ドールズ・アーカイブ   作:あっぷる⤴ぱい⤵

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後編です。
まずは前話を呼んだ上でどうぞ!

そういえば本国の方のドルフロ2で45姉らしき人形が実装されたようです。
立ち絵を見ましたが、あのベルリンの壁(虚乳)は45姉ですわ。
これは日本での実装にも希望を持てますねぇ!やったね!


トリニティとマルティニ・ヘンリー

先生一行はセイアを伴ってトリニティ学園へと足を踏み入れた。

立派な正門を潜れば眼の前に広がったのは幕のかかったなにかである。

 

”これは一体?”

 

「ああ、これがマルティニ・ヘンリーの黄金像さ。幕をかけてあるのは明日の完成式典のためさ」

 

もうそこまで進んでいるとは……これは思ったより残された時間はもう少ないのかもしれない。

そんなことを思いながら先生はマルティニ・ヘンリーが待つクレー射撃場へと向かった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「指揮官!!」

 

クレー射撃場の中でも一番豪華な部屋に通された先生たちを出迎えたのはマルティニ・ヘンリー。

今回の渦中の人物にして大きなわんこである。

そんな彼女は机を叩いて立ち上がったが、顔色は悪く、グリフィンにいた頃よく見た明るい笑顔で”二時間後にパン屋に焼きたての新発売のパンが並ぶわよ!”などといった軽い予言に一喜一憂していた彼女ではなかった。

 

「ティニーさん。少し横になりましょう…」

 

「………いやよ。眠ろうとすると予言がどうしても頭をよぎるのよ………」

 

”別に眠らなくてもいい。ただ楽な姿勢になるだけでいいんだ。落ち着いたら話をしよう”

 

「……なら指揮官が膝枕しなさいよ。いままで私のこと放ったらかしていたんだから」

 

”いいよ。ほら”

 

先生はソファに腰掛けると膝をポンポン叩いた。

マルティニ・ヘンリーはそれを見るとぽやーと引き寄せられるように横になった。

そしてそのままスリープモードへと移行した。

よっぽど追い詰められていたのだろう、しかしまぁ、M4でもない限り人形は夢を見ないものである。

ある意味では予言という悪夢から一時的にも開放されていると言える。

 

”さて、こちらも動かなくちゃね”

 

先生はおもむろに耳に受話器をあてる仕草をする。

それを見るとスプリングフィールドは自信のスマホでとあるところに連絡を取り始めた。

 

「シャーレです。今のトリニティにおけるマルティニ・ヘンリーを取り巻く環境と、トリニティ全体と各派閥の動向。洗いざらいお願います」

 

「期日は早ければ早いほどよいですが、できれば今日、日が沈むまでにお願いしますよ」

 

「もちろん報酬の方は期待してもらってもよろしいですよ」

 

「難しいですか……なるほど……」

 

スプリングフィールドがどこかに電話しているとちらっとセイアに目配せした。

するとセイアが先生に声をかけた。

 

「報酬はトリニティの金庫から少なくとも1000は出せる。腐ってもここはお嬢様学園。資金面での補助は任せてくれ先生」

 

少し黙っていたスプリングフィールドはセイアが言い終わると同時に口を開いた。

 

「ということです。……パッパとこなす。よろしい。期待していますよ、マギー・ポンジ…いや、コルト・ウォーカーさん」

 

そう言い終えるとスプリングフィールドはスマホをしまって先生に向き直った。

 

「とのことです」

 

”わかった。しばらくは私も動けないし、スプリングフィールドもクレー撃ってくれば?別にクレーに罪はないし、それにたまにはスプリングフィールドが銃を撃っている姿も見たいしね”

 

「ではたまには撃ちましょうかね」

 

そう言い残すとスプリングフィールドは自身の愛銃を担ぎ、射撃場へと向かった。

それを見送ってからセイアは何やらリモコンをポチポチしだした。

するとモニターがにゅいんと天井から出てきた。

モニターにはクレー射撃場の様子が映されており、トリニティ生たちが散弾銃を撃っている様子が見える。

 

「この射撃場には一般とVIP用の2つの射撃場があるんだ。今映しているのが一般向けの方さ。日頃銃を撃たないお貴族様のお粗末な射撃を見るよりかはこっちのほうがずっといい。ティニーはクレー射撃はみんなで楽しむものと言っていたのだがね、いかんせんティーパーティーの幹部連中が騒いでね。彼女の友人として彼女への嫌がらせを考えると私も幹部連中には強く出れなかった。なんのためのサンクトゥス分派のトップなのだろうねぇ………これじゃ彼女の友達なんて言えないじゃないか……」

 

”セイア……セイアもティニーもスプリングフィールドもまだまだ私から見れば子どもなんだ。戦術人形の基本的な性格はメンタルモデルで決まるから大人なメンタルモデルを埋め込まれた娘は大人の女性に見えるけど、まだまだ酸いも甘いも噛み分けてないんだ。

酸いも甘いも噛み分けてきた大人たちですら失敗するし、現に私も失敗に失敗を重ねてきた。あのプレナパテスも失敗の末路かもしれない。

だからね、まだまだ子どものセイアたちが間違えてしまうのは無理もないんだ。

セイアたちはいくら失敗してもいいんだよ。

セイアは今回、ティーパーティーの幹部の娘達を止められなかったのかもしれない。

それは別にいいんだよ。

十いくつの子たちにドロッドロの政治工作をしろという方が無理があるんだ。

でも、子どもでも君を信じた人に背くことはしちゃダメだ。

信じられたらできる限り答えなくちゃならない、期待通りの結果にならないかもしれない。

もちろん頼られた側が傷ついていいわけじゃないよ。

それは自己犠牲に他ならないからね。

そして今、ティニーは崖っぷちに追い詰められてセイアを頼ったんでしょ。

なら友達でいたいなら絶対彼女のことを見捨ててはいけないよ。

さっきのセイアの最後の一言、あれはただの逃げだよ。

勝手に自身を友達失格と嘲笑い、信頼から逃げる、あれだけはダメだよ。

どんな結末を迎えても信頼に背かなければいいんだよ。セイア”

 

少し怒ったような、それでいて諭すように先生が声を紡ぐ。

この話は所詮は先生のエゴかもしれないし、正しくないのかもしれない。

もしくは生徒を地獄へと落とす道なのかもしれない。

それはどうだかわからない。

だが、セイアは噛みしめるように頷いた。

エデン条約であの未来を知って逃げた彼女なりに思ったことがあったのかもしれない。

それもわからないが、ただ、彼女は頷き、先生の方を改めて見た。

 

「ありがとう、先生。それと…改めてティニーを助けてくれないか、先生。これは彼女の友人としての頼みだ………」

 

”わかった。私は君たちの先生だからね。生徒の覚悟を無碍にはしないよ。それにセイアは私を信じてくれたんでしょ?ならそれには応えないとね”

 

そんなことを言い合い、もう一度モニターへ目を向けるとスプリングフィールドが映った。

手には散弾銃ではなく自身の愛銃、スプリングフィールドM1903を抱えている。

シューティンググラスや帽子、イヤーマフの類は一切つけず、サングラスを付けて銃から弾を排莢していた。

数回ほどボルトを引き薬室が空っぽになったところで()()()()、弾を込めて銃を構える。

 

「彼女は散弾銃を使わないんだね」

 

”こっちの方が慣れているんだろうね、多分”

 

「それに二発もいらないのか……」

 

そんなことを言っといるとブザーが鳴り、”ピジョン”と呼ばれる素焼きの皿が射出された。

そしてダンッ!という音ともに放たれた大口径弾は見事にピジョンを射抜いた。

そんな動作を繰り返すこと24回。

すべて撃ち落とした。

文句なしの100点満点である。

 

そしてシングルトラップでは最後の一枚となる25枚目が発射される前にマルティニ・ヘンリーが目を覚ました。

 

「……スプリングフィールドさんってクレー射撃とかするんだ」

 

寝ぼけ頭でぽやっと彼女は呟く。

 

「彼女はすべて一発で沈めてきた。これを一発で仕留めたら25枚全てで二矢を撃たないことになるね」

 

「……すごい」

 

”どうやら彼女、一発で決めるつもりだね”

 

モニターに映るのは一枚目から変わらずボルトを引き排莢し、一発だけ.30-03 スプリングフィールド弾を装填し構えたスプリングフィールドの姿である。

散弾銃よりはるかに当てにくであろうライフルで25枚全て二矢なしで仕留めようとしているのだ。

コレにはギャラリーもざわつく。

 

そしてついに25枚目のピジョンが発射された。

右に向けて飛んでいくピジョンをめがけ放たれた弾は見事にピジョンを射抜きパラパラとパウダークレー*1特有の粉を空に舞わせた。

 

「25枚全てを一発で落とした。正実でもハスミぐらいだろうねこの芸当ができるのは」

 

「すっご」

 

”さすがスプリングフィールドだね”

 

モニターで見ていた三人も感嘆の声を漏らした。

それは生で見ていたギャラリーも同様である。

モニターから聞こえるのは”すごい”の声。

そして、彼女を派閥に引き入れる工作の声。

脅威のスコアを残したスプリングフィールドを自陣に引き入れれば強いと判断したためであろう。

もうすでに彼女は茶会の招待の声掛けをされている。

が、しかしスプリングフィールドは慣れた手つきでささっとその手の勧誘を断り、クレーを出していくれていたスタッフに一礼をし、そそくさと射撃場を去った。

 

そんな光景を見て思わずマルティニ・ヘンリーはモニターから目を逸らした。

自身の思い描いた射撃場像とはかけ離れていたためだろうか?

それはわからないが、なんとかしなくてはいけないとセイアと先生はもう一度覚悟を決め直した。

*1
クレー射撃で使われるピジョンの一種。内部に着色した粉を仕込み、撃ち抜かれたとき粉が舞い撃ち抜いたことを視認しやすい特徴がある。




☆二時間後に新発売のパンが焼き上がる(ドルフロ)
マルティニ・ヘンリーに指輪を渡してみよう。

☆人形は夢を見ない(ドルフロ)
ペルシカの手によって作られたM4は見るらしいがなぜだろう……
それを知るのにここでは雰囲気が台無しである。
ぜひドルフロをプレイして知ってほしい。

書き終わったあとに思う、なんだこのクサイ文章!?
ということでマルティニ・ヘンリー編二話目です。
も少しだけ続きます。
それはそれとしてそろそろドルフロユーザーには馴染み深いあの日が来ますね。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。

次回は筆が乗り次第。

ここから評価!

私だけがいれば十分ですよ。

ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?

  • 両方やっている!
  • ブルアカはやっている!
  • ドルフロはやっている!
  • 昔両方やっていた!
  • 昔ブルアカやっていた!
  • 昔ドルフロやっていた!
  • 両方やっていない!
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