キヴォトスで地区を行き来する時、脚を持たない生徒からすれば電車が一般的だが、脚を持つなら高速道路も悪くない。
一般道よりも速度を出せ、窓を開けて風を浴びれば嫌な事も吹っ飛ぶ気持ちよさである。
まぁ、ハイになりすぎてスピードを出しすぎたり、事故を起こすのはいただけないが……
それはいいとしてシャーレの先生も車を持つ側の人間である。
エンジニア部がいじりにいじったポンドカーもびっくりなおもちゃ箱でじゃじゃ馬だが、案外手綱が握れれば愛着が湧く暴れ馬である。
まぁ、その手綱が握りにくいのだが。
元の車はおそらくトヨタのクラウンか何かのセダン車である。
そんな先生の愛車のハンドルを今日はスプリングフィールドが握っていた。
先生は書類という名の雪崩に飲み込まれてしまったようである。
R.I.P
さて、スプリングフィールドが向かうはトリニティ総合学園。
例のクーデター騒ぎから日が経ったにせよ、まだまだ完全には落ち着いていない。
そんなまだ残る問題の解決のためスプリングフィールドが出向くわけである。
「たまにはハイウェイを飛ばすのも良いものですね」
車内にかかるクロノスのラジオをBGMに滑らかなハンドルさばきでD.Uからトリニティにかかる高速道路をトリニティのインターチェンジを目指して進む。
そんな気持ちいいドライブに水を差すかのように二台の車が横を抜けていった。
前の車からは後ろの車への銃弾が飛び、後ろの車―パトランプを鳴らすパトカーは前を走る車を壊すかのように体当たりを仕掛けている。
随分派手なカーチェイスである。
そんなことを思いながらスプリングフィールドは一応先生の車を運転しているため、巻き込まれないようにスーッと後ろへと下がる。
その瞬間である。
前の車の窓からおもむろに後ろに向けられたロケットランチャーが火を吹いたのは。
放たれた弾はパトカーに着弾。
そしてパトカーは爆炎と共に爆ぜた。
スプリングフィールドはなんとか爆発に巻き込まれまいとハンドルを切り、なんとかボディに破片が飛んでくる程度の被害で済んだ。
車を止め、ハザードランプを付け、停止表示器材を後方へと置きパトカーへと駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
見事に横転したパトカーから何かが這ってきたため引き出す。
腕を掴み引っ張ると長い耳がひょっこりと見えてきた。
そのままよいしょと車から引っ張り出す。
「あ、ありがとうございます」
引っ張り出されたのは尾刃カンナ。
ところどころ怪我があるものの無事なようである。
それと同時にもう一人出てきた。
「私も助けてよー!スプリングフィールドさんのケチー」
ひょっこり這い出てきたのはP2000。
どうやらあのあらっぽい運転はこの子のようである。
「あら、すみません」
「まぁ、私は爆発の際外にはじき出されたからね。自力で出れたわけだけど」
P2000がそんなことを言っているとカンナが話しかけてきた。
「すみません!お車お借りできますか?」
「あれを追うんですね?」
「はい。ですのでどうか」
「どうぞどうぞ。ですけど私のはじゃじゃ馬ですよ」
スプリングフィールドが鍵は刺さってますと続けるとP2000とカンナはスプリングフィールドにお礼を言ってから車に乗り込む。
そしてシフトレバーを動かしアクセルを踏むとキュルルと音がなる。
「ターボチャージャーだ!にしてもこんな車に乗る趣味あったんだ、スプリングフィールド。意外だね〜」
「過給器の音か。にしても大きくないか?」
「だね〜。ここまで来ると趣味だよね〜うおっと!」
スプリングフィールドの乗っている車はじゃじゃ馬である。
言われていたが所見で少し驚いたようだ。
「言われてた通りのじゃじゃ馬だね〜!」
警察組織にいた彼女がグリフィンに来た理由はドライビングテクニックを警察で潰さないためである。
そんな彼女の手にかかればこのじゃじゃ馬の手綱も握れるようである。
「借り物だ。壊さないでくれよ」
「わかってる!さっきのは流石に読めなかっただけだよ」
「この先はトリニティのインターだ。そこまでは一本道だがそこからは道が分かれる。そこまででかたをつけるぞ」
そう言うとカンナは事故処理のために人員を呼び、自身は車で逃走者を追い始めた。
◇◆◇◆◇
インターまで400mを切った。
針が160を指すスピードで高速を彼女たちは走る。
160出しても事故を起こさないのはひとえにP2000の運転スキルの賜である。
「この先インター!どうする!?」
「インターに配備された生徒からの連絡はない、このまま高速を走れ」
「了解!」
「この先はトリニティ南東地区のジャンクションですよ」
「うわぁっと!!スプリングフィールドさん!」
「どうもです」
「どうしてここに!?」
後ろから声がしたためルームミラーを覗くと後部座席にはこの車をさっきまで運転していた運転手がいるではないか。
「ほらほら、運転が乱れていますよ」
「う、うん」
「で、どうしてここにでしたか?まぁ、車を貸してしまって脚がないものでして。なら乗りましょうかということで」
さも当然ですよと言わんばかりのスプリングフィールドにカンナもP2000も思わずえぇと漏らしてしまった。
が、P2000は内心心強かった。
グリフィンでお世話になっていたスプリングフィールドがいるという事実は彼女に安定感をもたらした。
「そう言えばスプリングフィールドはシャーレにいるんだっけ?」
「そうですよ。今はシャーレの職員ですよ」
「なんだかんだ指揮官のそばにいるよね」
「そうでしょうか?」
「またわーちゃんとかが妬くんじゃないの?」
「どうでしょうね?」
追跡中の雑談にフフフと淑女は答える。
「ところで、また警察組織に?」
「うん、こっちに来た私が初めて出会ったのがこのカンナさん。それからは成り行きだよ」
「こっちはお前を保護してしまったばっかりに戦術人形を結構押し付けられたがな。それも問題児ばっかり」
カンナは仕事を増やしやがってと言わんばかりの目を隣に向けながら言う。
そして愚痴を言うかのように言葉を続けた。
「Super−shortyはまだいい。VSK-94は低身長のものに向ける目線が怪しいし、お前はパトカーをすぐダメにする。そしてM870は自分ルールで取り締まる!まだいるが何にせよ責任は部長の私に来るんだぞ!ハァ……」
「……アハハ」
コレにはP2000も自覚があるのか苦笑いで返す他無かった。
「では、カンナさん。こんどシャーレに来てくださいな。私達の友人がお世話になっているようなのでご馳走させてください」
にこりと微笑みスプリングフィールドがそう言う。
カンナはありがとうございますと一言言うがやはり彼女の腕を知らないとこのような反応になる。
その点P2000は行きたい行いきたと首をブンブン振っている。
そんな平和な会話も長くは続かず……
「前方にターゲット発見」
「ジャンクションまでに仕留めるぞ」
スプリングフィールドも空気を読んでだまり、前の二人は真剣な眼差しへと変わった顔で攻勢を仕掛けた。
向こうも気づいたようでまた撃ち合いになる。
相手はSMGを使い圧力を掛けるが、スプリングフィールドの乗っている車は特別製、9mm弾なぞ聞かぬと防弾装甲が弾を阻む。
それをみて相手も不利と悟ったのか、またロケットランチャーが出てきた。
反射的にカンナも乗り出していた身を車へ戻し、回避を告げる。
「同じ手は食わないよッ!」
だがここは華麗に間一髪P2000が避けた。
弾頭は後ろへと逸れ、中央分離帯で爆発を起こした。
「掛かれ!」
これは好機とP2000の攻勢も強まる。
これが人の車かなんかは知ったこっちゃないと派手にぶつけに行く。
そんな様子を見て相手も焦り、ロケットランチャーを前に向け撃った。
今度は高速のフェンスにあたり、穴を開けた。
そして、逃走車はそこから下を走る一般道へと飛び降りた。
「まずい!一般道へ降りた!」
P2000も思わず大声を出す。
叫びながらも後を応用に車体をぶつけながらも飛び降りた。
だがカンナは焦った様子を見せる言った。
「P2000。いいか、今から私の言う通りのルートで運転しろ!いけるな?」
「大丈夫!行けるよ」
それにP2000は頼りになる答え方をする。
それを聞くとカンナは頷き何処かへと電話をかけ始めた。
◇◆◇◆◇
「そこを右だ!」
「今度は左だ!」
カンナの指示は逃走車を愚直に追うのではなく、先回りなどを編み込んだ指示である。
ときには車が通れないような隙間を通り、逃走車を追う。
「目的地は?」
思わずP2000が言った。
「この路地の出口だ。トリニティというところはトリニティ総合学園を中心に道が伸び、円形の都市を描く。で、今いるのはその路地だ。ここの出口はいくつかあるがトリニティの総合学園の近くに一つある。そこに奴らを追い出す」
「なるほど。そこをハサミにするんだね」
「ああ、人員にも限りがある。なら一箇所に力をかけて潰す」
「りょうかい〜!」
そんな会話を聞きスプリングフィールドも思わず感嘆の声を漏らした。
P2000はカンナのマッピング能力を信じ車を走らせる。
カンナはP2000の運転技術を信じ、おおよそ車の通る道じゃないところにも突っ込ませる。
互いが互いを信じ合わないとできないことである。
「そこを右で終わりだ!」
そんなカーチェイスも終わりが近づいたようで建物と建物あいだを車を横倒しで運転しながらカンナが言った。
その指示にしっかり応えたP2000。
そしてついに逃走車を挟んだ。
前にはヴァルキューレの検問、後ろはカンナたちの乗るセダン。
前門の虎、後門の狼である。
流石にこれでは降参……とは行かなかった。
伝家の宝刀、ロケットランチャーを前に向けた。
強行突破である。
そんなことは読んでいたとカンナもピストルを撃ち、タイヤをパンクさせるが以前ロケットランチャーは相手の手元にあり一発放たれた。
弾頭は検問へと着弾。
キヴォトス人には怪我ぐらいで済んだようだがやはり、突破はされそうである。
「ルーフを開いてください」
「う、うん!」
スプリングフィールドがそう言うとP2000は素直に従いルーフを開ける。
後ろでは銃を構える淑女の姿がバックミラー越しに見えた。
「ハンドルを固定」
「わかった!」
完全にルーフが開き、オープンカーとなるとスプリングフィールドは座席に立ち、アイアンサイトを覗く。
「止まりなさい」
弾丸が放たれる。
放たれた弾丸はオープンカーのため、遮るものは何もなかった運転手の頭へ命中した。
流石に丈夫なキヴォトス人といえど、頭にライフル弾が当たれば気絶するのかハンドルに頭をぶつけそのままアクセル全開で近くの壁へとぶつかった。
その様子を見てスプリングフィールドは冷静にボルトを引き、排莢し、座席に座り直し、脱いでいたブーツを履き直した。
そしてさも当然かのようにP2000たちに言った。
「ほら、お二人共。犯人逃げようとしていますよ」
これ以上は逃さんとばかりにカンナが飛び出し、逃げ出そうとしたもう片方を取り押さえた。
横ではP2000が運転席で気絶している方に手錠を掛け、引っ張り出していた。
こちらも手錠を掛け終えたカンナが犯人を引っ張り車を降りたスプリングフィールドの元へやってきた。
「ご協力、感謝します。食事はまた今度お伺いします」
「じゃあ私は今から〜!」
「お前は調書作成にまだパトカーを壊した始末書が終わってない。こい」
「やだやだやだ!」
犯人二人とP2000を引っ張りカンナはパトカーへと乗り込んでいった。
ヴァルキューレの面々も撤収作業に当たっている。
「おっ!スプリングフィールドがいたぞ!」
「ごちそうになるチャンスよ!」
「仕事は終わりだ!行くぞ!」
ふぅ、と一息つき、運転席に乗り込んだスプリングフィールドに続くように人影が3つ乗り込んできた。
すぱぱと後部座席に助手席を占拠したのは野次馬三人組のM16にウィンチェスターM1887、コルト・ウォーカー。
どうやら仕事でトリニティに来ていたようだが、ほっぽりだして乗り込んできた。
「先ほど仕事は終わりとか言ってましたが、大丈夫なんですか?」
「ああ、まだ期日までは十分ある。そんなことより飯を頼む。まだ昼食ってないんだ」
そう言えばチェイスに夢中でご飯食べてなかったと思ったスプリングフィールドはこの三人を引き連れ、シャーレへとハンドルを切って去っていく…わけなく、そのまま本来の用を済ませるためトリニティを引きずり回し始めた。
そんな昼下がりであった。
☆ヴァルキューレ(ブルアカ)
連邦生徒会の下部組織みたいもの。
警察業務を担っている特に校区とかのない学校。
☆Super-shorty、VSK-94、M870(ドルフロ)
前者二人はしっかりものだが、後者はヤベーやつ。
左からチビ、デッッッッッッッッ、メスガキ。
そう言えば何故かガチャ産ショットガンはSuper−shortyだけいないうちの基地。
いいネタがありましたらください。
ネタ切れなのは四六時中なのでください。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。
次回は筆が乗り次第。
ここから評価!
ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?
-
両方やっている!
-
ブルアカはやっている!
-
ドルフロはやっている!
-
昔両方やっていた!
-
昔ブルアカやっていた!
-
昔ドルフロやっていた!
-
両方やっていない!