ドールズ・アーカイブ   作:あっぷる⤴ぱい⤵

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アメリカ独立記念日は7月4日………ふつうに遅刻ですわ!
ぶっちゃけ頭から書き直していたらきれいに遅刻しましたわ!


星条旗のバースデー

『Happy birthday to you,

Happy birthday to you,

Happy birthday, dear the States,

Happy birthday to you〜!』

 

7月4日の朝、スプリングフィールドにコルト・ウォーカー、M16、ウィンチェスターM1887、トンプソンの姿はシャーレにあった。

と言っても執務室ではなく、同じフロアにあるダイニングキッチンだが。

そのダイニングキッチンには星条旗が掲げられ、テーブルにはスプリングフィールドお手製のフライドチキンやポテトや酒類が所狭しと並べられている。

壁に目を向ければジョージ・ワシントンや、エイブラハム・リンカーンといった主要な米国大統領の肖像画や写真が数枚掛けてある。

 

そして、皆でビールを片手に持ちハッピーバースデーの歌を歌い上げている。

アカペラのきれいな音色で歌い終えるとM16が壇上に上げるというかただ席から立ちグラスを掲げる。

 

「それでは、みんな。今日という日と今年で288歳*1となった私達の祖国、United States(合衆国)に乾杯!!」

 

その一息とともに朝っぱらから酒を呷るパーティーが始まった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

さて、なぜそんなことになっているかと言うと単純である。

今日はアメリカ合衆国の誕生日であり、それを皆で祝っているわけである。

酒を飲む口実に米国の独立記念日を引っ張り出してとか言ってはいけない。

だがしかし、彼女らの銃はみなアメリカ製のものである。

生で祖国を見たことはないにしろ、自分たちのスティグマモデルの祖国に思いを馳せることがあってもいいわけである。

 

と、まぁ、そんな事情でアメリカ銃の彼女たちは今日、一同にシャーレに会しパーティーを開いているわけである。

ちなみにシャーレは今日一日は一切の稼働はせず、シャーレの職員は最低限を残し、みな休暇である。

先生も例に漏れず、休暇ということで百鬼夜行の方へ遊びに行っているらしい。

 

というわけでアメリカ人形たちは最高権力者が消えたシャーレにて朝っぱらから酒を飲むのだった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

太陽の登り、そろそろ正午かという頃、パーティー会場は酒の臭さとともに盛り上がっていた。

皆が皆酒が強いばっかりにいくつビール瓶を空にしたかなんぞは誰もわからない。

 

「トンプソン!お前最近万魔殿のチビに懐かれているらしいな?」

 

「そうだぞM16。イブキっていうんだ。こいつがまた可愛くてな、見てるとハンドガンのチビスケたちを思い出す」

 

「おいおい、手を出すなよ。幼女に手を出して逮捕が新聞の一面を飾るのは勘弁してくれよ」

 

「わかってるよ。指揮官じゃあるまいし」

 

「よく首の皮繋がってるわね、あの聖職者。やっぱり人事部にも手を出しているのかしら?」

 

「ハハハ!そいつは面白いな!で、実際のところはどうなんだい?スプリングフィールド?」

 

「フフフ……どうでしょうね?ウォーカーさん?」

 

「否定しないのかい!?」

 

そんなくだらない話も酒と料理が入ればこの通り陽気な雑談へと切り替わる。

五人とも当初の合衆国の誕生日を祝うなんていう目的なぞ忘れ盛り上がる。

そんなことで盛り上げっているとシャーレに一人、来客が来たようだ。

 

「あら…少しでてきますね〜」

 

一言声を掛けてからスプリングフィールドは執務室へと向かう。

もちろん出てくるなと言わんばかりに宴会場と化したダイニングキッチンへと続く戸を閉め切って。

 

「あっ!スプリングフィールドさん。先生はいますか?」

 

「先生なら今日は休暇ですよ。なにかご用なら私が取り次ぎますが…どうします?スズミさん」

 

訪問者―守月スズミは先生がいないことに少しのショックを感じつつ要件である、以前借りたままのハンカチを返しに来た旨を伝える。

 

「わかりました。では私の方から返しておきます」

 

「い、いえ。また後日伺いますね」

 

あわよくばそこからデートぐらいいけないかという期待も込めてスズミは後日にしたいと言う。

その内心を察したのかスプリングフィールドも特に引き止めずにわかりました、とだけ返す。

少女の淡い恋心を無下にする淑女ではないのだ。

さて、用も済んだし帰ろうと踵を返したスズミを呼び止める影があった。

 

「スプリングフィールド〜!追加のウイスキーってどこだ〜……ってそれ、MCXか!」

 

M16である。

頬は紅く染まり、息は酒臭い。

完全にできあがっている。

そんな彼女はスズミが背負っているアサルトライフルへと目を向けた。

SIG MCX、シグ・ザウエル&ゾーン社のアメリカ現地法人のSIG SAUER社が名銃である。

 

スズミはそんなM16に引き気味でそそくさと立ち去ろうとしたがM16が肩を掴んで引き止めた。

 

「それ、愛銃だろう?」

 

「………は、はい」

 

「なら同士だ!共にステイツの誕生を祝おうではないか!ほら行くぞ〜!」

 

アメリカ銃を愛銃とするなら仲間だと言わんばかりにM16が酒の臭いに嫌な顔を隠していないスズミの肩を掴む。

面倒くさい絡み酒である。

流石にこの事態は見逃せないとスプリングフィールドはうまいことスズミとM16を引き剥がし、いくらかの菓子をお詫びにと包み、無事スズミを帰した。

もちろんM16に雷が落ちたのは言うまでもない。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「はい!お開きですよ!」

 

先程のM16の態度が流石にラインを越えていたため、スプリングフィールドの雷の元宴会はお開きを迎えた。

さんざん飲み食いをし、部屋も散らかしたため無理やり酔いを覚ませて皆、掃除へと向かう。

あのトンプソンも、コルト・ウォーカーもスプリングフィールドの笑顔には敵わない。

 

「失礼するわ。以前モモトークで言っていたミレニアムのことで相談があるのだけど……あら?」

 

またも隣の部屋から声がした。

今度こそは面倒事を起こすなよこいつらと思い、四人に掃除を任せスプリングフィールドは来客の対応へと向かう。

 

「リオさん。どうしました?」

 

今度の来客はミレニアムのトップ、調月リオである。

少々漂う酒臭さを感じつつ顔を歪ませることなく、すらっと立っていた。

 

「今日は事前にモモトークで言っていたことで相談に来たのだけど…先生は留守かしら?」

 

「ええ、休暇を取っていますよ。それに、リオさんが言っていることの相談は明日の予定ですよ」

 

「……あら。私としたことが勘違いしていたわ。ごめんなさい、また出直すわ」

 

「いえいえ、お気をつけて」

 

妙な勘違いだったが、特に酒飲みたちに絡まれることもなく、無事に帰せたと安堵するスプリングフィールド。

だが、まだ脅威は去っていなかった。

 

「スプリングフィールド?替えのゴミ袋はどこだい?」

 

「それなら白い棚の最上段にしまってあります」

 

「ありがとな〜……ん?その嬢ちゃんの腰のホルスター……」

 

コルト・ウォーカーに嗅ぎつけられた。

まずいと思ったスプリングフィールドがコルト・ウォーカーの口を塞ぐ前にリオが腰の銃を抜いた。

 

「これかしら?」

 

「ああ!やっぱりガバだ!ステイツが誇る傑作中の傑作!キヴォトス(ここ)でも使っているやつがいるとはな……ブラックマーケットじゃもっぱらトカレフか質の悪いダミー品ばっかだったからな。しっかり手入れされたガバを見るのは久しぶりだ!いやー嬉しい嬉しい!さすがはガバだ!」

 

「は、はぁ」

 

コルト・ウォーカーは掃除をほっぽりだしてリオへと絡みだす。

ついでに騒ぎを聞きつけたトンプソンやM16、M1887も顔を出してきた。

 

「おお!ガバメントか!天才が作り上げた150年以上愛される稀代の名銃だ。手入れも行き届いるな……大事にしろよ、嬢ちゃん」

 

「え、ええ」

 

「私も記録でしか見たことないが昔の米軍は私たちM16(ブラックライフル)とガバメントが相棒だったんだろう?そんな名銃をキヴォトスでも拝めるとはな……さすが名銃だな。どこに言っても使われる。そこらの銃とは格が違うな!」

 

「そ、そうね」

 

「この重さがいいのよ!巷じゃベレッタのM9やシグのM17が軽くていいなんて聞くけど、やはり兵士たるものこの程度で重いって言ってんじゃないわよ。この重さと反動をしっかり活かせて一人前なのよ。この45口径のストッピングパワーに私達ステイツの人間も人形も取り憑かれたのよ!一撃で相手の動きを止める。そんな弾を重厚なアイアンフレームとアイアンスライドから撃ち出すのよ!それに9ミリも22口径も私に言わせればロマンに欠けるわ。やはり兵士たるもの大口径の拳銃を扱えなくてどうすんのよって話よ!ねっ!そう思うでしょう?」

 

「そ、そのとおりね」

 

いつものリオならこんな絡み酒、合理的じゃないわなんて言って早めに話を切り終えるところだが、四人に絡まれて矢継ぎ早に自身の銃をくるくる回し見されれば流石に気圧され、適当な相槌しか打てなくなる。

そして、スプリングフィールドも止めようとしているがこの四人には耳がないのかスプリングフィールドの声は耳に入らず止まらない。

 

そして、スプリングフィールドはキレた。

 

M16の首に腕を伸ばし絞め落とすと、今度はトンプソンを地面に叩きつける。

この時点で残りの二人も酔いが覚めたのかさっときれいに土下座の姿勢へと移る。

 

その二人をみてスプリングフィールドは冷徹に告げる。

 

「三ヶ月ぐらい禁酒しましょうか?」

 

その目にはハイライトは灯っていなかった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

後日談だが、リオはスプリングフィールドに丁寧に謝られ、謝罪の菓子折りということで焼菓子を結構な量包んでもらいミレニアムへと帰った。

その後、彼女は愛銃の手入れを今までよりさらに丁寧にするようになったとか。

ちなみに包んでもらったお菓子はセミナーの三人が目を輝かせて食べていたそうな。

 

そしてやらかした四人組だが、後日先生のとりなしもあって禁酒は2週間へと減刑。

四人組は泣いて先生に感謝していた。

だがまぁ、その日のシャーレの当番のイブキの四人を見る目は冷たかった。

当人らは禁酒よりもあの歳の子にあんな目を向けられる方が堪えたらしい。

これで少しは反省してくれるといいですねとはスプリングフィールドの談である。

 

その後の四人は飲みの席でのセーブを覚えたそうな。

*1
キヴォトスの西暦はわからないが、ドルフロの本編は2064年の出来事のため、今回は2064年時点でのアメリカの歳を参照した。




☆アメリカ独立記念日
7月4日です!
アメリカは今年で249歳です!
おめでとう!

☆アメリカ銃を使っている生徒たち(ドルフロ)

☆AR
サオリ:SIG M400
スズミ:SIG MCX
※M4やAR-15のようなブラックライフルベースの銃を使う生徒ならアズサやシロコなども当てはまり一気に増える。
☆SMG
ネル、ユウカ:MPX、MPX-K
佐天涙子:トンプソンM1(コラボキャラ)
☆RF
マシロ:anzio 20mm(アンツィオ20mm対物ライフル)
☆MG
ノノミ、コトリ:M134(ミニガン)、M134D
コユキ:M60機関銃
マキ:LWMMG
☆SG
ツルギ、ミネ:ウィンチェスターM1887
アオバ:ウィンチェスターM1897
シズコ:イサカM37
ミチル:レミントンM870
レイサ:DP-12
☆HG
ヒナタ、マリー:デザートイーグル、デザートイーグル Mark XIX
リオ:コルトM1911(ガバメント)
ヒマリ:S&W M40
キリノ:S&W M360
☆GL
セナ:コルトM79
☆RL
ミサキ:FIM-92 スティンガー
レイ:M72 LAW

生徒の銃の元ネタはブルアカwikiを参照させてもらいました。
ブルアカwiki、銃種別
結構いた。
なんならミレニアム生が多いイメージ。
山海経は中国銃、百鬼夜行は日本銃、ゲヘナはドイツ銃、トリニティはイギリス銃、赤冬はロシア銃と結構学園ごとで特色がでているような気がする。
それはそれとして数名人に向ける銃じゃないものを持ってる生徒がいますね……聞いてるかマシロにミサキにレイ。
漏れがあればどうぞコメントにて教えてください。

アメリカ独立記念日SS(大遅刻)
お酒の席には気をつけようの回でした。
そういやドルフロのイベント”巻積核”の真核の仮面でイベ限定人形たちと引き換えできますが誰にしました?作者はなぜかうちの基地にいないバレットM82A1にしました。
この娘のSSもいつか書きたい。
ついでに夜戦の女王のグローザも掘れますので持ってない指揮官たちは忘れずにどうぞ。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。

次回は筆が乗り次第。

ここから評価!

ぶっちゃけブルアカとドルフロやっている?

  • 両方やっている!
  • ブルアカはやっている!
  • ドルフロはやっている!
  • 昔両方やっていた!
  • 昔ブルアカやっていた!
  • 昔ドルフロやっていた!
  • 両方やっていない!
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