ドールズ・アーカイブ   作:あっぷる⤴ぱい⤵

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長編SS第二話です。


作戦会議

あの後シスターフッドの生徒たちのシャーレ護送作戦は早急に実行された。

正義実現員会とシャーレの警護のもと、ひとり残らず、シャーレへと護送が完了した。

幸いにも護送中の襲撃はなく、無事、サクラコをはじめ一人残らずシャーレへと護送が完了した。

 

これでひとまずは安心であるが、やはり襲撃犯を特定し、確保しないことには普段の生活には戻れない。

 

”さて、どう特定しようか?”

 

シャーレのオフィスでトリニティの首脳陣たちと先生は顔を突き合わせる。

一つ課題が終われば次の課題だ。

どうやって襲撃犯を特定するか、これが次の課題だ。

 

「やはり、囮しか……」

 

ナギサがそう呟く。

 

「それはどうかと思います!」

 

それに反応しキッと返すのは救護騎士団のミネ団長である。

確かに救護を旨とする彼女にとっては囮捜査は許せないものがあるのだろう。

 

「ですが手がかりがない以上は……相手を誘い出すしか……」

 

ハスミが悔しそうな顔で言葉を吐く。

後ろでツルギもこくこく頷いている。

 

「このまま打開策が見つからなければ私が囮になります」

 

そしてサクラコが覚悟の決まった一言を言う。

それを聞いてセイアがボソリと言葉を漏らす。

 

「覚悟が決まっているのは服装だけじゃないってことか……」

 

みんなそれぞれの考えをぶつけ合うがいかんせん議論は進まず、有効策が見つからない。

そんな中で先生に意見が求められる。

 

”私は生徒を危険な目に合わせることはできない。だけど、このまま黙って見ているわけにもいかない。だから囮は私がやろう。エンジニア部謹製のヘルメットがあれば対物ライフルの直撃にも耐えられるからね”

 

そんな一言にトリニティの首脳陣は口々に否定する。

まぁ、妥当だろう。

流石にシャーレの先生がトリニティで囮捜査中で凶弾に倒れるとなればトリニティへのバッシングは過去最大のものになるのは火を見るより明らかである。

 

と、まぁ、そんなこんなで結局いい意見も出ず、ひとまず解散しようか…という時オフィスのドアが開いた。

入ってきたのは先程までシスターフッドの部員たちの世話や聞き取り調査をしていたスプリングフィールドと……

 

「やはり囮か……いつ実行する?わたしが囮になろう」

 

どこかで聞いたセリフを吐きながらもう一人オフィスへと入ってくる。

それに先生は……

 

エムシックスティー院(M16)

 

これまたどこかで聞いたような返しをした。

 

「やぁ指揮官。囮が必要なら私がやろう」

 

例の流れを終えてM16はソファへと腰掛けそんなことを言う。

だがまぁ先生は反対すると踏んでいたのか、M16は先生の返事を待たず言葉を続ける。

 

「指揮官も私の活躍を忘れたわけじゃないだろう?チビたちを連れて0−2周回を山程こなしてきたんだぞ私は。そんじょそこらのライフル弾でくたばることはないさ!」

 

”いやそれでもね…というか単純なタンク性能ならショットガン人形の方が高いじゃん。M16の0−2周回は燃費重視だよあれ”

 

「それは外骨格と防弾ベストが装備だからだろう。専用装備が入ればショットガン人形にも負けない数値になるぞ」

 

”でも君の専用装備人の心なくさないと使えないじゃん”

 

「それは言わない約束だ」

 

肩をすくめてM16が返す。

 

「はいはい。M16さんも先生もそれぐらいにしましょうね」

 

この生徒たちを置いてけぼりにする会話をスプリングフィールドが諌める。

そして本題をどうぞと紅茶を淹れながらM16に言う。

 

「ぶっちゃけ私がここに来たのは売り込みだ」

 

”売り込み?”

 

「ああ、うちのコルト・ウォーカー(ボス)がこの事件を聞きつけてな、トリニティに営業してこいと言われたんだ。なんだってここは金払いがいいから、とな」

 

”抜け目ないなぁ…”

 

「抜け目がないというか、あれぐらいできないとブッラクマーケットではやっていけないんだろう」

 

”まぁ、それはいいんだけど、トリニティに恩を売るならナギサたちに言うべきじゃないのかい?”

 

先生の言うことは至極もっともなので、M16はトリニティの面々、その中でも一番地位の高いナギサに向き直ってニヤリと笑みを浮かべ話しかける。

 

「それもそうだ。で、どうだ?桐藤ナギササマ。私達コルト・マーケットを雇う気はないかい?報酬は高いが仕事はしっかりこなす。150点の仕事をしようじゃないか」

 

ありきたりな売り文句に対しナギサは眉一つ動かさず言い返す。

 

「150点ですか…それは残念ですね。トリニティには200点300点の仕事をこなして報酬は0のところを知っているんですよ。シャーレと言うんですけどね」

 

「おいおい。あんたとことは長くやっていきたいんだがねぇ……」

 

M16は勘弁してくれよと髪を掻く。

さすがのナギサも今回ばかりはトリニティ内部の話である。

トリニティの面子も考え、今回はよシャーレはともかくとして、よその手は借りないという判断を下した。

 

「あ〜あ。こりゃ無駄だな。すまんだ。私はこれで失礼させてもらうよ」

 

これ以上は無駄かと思い、M16がケースを持ってソファから立とうとした時セイアが止めた。

 

「なら私が個人的に雇おうじゃないか」

 

「ほう?」

 

「君たちと私の仲だ。流石にトリニティの金庫を開けるわけにはいかないが、私のポケットから報酬を出そうじゃないか」

 

「ふぅむ。ティーパーティートップの一角のお嬢様のポケットね…期待はできそうだ」

 

「そうか。なら頼むよ。それと……また今度ブラックマーケットに連れて行ってくれ。あそこはあそこで知見が広がると言うものだ」

 

「わかった。ボスに話を通しておこう」

 

”ちょちょちょ!セイアはブラックマーケットに出入りしているのかい!?”

 

思わず先生が二人に割り込んだ。

この事実には先生以外の周囲も驚いている。

まぁ、ぶっちゃけトリニティのトップがブラックマーケットをうろつくなんていう事実はスキャンダルもスキャンダルのため驚くのも無理はない。

 

「ああ。ティニーの一件依頼たまに彼女やウィンチェスターの同行のもとブラックマーケットをぶらついているんだ。もちろん偽装は完璧だ」

 

”でもブラックマーケットは危険なんていうところじゃないよ。あそこは法は通じない”

 

「安心していいぞ先生。セイアは私やM1887(あの女)と同行しているんだ。そうそう手は出せない。やったらコルト・マーケット(ウチ)と戦争だ。矛を交えるようなバカはどうせ弱小だ。相手にならん。相手になる大手はそもそもそんなヘタはうたないさ」

 

思わず納得してしまいそうな理論を振りかざす。

そんなM16に先生も綺麗に丸め込まれそうだが、よく考えなくてもこれが別に危険ではないという話ではないのである。

 

だがまぁ、そんなことを今は議論している時間ではない。

セイアが雇うと言った以上先生たちに異議を唱える権利はないのだ。

 

”まぁ、セイアの話は一旦置いておいて、M16は囮をするという認識でいいのかい?セイア、M16”

 

この時ばかりは先生にM16を指揮する権限はない。

だからセイアを挟まなくてはいけない。

 

「どうなんだ?セイアサマ」

 

「それで頼むよM16。それと…君に対する指揮権はシャーレと私達ティーパーティーだ。よろしく頼む」

 

「わかった。囮をやろう。メンタルバックアップはないが警護がつくならメンタルの回収はできるだろう?はっきり言ってメンタルさえ回収できれば私は不死身だ。なら私がやったほうが楽だ。素体は……まぁ、エンジニア部にでも頼むさ」

 

あっけらかんとM16は答え余裕を示すようにどこからともなくウイスキーを取り出そうとする。

…ところをスプリングフィールドががっちりと腕を掴み、しまえと目線で伝える。

M16もダメ?とキュルルンとした目を向けるが笑顔がより強くなったためすっとしまった。

そんなコントを見終え先生は口を開く。

 

”でもまぁ、M16だって人形とは言えメンタルは人間そのもの。そうやすやすと命を投げ出すマネはナシだよ”

 

「わかってる。あいにくこの素体には思い入れがあるんだ。廃棄するわけにはいかない」

 

”ならよし。では頼むよ”

 

ひとまずこれで自体は進展。

囮の役もでき、あとは釣り上げるだけだ。

その後はトントン拍子に話は進み、あとは決行を待つだけとなった。

 

ちなみにM16に対する報酬はスプリングフィールドが裏で色々手を回し、シャーレもいくらかは出すことになったそうな。

生徒に金を出させることを嫌がる先生らしい対応である。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

数日後、トリニティ自治区、P.M.8:00

夜の帷も降りたが、街はぼんやりと街灯や家の明かりで灯され明るさは消えてはいない。

そんなトリニティの街を一人の女性が歩く。

 

顔を隠すようなシスター服に背中には十字架型に偽装したケースを背負い、腰にはM16ライフルが見える。

そんなおよそシスターフッドが雇った殺し屋にしか見えない風貌をしたM16が街を歩いている。

 

周りには誠実の生徒やスプリングフィールド、そして自警団の一部面々が隠れている。

誠実や自警団のスナイパーは高所からのカウンタースナイプを狙い息を潜め、スプリングフィールドは何かあったときのカバーのために愛銃はしまい、自身の愛銃を生み出した造兵廠の後継会社が作り上げたハンドガン、オペレーターを握りしめている。

 

”この先の工事中の建物からの狙撃の危険性あり、注意して”

 

先生はトリニティ総合学園の司令部からエンジニア部謹製の小型消音ドローンを介しての指揮をしている。

 

”M16。そこ、見晴らしが良すぎる。注意して”

 

的確に指示を出して注意を促していく。

指示に合わせM16も踏み出し、他の面々も動く。

ルートとしては軽くトリニティの中心街を一周であり、そろそろ一周しようかというところである。

 

”そろそろ一周だよ。これで現れなかった作戦は中止、早急に離脱を試みて”

 

M16もその無線に反応することはないが、一周したためでふらりと何処か物陰へ隠れようとした時……

 

彼女の頭目掛け銃弾が飛んだ。




☆M16の0−2周回(ドルフロ)
M16をタンクに、適当なアサルトライフル二人をアタッカーにして周回するいわゆる貧乏ラン。
利点は資源消費が少なくて済むが、欠点は明らかに人の心を何処かへと捨てなければならないところ。

☆0−2周回におけるM16の装備(ドルフロ)
基本はM16の防御力11達成が第一目標。
その際に専用装備、外骨格、防弾ベストの三種から二つ選ぶが、専用装備が手に入る6−4nに辿り着くのはそれなりに難しいため、残りの二種を装備したほうが早い。
それに防弾ベストを強化すると防御+11になるため、ぶっちゃけ専用装備は要らない。
だが、12-4e周回には防御力は28いるため専用装備は必須。(妖精バフは知らん)
作者は6−4n周回がめんどくさいから防弾ベストと外骨格だけど。

☆M16の専用装備(ドルフロ)
鉄血工造陥落前の遺物。機動外骨格を統合したアーマーは使用者の生存率を著しく向上させるが、精神および肉体への負荷も非常に大きい。(原文ママ。M16専用装備、特殊戦術機動装甲の説明文より引用)

ひとまず第二話です。
M16が鉄血に寝返ったとき、お前らが散々0−2で酷使したから闇落ちしたんだぞというツイートに不覚にも笑ってしまったのはいい思い出。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。

次回は筆が乗り次第。

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