悲しい。
あとがきにも書きますが、この話はブルーアーカイブ及び、ドールズフロントラインにでてくるキャラクターへのヘイト創作ではありません。
『ごきげんよう 72。
今回の目的地はトリニティ自治区、トリニティ総合学園よ。
言わずとしれたキヴォトス随一のお嬢様学校よ。
ターゲットは二人。
桐藤ナギサと古関ウイよ。
彼女らはとある新型兵器に大きく関わっているわ。
それは所謂雷帝の遺産と言うものよ。
兵器の詳しい概要はわからないけど、古関ウイがトリニティの図書館の蔵書から在り処を見つけたというのは確かよ。
どんな兵器わからないけど、雷帝の遺産となればキヴォトスのパワーバランスを大きく変える一手になるわ。
クライアントはゲヘナ学園万魔殿及び風紀委員会よ。
彼女らは普段は対立していても雷帝の遺産に関しては強硬な姿勢を取っているわ。
そんな彼女らよ。当然、今回の一件は許せるものではないわ。
だけど、彼女らが手を出せばそれこそトリニティ、ゲヘナの全面戦争よ。
だから極秘裏にこちらへと依頼が来たわ。
依頼内容は桐藤ナギサ、古関ウイ両名の始末よ。
こちらの調査で雷帝の遺産の発掘が始まったのは確かよ。
それと、入手計画自体も極秘裏で何を発掘しているか知っているものはさっきの二人のみよ。
そこで彼女らの遺産入手計画が始まるまでに始末すれば遺産の在り処を知るものはいなくなるわ。
さらに古関ウイが持っている雷帝の遺産の在り処が書いてある書類を奪取してちょうだい。
72、これは今まで以上に重要な任務よ。
もし雷帝の遺産が公になればこのキヴォトスのパワーバランスは大きく変わるわ。
そんな変化がこの連邦生徒会長のいない今起きるの。
不安定な政局に巨大なパワーバランスの変化⋯⋯碌なことにはならないわ。
つまり失敗はキヴォトスの終演を意味することになるわ。
だから、失敗は許されないわよ。72。
準備は一任するわ』
スプリングフィールドが語り終えて、彼女―72は立ち上がり、自身の愛銃のメンテナンスを始めた。
その心境はわからない。
重大な任務に震えているのか、それともただの任務だと何も思っていないかわからない。
◇◆◇◆◇
『トリニティへようこそ72。
さすがトリニティのパーティーね、豪華絢爛という言葉が似合うわ。
それはそれとして、このパーティーの目玉がまさに雷帝の遺産よ。
前回のブリーフィングから発掘が進み、ついに全貌がわかったわ。
それを今回のパーティーで発表するみたい。
つまりタイムリミットはパーティーで桐藤ナギサが雷帝の遺産について発表するまでよ。
古関ウイは一階のパーティー会場にいるわ。
桐藤ナギサは三階のホストルームにいるわ。
どうやらそこに雷帝の遺産についての書類が移されたようね。
もちろん警備は厳重よ。
そして警備の連中はどんな些細な動きにも目を光らせているはずよ。
幸運を祈るわ72』
いつもの黒のジャケットに赤いネクタイの格好で72はトリニティへやってきた。
自身が殺し屋であるはずがないと言わんばかりの堂々とした態度で門をくぐり建物へ入る。
そのまま案内に従ってパーティー会場に入る。
パーティー会場には豪華なシャンデリアが吊るされ、いかにも落としてと言わんばかりの輝きをしている。
(ウィンチはあそこね)
72はジャケットに軽く触れる。
そこには小さいながらも銃の感触がある。
シャンデリアを落として暗殺というのも乙なものだろう。
更に会場を見回していみると、古関ウイを発見したようで不審にならない程度に観察している。
どうやら緊張しているようでテーブルの飲み物を結構な頻度で飲んでいる。
(⋯⋯どこかで毒物を手に入れれば毒殺もいけるわね⋯⋯)
お前の手料理が毒物に当たるだろう。72。
それは置いておいて、インカムからスプリングフィールドからの指示が入った。
『あれが古関ウイ。図書館の司書にして今回のターゲットよ。”古書館の魔術師”の異名は伊達じゃなく、古書の復元技術は一流ね。だけどまぁ、古書愛好家には悪いけど始末してちょうだい』
ひとまず殺すのはあとと72はパーティー会場をあとにして、バレないように地下へと入る。
もちろん不法侵入、見つかれば通報だ。
そのため、身を低くして進む。
(警備室⋯⋯監視カメラのデータ消去はここね)
そんなことを思いながら探索を続けているとふいに雑談が耳に入った。
「ねぇ、あのキモい鳥の着ぐるみはどうしたの?」
「ああ、あれね。なんでもナギサ様が招待したVIPをもてなすためのものらしいわ」
「あれが?」
「ええ、趣味は悪いけど、VIPをもてなす以上着なくちゃならないわ」
ティーパーティーの給仕をしている生徒たちの雑談のようだ。
それを聞くとインカムから声がした。
『おそらくVIPは阿慈谷ヒフミでしょう。彼女に変装できれば桐藤ナギサへの接触も簡単になるわね』
ふむ。ならばそれを利用しない手はないだろうと72はするりと移動を開始した。
しばらく移動し、見事にさっき話していた少女の後ろをとった。
後ろをとったらあとは首を締めて気絶させて、木箱へと隠す。
そして自分は彼女の服を纏った。
瞬く間にティーパーティーの少女に化けた72は堂々と着ぐるみを取りに戻る。
「ん?どうしたの?」
「ナギサ様からの命令。今すぐ着て来いってさ」
「あはは⋯じゃ、そこの更衣室開いているからね」
会話も違和感なくこなしてするりと着ぐるみをゲットした。
では着替える⋯⋯前に更衣室に置いてあるクローゼットを開ける。
そこには黒のスーツケースが置いてあった。
スーツケースをぱかりと開けると中には裸の人間⋯⋯⋯ではなく戦術人形の素体が収納されている。
その素体を取り出し、72は自身の首元にUSBを差し込む。
しばらくした後、素体にそのUSBを差し込み、自身は少しの演算の後スリープモードへと移行した。
⋯それから数秒経過し、さっきまで動きが無かったスーツケースに入っていた素体が動き出した。
72がメンタルモデルを移動せさたのである。
新しい素体は身長は158cm程度と、クローゼットにしまわれている72本来の素体と比べ一回り小さくなっている。
そんな新しい素体の72は古い素体からインカムを取り外し、自分につけた。
『持ち込んだ小さな素体に切り替わったわね。これなら阿慈谷ヒフミに変装できるわね』
その声も横目に72はキモい鳥―ペロロ様の着ぐるみへと袖を通した。
違和感がないことを確認し、更衣室を飛び出すと、さっきの子が着るの手こずった?と聞いてきたがコクリと頷き、階段を上がっていった。
◇◆◇◆◇
あのあと72はボディチェックを経て二階へと上がっていった。
もちろん銃は持ち込めず、今彼女の手元にはワイヤーとコインしかない。
ちなみに銃はペロロの着ぐるみをきたあの更衣室に置いてきてある。
二階をブラブラと、特に咎められることもなく、歩いていると目当ての阿慈谷ヒフミを見つけた。
もちろんヒフミのペロロセンサーは随分なもので、ちらりとしか視界に入らなかったが、一緒にいたアズサたちを置いて一人走り出した。
それを確認した72はヒフミを誘い込むようにトイレへと隠れた。
ヒフミはそんな72の思惑も知らず、普通なら入らないであろう、人の入ったトイレへと入っていった。
中にはもちろんペロロの着ぐるみがいるわけである。
「ペロロ様ですね!それもニンペロ様ですか!いいですね!」
トイレだろうがヒフミは興奮した様子で語りかけてきた。
それに72は声を出すこともなく、身振り手振りペロ振りで答える。
「写真いいですか!いいですね!」
72の意見も知ったこっちゃないと、ヒフミはペロロのカバンを漁り、スマホを探す。
だが、そんな72に背中を向けた彼女をみすみす逃す72ではない。
背後から手早く首に手を回し絞め落とした。
ヒフミも特に抵抗も出来ず、すぐに夢の彼方へと旅立った。
それを確認すると、72は着ぐるみを脱ぎ、ヒフミから衣服を頂戴して見事ヒフミへと化けた。
もちろん彼女の裸体はクローゼットに隠した。
扉をガチャリと開けると向こうからアズサがやってきた。
「探したぞヒフミ」
「すみません。アズサちゃん。ペロロ様を見かけたもので」
「むぅ⋯だがことわりの一つは欲しいぞ」
「アハハ⋯⋯すみません」
「行こう、コハルたちが待っている」
てこてことアズサが歩き始めた。
そんなアズサの後ろ姿を見て72は危機感を覚えた。
おそらく彼女は薄々感づいているのだろう⋯後ろの少女は本当に阿慈谷ヒフミかということを。
さすがアリウス生まれ、そういったものの見破る力は半端ではない。
もちろん彼女とヒフミは大の親友のため、そういったところからも変装がバレかけているのだろう。
ならば早急に72は彼女の元を離れないといけない。
そこで彼女は一芝居打つことにした。
「あ、アズサちゃん⋯⋯少しお花を摘んできます⋯⋯⋯」
「⋯⋯わかった」
72は踵を返し、さっきのトイレへと戻っていく。
後ろからはアズサがこっそりあとを付けている。
だからか、ここで姿をくらますことはなく普通にトイレへと戻った。
しばらくして、72はアズサを呼んだ。
トイレが詰まったとでも言ったのだろう。
アズサは注意深くトイレへと近づく。
そして素手だが、こっそり、トイレへと侵入する。
間違ってもトイレのつまりを見に行く姿ではない。
だが、相手はあの72だ。
アズサの背後を悠々ととり、今度は彼女を絞め落とした。
眠ったアズサもヒフミと同様にクローゼットに仕舞い、再びヒフミの姿の72はトイレを出た。
◇◆◇◆◇
三階へ上がる階段に72の姿はあった。
三階へは普通ならボディーチェックを抜けなければならぬが、ヒフミはなんとノーチェックで上がることが出来た。
さすがVIPである。
「ナギサ様がお待ちです」
「アハハ⋯⋯ありがとうございます」
「そのアハハは控えてもらえると嬉しいです」
ヒフミがナギサのお気に入りなのは公然の秘密のため、そんなことを言われて72は三階へと上がった。
三階に上がるとサクラコやミネの姿も見かける。
まさにトリニティトップ層のみ入場を許された階である。
「あっ、ヒフミちゃん。ナギちゃんはこの奥で待ってるじゃんね」
しばらくほっつき歩いていると、今回ナギサの護衛として雇われたミカがいた。
「あぁ⋯⋯護衛の子たちから聞いたと思うけど、ナギちゃんはアハハがトラウマだから控えてくれると嬉しいじゃんね⋯⋯⋯」
「あh⋯⋯は、はい。わかりました」
「うん、奥でナギちゃんが待ってるから行くじゃんね」
ミカとも軽やかに言葉を交わし、怪しまれる素振りは一切ない。
『聖園ミカね。彼女を抑え込めるとは思わないで72。権力はなくなっても、そのパワーまでは無くなったわけではないわよ』
そんな彼女の横を通り、ついにナギサのいるホストの部屋へと足を踏み入れた。
To be continued⋯⋯⋯
☆この話の元ネタ
IO Interactiveが手掛けるゲーム、『HITMAN』シリーズです。
となると、主人公の正体も感のいい人は気づくのでは⋯⋯⋯?
☆準備は一任するわ
HITMANシリーズでの名言にして気の締まる一言。
シリーズをやり込むと、この一言は深見梨加さんの声で自動で再生されるようになる。
☆スプリングフィールドの口調
原作遵守にしています。
スプリングフィールドの丁寧口調で書いたとき、違和感がすごかったため、口調はHITMAN原作で書いてます。
作者の中でHITMANが再燃したので書きました。
後編も近いうちに出します。
なお、この話はブルーアーカイブ及び、ドールズフロントラインのキャラクターへのヘイト創作ではありません。
一応後編でこの話のオチを付けますので、この話だけを見てヘイト創作と決めつけるのはご容赦いただけると幸いです。
このキャラこんな口調じゃないとか、こんなキャラじゃないとかそんなご指摘お待ちしてます。
なおあまり強く言わないでくれると嬉しいです。
コメント、出してほしい人形や生徒、出してほしい人形と生徒の組み合わせとか待ってます。
次回は筆が乗り次第。
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