月光がキヴォトスを妖しく照らす夜。
ミレニアムサイエンススクール自治区の外れの廃墟。
そこにはメイド服を来た少女たちの姿が五つあった。
「んじゃ、行くぞ」
チラホラと雲が月を遮り、視界も暗い中少女たちは廃墟へと足を踏み入れた。
◇◆◇◆◇
時は数日前へと戻る。
この日セミナーの怒りも悲しみも因数分解できる人早瀬ユウカと生塩ノアはC&Cの部室を訪れていた。
訪れた理由は紅茶を飲むことではなく、任務である。
「ここ一週間、ミレニアム自治区の外れにあるこの廃墟で肝試しに行った生徒たちを皮切りに謎の人物の目撃情報が多数寄せられています。なんでも幽霊を見たとかなんとか……」
「幽霊だァ?んな非科学的なモン、よりにもよってミレニアムの連中が信じてんのか?」
ノアの話に懐疑的な見方を下のは美甘ネル。
言わずとしれたC&Cのコールサイン00にして約束された勝利の象徴。
「確かに幽霊とは中々きな臭いですね……」
爆弾魔室笠アカネもパッとは信じきれないようである。
「確かにきな臭いけど、アリスちゃんの例がある以上、なにかあるのかもしれないわ。ということで調査をお願いするわ」
そんな意見を認めつつもユウカはアリスの例もあるため、廃墟への調査をお願いする。
まぁ、C&Cとしてはセミナーから言われた以上よっぽどのことがない限り断る道理もないわけで任務については承諾し、軽く情報を集めてから乗り込むことにするのだった。
◇◆◇◆◇
アリスが見つかった廃墟を歩く。
例の幽霊を求めて歩く。
なんでも彼女らの調べによるとその幽霊に会った生徒によればなんでもライムグリーンの眼に睨まれ、気づいたら廃墟の外にいたとか。
中には声を聞いた生徒もいるようで、その生徒たちは口を揃えてこういったそうな。
『
そんな情報を元に彼女たちは幽霊の正体も定まらぬ中暗闇へと足を運ぶ。
「これ……最近使ったようですよ」
視界も定まらぬ暗闇を銃のフラッシュライトを頼りに歩く中飛鳥馬トキがひょいと拾い上げたのものは乾パンの缶である。
中にはまだ少しの乾パンが残ってはいる。
それも大事だが何より埃が付いていないのである。
「埃のない缶。やはり誰かいるのか……?」
ボソリと角楯カリンが呟く。
周りの面々もコレは幽霊なんかではないと思い始めたようである。
「あっち、なんかいると思う」
そんな中一ノ瀬アスナがアリスの眠っていた部屋のある方へ指を指した。
天性の勘の持ち主の彼女がそういったため、手がかりもロクにないことも考え一同は指の先へとそろりそろりと足を踏み出す。
そしてアリスの眠っていた部屋の前の部屋にネルが足を踏みれた瞬間、嫌な感覚が脚にはしった。
「退避ッ!!」
ネルが声たかだかにそう叫ぶ。
そう叫んだ瞬間ネルたちの視界が爆ぜた。
ブービートラップである。
ただ、ワイヤーを踏めばボカンの。
だが視認性最悪のこの空間では非常に厄介なトラップであった。
「そこだなッ!」
しかしネルの視界には爆ぜたフラッシュバンの光により、人影が一つ見えた。
そこに光の壁を超え肉薄を仕掛けた。
彼女の二丁の銃から襲いかかる弾丸の雨は何者かのいたところへ降り注ぐ。
「待ってください!」
ふとそんな声が何処からか聞こえた。
それを聞いたC&Cのネル以外の面々は銃を降ろした。
「なに銃を降ろしてんだ!敵はそこだ!」
「いやリーダーが待てって」
「んなこと言ってねぇ!フラッシュバンで耳をやられたか!?」
何やら不可思議なこともあり、少々メンバー間のテンポが合わなかったが彼女らも伊達に約束された勝利なぞ言われていない。
すぐに立て直し、何者かを探し始めた。
「ひとまず眠らせましょう。話を訊くのはそれからでも遅くありません」
そんな室笠アカネの一言により状況は一層緊迫し、サーチアンドデストロイと言わんばかりである。
「そこッ!」
アスナが突如発砲。
すると向かうもお返しと言わんばかりに発泡し、弾はアスナの銃のフラッシュライトを壊し、ついでと言わんばかりにアカネ、カリンのフラッシュライトも壊す。
コレでトキとネル以外は明かりが潰され音で探るしか無くなった。
この暗闇でその
「次はそこッ!」
それでもアスナの勘だけはどうしようもなく、この暗闇の中でも容赦なく銃を撃つ。
「ッ!」
アスナの銃撃を掻い潜り、ついに幽霊はネルのツインドラゴンの片方を落とした。
「動くなッ!」
そしてそのままフラッシュライトで位置がわかるトキの首筋に後ろからナイフを当てた。
「誰が聞くかよっ!!」
が、しかし銃を飛ばされたネルが暗闇に目が慣れたのか今までより遥かに研ぎ澄まされた動きで幽霊の背後をとった。
そしてそのままネルの拳が幽霊めがけて振り下ろす。
「甘いッ!」
その拳は空を切り、トキを脚で蹴飛ばすことにより自由になった幽霊はネルそっくりの声と共にネルの腕を掴むが、やはりネルもただで掴まれる気は無くそのままその幽霊を起点に飛び上がり天井を突き破った。
もともとボロい天井はネルの一撃で崩れパッと月光が暗闇を照らした。
『………ッ!』
その月光により照らされた幽霊の正体を見てC&Cの面々は息を飲んだ。
幽霊と言う割には脚もしっかりあり、人にしか見えない。
顔は異常なまでに整い、金の髪は異様に照らされ、服装は自分たちと同じメイド服、ナイフの如き眼は自分たちのリーダーを想起させる。
これには天井を蹴り破ったネルも着地が怪しくなる。
「リーダー?」
ポツリとアスナが呟いた一言はC&C全員の総意のような一言であった。
髪色と眼の色は違うが、まさにネルが失われた成長期を取り戻し、成長した姿と言われれば納得するほどの姿である。
「おいアンタ、誰だ?」
しかしC&Cも修羅場をいくつもくぐり抜けてきた身、すぐに冷静になり幽霊を取り囲んだ。
ネル、アスナ、トキが三人で銃口を向け囲み、カリンは光でようやく見えるようになった廃墟を動き、スナイプポイントからライフルの射線を頭に合わせ、アカネは周囲の警戒と好きのない布陣である。
流石にこの布陣を突破することは一人では難しいようでその幽霊はアサルトライフルを地面に置き、両手を頭の横でひらひらとさせた。
「ネイトではないようですね……見たことないマークですが所属は?そしてここの施設は?」
とうの本人は質問には答える気もなく、逆に質問に質問を返す態度である。
この態度を見てこれでは埒が明かないとアカネが答えた。
「私達はミレニアムのC&Cです。ここにはとある調査でやってきました。ここはただの廃墟。あなたの言う施設というものは奥の部屋のことですか?」
「ええ、AL-1Sと刻まれた台座の部屋です」
「そこならもうなんの施設でもありませんよ。ただの廃墟ですよ」
「そうですか……わかりました。で誰と訊きましたか?」
「はい。この施設はもう機能を閉ざしたと言えばそうですが、ここにいた以上少々身分をはっきりさせたいので……」
そんな風にアカネと幽霊がコミュニケーションを取る間にも残りの面々は関係機関との連絡を取っていた。
カリンはセミナーに、トキは失踪しているリオに、アスナはシャーレにと。
それを見て幽霊も何かあると感じたようでその目を更に鋭くさせアカネを見た。
「………グリフィン&クルーガー所属のGr. G36です」
ついに幽霊の身元が割れた。
それを聞いたC&Cは今キヴォトスで増えている戦術人形だと思ったのかとりあえず着いてきてもらうよう言ったところ、幽霊…改めG36は了承。
まだフラッシュライトが生きているトキを先頭に廃墟の外を目指した。
◇◆◇◆◇
”お疲れ様、G36。一週間も廃墟にいたんだって?”
「はい、鉄血やパラデウスの施設かもしれませんので……」
”大丈夫だよ。その施設はみんなの言う通り、機能は停止しているからね”
「ならよかったです」
廃墟の外につくと呼び出しを食らったセミナーやついでに連れてこられたペルシカなどがおり、そのままミレニアムへと直行し、G36は素体の検査ということでエンジニア部へと連れて行かれた。
その後、いつの間にかいたセミナーの会長のリオや超天才以下略のヒマリなどの面々からの事情聴取の最中、アスナからのモモトークで叩き起こされた先生がやってきた。
で、今に至る。
「もう一度訊くけど、あなたは目が覚めたら廃墟にいて、失われた神々とは一切の関係はないと」
リオがそう詰問する。
事情が事情なだけにそこはしっかりしていきたいようである。
「はい、一切の関係はありません」
「そう、ならいいわ。処分はこの子たちに任せるわ」
「ちょちょっと!?会長!?」
そう言うとリオは席を立ち、後輩たちの止める声も無視しとっとと部屋を出ていってしまった。
まだ、気持ちの整理は済まないのだろう。
「ところで……ここは何処なんです?」
そんな中G36が今まで思っていたことを打ち明けた。
そう言えば誰もここが何処か教えてないのである。
みんな訊くだけ訊いていただけなのである。
”あはは……そう言えば言ってなかったね。ここは学園都市キヴォトスだよ”
「聞いたことがありませんね。具体的には何処のグリーンゾーンですか?ロ連ですか?」
”うーん……そもそも世界が違うのかな?異世界って言うべきかな?”
「……頭が痛くなってきました」
”うん、まぁ、そうだよね……詳しいことは後でAK-12ぐらいにでも聞いて。特異現象捜査部というところにいるから”
先生自身、はじめは混乱していた身。
ここで情報の濁流をぶつけても処理は難しいだろうから、落ち着いたら詳しいことを誰かに聞いてもらうことにした。
「AK-12ですか……彼女もここに?」
「そうですよ。あのAK-12はこの超天才清楚系澄み切ったミネラルウォーターの如き病弱美少女の私のもとで働いてもらってますよ」
ひょっこり口を挟んだのはヒマリ。
例の余裕綽々な笑みは通常運転である。
「あのAK-12の手綱を握っているのですか」
これにはG36も素直に感動である。
「まっ、部長としょっちゅうしょうもないことで喧嘩してるけどね」
「そういうことは言わなくていいんです!それにあの女、全智の私よりも優秀とは……片腹痛いですね」
何いってんだこいつとでも言いたげな目でエイミがそういう。
まぁ、あの二人の性格を考えればこうなると先生もセミナーの面々も苦笑いしている。
「ああ、そう言えばご主人様?このG36だっけ?どうするんだ?」
ふと思い出したかのようにネルが訊いた。
”ん?G36がしたいようにしていいよ”
「と、言われましても……」
それはそうである。
”なら、ネルたちがいいのならC&Cにいたら?結構気が合うんじゃない?メイドどうし”
「なら来るか?」
「……ではそうしましょうかね」
「うーん…やっぱリーダーと声そっくりだね。目つきもそうだし」
「……ああ、似てるな」
C&Cの面々も嬉しいそうである。
それよりもよく似た声と目に気がいくようである。
「ではこれからよろしくお願いします」
無事にG36の処遇も決まったところでAN-94がやってきた。
「ヒマリ、例の調査結果がでたぞ……おお、久しぶりの顔だ。たしかG36だったか?」
「そうですよ。お久しぶりですねAN-94」
「ああ、久しぶりだな」
「そう言えばあなたとAK-12は特異現象捜査部にいると聞きましたが」
「そうだぞ。そういうG36はC&Cか?」
「そのとおりです。これからお願いしますね」
「ああ、こちらこそだ。ところで……G36はこの前のビーチでAK-12に何があったか知っているか?」
ここでAN-94がAK-12がひた隠しにしている事実に触れた。
あの後先生もスプリングフィールドも教えてくれず、ペルシカや他の人形に訊いても知らないという返事で随分気になっている様子。
「ええ、知ってますよ」
「知ってるのか!?指揮官もスプリングフィールドも教えてくれないんだ!」
「あのAK-12が気にすることと言えば間違いなくかきg「待ちなさいッ!!」……おっと」
何処からAK-12が跳んできた。
そしてAN-94はそのキラキラした目のハイライトを消し倒れてしまった。
ハァハァと息を切らしているAK-12は室内の面々を睨み一言。
「この件に付いての詮索は不要よッ!!」
おそらくAK-12がメンタルをハックして機能を停止させたであろうAN-94を抱きかかえる。
よっぽど知られたくないのだろう。
が、それはヒマリにとっては珠玉の強請りのネタである。
「まさか………食い意地をはってかき氷を食べて頭を痛めた……そんな愚かなことではありませんよねぇ」
「え、ええ!そんな愚かなことはしないわよ!」
「そう言えば部長もこの前……「その話は今はしなくていいです!」……似た者同士だなぁ」
そんなエイミの一言はこの場の皆の総意のようであった。
☆小清水亜美さん
ネルの声、G36の声を担当している声優。
コナンの長野県警の上原刑事の声もこの人。
☆廃墟(ブルアカ)
なんか無名の司祭がどーたらな場所。
詳しくはブルアカ本編で
☆G36の目(ドルフロ)
別にネルみたいにヤンキーなわけではない。
ただ視力が悪いだけ。
ロボットなら性能を良くしろよとかそういう話はしてはいけない
元ネタはおそらくG36の三倍スコープがすぐぼやけることから。
☆ネイト、パラデウス(ドルフロ)
詳しくはドルフロで。
まぁ、無名の司祭みたいな立ち位置の奴ら。
AK-12とか言う車椅子のないヒマリ。
G36とか言う身長が高くてヤンキー成分を抜いたネル。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。
次回は筆が乗り次第。
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ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?
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両方やっている!
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ブルアカはやっている!
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ドルフロはやっている!
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昔両方やっていた!
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昔ブルアカやっていた!
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昔ドルフロやっていた!
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両方やっていない!