ドールズ・アーカイブ   作:あっぷる⤴ぱい⤵

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これで終わりです。
この話が公開されて、しばらくしたらまた長編SSとしてひとまとめにします。

前話でM4が覚悟決まっているのはゲーム版で、アニメ版はホットパンツをはいていると書きましたが、今一度立ち絵を見てみるとホットパンツはゲーム版、覚悟がアニメ版でした。
指摘くださった方ありがとうございました!
修正も済ませました。
ですがまぁ、アニメ版で覚悟が決まった服装はしていたので本文の修正はしていません。


日常への回帰

「被告、バレットM82A1はシスターフッド預かりで、半年間の奉仕活動への従事を罰とすることを聴聞会、並びにティーパーティーの決定とします」

 

「寛大な処置に感謝します……」

 

あの歓迎会からしばらく後、ついにシスターフッド連続襲撃事件の聴聞会が開かれた。

被告席に座ったのはもちろんM82A1である。

だが聴聞会といっても処分自体は決まっており、それはわざわざ聴聞会へ足を運ぶような人なら知っているため、特に意外な展開も一切なく、判決まで進んだ。

 

陪審員たちが告げた判決にM82A1は感謝を示して、一つの幕引きを迎えた。

さすがにシスターフッド預かりのみはバッシングも生みかねないため、奉仕活動への従事も含めてが彼女の処分となった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

しばらくのち………

 

”やぁ、元気してた?”

 

その日、先生はトリニティを尋ねていた。

目的はひとえにM82A1の様子を見に行くことである。

 

「あっ!先生!」

 

「今日もお疲れ様です。元気ですよ」

 

そのためフラフラと二人を探してトリニティ総合学園のバカ広い敷地を彷徨っていると、庭園でミカとM82A1が草抜きをしているのを見つけた。

そんな二人に先生が声を掛けるとミカはとっとこと駆け寄ってくるが、M82A1は軽く手を振って応える程度に留まった。

 

”ふたりとも性が出るね。ここらで休憩したら?ほら、差し入れ”

 

先生がクーラーボックスから冷えたボトルを取り出し振ってみせると、二人は顔を見合わせ特に合図もなく、作業を切り上げベンチの方へ歩いていった。

 

”はいこれ。高級紅茶じゃなくてただのスポーツドリンクだけど”

 

「ありがとう先生。というかこんなときに紅茶を渡されても困るじゃんね」

 

「…ありがとうございます」

 

三人ともとりあえずキャップを開けて一口飲む。

太陽の元にいた三人にとっては気持ちのよい喉越しだろう。

 

”で、最近どう?ふたりとも。なにか困ったこととかない?”

 

「私はないよ!」

 

「私も今ぐらいがちょうどいいです」

 

そう答える二人は別に無理をしている感じはなく、ただこの生活に満足しているように聞こえた。

 

”ならいいんだ”

 

そんな二人の態度に先生も安堵の息をこぼす。

まぁ、結構グイグイくるミカと、どちらかというと受け身なM82A1の仲はどうなることかと思ったが、なんとか上手くやっているようである。

 

しばらく雑談をしているとM82A1が思い出しと口を開いた。

 

「そういえば指揮官。今度ミカさんと最近できたモモナントカ…というキャラクターが目玉の遊園地に行ってはどうでしょう?最近、そこのペアチケットが福引で当たりました」

 

”え?バレットは行かないのかい?”

 

「ええ、ペアですし、先生も私よりもミカさんと行ったほうが楽しめるかと……」

 

”そんなことないけど……”

 

「そう言ってもらえるのは嬉しいですが、まだ私は判決を貰ってから日が浅いです。そんな私が遊園地をほっつき歩いていたとなれば、反省の色が無いと京雀が騒ぎますので、私が遊園地に行くのはあまり好ましくないわけです。なのでお二人でどうぞ」

 

確かに一理ある説明だが、それでも当選者を差し置いて二人で行くのもアレである。

だがまぁ、こればかりは譲らないとM82A1に押され結局ペアチケットは先生の手元へ渡った。

 

「では私はこれぐらいで…この後礼拝があるので」

 

「え?もうそんな時間!?」

 

手元の時計を眺めた後、M82A1が立ち上がる。

 

”待って!”

 

「どうしました?指揮官」

 

”今、楽しいかい?”

 

「……はい!シスターフッドの皆様やミカさんたちが良くしてくださるおかげです」

 

”なら良かったよ”

 

とびきりの笑顔で答えた彼女は後片付けを済ませ、聖堂の方へと向かっていった。

 

”では私もこのくらいで失礼するよ。ミカはこの後も?”

 

「うんん。もう今日の分は終わってたから」

 

ミカも切り上げの準備を始めた。

先生はミカの手伝いを軽くした後、どこかへと去っていった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

その日の夜……

ミカの元へM82A1から一件のモモトークが届いた。

 

『土台は整えましたので、あとはミカさん次第です。サービスでホテルの場所も貼っておきますよ。応援してます』

 

画像には地図が貼られており、一部施設に赤丸が書いてあった。

もちろん丸の付けられた施設はアレなホテルである。

 

『指揮官はライバルが多いですよ。チキンに勝ち目はありません。Who Dares Wins(危険を冒す者が勝利する)昔のとある特殊部隊のモットーです』

 

そんな事実を突きつけられミカは屋根裏部屋で頭を掻く。

わかってはいるのだ。だが、一歩が出ないのである。

この心に突き刺さるモモトークにダメージを受けていると追撃が来た。

 

『私はミカさんの恋路は応援しています。だからバックアップはできます。ですが、本人がチキンならバックアップがいくらあっても指揮官の結婚披露宴でブーケを貰う羽目になりますよ』

 

ぶすぶすと言葉の刃を刺してくるモモトークにミカもメンタルを削られる。

ミカもなにか言い返してやろうとキーパッドに指を持って行くが、有効な返しが思い浮かばず送信はできない。

むぅぅぅと頭を抱えてようやくミカは一言言い返した。

 

『そういうバレットちゃんこそ先生を私に譲っていいの?』

 

少しからかってみた。

これで食いつけば心が辛いモモトーク攻撃をやめさせられるか、と思案しているとM82A1から返事が来た。

 

『今の私は恋心より、祈りの日々の方があってますので。ミカさんの恋路を邪魔するつもりはありませんよ』

 

「……じゃんね」

 

完全敗北である。

ただ己のチキンさを自覚させられただけであった。

 

『シスターフッドの子の応援はしなくてもいいの?』

 

ボコボコにされた彼女は、ふと、そんなことを聞いてみた。

実際彼女はミカよりのシスターフッドといる時間の方が多いのだ。

そっちで先生が好きな生徒が現れれば、そっちの応援はしなくていいのか、そんな疑問が思い浮かんだ。

 

『シスターフッドの生徒の中にも先生への恋心を抱く生徒は多いです。ですが私はミカさんを応援しますよ。だって、他の人は自分ひとりでなんとかできそうですから。マリーさんやヒナタさんとか。詰めるところは詰めますよ、彼女たち。少なくとも恋愛の駆け引きは彼女たちの方が上ですね。まだサクラコ様には勝ち目がありますが、彼女にはAR-57がいますし、私がミカさんの味方をしないとそれこそ一人者で人生終えそうですし』

 

その日屋根裏部屋ではすすり泣く声が聞こえたそうな。

そして決意を固めた少女がいたそうな。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

キリスト教のグノーシス主義によるとこの世界はデミウルゴス(不完全な神)が作り出した不完全な世界で、私達は完全へと日々創造しているらしい。

はじめはシスターフッド襲撃事件の犯人だったM82A1(デミウルゴス)は、最終的には|シスターフッドの一席へ収まり、奉仕作業の合間にヘタレなお姫様の恋愛の手助けをするようになった。まるでデミウルゴスの世界のようにより良いものへと自身を創造している。

 

そしてトリニティでの先生争奪戦で聖園ミカがライバルより有利になれるかはまた別の話である。

なれるかは彼女が腹を括れるかにかかっている。

 

〜Fin〜




Who Dares Wins(危険を冒す者が勝利する)
英陸軍特殊部隊のSASのモットー。
”挑む者に勝利あり”や”敢えて挑んだ者が勝つ”と訳されることも。

☆デミウルゴス
ドルフロのM82A1のスキンは”デミウルゴスの啓示”。
彼女自身が命名したのなら、もしかしたら彼女の自分自身への戒めもあるのかもしれない……ってWikiにあったけど、デミウルゴスの世界のように自分自身も成長していくみたいな思いがあってもなんかよくない?

これで長編SSは終わりです。
お付き合いいただきありがとうございました。
次からは短編SSに戻ります。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。

次回は筆が乗り次第。

ここから評価!

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