正直1stアニバーサリーで来ると思ってたから石貯めてない!どないすんの!?
「今日はどこにいきましょうか……?」
「ラーメンとか?」
「昨日も食べたじゃない!」
「ですね〜…なにか良いお店でも知ってますか?」
ゲヘナの一角で美食研究会は軽食を片手に今日行く店を吟味していた。
と、言っても中々に難航し、どこに行こうか決めかねている状態である。
キヴォトスの飲食店からはもうずっとそのままでいてくれとの怨念が飛んできそうだが気にしない。
最近はアカリが叛逆ラーメンにドハマリし、もっぱら中華を巡っていたが、ここらで違う風をと思い、いろいろ案を出し合っているわけである。
ちなみに、叛逆ラーメンのお陰で彼女らの美食の基準が上がり、爆破された店が増えたのはここだけの話である。
「みなさん!今日行くお店は決まっていますか?」
ムムムと考えている美食研究会の面々の前に現れたのはS.P.A.S.12。
名誉美食研究会にしてアカリ、イズミと並ぶ在庫を喰らい尽くす女である。
「それが決まっていませんの。スパスさんは何かいい案があって?」
「ええ!すごい情報が入ってきましたよ!」
ふんすと鼻を鳴らして興奮気味にスパスは言う。
これには否応なしに皆の期待が高まる。
「で?どんな店なの!?」
ジュンコが待ち切れないとばかりにテーブルに身を乗り出して訊く。
「”ピッツェリア・レオーネ”っていうピザ屋です!」
「聞いたことのない店ですわ」
「ないですね〜」
「どこのお店?」
「ピザ屋なのね!」
ジュンコ以外はピンと来てないため反応は薄い。
だが、スパスはそんな彼女らを一瞥するとこいつらわかってねぇなと言わんばかりの顔で言葉を続けた。
「皆さん、スプリングフィールドさんはご存知ですね」
「ええ、あの方の作る料理はどれも絶品。まさに美食という名がふさわしい料理を作られるお方ですわ」
ハルナの答えに残りの面々もコクコクと激しく頷く。
「そうです。スプリングフィールドさんの料理はどれも絶品です。そしてもちろん、スプリングフィールドさんも普段から自分の料理を食べて舌は肥えているわけですよ」
「ですね」
「そんなスプリングフィールドさんですが、前にとある方が作ったピザを食べる機会があって、そのピザをいたく気に入ったわけです。その、ペット用のピザを。これが毎日食べらるのならペットも悪くないって」
「あの人イズミと同じ舌なの!?」
ジュンコがすごい風評被害を飛ばしてくる。
確かにこの言い方ではスプリングフィールドが悪食と思われても仕方がない。
「違いますよ!本当にそのペット用のピザが美味しかったんですよ!あれがペット用だなんてもったいない!みんなそう思いましたよ!」
「聞く分にはなんか話盛ってる感がありますね〜」
アカリはいくらなんでもという顔を向ける。
だが、それでも美食を求める彼女らを止める理由にはならない。
「では、そのペット用のピザが本当に美味しいのか確かめに行きますわよ!」
ハルナの号令のもと美食研究会の五人は車に乗り込みピッツェリア・レオーネへと車を走らせていった。
◇◆◇◆◇
しばらく車を走らせるとD.U地区の一角にこじんまりとした店が見えてきた。
「この裏手が駐車場ですよ」
「分かりました〜」
アカリの運転の元、無事目的のピザ屋についた美食研究会のメンバーは車を停めてワクワクする気持ちを適度に抑えドアの前に立つ。
ハルナを先頭にカランコロンと気持ち良いベルの音と共に中へと入っていく。
「いらっしゃいm……スパスさん!お久しぶりです〜」
「お久しぶりです!サトハチさん!」
「そちらの方は生徒さんですか?」
「そうですよ!美食研究会の人たちですよ」
「美食……ウチで満足していただけると嬉しいですね〜」
店内にいたのはこの店の店主であるS.A.T.8。
直らないハネっ毛が特徴の人権SGである。
そんな彼女はグリフィン時代はバイト戦士だったが、ついに店を持ったのである。
店主とのほんわかな会話もそこそこに皆席へと座る。
居抜き物件のためか喫茶店チックな内装にはピザの匂いが立ち込め自然とお腹が空いてくる。
「で、スパスさん。おすすめは?」
席につき、水を飲んで一息ついたハルナがスパスに訊いた。
「もちろんマルゲリータピザですよ。……でもペンネ・アラビアータもブルスケッタもリピエーニもラザニアもインボルティーニもなんでもおすすめです!」
「多いわね……」
「なら注文は決まってるよね!」
「そうですわイズミさん。すみません!」
ハルナが声を上げて店員を呼ぶ。
と、同時にジュンコがテーブルに置いてあったベルを指さした。
「はいはい!お待ち下さいね!」
そんなことは気にせずS.A.T.8は注文を聞きにやってきた。
「ご注文をどうぞ!」
「では、このマルゲリータピザとペンネ・アラビアータ、ブルスケッタ、トマトのリピエーニ、トマトラザニア、アスパラガスのインボルティーニをお願いしますわ」
「マルゲリータピザのサイズはどうします?ピッツェッタサイズからアメリカンなビックサイズまでどうぞ」
「どうします?」
少しの話し合いを終えハルナとジュンコはピッツェッタサイズ、例の暴食三人組はもちろんアメリカンサイズをご所望のようである。
「わかりました〜!少々お待ち下さいね〜」
ゴムでまとめた髪を揺らしてS.A.T.8は厨房へと向かう。
その背中を見送ると彼女たちはやれどんな味だろう、やれどれぐらいのサイズだろうかと待ち時間を潰し始めた。
◇◆◇◆◇
「はい!ブルスケッタです!」
まずはジャブ程度に前菜であるブルスケッタが出された。
炙られたバケットに塗られたオリーブオイルがキラリと光っている。
乗せている具もトマトにアボカド、生ハムやチーズと豊富であり、これが前菜か?と思わせる量とクオリティである。
『いただきます!』
では早速一口と皆一切れずつ持って口へ運ぶ。
すると誰一人美味いと言うこともなく、次へ次と口へバゲットを放り込むではないか。
まさに鬼気迫る食べ方で皿いっぱいのブルスケッタはすぐに彼女らの胃へと消えた。
「……これは予想以上ですわ……!」
「美味しいなんてものじゃないです……!」
「ふぉぉぉ……おかわり」
「もっと食べたい……」
「腕上げましたね、コレ」
眼は輝き彼女らはおかわりを求める心と次の料理への期待を膨らませてよだれを垂らす。
そんな姿を横目に次の料理たちを持ってくる。
「お待たせしました〜!マルゲリータピザとペンネ・アラビアータ、トマトのリピエーニ、トマトラザニア、アスパラガスのインボルティーニです!ごゆっくりどうぞ~」
ブルスケッタの皿が下げられたと思ったら一気にテーブルが埋まり、隣のテーブルに侵食する量の料理が置かれた。
本来なら時間をずらせて運ぶ予定だったが、あんな鬼気迫る食べ方を見てお腹空いてるのかな?と思った店主の粋な心遣いの結果である。
先程のブルスケッタで彼女の腕を確認した面々は運ばれた瞬間料理に手を伸ばした。
「お酒ほしいですねぇ〜……」
生ハムとアスパラガス、バジル、チーズを牛肉で包み、オリーブオイルとバターで蒸し焼きにする、そんな当たり前に美味しいモノ。
それがインボルティーニである
塩気の効いた味わいに思わずスパスの口からアルコールへの思いが漏れる。
だがここは生徒たちの前、でも料理美味しいから良いやと心を落ち着かせ眼の前の美食にかぶりつく。
「ラザニアって初めて食べるけどこんなに美味しいのね!」
べシャメルソースにミートソース、ラザニア、チーズを何層も何層も重ねてオーブンで焼いた一品は見るだけで食欲をそそる。
イタリアンスタイルのトマトソースベースのミートソースの辛味と少々ホワイトソースよりなベシャメルソースが味に深みを出し、チーズの塩気がちょうどよいアクセントとなり、きれいに纏まった味が舌へと届く。
そんな家庭で作ることは少々難しいが、作るだけの価値のあるラザニアを食べたジュンコがそういう。
可哀想に、コレが基準となればどんなラザニアも美味しいとは言えなくなるであろう。
「……ペットでも良いかも」
トマトのリピエーニとは言うものの、トマト以外にヤリイカに詰めたものも皿には並んでいる。
リピエーニと言えば前菜のイメージもあるが、カンネローニにピーマン、ひき肉、トマト、玉ねぎ、マッシュルームとたくさん詰めてトマトソースで煮ている。
トマトの方も同様でメインと言ってもさしつかえないないほどパンパンに詰まっている。
そしてそんなものを食べたイズミの感想はコレである。
さすがチュールに食いついた女である。
でもまぁ、こんな美味しいものが毎日食べられるのなら悪くない。そうスプリングフィールドさんも言っている。
「これは……こんどはイタリアンブームが来そうですね〜」
ペンネのアラビアータ。
シンプルながら奥の深い一品である。
そして、S.A.T.8はトマトソースの甘みを限界まで引き出し、そこに辛めの唐辛子の辛さとペンネの塩気で味をすっと引き締める。
辛さと甘さと塩気がジャストで融合したまさに”美食”である。
そんな一品は間違いなく、アカリの琴線に触れ、今までの中華ブームを過去のものにするインパクトを与えた。
「………!」
イタリアンのピザと言えば小麦粉、水、塩、イーストの生地に具を乗せて焼いたもので会える。
そんなシンプルなレシピだからこそ、人によって様々な違いがあり、味も人の数だけある。
では、S.A.T.8のピザはと言うと……シンプルに生地にトマトソースを塗り、バジルにチーズを具材としたものである。
だが、ハルナの舌は感じ取った。
シンプルながらどれもコレも最適に調理されたものだと。
トマトソースの甘みと辛味、モッツァレラをベースに何種ものチーズをブレンドした特製チーズの塩気、そしてバジルの香りがこれらを引き立てる。
コレほどまでに完成されたピザをハルナは知らない。
だからこそ、そんなものを表すのに言葉はいらないと無言で食べ進めた。
世間では残す人もいる耳でさえ、S.A.T.8のピザは極上の一品へと昇華した。
そんなピザを彼女はものの数分で食べ終えた。
その後は皆同じようにピザをつまんだと思えばアラビアータにフォークを伸ばし、ラザニアを切り、リピエーニにかぶりつき、インボルティーニを口へ運ぶ。
某漫画の言葉を借りるのならまさに人間火力発電所かのように彼女らは食べた。
大食いが三人いても量が多かったが、味が良ければそんなことは些事と言わんばかりにしばらくするとすべての皿が空になった。
「食後のティラミスです〜!どうぞ~」
タイミングを見計らって皿を下げに来たS.A.T.8が置き土産のようにティラミスを置いてゆく。
その苦く、だがそれ以上に甘い味は一生分のリコピンを食べた舌を癒やし、すっと彼女らの腹へと溜まる。
「満腹ですね〜」
「だね〜」
「いや〜グリフィン時代より腕上げましたね〜」
そしてあのアカリがおかわり無しで満腹と言ったのだ。
つまりこの店は量も味も一級品。
この事実はハルナの度肝を抜いた。
「私達もまだまだ美食を知らなかったのですね」
「ことイタリアンに置いてはサトハチが作るものが一番ですからね〜…それにこれは純正品だし、純正をサトハチが料理したらそりゃ美味しいですよ〜」
「鬼に金棒ってやつね!」
和気あいあいと話しながら食後の一息をつく。
はじめはどんなもんかと思っていたが想像を遥かに超える店に一同大満足である。
「ではそろそろおいとましますわよ」
「じゃあ私が出しますよ〜…ここに連れてきたの私だし」
「それは悪いですわ。美食には対価を、これを忘れてはいけませんわ」
会計で揉めそうだったがなんとか割り勘で落ち着かせ、レジへと向かう。
「はい、7320円いただきますね〜」
『やっす!』
「学生さんは食べて動かないとですからね〜。サービスさせていただきました〜」
のほほんと告げる店主に驚いたが、店主が言った以上自分たちが払うのは7320円である。
あとで皆から徴収するため、ここはハルナが代表してカードで払った。
「あっ!こちらピザ一枚無料券ですよ〜。またの来てくださいね〜」
最後の最後までハルナたちを驚かせた店主であった。
余談だがその後、イタリアンが爆破されることが増えたそうな。
と、同時にまた一組、ピッツェリア・レオーネのリピーターが増えたそうな。
☆サトハチ(ドルフロ)
S.A.T.8の愛称。
ちなみにドルフロでは人権キャラにして製造も低確率のため、選ばれし者のみが抜ける聖剣になぞられ、サトハチカリバーなんて呼ばれていた。
☆ピッツェリア・レオーネ
ピッツェリアはイタリア語でピザ屋。
レオーネはイタリア語でライオン。
サトハチはEN鯖で"pizza lion”と呼ばれていたり、大陸鯖で”小獅子”なんて呼ばれていたりする。
☆スプリングフィールドのペット発言(ドルフロ)
なんと公式…と見せかけて実は言ってない。
だがスプリングフィールドがサトハチのピザを食べて”ペット用にはもったいない”、”これが毎日食べられるのなら救護所に住む”と言ったのは公式。
※ドルフロでの救護所はペットハウス。
はい、飯テロです。
にしてもペリーと春田の同時ピックアップですよ指揮官の皆様。
そんな(石の)量で大丈夫か? 大丈夫じゃない、大問題だ。
というわけでドルフロ2をやっている指揮官たち、ご武運を。ラーメン。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。
次回は筆が乗り次第。
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ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?
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両方やっている!
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ブルアカはやっている!
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ドルフロはやっている!
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昔両方やっていた!
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昔ブルアカやっていた!
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昔ドルフロやっていた!
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両方やっていない!