ブルアカ初めて約四週間の新米先生が書いていますが、見てくださる皆さんのおかげで続けることができます。
色々と、至らないところばかりだと思いますが、頑張っていきます。
もしよろしければ、この生徒と五条先生の絡みが見たいなどの要望や誤字や文法の間違いなどの指摘、五条先生に聞きたいことなどがあれば、どうぞよろしくお願いします。
アビドス住宅街
私、黒見セリカはこの住宅街の曲がり角で見知った顔に出くわした。
「おっはー!」
190㎝を超える長身に黒い目隠しをつけたその男は大人とは思えないほど軽薄な挨拶をしてきた。
「な、なにが『おっはー!』よ!友達でもないのになれなれしくしないでくれる?」
五条悟。昨日、アビドス高等学校にやってきたシャーレの先生。
彼が来てくれたことで私たちは弾薬と補給品の補充によって、厄介だったカタカタヘルメット団の撤退に成功できた。そこに関しては恩は感じている。
でも、アビドスの借金の問題にも首を突っ込んでくることに対して、私はどうにも受け入れることができなかった。
シャーレの先生と聞いた時、もっと真面目で誠実そうな大人だと思っていた。
でも、実際に来たのは軽薄で我が儘でふざけた大人。そんな男の言葉なんか信じられるわけないじゃない。
なのに、他のみんなが先生を受け入れているのを見ていると、胸が痛くなってしまった。
そして、その当の本人が今自分の目の前で、相変わらずの軽薄そうな笑みを浮かべているのも無性に腹が立ってしょうがないのだ。
「いい!私はまだ先生のこと認めてないから!
まったく、朝っぱらからのんびりとうろついちゃって。いいご身分なことね」
「セリカはこれから学校?」
そう言って先生は私の横を歩いていく。
私は先生を睨みつけて声を出す。
「私が何をしようと、別に先生には関係ないでしょ?
ていうか、勝手に横歩かないでくれる?」
「違うよ。僕が歩いてる横にセリカがついてきてるんだよ」
減らず口をたたくこの大人と一緒にいると頭が痛くなってくる。
「あっそ。それじゃ、私は私で忙しいの。
朝から暇してる誰かさんと違ってね」
「へえ。そんな奴がいるんだ。今度、注意しとくね♪
で、セリカはどこに行くの?」
「はぁっ!そんなの教えるわけないでしょ?
じゃあね、バイバイ」
そう言い捨てて、私は猛ダッシュで砂埃を挙げながら走り去っていった。
なのに――。
「ヤッホー!」
「きゃあ!」
「ハロー!」
「ええっ……」
「もう遅いじゃない!セリカちゃーん♡」
「ぜえぜえ……」
この男はどんなに振り切っても、行く先々に必ず先回りしている。
足にはシロコ先輩には敵わないけど、それなりに自信があったはずなのに、自分の中のプライドが音を立てて崩れていく感じがする。
「いい加減にして!このストーカー!!」
「ストーカーとは人聞きが悪いなぁ。
そういうセリカは僕に構ってて良いの?忙しいんじゃないの?」
「ぐっ……」
生徒に対して煽ってくるなんて、この人本当に大人なのか、と問いたくなってくる。
ただ、ここでまた逃げてもこの男は諦めないだろうし、正直に目的を話すことにした。
「わかった!わかったってば!行き先を教えるわよ。……バイトよ。
あ、あんたみたいにのんびりしてられないのよ、こっちは。少しでも稼がなきゃ!
これでいい!もう追いかけてこないで。それじゃ」
それっきり、先生がついてくることはなかった。
そう思っていたのに――。
「いらっしゃいませ!柴関ラーメンで……」
「お疲れサマンサー!ラーメン食べに来たよー」
先生がまさか店にまで来るなんて思ってもいなかった。
「なっ、なんであんたがここに……」
あまりの出来事に言葉が詰まっていたが、そんな私を無視して先生はいつものようにニヤニヤと笑っていた。
「いやー、聞いたとおりだったね。みんな」
「え?」
そう言った先生の背後から現れたのは――。
「セリカちゃん、ヤッホー!」
「わあっ!制服姿可愛いですね~☆」
「あ、あはは……セリカちゃん、お疲れ……」
「お疲れ」
対策委員会のメンバー全員だった。
「み、みんな……どうしてここを……?」
私の問いにホシノ先輩がいつものゆるい口調で答える。
「セリカちゃんのバイト先といえば、ここしかないじゃん。
だから来てみたの」
「ホシノ先輩……」
私が恨めしそうにホシノ先輩を睨んでいると、厨房から柴大将の声が飛んできた。
「アビドスの生徒さんか。セリカちゃん、おしゃべりはそれくらいにして、注文受けてくれな」
「あ、うう……はい、大将。そ、それでは、広い席に案内します……こちらへどうぞ……」
大将に言われては、私も聞くしかないので引き攣った笑顔でみんなを席に案内する。
席についた途端、ホシノ先輩が私を見て口を開く。
「いやぁー、セリカちゃんってユニフォームでバイト決めちゃうタイプ?」
「ち、ち、ち、違うって!関係ないし!
こ、ここは行きつけのお店だったし……」
「バイト姿のセリカちゃん、写真撮っとけば一儲けできそうだねー。どう?」
「なるほど。その手もありか」
「変な副業はやめてください。先生、先輩……」
ホシノ先輩の悪ノリに堂々と乗っかってくる先生に、アヤネちゃんが止める。
その次はシロコ先輩が私に尋ねてきた。
「バイトはいつから始めたの?」
「い、一週間ぐらい前から……」
「そうだったんですね☆時々姿を消していたのは、バイトだったということですか!」
「も、もういいでしょ!注文はっ!?」
「『ご注文はお決まりですか』でしょー?セリカー、お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃー?」
ニヤニヤと笑って煽ってくる先生の言葉に私はぐっとこらえる。
「ご、ご注文は、お決まりですか……」
「私はチャーシュー麵をお願いします!」
「私は塩」
「えっと……私は味噌で……」
「私はねー、特性味噌ラーメン!炙りチャーシュートッピングで!」
「僕はとんこつ醤油のチャーシュー増し増しで」
「おっ!先生、通だねー。最初からそれを選ぶなんて。
この店はめちゃくちゃ美味しいんだよー!アビドス名物、柴関ラーメン!」
全員の注文を受けて私はある疑問を投げかける。
「……ところで、みんなお金は大丈夫なの?もしかして、またノノミ先輩に奢ってもらうつもり?」
「はい。私はそれでも大丈夫ですよ☆」
「いやいや、またご馳走になるわけにはいかないよー。ここは大人の先生がおごってくれるはず。だよね、先生?」
そう言ってホシノ先輩は先生へと顔を向ける。
「ああ、いいよ。それくらい、まっかせなさい!」
「やったー。ありがとう、先生」
とりあえず、五人の注文を受け取って私は厨房に届ける。
それから、私はひたすら先輩たちと先生にずっとからかわれた。
先生の大人のカードで会計を済ませると、みんなは満足そうに店を出ていく。
「いやぁー!ゴチでしたー、先生!」
「ご馳走様でした」
「うん、お陰様でお腹いっぱい」
「ありがとうございます。先生」
「本当に美味しかったなー。また来るよ、大将!」
店の前で喋るみんなを睨みつけて威嚇するように口を開く。
「早く出てって!二度と来ないで!仕事の邪魔だから!」
「あ、あはは……セリカちゃん、また明日ね……」
「ホント嫌い!みんな死んじゃえー!!」
「あはは!元気そうで何よりだ」
暢気に笑って帰る先生たち。
アヤネちゃん以外の四人に叫んで思い切り店の扉を閉めた。
「お疲れ様でーす。お先に失礼します」
バイトが終わり、片づけと挨拶をして店を出た。
「はあ……やっと終わった。目まぐるしい一日だったわ。
みんなで来るなんて……騒がしいったらありゃしない。
人が働いているってのに、先生先生って、チヤホヤしちゃって。何なのアレ。
ホシノ先輩、昨日のことがあったからわざと先生に教えたに違いないわ!
……ふざけないで。私がそう簡単に折れると思ったら大間違いなんだから」
今日一日の不満を口に出していたら、またムカついてきた。
街を歩いていると、また人がいなくなったことに気づく。
前まではここにも人はいて、もう少し活気があったはずだった。
でも、今は人が離れてどんどん治安が悪くなってまた人が離れる。
その悪循環の繰り返し。
このままじゃダメだ。私たちが頑張らないと……そして学校を立て直すんだ。
そのためにもバイト代が入ったら、利息の返済に充てて、それから――。
「……!?
何よ、あんたたち」
私の周りを囲う集団。そのうちの一人が声をあげる。
「黒見セリカ……だな?」
街頭に照らされたその人物はよく知ったものだった。
「……カタカタヘルメット団?あんたたち、まだこの辺をうろついてんの?
ちょうど良かった。虫の居所が悪かったの。二度とこのあたりに足を踏み入れられないようにしてやるわっ!」
そうしてライフルを構えた瞬間、背中に衝撃が走る。
「くっ、ううっ!!」
背後にも敵が隠れていた。そして、後ろに気がそれたその瞬間、前にいたヘルメット団が何かを投げた。
地面に落ちたそれは大量の煙を吐き出した。
煙を吸い込んだその瞬間、意識が朦朧とする。
ただの煙幕じゃない。こんなにも用意周到なんて、もしかして、狙いは私……。
逃げようと足を動かそうとするが、力が入らず倒れてしまう。
そうして、私の意識は落ちていくのだった――。
「――さて、どうしようか?」
風が吹きすさぶアビドスのビルの屋上から五条は呟く。
ヘルメット団がセリカをさらっていく一部始終を見ていたが、彼はあることが腑に落ちなかった。
(ただの不良が学校を手に入れるのに、生徒を誘拐までするとは……あの学校にそこまでする価値があるのか、それとも……)
考えてみても今はまだ分からない。とりあえず、さらわれたセリカのことに頭を切り替える。
(でも、ちょうどいいや。この状況、生徒の教材には最適かな)
そうと決まれば、シッテムの箱を取り出して起動する。
「アロナ、今のトラックの追跡。急いでね」
「は、はい。分かりました」
アロナがトラックの追跡を行うと、五条はスマホのモモトークを開いて対策委員会のグループチャットにメッセージを投稿する。
『大至急!委員会メンバー集合!
この場所に集まってね♡』
すぐに既読がつくことを確認すると、フッと笑って五条はビルの屋上から地面に向かって飛び降りていった。
「あっ!シロコ先輩、ノノミ先輩」
アヤネがモモトークに記された場所に行くと、シロコとノノミが既に待っていた。
「「アヤネ(ちゃん)」」
「お二人だけですか?ホシノ先輩はともかくセリカちゃんは――「おじさんはともかくってひどいんじゃない、アヤネちゃん」きゃあ!」
アヤネは後ろから突然現れたホシノに驚いて飛びあがる。
「ありゃ、おじさんが最後かと思ったけどセリカちゃんがいないなんて珍しいね」
「昼間の件まだ怒ってるんでしょうか?」
「私、電話してみます」
ホシノとノノミの話からアヤネがスマホを取り出してセリカに電話をかけるが――。
「電話に出ません。どうして?」
「そりゃあ、出ないだろうね」
電話をかけても繋がらない。いつもならこの時間には電話に出れるはずなのにと考えているアヤネの横から声が聞こえ、全員が振り向くとその先にいたのは――。
「先生!」
五条が彼女たちの方へと歩いてきた。シロコは彼に尋ねる。
「セリカがいないのと、私たちを呼んだこと関係があるの?」
「シロコは鋭いね。そうだよ。
単刀直入に言うと、セリカが誘拐された。」
「「「「……!!」」」」
「犯人はカタカタヘルメット団。バイト終わりの彼女を誘拐、そのまま郊外の砂漠へと逃走した」
五条は話しながらシッテムの箱を操作すると、アヤネの端末にヘルメット団のトラックの写真や逃走経路などデータが送信された。
「さて、僕がここに呼んだ理由はもう聞くまでもないよね」
そう五条が聞くと、彼女たちは力強くうなずいた。
「もちろんです。急いでセリカちゃんを助けに行きましょう」
「うん、もちろん」
「よっしゃー、そんじゃ行ってみよー!」
「みんな、しゅっぱーつ!!」
こうして、さらわれたセリカを助けるために対策委員会のメンバーと五条は夜の街を発つのだった。
「う、うーん……」
ガタン、ガタンと大きな音と揺れでセリカは目を覚ました。
まださえない頭を押さえて、上体をゆっくりと起こす。
「ここは……トラックの、荷台……?」
ぼやけていた思考が徐々に鮮明になっていく。
「私、さらわれた!?ヘルメット団め……どこに連れていくつもりなの……」
暗い荷台の中を探すと隙間から少しの光が漏れているのを見つけた。
今どこにいるかわかるかもしれない。そう思い、隙間に近づきそっと覗いてみる。
「……砂漠に……線路!?
そんな!まさかここって、アビドス郊外の砂漠!?」
外の景色から、すでにアビドスの市街地から大きく離れていることを理解してしまう。
郊外の砂漠ではスマホは圏外だし、無線もないから連絡を取ることもできない。
どうしようない状況にセリカはへたり込んでしまう。
「どうしよう、みんな心配してるだろうな……」
沈黙が心を蝕んでいく。
頭の中で考えたくないことばかり浮かび上がる。
「私も愛想つかして街を去ったって思われるんだろうな……。
みんなに酷いこと言っちゃたし……。
裏切ったって思われるかな……。
誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて……。
そんなの……ヤダよ……」
セリカの瞳から涙が零れ落ちたその時――。
ドカーーーーン!!!!
と、大きな音と共にトラックが大きく揺れた。
「う、うわあ!な、なにっ!?」
突然の衝撃に驚いていると、荷台の扉が開いてシロコが現れた。
シロコの横にはアヤネのドローンが飛んでおり、そこから彼女の声が聞こえた。
『セリカちゃん発見しました!』
「ん、半泣きのセリカを無事確認した!」
シロコの報告に外にいたホシノが声を上げる。
「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いていただと!?
そんなに寂しかったの?
ママが悪かったわ、ごめんねー!!」
「う、うわああ!うるさいうるさい!泣いてなんかないわよ!」
「嘘!この目でしっかりと見た!」
「泣かないでください!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」
外からホシノとノノミの声も聞こえて慌てて袖で目元をこすって強がるセリカに、シロコのインカム越しに五条の声が聞こえる。
『思ったより元気そうじゃん。それでこそ僕の生徒だ』
「せ、先生……。どうして……」
『セリカちゃんが捕まったことを教えてくれたのは先生なんです。
先生がいなかったら、私たちはホントに、本当に……』
通信越しのアヤネの声が涙ぐんでいく。
それを聞いたセリカは思わず笑みがこぼれた。
「そうなんだ……」
『はいはい。感動の再開は後で。今はとりあえず、お邪魔虫の退治が先でしょ。
セリカ、行けるよね?』
五条の問いかけに、セリカはニッと笑って堂々と答える。
「あたりまえでしょう!」
シロコに愛銃を受け取ったセリカは、シロコとともに荷台を飛び出していった。
ここから、アビドス対策委員会の反撃が始まった。
ノノミのガトリングによる高範囲の一掃、ホシノの盾による防御からのショットガンの強烈な一撃、シロコの射撃と華麗な足技による攻撃、そして、セリカのライフルによる狙撃。
カタカタヘルメット団の団員は瞬く間に、撃墜されていく。
しかし、戦場に大きな爆撃が襲った。
『いい気になるなよ!この戦車でお前たちはおしまいだ!』
大型の巡航戦車の攻撃をかわして、シロコたちは戦車に反撃を入れるが、彼女たちの銃器では車体の装甲をへこませるほどしかできなかった。
「だったら、これでどうだ!」
ホシノは素早い動きで戦車に飛び乗りショットガンで至近距離から撃つが、それでもダメージは与えられず、振り落とされてしまう。
『ははは!そんな弾じゃ、この装甲はビクともしないぜ!』
戦車から余裕の笑いが聞こえる。
思った以上の強敵に攻めあぐねていると、インカムから五条の声が聞こえた。
『いやぁー、苦戦してるね。
しょうがない、ここは僕から一つアドバイスを上げよう』
「アドバイス?」
『ひゃははは!隠れてないで出てこいや!』
カタカタヘルメット団は余裕の様子で隠れているアビドスの炙り出しのために砲撃を続ける。
『――と、僕から言えるのはここまで。やれるよね?』
そういう五条の言葉に対策委員会のみんなは頷いて答える。
「うん、いいと思う」
「はい、それでいきましょう」
『支援は任せてください』
「頼んだよ、セリカちゃん」
ホシノの言葉にセリカはまっすぐな瞳で口を開く。
「うん、やってみる」
それを聞いた五条は自信のある笑みを浮かべる。
まるで、すでに勝ちを得たかのように――。
『それでは、作戦開始です』
そうアヤネが告げた瞬間、隠れていたシロコとホシノ、ノノミは一斉に飛び出して戦車を軽く撃ったら、踵を返して、走って逃げていった。
『逃がすか!』
そう言って、ヘルメット団たちの戦車は一斉に逃げたシロコたちを追いかけていく。
戦車の砲撃をうまくかわして走り続ける。
だが、三人が集まったところで彼女たちは立ち止まる。
『鬼ごっこは終わりか?観念するんだな!』
高笑いを上げるカタカタヘルメット団たち。
しかし、彼女たちは気づいていない。
自分たちが追い込んだつもりでいたのに、逆に追い詰められていることに――。
「10、9、8……」
シロコたちとヘルメット団の戦車と直線状にある廃ビルの中からセリカはライフルのスコープを覗いてカウントを始める。
「7、6、5、4……」
カウント共にグリップを強く握りしめる。
大事な場面なはずなのに、今の彼女の心に不安や緊張はなかった。
「3、2、1――」
アヤネのドローンがタイミングよく飛んでくる。
そして、つかんでいるボックスを離したその瞬間。
「決めちゃいな、セリカ」
五条のセリフと同時にセリカのライフルから放たれた銃弾がボックスに命中する。
ボックスには大量の火薬が入っており、そこに撃ち込まれると戦車を飲み込んで爆炎をあげた。
シロコとノノミはホシノと一緒に彼女の盾に隠れて吹きすさぶ爆風から身を守る。
「撤収~!」
倒れた戦車から真っ黒になった幹部の声に、カタカタヘルメット団たちは泣きながら逃げていった。
その様子を高みの見物をしていたセリカが笑って口を開いた。
「ふん、私を誘拐したこと後悔しなさいよね!」
シロコたちが五条とアヤネの元へと戻ってきていた。
「先生、お疲れ様です」
「いやぁー、先生は偉大だねー」
「えー、そんなこと…あるけど!」
キリっとドヤ顔する五条を横にみんなで笑っていると、セリカが戻ってきた。
「お疲れ、セリカ」
そういう五条に、セリカは少し恥ずかしそうにするが、いつもの強気な態度で答える。
「う、うるさいわね!別に助けがなくたって、自力で脱出できてたし、ヘルメット団だって私だけで……。
でも、その……助けてくれてありがとう、先生!」
少し顔を赤くして礼を言うセリカにホシノが笑ってからかう。
「おう、セリカちゃんがデレた」
「違っ、違うわよ!」
「もう素直じゃないな~」
「うるさーい!!」
アビドスの砂漠に笑い声とセリカの叫びが響いていった。
どこかの高層ビルの執務室で、一人の男が報告を受けていた。
「格下のチンピラごときでは、あの程度が限界か。
せっかく主力戦車まで送り出したのに、このザマとはな。
ふむ……となると、目には目を、生徒には生徒を……か。
ここは専門家に依頼するとしよう」
男はそう言うとデスクにある電話から番号を打って、相手に繋げる。
『はい、どんなことでも解決します。便利屋68です』
女の声が聞こえると、男は尊大な態度で話す。
「仕事を頼みたい、便利屋……」
カタカタヘルメット団本部
爆発がいたるところで巻き起こり、銃声が鳴り続け、カタカタヘルメット団の本部は壊滅状態になっていた。
突然の敵襲で団員たちは訳も分からず、襲撃者へ応戦していた。
初めはいつものように集会していただけだった。しかし、突然の狙撃で明かりを奪われて本部が闇に包まれたと同時に、襲撃者が一気に襲い掛かってきたのだった。
応戦しようとも、いつの間にか仕掛けられた爆弾によって身動きが封じられてしまい、ヘルメット団は制圧されていく。
「はぁ……はぁ……。うわああっ!!」
残された団員も暗闇の中で手当たり次第に撃ち続けるが、背後からの攻撃に倒される。
「あーあー。こっちは終わったよー」
「こっちも完了したよ、社長」
制圧した本部から少女たちの声が聞こえる。
その声に答えるかのように、一人の女性が優雅な足取りで近づいていく。
その姿を見た幹部が彼女に絶え絶えの口で問いかける。
「う、うう……何者だ。貴様らは……」
「……ふふふ」
女性は笑みを浮かべたまま地に伏す幹部の頭を踏みつける。
「ぐああっ!!ま、まさか、貴様らアビドスの!?」
そう吐き捨てる幹部を見て女性はつまらなさそうにため息をついた。
「はあ、こんな不潔で変な匂いのする場所がアジトだなんて。
やっぱり冴えないものには、冴えない場所がお似合いなのね。
ま、いいわ。そんなあなたたちをここから解放してあげる」
「な、なにを……言って……」
「要するにクビってこと。現時刻をもって、アビドスは私たちが引き受けるわ」
「ふ、ふざけるな!貴様らは一体……」
女性は声を荒げる幹部の頭から足を離す。
そして、そのまま離した足で顔を蹴り飛ばした。
そのまま、笑みを浮かべて倒れた者たちに答える。
「私たちは、便利屋68。
金さえもらえれば、何でもする……。
なんでも屋よ」
空に浮かぶ月明かりが彼女たちを照らしていく。
勝手にQ&A
Q.五条先生はどうして砂漠で迷ったの?
A.アロナが張り切って道案内しようとしたけど、迷ったから
五条「アロナ、あとでマジデコピン」
アロナ「ええっ!?マジデコピン!?」
P.S.
ヒナとキサキ誕生日おめでとう