ドールズ・アーカイブ   作:あっぷる⤴ぱい⤵

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物語は佳境へ。


動き出した陰謀と抗う者たち

完成式典の夜。

 

『ティーパーティーフィリウス分派首長、桐藤ナギサ氏、療養。政務復帰には時間を要するか』

 

クロノススクールが報じたニュース。

その知らせはトリニティを駆け巡った。

エデン条約でいくらかティーパーティーの求心力が低下したと言っても腐っても三大校の一角を占めるマンモス高校の生徒会である。

その権威は未だ十分にある。

そこトップの一角が倒れたわけである。

このニュースがトリニティに与える影響は底しれないだろう。

 

そんなニュースが話題になっている頃、正義実現委員会の一部隊はマルティニ・ヘンリーのクレー射撃場を取り囲んでいた。

 

「いいんすか?こんなことして」

 

「仕方ありません。我々は所詮ティーパーティーの傘下。歯向かうことは公にはできません」

 

「ハァ……わかりましたっす。総員、取り掛かってくださいっす」

 

正義実現委員会の仲正イチカの指示の元、正義実現員会の黒いセーラーをまとった少女が建物の中へと入っていった。

数十分後彼女たちは一人の少女に手錠を嵌め出てきた。

 

「桐藤ナギサ!?知らないわよそんな人!会ったことは…あるわね……!けど毒なんか盛ってないわよ!」

 

マルティニ・ヘンリーである。

彼女の持つマルティニ・ヘンリー銃は正実の少女に六丁全て抱えられている。

そのまま彼女は正実の手によって連行されていった。

桐藤ナギサに毒を盛った容疑者として。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

同時刻、正義実現委員会はもうひとり、身柄を拘束していた。

 

「百合園セイア様。お話を伺いたいのですが……」

 

「ああわかっている。ナギサに毒を持った件だろう?すぐ行くよ」

 

ティーパーティーサンクトゥス分派首長百合園セイアはマルティニ・ヘンリーに協力したとして拘束。

こちらも随分スムーズな動きであった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

”わかった。ありがとう”

 

そんなとき、先生は出ていた電話を切り、スプリングフィールドに向き直った。

 

「首尾は上々のようですね」

 

”うん、明日にでもニュースがキヴォトス中を駆け巡ると思うよ”

 

「そう言えばゲヘナなど他勢力の抑えは大丈夫ですか?」

 

”うん、コルト・ウォーカーが抑えてくれるよ”

 

トリニティ自治区に構えたM16たちのセーフハウス。

そこに先生とスプリングフィールドの姿はあった。

アリウススクワッド、M16、ウィンチェスターM1887はそれぞれ各勢力を探っているため、今この場にはこの二人しかいない。

 

”あとは……みんなの働きに期待だね”

 

「ですね。勝負は聴聞会。そこまでは我慢です」

 

夜がふけてゆく。

光を潰すように。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

それから翌日、事件の詳細がクロノスによって世間へと公表された。

 

『桐藤ナギサに毒物を盛った容疑者としてマルティニ・ヘンリー、百合園セイア両名を拘束。正義実現委員会、ティーパーティー合同の事情聴取の後、聴聞会を開く。療養中の桐藤ナギサに変わって政務はフィリウス分派副首長が務めるとの発表』

 

そんなネットニュースを見ながら先生はナギサにモモトークを送ってみるが返事が帰ってこない。

報告通り軟禁されているらしい。

 

「先生!」

 

そんな先生の元へとある生徒たちがやってきた。

補習授業部の面々である。

 

”どうしたんだい?”

 

あくまでも冷静に何事もないようにそう返す。

 

「ナギサ様もセイア様も大変らしいじゃないですか。だからどうしたのかなって思って」

 

そういうのは阿慈谷ヒフミ。

補習授業部のリーダーにしてペロキチブルアカ宣言の娘。

自称普通の戦車乗りである。

 

「ハナコが言ってたんだ。ナギサの療養もセイアやマルティニ・ヘンリーの逮捕は裏があるって」

 

白州アズサもそれに続いた。

 

「だから先生に知らせようと思ったけど……」

 

「その必要はないようですね」

 

下江コハルと浦和ハナコが締めた。

まぁ、要は彼女たちも先生の力になりに来たのだ。

だが、先生としてはその手を受け取るわけにはいかなかった。

 

”補習授業部の手は借りられない。下手をすれば私達は正実と刃を交える。そんな場にコハルがこちら側にいてはいいことはないからね”

 

キツイようだが間違ってない。

ウィンチェスターが入った通り、コハルの立場が揺らぐことも考えれば先生も彼女らを突き放すしかなかった。

 

「……では、一つだけ教えます。ナギサ様は別邸で療養されているようです。警備は厳重で、噂ですがミカさんも加わっているようです。気を付けてくださいね」

 

そうヒフミが残念そうな顔で言った。

彼女らも補習授業部といってもものの通りがわからぬ訳では無い。

先生の言いたいことはわかっているのだ。

 

「では先生。ご武運を祈ります」

 

「がんばってくれ」

 

「気をつけるのよ先生」

 

「ご無事を祈ります。先生」

 

それぞれ言い残し、補習授業部は去っていった。

その背中を見送って先生はため息をついたのち

 

”「企ては阻止しなくちゃいけない」「生徒もみんな守る」

「両方」やらなくっちゃあならないってのが「先生」のつらいところだな

覚悟はいいか?オレはできてる”

 

そう呟いた。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

連日取り調べが行われ、聴聞会が迫っている中、ウィンチェスターの姿は桐藤ナギサの別邸にあった。

 

”聞こえる?”

 

「ああ、聞こえるよ」

 

”任務はわかってる?”

 

「わかっている。桐藤ナギサの奪還よ。敵は正義実現委員会」

 

”うん、辛いと思うけどご武運を”

 

「了解よ」

 

先生との通話を終えウィンチェスターは別邸に潜入するため、行動を開始した。

別邸には戦車や装甲車、挙げ句に戦闘ヘリまで鎮座しており、まさに武装要塞である。

そこを見下ろす位置からウィンチェスターはスルスル動きあっという間に裏口に差し掛かった。

手にしているのはサプレッサーを付けたコルト・ガバメント。

ただ、弾はエンジニア部のお手製で、なんでも神秘へと作用する薬剤を注射し、神秘の強さにもよるが当てるとこてんと気絶させてしまうらしい。

しかし神秘が強いと効果が薄く意味はないらしい。

 

「潜入完了」

 

”わかった。補習授業部の報告ではナギサは二階奥か地下のどちらかにいるらしい”

 

「わかったわ」

 

補習授業部が手に入れたデータはヒフミの経験である。

彼女自身時々ナギサに呼ばれ別邸には詳しいため、彼女の経験上いそうなところをピックアップしたようである。

少なくとも療養という体裁を保つためにベッドはあると想像しながら。

 

「……眠りなさい」

 

ウィンチェスターはガバメントや格闘術で正実の生徒を無力化しつつ、二階奥を見るがハズレ。

どうやら地下のようである。

 

「二階はハズレのようね。地下に向かってみるわ」

 

そのまま踵を返し、地下へ向かってゆく。

道中正実の生徒の首を締め落としたりしながら。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

地下の寝室の前には二人の正実の生徒が寝ていた。

いや、気絶していた。

そして扉の前にはウィンチェスターがピッキングをしていた。

ナギサがこの中にいるかはわからないが中からナギサと思われる声は聞こえてくる。

ピッキングじたいものの見事にぱっぱと終わらせ中に入るとナギサがいた。

 

「待っていました!話は先生から聞いています」

 

中にいるナギサがそういう。

その声を聞いてウィンチェスターは差し出された手を………取らなかった。

代わりに取ったのはガバメントである。

 

「あんた桐藤ナギサじゃないわね。誰かしら?」

 

「バレちゃったか……そうだよ。私はナギちゃんじゃない」

 

そう言うとナギサ?はナギサのマスクを取った。

 

「あなたに恨みはないけど、ナギちゃんのためにも、折るね☆」

 

中にいたのはパテルの聖園ミカ。

トリニティが誇る二大戦力の片翼である。

そんなミカはアナログパンチを出したが、ウィンチェスターはそれをいなそうとして…アサルトシールドで受けた。

彼女の経験だろうか、あれは体でうけるものじゃない。

そう思ったゆえの行動であった。

現にアサルトシールドには大きな凹みができている。

 

「私もあなたに恨みはないわ。だけど、眠っててもらうわよ」

 

ウィンチェスターがショットガンを構え撃つ。

同時に正実の娘達が無駄にでかい寝室に乗り込んできた。

しかしウィンチェスターは気にもとめず一人一人倒し始めた。

さすがグリフィンでも一二を争う優秀な人形だったため、一兵卒では刃が立たない。

 

ミカのSMGや格闘技を避け、受け、反撃することなんどだろうか、ついにウィンチェスターがミカのリロードの隙を縫って腹部に命中させたスラッグ弾でチャンスを作り、きれいに投げ飛ばしてマウントポジションを取った。

 

Hasta la vista, baby(地獄で会いましょう。ベイビー)

 

脳天めがけてスラッグ弾を打ち込もうとしたとき……

 

「ヒャァァァァァ!!!」

 

トリニティが誇る二大戦力のもう片翼、正義実現委員会委員長剣崎ツルギが天井を破って突入してきた。

それを間一髪でウィンチェスターは避けるとお返しにスラッグ弾を撃ち込むがツルギの驚異的な再生力の前ではあまり効果がない。

 

(分が悪いわね)

 

ウィンチェスターの脳裏に浮かんだのは一時撤退。

しかし、もう彼女は袋小路。

厳しいものがある。

それと、彼女は戦術人形である。

死ぬことはない。メンタルのバックアップさえあればよみがえれる。

幸いにもメンタルバックアップはここに潜入する前にペルシカの元でとった。

そして彼女は一つの結論に至った。

玉砕である。

緊急コードを先生に送り彼女は一人、二人の強者へと銃口を向けた。

 

No fate but what we make.(運命は定まっていない、自ら切り開くものよ)

 

彼女のショットガンが火を吹いた。




☆ Hasta la vista, baby
ターミネーター2のT800のセリフにして名言。
「地獄で会おうぜ、ベイビー」と訳されたり「さっさと失せな、ベイビー」と訳される。

☆ No fate but what we make.
ターミネーターシリーズにおける名言の一つ。
実はかの有名な「I'll be back」よりも使用頻度は高い。

次で終わりたい。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。

次回は筆が乗り次第。

ここから評価!

私は完璧よ

ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?

  • 両方やっている!
  • ブルアカはやっている!
  • ドルフロはやっている!
  • 昔両方やっていた!
  • 昔ブルアカやっていた!
  • 昔ドルフロやっていた!
  • 両方やっていない!
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