ヘリはビナーから離れるように飛んでいく。
皆殺しにするなら手っ取り早く近くの錆びた鉄骨のにぶつければ良いはずだ。
だけど、ヘリは迷うことなくビナーから離れて飛んでいく。
ソレをみてビナーもこちらに狙いを定めているのかこのヘリを追い続けている。
普通なら引き寄せるだろう。
………まさか、第三者!?
つまり、誰かまた知らない誰かがヘリを操っている……?
ゲマトリアか……?
なら45によるクラックが成功してコントロールが戻る可能性もある……
”ネゲヴ、大丈夫かい?”
「ええ、私は大丈夫よ。にしてもコレはビナーからの攻撃ではないようね」
”うん、そう見ていいと思う……”
「なら随分めんどくさいことになりましたね……第三陣営の関与がある以上何処に何が潜んでいるかわかったものじゃありませんね……そして先生、ネゲヴさんはこちらで預かります。そろそろミカさんが視線で人を殺せそうなので………」
そう言うとスプリングフィールドがひょいとネゲヴを抱きかかえた。
なぜこのままだとミカが視線で人を殺せるようになるのだろうか……?
そんなことを思っているとヘリは止まり、上空でホバリングを始めた。
”全員、戦闘準備”
そんなことを言って、窓から下を見下ろす。
下は砂が吹き荒れ見にくいが、人影が見える。
そして、高度も下がり、降りれる高さになった。
”開けたら展開。人影は見たところ一人。行くよ”
私が扉を開けるとミカとネゲヴ以外の小隊のメンバーが飛び出し、砂嵐で見えない人影を囲む。
ネゲヴは私が支えながらマシンガンを、スプリングフィールドも自身の愛銃の銃口を人影に向ける。
「投降しなさい!」
スプリングフィールドの声が飛ぶ。
人影はそれを聞きゆっくりと手を上げてから何かを言った。
「……しき……ん……ひ……ぶり……す……」
聞き慣れた声が響いてきた。
”包囲崩さずこちらへ近づけて”
ガリルの銃口が人影の背中に押し当てられてその人影はこちらへと歩く。
徐々に人影もよく見えるようになって赤い袖が見えた時私は言葉を紡いだ。
”全員戦闘態勢解除。その人をヘリに乗せて”
「解除かいな!?」
”早く!ビナーが嗅ぎつける前に!”
ひとまず問答無用でその人影をヘリに乗せるように言う。
その人影はソレを聞くと嬉しそうにてこてことこちらに近づき、ひょいとヘリに乗った。
「お久しぶりです!指揮官!」
”ああ、久しぶりだね。ダンデライオン”
懐かしさを覚える赤のグリフィンの軍服に身を包んだM4の保護者である彼女がにへらと笑った。
それを言うとミカ以外は誰かわかったのかヒョイヒョイとヘリに乗るが、警戒は以前崩していない。
ミカは何が何がなんだか状態だが周りに合わせこちらもヘリへ乗った。
”じゃ、そろそろコントロールを返してもらえる?”
「わかりました」
そうダンデライオンが一言言うとシステムは元に戻ったのか、運転手の娘がシステム復旧と言っている。
そのままヘリは上昇し、撤退に舵を切り砂漠を飛ぶ。
非常に強力な助っ人となるかもしれない人物を回収して………
◇◆◇◆◇
数刻後、シャーレオフィスにて………
”みんな、反撃の糸口が見つかりそうだよ”
先生はネゲヴを呼んでいたペルシカの預けた後、ホシノたちが待つシャーレのオフィスへと向かった。
オフィス内は空気が重く、皆内心は反撃は厳しいとわかっているのかもしれない……
「先生!反撃の糸口って!?」
だからかその言葉にはすぐに皆食いつき、特にホシノは揺らさんばかりに先生を詰問する。
”落ち着いてホシノ。ダンデライオン、お願い”
ぐわんぐわんされている先生に変わり、ダンデライオンが口を開いた。
「ダンデライオンです。久しぶりですね、UMP45」
「ええ、久しぶりね」
「え!?私には何もなし!?」
「UMP9もお久しぶりです」
「久しぶりだね!」
出されたコーヒーをダンデライオンは一口のみ、みんなに向き直った。
「作戦はこうです!私があの大きい蛇にクラックし、システムを潰します。後は火力ですり降ろします!」
「45さんでもできませんでしたが、ダンデライオンはビナー…あの大きい蛇ですが、あれに電子戦を仕掛けられるんですか?」
アヤネが返す。
彼女らからすれば45が刃が立たないという事実は大きくのしかかっているようである。
「実は私も軽く見てみましたができないことはありません。あの時は状況もよくわかってなかったので指揮官のヘリをクラックして私を迎えにこさせましたが、見た限りでは喰らうことはできます!」
「でもあなたの専門は
45が厳しくもそう返す。
「大丈夫です。ニモゲンにエリザ、失格異性体と強力な個体はもう取り込んでますし、成長は十分しています。だから期待してもらって大丈夫ですよ!」
「言っておくけど、ツェナープロトコルはあの蛇にはないわよ。そこから崩すことはできないわよ。それにメンタルに侵入して私にしたみたいにUMP40の姿で語りかけることはできないわよ」
「だから、あの蛇は正攻法で崩します。正直見たことのないタイプのやつですがまぁ、崩すことはできます」
”と、いうわけだ。だから、ヒナたちと合流次第あのビナーを倒しに行くよ”
そういうわけでブリーフィングを終え、再び先生たちはヘリへと戻っていった。
◇◆◇◆◇
アビドス砂漠上空。
蛇が暴れまわる砂漠にヘリが三機、羽音を響かせ飛んでいる。
目標はもちろん、例のビナー。
そしてメンバーも増えたようで空崎ヒナに美甘ネル、HK416、G11、それにビークとベルーガの二人戦力面も厚みを持たせ先生たちは決戦の部隊へと向かう。
”頼んだよ。ダンデライオン”
「任せてください!五分でくらい尽くしますよ!」
「……先生、一応訊くけど、彼女で大丈夫なのかしら……あっ先生の決定に文句があるわけじゃないけど………」
二ヘラと萌え袖を振り回しながらそういうダンデライオンにヒナは少々不安を感じているようだ。
まぁ、確かに不安を覚えるのもわかる。
”大丈夫だよ。ヒナ。なんだって彼女は電子戦においてはグリフィンでも右に出るものはいないからね”
「そうですよ!ニモゲンもエリザも失格異性体も全部私が食べました。あのまな板じゃたどり着けない極地を見せてあげますよ!」
『へぇ……帰ったら覚えときなさい。
無線からは45のドスの聞いた声が響く。
そういや無線はオープンにしたままだったかと先生は思わず呟いた。
ちなみにヒナもダンデライオンの胸を睨みつけていた。
先生にもたれかかったムニュンと形をかえる胸を。
それから少ししたころ……
「指揮官!あの蛇をクラックできるところまで近づきました!五分持ちこたえて!」
ダンデライオンが金の目を光らせて声を張り上げた。
その直後、ビナーの攻撃が始まり、ヘリを落とさんと言わんばかりにミサイルを撃つ。
ヘリはそれを避けつつ、高度を下げていく。
「降りて!」
開けっ放しの扉からアビドスのアヤネとノノミ以外の面々と、ネゲヴ小隊、ミカ、ネル、ヒナと地上部隊が各ヘリから降りていく。
ベルーガとビーク、416とG11の二組はじめからバイクである。
「指揮官。よく見ておくのよ。スペシャリストの戦い方を、ねッ!」
ネゲヴが急造の代用の義足を付けて飛び降りた。
そのまま彼女は輸送してきた四輪駆動車に乗り、ビナーへと向かっていった。
◇◆◇◆◇
空に目を向ければ、ヘリからのノノミのミニガンとスプリングフィールドのライフルの弾がビナーに降り注ぐ。
地上へ目を向ければ、四輪駆動車が駆け、後部座席からはネゲヴのマシンガンを始めとした小隊の面々が己の愛銃でビナーを撃つ。
ヒナにネル、ミカ、ホシノ、ビークとベルーガ、416とG11は持ち前の機動力を活かし、相手を撹乱する。
二人のシロコとセリナ、それにUMP姉妹は何かを仕掛けるためにこちらもそれぞれ四輪駆動車を走らせている。
ヘリの中ではダンデライオンはシステムと喧嘩している。
まさに総力戦と言わんばかりの景色が広がっている。
そして永遠とも取れる5分の攻防の後、ダンデライオンが叫んだ。
『全体に告ぎます!!今からビナーの防衛システム及び、ミサイルを無効化します!!おそらく向こうの復旧は5分はかかります!ソレまでにケリをつけてください!!!』
叫ぶと同時にビナーの様子が明らかに変わった。
今までの洗練された攻撃は形を潜めなにかにもがき苦しんでいる。
それを確認すると今まで撹乱に尽力していた面々は一度ビナーから距離を置き始めた。
ヘリに目を向けるとスプリングフィールドとノノミ、先生はそれぞれ、無反動砲を担いでいる。
無線からはシロコの声がする。
『ん、3,2,1で行くよ。3、2、1、ファイア!!』
合図に合わせ、ヘリからは無反動砲が大きな砲声とともに弾頭を発射し、ビナーを囲むようにミサイルが地面から飛ぶ。
さっきまでシロコたちが仕込んでいたのはコレである。
ミレニアム謹製の遠隔の小型ミサイル発射装置である。
それに加えてビークのバイクからもミサイルが飛ぶ。
数にして数十のミサイルがビナーに着弾する。
黒煙がビナーを覆い、中の様子は見えない。
「ん、やったか?」
ここでシロコ、痛恨の戦犯。
んなこと言ったら八割方生きてるんだよなァ。
その証拠に煙を払うようにビナーが暴れる。
「もうひと押しだ!!」
ネルが叫ぶと今度こそ総攻撃が始まる。
四方八方から弾丸が飛び交い、一歩間違えればフレンドリーファイアも十分考えられる状況だが的が的なだけにビナーのみに弾丸が命中する。
先程までの苦戦は何処に行ったのか明らかに流れは変わった。
だがしかし、ビナーというものは随分装甲が硬いのか、徹甲弾相手でも脅威の粘りを披露し、倒し切るには至らない。
むしろ手負いの狼ほど恐ろしいものはないと言うようにビナーの暴れようは酷いものになる。
いくらミサイルが封じられたとは言え、あの巨体の尾を叩きつけるだけで十分な脅威となる。
『投下してくれ!弾倉が亡くなった!!』
『私もよ!もうコレで最後よ!』
『おじさんもチューブのに入ってる分だけだよ〜!』
『ケースレス、5.56NATO共にラストよ』
『こっちの12ゲージ、フラッシュバンも怪しい』
『マガジンポーチが底をつくわ!』
『投下します!!』
更には補給の問題も出てくる。
アヤネの合図とともに弾薬の補給がヘリから投下される。
だが、そうなると何処かで攻撃が途切れることとなり、タイムロスが生じる。
これはたかだか五分というタイムリミットにおいては大きすぎるロスである。
『残り一分。一分後にシステムが復旧します!』
ダンデライオンが冷たい現実を告げる。
その声とともにもう一度攻勢を掛ける。
空からは無反動砲が叩き込まれ、地上では数多の装甲弾が撃ち込まれる。
それが効いたのか、ついにビナーの装甲が壊れた。
純白の鎧は砕け、接合部が銃口向けられるようになった。
だが、タイムリミットも近かった。
『10、9、8、7……』
「言ったわよね……」
ダンデライオンの声が響く。
同時にネゲヴも何かを呟く。
ビナーの頭部や結合部に無反動砲が叩き込まれ、ビナーが地に伏せた。
『6、5、4……』
「次は必ず」
マガジンが尽きたみんなに変わり、ネゲヴがトドメと愛銃を放つ。
同時に最後のあがきとビナーが熱光線のチャージを開始する。
『3、2、1………』
「その頭」
ビナーの頭に徹甲弾が打ち付けられる。
『……0!』
「吹き飛ばすってねッ!!!」
ビナーの頭が爆ぜた。
ついにやったのだ。
あの忌々しい蛇を倒したのだ。
が、本当の本当の最後に熱光線が放たれた。
砲口はネゲヴの乗っている四輪駆動車に向いている。
「隊長!跳ぶで!」
すぐにガリルがネゲヴの体を掴んで横に跳ぶ。
ダボールもウージーも車を捨て跳んだ。
「ッツ!!!」
放たれた熱光線はネゲヴの足をかすめた。
だがそれだけで彼女は顔を歪めた。
それも仕方ない、かすっただけでも彼女の両足を持っていったのだ。
しかし、彼女は絶対に愛銃を離さなかった。
沈黙が確認されるまでは何があろうと武器は手放さない。
たとえ熱光線を撃ち込まれようと、彼女は銃から手放さなかった。
自身のスティグマモデル、ある意味では相棒とも言えるものを。
もう二度とあの人のように手放さないようにと。
『ターゲット沈黙!システムオールダウン!!』
ダンデライオンがそう一言言う。
その一言が彼女たちを安堵させた。
『”みんな、お疲れ様。撤収準備に取り掛かってくれ”』
先生の号令の元、3機のヘリがそれぞれ降りてくる。
硝煙臭さを勲章にみんなそれぞれヘリへと歩く。
帰りは行きはバイクできた組もヘリに乗るようで、ヘリのワイヤーに自身の愛車をくくりつけている。
そんな中、ネゲヴのもとには先生がやってきた。
”お疲れ様、ネゲヴ。よくやってくれた”
「ええ、まぁ当然の結果よ。でも、少々甘えたいかしら……」
”ではお姫様の仰せのままに”
ヘリから降りてきた先生が両足のないネゲヴを抱きかかえる。
どうしても赤ん坊抱きかかえるようになるが、逆に功を奏したのか先生の顔とネゲヴの顔が近づいた。
それを見てガリルは押せ押せと先生の見えないところからネゲヴに叱咤し、ダボールはお子様には見せられないと言わんばかりにウージーの目を隠す。
そんなウージーはダボールの手をどけようともがく……あっ絞め落とされた。
「そ、その……私………あんたを手ばな………手放す……手放さないから………いっ……一生………だ、だから……あんたも……放すんじゃないわよ………」
トリガーハッピーだろうか、普段なら言わぬような甘い言葉をネゲヴが吐いた。
コレにはガリルもダボールもエンダァァァァァァ!!である。
それに対し先生は………
”え?なんて。ゴメン聞こえなかった。悪いけどもう一度言ってくれない?”
ハァーつっかえ。
「くたばれッ!!!」
これにはネゲヴのマシンガン人形のフル出力での右が先生を襲うのも仕方ない。
「ガリル!おぶって!」
「任せとき。……自覚もてやスケコマシ」
「朴念仁も大概にしてほしいですわ」
続けざまにガリルの蹴りとダボールのグーが先生を襲った。
「うん、先生、それはないじゃんね」
「ええ、少し頭冷やしなさい」
「私から見ては流石にないぞ今の態度は……」
「うへぇー先生。それは殴られても文句言えないよ〜」
「ん、これは酷い」
「ん、ちびシロコに同じく」
「もう一発殴られときます〜?」
「アンタそれは酷いわよ!!」
「砂漠に置き去りにしますよ」
「頭大丈夫かしら?」
「うーん……それは家族とは言えないよ指揮官」
「むにゃぁ……夢でも酷いよぉ…おやすみぃ」
「あんたが完璧に悪いわ。呆れてもモノも言えない」
「M4にはそんな態度取るなよ。ケツの穴が増えることになるぞ」
「12ゲージのバードショットで蜂の巣かもよ〜」
「……まぁ、コレばっかりは擁護できませんよ」
「……指揮官。デリカシーなさすぎです!」
「クックックッ……流石にいけませんよ先生」
バンッ!!
この対応には皆流石に呆れたのか一発先生を殴ってから各々ヘリへと乗り込んでいく。
さっきまでネゲヴに殺意の目線を受けべていた生徒たちも流石に同情したのか先生をボコってヘリへと乗った。
ヘリの中ではパイロットからも冷たい目線を向けられる先生であった。
”ええ……なんでぇ?”
「まっ、反省してくださいね。先生」
「ですよ〜男の人ならクルーガーさんみたいな紳士になりましょうね〜」
そんな周りから総スカンな朴念仁を見て、二人スプリングフィールドとダンデライオンは話し相手になっていた帰り道であった。
☆ダンデライオン(ドルフロ)
キヴォトスには最強格がうじゃうじゃいるが、ドルフロの最強格を上げるなら大体の指揮官は彼女の名を上げるであろう人物?
その理由としては圧倒的なハッキング能力にある。
作中最強の兵器の一つでもあるバラクーダを支配下における程度には化物スペック。
そして何よりOGASを共食いの容量で取り込み、能力を自身もモノにできるため、エロ絵御用達の触手を操ったり、EMP系の衝撃波を放てたりする。
よってR-18方面のスペックも高い。
余談だが、最強各をクルーガー社長という人もいるがこちらもあながち間違いではない。
☆ニモゲン、エリザ、失格異性体(ドルフロ)
左からネイトの上位個体、鉄血の最上級AIにして鉄血のラスボス、
要はバケモノ、バケモノ、バケモノ。
更に言うとドS、ボクっ娘ロリ、指揮官のスマホをリアルで破壊してくる系ボス。
☆OGAS(ドルフロ)
ドルフロに登場するAIにして傘ウイルスとか言うやべーウイルスの大本。
人形や機械に寄生するが、大体誰も適合できないが、M4だけは適合できた様子。
適合ではないがUMP45のように共生して自身のスペック向上に役立てている人形もいる。
ちなみダンデライオンはM4のOGASが実体化した姿。
ビナーを含むデカグラマトンもOGASとかネイトとか鉄血とかエトセトラも………ブルアカもドルフロも設定がややこしいんですよねぇ!
わかんなこと多すぎなんですわ。
というわけでなんにもわからないなりに書きました。
あともう一話後日談を書いてダンデライオンの話は終わりです。
次話はドンパチしません。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。
次回は筆が乗り次第。
ここから評価!
ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?
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両方やっている!
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ブルアカはやっている!
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ドルフロはやっている!
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昔両方やっていた!
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昔ブルアカやっていた!
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昔ドルフロやっていた!
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両方やっていない!