ドールズ・アーカイブ   作:あっぷる⤴ぱい⤵

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作者の推しはカラビーナです。
ほんとMODで救われてよかった……

「救急医学部とHS2000」で、チナツが言っていたヨコチチがでている人形ですが……Kar98k(カラビーナ)なのですが、ヨコチチ云々は作者の勘違いで実際にでてたところは脇でした。
言い訳はあとがきにあります。


白髪の友人

「へ、変じゃないわよね…?」

 

白髪の少女は鏡の前で体を捻る。

その眼はどこか不安そうな気を隠しきれていない。

 

「大丈夫ですよ!委員長!」

 

「綺麗ですよ、委員長」

 

「似合っているぞ、委員長」

 

そんな少女を見守る面々は笑顔で後押しする。

それを見てか白髪の少女自身の頬をぺちんと叩き、決意を固めたようだ。

 

「じゃ、じゃあ行ってくるわ」

 

少女は皆に見送られ、部屋を後にした。

それからしばらく歩き、駐車場につくと一台のクーペ車が少女の眼の前に付け、ドアを開ける。

 

「足元に気をつけてくださいな」

 

「ええ」

 

少女はそっと助手席に乗り込むと扉はひとりでに閉まる。

無論魔法ではなくただの電動開閉であるが。

 

「じゃあ、出してもらえるかしら?」

 

「わかりましたわ」

 

そう言うとクーペ車は駐車場を離れどこかへと向かっていった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

車を走らせること数十分。

ついたのはミレニアム地区の中でも待ち合わせスポットとして有名な噴水広場である。

クーペ者は噴水広場のほど近くに停めると助手席に乗った少女が扉に手を掛ける前にウィーンとドアが開く。

少女はドアを開けようとかけた手を胸に置いてふっと息を吐く。

それを見て、運転手を務めた女性はそっと少女の肩に手を置いて優しく言葉を吐く。

 

「存分にお楽しみ下さいませ、ヒナ委員長」

 

少女も覚悟を決めて車を降り、振り返る。

 

「ええ、ではいってくるわ。Kar98k(カラビーナ)

 

そう言うとくるりと踵を返し噴水へと歩いていく。

去ってゆくのを見て運転手―カラビーナはアクセルを踏みその場をとっとと去ってゆく。

 

そして、少女―空崎ヒナは想い人とのデートへと普段の制服とは違うワンピースの裾を風で少し揺らして歩いてゆく。

 

時間は待ち合わせの数十分前、”ごめん、待った?”、”ううん、待ってないわ”と、そんな歯の浮くようなセリフを言い合えるかなみたいな期待を膨らませてヒナと想い人―シャーレの先生のデートのはじまりは刻一刻と近づいていく。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

ことの始まりは一週間ほど前である。

 

”いやー!ヒナのお陰で助かったよ!”

 

「そ、そう。力になれて良かったわ、先生」

 

その日、シャーレの先生は久方ぶりに書類に潰されていた。

と、いうのも、いつも心強すぎる手助け役のスプリングフィールドは素体のメンテナンスということで味覚のイカれたケモミミ白衣ペルシカの元へと行っているため、書類に山にボコボコにされているされているわけである。

 

だがしかし、天は彼を見捨てていなかった。

そう、シャーレには当番制度がある。

もっぱら最近は生徒のこなす書類も随分減ったがそれはそれとして制度自体は続いている。

 

そして、その日の当番はヒナである。

ヒナと言えば書類仕事も十分すぎるほどできるため、スプリングフィールドが来る前とあんまり変わらないはずなのに妙にボコボコにされていた先生に変わり、書類をぱっぱとこなした。

 

それに感激した先生が勢いで”なんでも言うことを聞くよ”などと言ったため、一歩踏み出したヒナがデートを頼んだわけである。

 

で、そんなことを言われた先生は頭を抱え、スプリングフィールドへと泣きついた。

そこからは早かった。

最近カラビーナが風紀委員にいると知ったスプリングフィールドがコンタクトを取り、ノリノリのライフル人形二人でヒナの趣味趣向をうまいこと聞き出し先生へと伝え、ケツを蹴り飛ばす。

最後は先生がデートルートを軽く決めて今日のデートへと臨んだわけである。

 

同時にヒナの方もカラビーナに先生の好みに合いそうなコーデを教えてもらいこちらも準備を整えてデートへ臨む。

 

要は普段頑張っている委員長への軽いご褒美である。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

ヒナを送ってからカラビーナの姿はミレニアムの喫茶店にあった。

そこにはスプリングフィールドの姿があった。

 

「お久しぶりですわね、スプリングフィールド」

 

「こちらこそ、直で合うのは久しぶりですね。カラビーナ」

 

挨拶もそこそこに、カラビーナは店員を呼び、注文を伝える。

ブレンドのブラックである。

 

「上手く行きました?」

 

「ええ、首尾は上々、あとはあの指揮官(朴念仁)が上手くエスコートするだけですわ」

 

「ならよかったです」

 

「ですわね。ところでそっちは最近どうなんですの?」

 

デートの話もそこそこに、近況の話へと切り替わる。

まぁ、人のデートにあーだらこーだらとケチを付ける趣味は二人にはないのである。

 

「最近はいろいろな出会いがありますね。何分シャーレには数多の学校から生徒さんがやってきますからね」

 

「それはいいですわね。風紀委員会(うち)は基本ゲヘナの生徒しか相手にしませんのよ」

 

「でも、ゲヘナの生徒はゲヘナの生徒で十人十色、個性豊かですよ」

 

「ええ、その通りですわ。ですが、個性が豊かすぎますわ。あっちで爆発、こっちで爆発。個性が輝く芸術家気質が多いのは困ったものですわ」

 

「気持ちは察しますよ」

 

ハハハと笑い合いながらコーヒーを啜る。

ミレニアムで話題の喫茶店ということもあり、コクのある味わいのコーヒーは話に弾みを付けてくれるだろう。

 

「で、そっちはどうです?ハルナさんから最近の風紀委員は手強くなったと聞いていますが……」

 

「黒館ハルナですか……そうは言う割に彼女、すばしっこいですわ。まぁ、それはそれとして、なりゆきで風紀委員の子たちは少々戦術を教えていますのよ。手強くなって当たり前ですわ」

 

「なんでも容赦がなくなったとか」

 

「ええ、戦場では優しさと慈悲はもっとも要らないものですわ。ですがまぁ、委員長はその優しさと慈悲で風紀を保っている以上、私としても程々に搦手を教えただけですわ。やろうと思えば鉄血を相手にするようなエゲツいのもありますわよ」

 

くいとコーヒーを一口嚥下する。

ゲヘナのミルクはヒナの優しさとすれば、コーヒーはカラビーナの厳しさ。

カフェオレもちょうどの分量で楽しむものであり、どっちが多すぎても少なすぎてもそれは美味しくない。

だからこそ、今までの少々甘いような処置にその甘さ(ヒナ)を立てるような少々の苦さ(カラビーナ)が加わり、ゲヘナというかカフェオレも味が際立つのではないかと、スプリングフィールドは思った。

現にヒナたち風紀委員は今までより生き生きとしており、どう不良たちを捕まえるかと試行錯誤、不良たちも強くなった風紀委員相手にどう立ち回るかで試行錯誤と、学生にとってはよいサイクルができているようである。

 

そんな少し良くなったゲヘナのことを話しているとカランとベルがなり、人影が2つ入ってきた。

 

「少し、腹ごしらえだけしていこうか」

 

「ええ、そうね」

 

さっき見送ったデート中の二人である。

そして、空いている席を探している二人と目が合う。

 

「や、やぁ……」

 

「あら、奇遇ですね」

 

すごく気まずい空気が流れているが、なんとか持ち直し、先生たちは近くの席へと座る。

二人の注文はどうやらドリンクとこの店の名物の生菓子のため、ただうわさの店を訪ねただけだろう。

それは置いておいて、ライフル人形二人と、デート中の二人も互いがいると少々気まずいため、空気を呼んでライフル人形二人は店を出る。

あとは若い二人で〜…と言わんばかりの視線を二人は今も少々緊張気味の二人へ向けて店を出る。

まだまだ日は高く、デートは始まったばかりである。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「おまたせしましたわ」

 

日は沈み、夜が始まる頃、カラビーナはヒナに呼ばれて車で迎えに来ていた。

心の隅でもしかして一夜を共にするのではとか思っていたメンタルモデルを切り替え、彼女は車を走らせ、D.Uの一角へと迎えに来た。

 

さくりとヒナを車へ乗せ、ゲヘナへと走り出す。

 

「で、どうでしたか?今日のデートは?」

 

「いい思い出になったわ」

 

「それは良かったですわ」

 

短くそう言っただけだが、顔には嬉しさが色濃く残っている。

それだけで楽しい思いをしたのだととわかる。

 

楽しさの中に疲れもあるのだろうと、そっと特に話しもせず車は走り続け、ゲヘナへと入ったところでヒナが口を開いた。

 

「そう言えば、あなたたちが来てから仕事が楽になったわね。今更だけど、ありがとう」

 

「それは光栄ですわ。みなも喜ぶことでしょう」

 

「でも、あなた達は無理に風紀委員にいる必要はないのよ。ほら、最近美食研に増えたショットガンの人みたいに自由にしていいのよ」

 

「ありがたい話ですが…他のみんなは分かりかねますが、私は風紀委員ぐらいがちょうどよいですわ。いかんせん、グリフィンにいた頃からMP(ミリタリーポリス)みたいなことをしていると、風紀委員が馴染むのですわ」

 

「そう、それは嬉しいわ。なら、これからも頼らせてもらうわよ。カラビーナ」

 

「もちろんですわ。ヒナ委員長」

 

二房の白髪を揺らし、デート気分をアーカイブして明日から再び始まる、風紀委員としての青春へと気持ちを切り替えてゆく。

このデートで近づいたのは先生とヒナの距離だけでなく、この白髪二人の距離もそうらしい。




☆前書きで書いた言い訳
作者の基地ではカラビーナは”踊り場のフォックストロット”というドレススキンなわけですが、ドレススキンを見る限り、出ているんですよ、ヨコチチ。
ですが、MODスキンとか通常スキンを見てみればあら不思議、出ているのは脇だったのです。
だがしかし、作者が普段見ているのはヨコチチが出ているタイプのカラビーナなので、勝手に通常の方も出てるやろと思いこんでヨコチチが出てるなんて書いてしまった次第でございますm(_ _)m

反省はしている。後悔はしていない。

MP(ミリタリーポリス)
憲兵みたいなもの。
軍の中の警察みたいなもの。

というわけでなんだかんだで初のヒナちゃんがちょい役じゃないSSでした。
どこかでゲヘナの不良があんなに騒げるのはヒナ委員長が優しいおかげみたいななにかを見たような気がしたので、設定でも厳し目のカラビーナと絡ませると、なんかいい感じになるかななんていう理由で書きました。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。

次回は筆が乗り次第。

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