普通にアリウススクワッドの過去はドルフロにも似たようなことがあってもおかしくなくて怖い。
「おい、今日の予定はどうだ?」
「カイザーグループの理事との会談が入っています」
「あの鉄クズか……まァ奴らは今は落ち目だ。多少強気に出ても構わんだろう。おい、それはキャンセルだ。適当に理由をでっち上げとけ」
「しかし……いくら落ち目と言えどもカイザーグループは今もブラックマーケットでは幅を効かせています……その会談を断るのは……」
「ああ?良いんだよ。あの鉄クズはいつまでも上に立てるような人間じゃない。所詮は木っ端の三下。向こうが噛みついていくるならこっちだって手はある。それに、いつまでもあの鉄クズどもが跋扈してるとブラックマーケットの格が落ちる。そろそろ政権交代の時期だ」
「………わかりました」
ある日のブラックマーケット。
その一角に居城を置くコルト・マーケットの社長室は今日も薄ぼんやりと照らされていた。
コルト・マーケットは新参者と言えどもコルトウォーカーの類まれなる商売の才と過去の経験に裏打ちされたスキルでブラックマーケットではメキメキとその頭角を表していった。
「さて、少し出る。帰りは遅くなる」
「では護衛を…」
「いらん。いくらボディとメンタルが弱っていても暴漢にやられるほど弱ってない。そんなことに人員を割くより、売上を上げたほうがいい」
「わかりました。ではいってらっしゃいませ」
「ああ、そっちも良いように頼む」
そう言うと彼女、コルトウォーカーはかかっていたコートと帽子を被り、部屋を出ていった。
◇◆◇◆◇
「おい、ヒヨコ」
コルトウォーカーがブラックマーケットを歩いていると路地にライトグリーンの髪の毛が見えた。
某アビドスの先輩を想起させる風貌の少女。
槌永ヒヨリである。
「ふぇ?」
「こんな所で雑誌漁りか?」
「いやー……お金がないもんですからぁ……」
「ほぅ…?まあいい。D.Uかどっかで買ってやろう。そのかわりに残りを呼んでこい。付き合って欲しい場所がある」
「良いんですかぁ!?わかりました、呼んできます……あっ、ついでに美味しい食べ物とかも恵んでくれると嬉しいですぅ……」
随分がめつい。
だがこの図々しさが彼女の魅力である。
そう考える先生諸君も少なくないだろう。
それは置いといて持ってた雑誌を抱えたまま彼女はどこかへと向かった。
十数分後、彼女は同じアリウススクワッドの錠前サオリ、戒野ミサキを連れて戻ってきた。
「あと一人はどうした?」
「姫は今シャーレだ」
ヒヨリに代わって答えたのはアリウススクワッドのリーダーの錠前サオリ。
どうやら今日はバイトでは無いようだ。
「そうか、なら好都合。着いてこい。美味いものを食わせてやる」
ということで四人でシャーレを目指すこととなった。
◇◆◇◆◇
なんやかんやでシャーレ前。
その道中ではヒヨリがコレ幸いとD.Uで雑誌をたくさん買い漁ったり、ミサキの花粉症の薬を買ったり、
「失礼する、コルトウォーカーだ」
「あら、案外は早く来たんですね」
”そうだね”
「ああ、あのガーリックシュリンプだけで来る価値は十二分にある」
「それは嬉しいです」
中にいたのはスプリングフィールド。
そして、
「ウォーカーさん。いらっしゃい」
アリウスのロイヤルブラッド、秤アツコである。
「ああ、アツコ。丁度いい。飯食わせてもらうぞ」
「いいの?」
「ああ、このヒヨコのおつかいついでだ」
「ではキッチンに行きましょうか」
ということでみんなでキッチンへと向かう。
仕事?天下のスプリングフィールドさんがいるんだぞ。秒よ秒。
◇◆◇◆◇
「スプリングフィールド。スコッチをロックで頼む。ツマミはまずはガーリックシュリンプで頼む。で、コイツラには適当に見繕ってくれ」
「私はまだ仕事もあるし飲まないよ」
キッチンの時計は十二時を指して少ししたところだろうか。
先生も良い時間ということで昼食と相成った。
「おまたせしました」
そう言ってスプリングフィールドは料理をみんなの座る卓に持ってきた。
サオリたちアルコールを飲まない人たちにはナポリタンに、バケット、サラダ、カフェオレと喫茶店のランチと言った料理が並び、コルトウォーカーの元には目当てのガーリックシュリンプに、スモークサーモン、レバーペースト、クラッカー、カシューナッツが並んだ。
「そして、スコッチのロックです」
「おお、待ってたよ!」
そしてみんなで食べ始める。
さすがスプリングフィールドと言うだけあってたっぷりのトマトソースで味付けられたナポリタンはトマトの酸味と旨味がよく効いていて、パラッとかけられたパルメザンチーズの塩気が美味しさを引き立たせており、年頃の少女たちにとってはちょうど良い味付けのようであった。
具材もウインナーにピーマン、タマネギとシンプルながら完成された組み合わせである。
コレにはケチを付けるほうが難しい一品である。
同様にバケットもバターが塗ってあるだけのシンプルな仕上がりだが、パリッと言う音とともに濃厚なバターがしみた生地を口に放り込めばそれだけで満足である。
サラダもフレッシュな野菜を包丁やまな板の使いまわしなくカットしているため、変な味や風味が着くこともなく、さっぱりとしたドレッシングとともにナポリタンで濃くなった口を落ち着かせてくれる。
そして、カフェオレ。
彼女のこだわりにこだわり抜いた製法で入れられたコーヒーにこれまたこだわり抜いた手順を経て入れられたミルクをあわせたカフェオレはいくら舌の肥えたものも満足させる出来である。
『…………!!』
人間美食に言葉はいらないと言うがまさしくそれである。
アリウス時代にあまり良いものを食べられなかったのもあるが、それでも彼女らの心をスプリングフィールドの料理は強く打った。
四人はあっという間に食べ終えると全員皿を差し出した。
おかわりである。
スプリングフィールドはそれを受け取ると再びキッチンに戻っていった。
先生?あの人は食べすぎると眠くなるとか言っておかわりはしてないよ。
決して最近太ってきたとかじゃないんだよ。
「スプリングフィールドの飯は一流も一流だろう?こんな美味いもの山海経やトリニティのお高いレストランでも口に入らないぞ」
「うん……とっても美味しい」
「生まれてからこんな美食は食べたことが無いな……!」
「………美味しい」
「うわぁ〜ん!私ここでたらふく食べさせられてから太ったところを食べられちゃうんですぅ〜〜〜!!」
約一名なんかおかしなことを言っているが放置してコルトウォーカーはウイスキーを飲み進める。
まだまだ氷が溶けてない内は悪酔いを防ぐ意味も込めてスプリングフィールド謹製のガーリックシュリンプを肴にする。
しっかりワタも抜かれ下処理も完璧なプリップリのエビを、自身が来る前からガーリックソースにじっくり漬け込み、それをバターと塩、コショウで焼いたものがマズイわけがない。
よく効いて、食欲を刺激するガーリックに、噛むたびにバリッと殻の音のするエビ。
コレだけでもう十分と言える。
そして油塗れの口の中をスコッチで洗い流せば脳内がスパークしたかのような満足感が襲ってくる。
そして、眼の前の午後も仕事を抱え酒の飲めない哀れな
なんだかんだでコレがたまらない。
大槻班長もそう言っている。
「これがマズイと言われれば、この世の料理はどいつもこいつも食えたもんじゃなくなるな」
続いてまだまだ氷は溶けていないため、クラッカーにはスモークサーモンやレバーペーストを乗せてカナッペで食べる。
燻製特有のスモーキーな薫りに、魚介の風味に旨味、そしてジャストな塩気。
役満である。
これを食べてマズイと言うやつはイギリス人か閻魔に舌を抜かれた者のみだろう。
レバーペーストも脂身やハツの血の塊など一切の余分な部分を取り除き、一切の異物の入っていないレバーとハツは半日ほどだろうか寝かせ、みじん切りのタマネギとニンニクとともに炒め、ブランデーで煮詰めて、煮詰まる直前の良い所で火を止め、ローリエやタイムを取り粗熱を取る。
それをフードプロセッサーでペースト状にしてブランデーとバターで味を整え、冷蔵庫で冷やす。
この大変な工程を経て出されたものは確実にコルトウォーカーの舌を唸らせた。
この二種類のカナッペがマズイだろうか?いやマズイわけがない。
やはりコイツをマズイと言うのはよっぽどの馬鹿舌か、まだ味覚の完成していない乳児ぐらいだろう。
「スモークサーモンとレバーペーストのカナッペ。これらを肴にウイスキーを昼間から飲む。これを至福と言うのだろうな……」
いい感じに氷が溶けてくるとツマミも変えるときである。
ウイスキーというものは氷が溶けてくると程よくマイルドになり、ツマミも変えたほうが楽しみも幸せも増える。
ということでコルトウォーカーがつまみ上げたのはカシューナッツ。
程よい香りにクセのなさ、ほのかな甘み。
さっきまでのとは打って変わり優しい味わいのツマミは氷の溶けてきたウイスキーには完璧に合う。
水魚の交わり、断金の交わりと言う言葉があるが、氷の溶けたウイスキーとカシューナッツ。
これらも先程の故事成語にピッタリのコンビである。
それに残ったクラッカーのほんのりとした塩気もこれはこれで合う。
「くぅぅぅ〜!至福の一時………!」
アリウススクワッドの面々特にヒヨリも満腹になり、コルトウォーカーの口と胃も満足を訴えた。
そろそろランチタイムは終わりのようである。
コルトウォーカーもショットグラスから、コーヒーカップに持ち替えスプリングフィールドのオリジナルブレンドを嗜んでいた。
”………うぅぅ………”
そんな幸せいっぱいの空間で一人先生は泣いていた。
自身の真横であんなに美味そうに酒を飲まれては自身も飲みたい。
だが仕事がそれを許さない。
そんな二律背反の感情に揉まれ先生は泣いていた。
◇◆◇◆◇
さて、そんなこんなで昼食会もお開きと言う所で乱入者がやって来た。
「おい!ウォーカー!スプリングフィールドのツマミを食べに行くなら私にもひと声かけろ!!」
「そうよ!しばき回すわよ!」
シャーレのドアを破ってきたのはM16にウィンチェスターM1887。
「私もいますわよ!先生!その方見た所フウカさんに匹敵する料理の腕と見えますわ。なのでしばらくお借りいたしますわ!」
ハルナもいた。
酒カス、そのおまけ、美食テロリストの三人は自身が壊したドアのことなど知るかと言わんばかりにスプリングフィールドににじり寄る。
「……皆様方。食べるものにもマナーと言うものが存在するんですよ」
「少なくともドアを蹴破る。そんなマナーは聞いたことがありませんね。お覚悟を」
飛びかかった三人をスプリングフィールドは瞬く間に潰し、その愛銃の銃口を突きつけた。
「マナーを覚えてから、もう一度いらしくださいな」
『ハイ』
「よろしい」
「おお〜あのM16とウィンチェスターがしょぼくれて星座をしているところを見られるとはな!」
「貴女もですよ。コルトウォーカーさん?ドアは優しく開けましょうね?」
「ハイ」
この時アリウススクワットの面々は悟った。
この淑女にだけは逆らってはいけない、と。
蛇足になるが、この後しょぼくれながらドアを直した三人にカップケーキを配る淑女の姿があったとか。
そしてちゃっかりカップケーキにありついた姫がいるとかいないとか……
☆アリウススクワット(ブルアカ)
エデン条約編で色々暗躍していた部隊。
天然、ロイヤルブラッド、花粉症、うわぁ〜ん!からなる部隊。
ばにたすばにたす。
☆クマのヌイグルミ(ブルアカ)
ミサキの好きなモノ。
だが自身はひたすらに隠している様子。
☆先生(ブルアカ)
指揮官時代はカルトに九週間拷問されたり、踏みつけられたり、毒を盛られたり、コーラップス爆弾を落とされたり、列車砲を撃たれてもピンピンしていたのに先生になった途端銃弾ごときで倒れた軟弱者。
指揮官時代の戦闘力は5000(☆5人形を限界まで強化されて同等ぐらい)だが、先生になった途端5になった人。
トレーニング部で鍛えてもらえ。
コルトウォーカーは過去が過去のため、アリスクには結構気にかけており、仕事を優先的に回したりとかしていたりする。
はい、飯テロ回でした。
これを読み終えたら鍋を振りに行きましょう。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。
次回は筆が乗り次第。
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デスメタルは至高です!
ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?
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両方やっている!
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ブルアカはやっている!
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ドルフロはやっている!
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昔両方やっていた!
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昔ブルアカやっていた!
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昔ドルフロやっていた!
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両方やっていない!