブキたちと一緒に楽しもうよ」
アヤネ(こ、こんな幼そうな子たちまで!?)
ホシノ「う、うん……わかったよ」
五条「それじゃあ入れるよ」
アヤネ「だ、ダメー!!」
勢いよくドアを開けて中に入るアヤネ
アヤネ「だ、ダメです!いくらキヴォトスでは、法律で規制されていないとはいえ、先生と生徒がそういうことをするのは早すぎます!!ましてや、幼そうな――って、あれ?」
ホシノ「アヤネちゃん……?」
モモイ「え、誰!?」
イブキ「もしかして、お姉さんも私たちと一緒にしたいの?この新作の『ペロロカートワールド』を」
アヤネ「……え?」
モモイ「スケッチ2の抽選落ちたから落胆してたけど、まさか先生が当選してたなんてね」
イブキ「マコト先輩たちも落選したから、イブキもう遊べないって泣いてたら先生が一緒に遊ぼうって言って来てくれたの!」
アヤネ「え、えっ!?」
ホシノ「アヤネちゃ~ん、どうしたのかな~?扉の外で一体ナニを想像してたのかな~?」
アヤネ「あの、その……」(顔真っ赤)
五条「アッハッハッハ!アヤネ、顔真っ赤じゃーん!」
アヤネ「う、うぅ……」
五条「ま、面白いもん見せてもらったし。アヤネも一緒にやるかい?」
アヤネ「えっと……はい、よろこんで……」
結局、最新ゲーム機で一日中遊び尽くした日だった。後日、アビドスでアヤネはホシノに喋られて、顔を真っ赤にして全員を怒った。
黒猫たちの苛烈な戦い
カズサ「ふんふふーん!幻のマカロンを手に入れられたし、これで先生と――」
シャーレの扉に手をかけようとしたその時、カズサともう一人の手が重なる。
カズサ・キキョウ「「あっ、ごめんなさい――って、あんたは!?」」
カズサ「ちょっと、私が先なんだけど」
キキョウ「あら、私が先だと見えないの?」
カズサ「こっちは先生に用があるの」
キキョウ「あら、奇遇ね。私は“重要”な要件があってきたの。百花繚乱の参謀として大事な、ね」
カズサ「わ、私だって大事な用があって来たし!」
キキョウ「あなたの大事な用って、その手に持ってるお菓子のことかしら?それだったら、私の方が重要案件だから先に入らせてもらうわ」
カズサ「うぐっ。そ、そっちだって重要案件ていう割には、荷物はその和菓子の紙袋しか見えないけど、本当に大事な用なんてあるの?ただ、先生とお茶しに来ただけなんじゃない?」
キキョウ「うっ、そ、そんなわけないでしょ!これはただの手土産よ!」
カズサ「はい、その顔は図星でしょ!うーわ、百花繚乱の参謀ともあろう人が嘘をつくなんて、ドン引きだわ」
キキョウ「うぐぐ……そういうあなただってスイーツ部というなら、それは部員のみんなと分け合うべきじゃないの!?それなのにここに来たってことは、あなたは部活の仲間との絆より先生を選ぶなんて卑しいのかしら」
カズサ「そ、それを言えばあんただってその菓子は百花繚乱で分けるべきじゃないの!?」
キキョウ「あら、私はちゃんと百花繚乱のみんなの分は別で用意してるわ。あなたと違って、ね」
カズサ「ぐぬぬ」
キキョウ「言い返せないようなら、私の勝ちの様ね。それじゃお先に失礼」
執務室に入ろうとしたところをカズサがキキョウの肩を掴んで後ろに引く。キキョウはそのまま尻餅をついて、カズサはそのまま馬乗りになる
キキョウ「な、何すんのよ!?」
カズサ「うっさい!」
キキョウ「ちょっとどこ触ってんの!?こうなったら――」
カズサ「きゃっ、あんたこそどこ触ってんのよ!」
ギャーギャーギャー
扉がガチャリと開く
五条「君たち、何やってんの?」
カズサ・キキョウ「せ、先生……」
五条「とりあえず、二人とも説教ね」
カズサ・キキョウ「ごめんなさい……」
五条悟は眼が良い
五条「あれ、コハル寝不足?目に隈が出来てるよ」
コハル「えっ、うそ!?昨日の夜、やっぱり――って何言わせんのよ!エッチなのはダメ!死刑!」
五条「ノノミ、首が少し傾いてるよ」
ノノミ「あ、すいません。昨日、寝る時の姿勢が良くなくて」
五条「トモエ、ほらこれ。こっちはレッドウィンターと違って暑いからね。熱中症にならないように気を付けるんだよ」
トモエ「先生、ありがとうございます」
五条「ムツキ、その顔はなんか良いことでもあった?」
ムツキ「くふふ、先生にも教えてあげるね。実は――」
五条「アスナ、そのリボン新しいの?似合ってるじゃん」
アスナ「えー、先生ありがとう!嬉しいな」
シロコ「先生って、よく私たちのこと見てるよね」
五条「どうしたの、藪から急に」
シロコ「いや、先生は本当によく見てるな、と思って。今日も私の組み手で直すべきところをすぐ見つけたし」
五条「アハハ、なんたって僕、最強だからね」
シロコ「ん、そうだね」
五条「おっと、もう時間だね。また挑みにおいでよ」
シロコ「先生、またね」
五条「うん、またねー!」
シロコがいなくなり、遠くからセミの鳴き声が聞こえてくる。
五条「よく見てる、か……」
五条『傑、ちょっと痩せた?』
夏油『ただの夏バテさ、大丈夫』
五条「……そうだ。もう二度と見落としたりしない。絶対に」
五条の小さな呟きが、静かな夕闇に消えていった。
来週中にはメインストーリーを進める予定ですので、もう少しお待ちください。