狩人さんが今度はテラの大地に赴くようです 作:ron3studio
ヤーナム文化アタック()
タイトルはこんなこと書いてるけど、実際に口に出してるわけではない。言ってたら面白いが。
はい、割と飛ばし飛ばしですけどこれでようやく3章(アニメ準拠だと1期)分が終わりました。
え、ここから8章まで行くんですか?失踪していい?(良いわけねぇだろ)
更新頻度ガッタガタですけど、頑張ります。
コメントくれると更新頻度上がるカモ(小声)
「レユニオン如きに遅れを取る近衛局、本格的に動き出したレユニオン……いやはや、どうなるか分からんな」
荒れた龍門の街並みを眺めながら、狩人はボヤく。
近衛局に引き渡したミーシャは攫われ、街もレユニオンが騒動を起こしこの有様。第2のチェルノボーグが今、ここに出来あがろうとしていた。
「まずは……ミーシャの奪還。その次に、恐らく龍門内に居るレユニオンの掃討に駆り出されるだろうな」
「全く、何故あの程度の組織から重要な人物一人も守れんのだ。嘆かわしい」
一人でボヤいていると、インカムから通信が入る。
『ミーシャさんを連れ去ったレユニオンのアジトが分かりました。場所は龍門郊外、廃坑になった採掘場。全員、直ちに現場に向かってください』
『必ずミーシャさんを救出します!皆さん、強襲の準備を!』
「ここからだと……割と遠いな。アーミヤたちと離れたのは失敗だったか。まあいい、行くか」
———
「既に強襲は……始まっているな。少し遅れたか、戦局は……余り芳しくないか?」
「ふむ、サルカズ傭兵までいるのか。雇うだけの資金がレユニオンにあるのかは疑問だが……居るのだから金はある、ということなのだろう。さて、あのスカルシュレッダーとやらはどこだ?」
「……ん?爆発、しかもドクターがいる場所で……面倒だな」
狩人がドクターがいる場所よりも更に上の、戦場を一望できる場所で戦局を眺めていると、視界の端で爆発が起こる。
「……大将首を取りに来たか。確かに、出来るのなら有効ではあるが」
爆発で巻き起こった砂塵を突き抜けたスカルシュレッダーが、ドクターの命を刈り取らんとするが。それは大盾に阻まれる。
「だが、大将首をそう易々と取らせる訳にもいかんしな。守りを固めるのは当然」
高台にて眺め続ける狩人。自身が行かずとも、どうせ倒されるだろうと判断しての事だった。
「おや……ホシグマ殿が。中々機転の効く奴だ。ではまぁ……私が止めに入るか」
ホシグマが足元への爆撃を食らったことでダウンし、スカルシュレッダーが武器を放り捨て弾薬を握り締めてドクターへと再度近付き始める。
今ドクターの近くに狙撃オペレーターはおらず、自爆特攻を試みるスカルシュレッダーを遠くから止める手段は無い。故に、ドクターに被害を出さない為には狩人が止めに出るしかないのだ。
「どうせここを通るだろう?いや、ここしか道が無いものな。貴様はここを通らざるを得ない、私が居ることに気付いていようが、いなかろうが」
スカルシュレッダーの手から、眩い光が溢れ出す。それはアーツによる起爆の兆候であり、狩人が待ち望んだ時であった。
「ほらな」
狩人は飛び降り、スカルシュレッダーの右手を潰す為に狙いを定める。
……このままいけば、確かに狩人はスカルシュレッダーを取り押さえるだろう。だが、一つ見落としている事があった。
視界を下に向けていたせいで見落としていた、遠くで光る赤黒い光。
それはアーミヤが、ドクターを守りたいという意志表出させた物だった。
「小僧、貴様に恨みは無いが。ここで止まって貰おうか」
「ガァッ……!?」
スカルシュレッダーを地面へと抑え付け、爆発寸前の弾薬を右手ごと踏み潰す。
「んあ?——」
———
アーミヤはドクターの命の危機という場面にパニックとなり、力を制御できずアーツを放つ。狩人が居るとも認識出来ず、ただスカルシュレッダーを殺すアーツを。
それは確かに、標的へと向かっていた。だが……不幸なことに、それはスカルシュレッダーを抑えつけた狩人へと当たってしまった。
「あ……ぇ?」
数巡の後、ようやく正常な思考が戻ってくる。
今、自分が放ったのは何なのだと。それは、誰に当たったのだと。
「ぁ……あぁ……」
アーツによって眼孔から貫かれた狩人が、そこに居た。
———
「……まあ、この程度なら死なんが」
アーツに貫かれ、あわや死んだかと思われた狩人であったが。死んでなどいなかった。心臓を丸々吹き飛ばされたなら兎も角、右の眼孔から一直線に貫かれた位で死ぬ訳がないのだ。
血の医療を受けた狩人は妙にタフい。
「グゥ……きさ、ま……なぜ、生きて……」
右手を潰され、体を強く抑え付けられ痛みに苦しむスカルシュレッダーが狩人へと言葉を投げ捨てる。
「理由を聞きたいか?ン?別に構わんぞ、耐えれるのなら……だがな」
含みを持たせているが、別に深い意味は特には無い。
普通に耐えただけだが、戦意を挫く為の脅しとしてそれっぽく言っているだけである。
「まあそれはどうでも良い。さて、貴様……ミーシャという名前に聞き覚えはあるだろう?貴様がしつこく追いかけていた少女の名前だ」
狩人がミーシャの名前を出した時、スカルシュレッダーの体がピクリと動く。それは狩人にとって一番欲しかった反応だった。
「ふむ、やはり何かしらの関係性はあるのだな。パッと思い付くところだと……家族辺りか?あの見た目から考えるに成人とは言い難い。それに、貴様もな」
「クッ……この……!」
「おーおー、暴れるでない。抑えるのが面倒になるだろう。まあ、貴様が暴れた所で抜け出せはせんがな」
「私としてはな、ミーシャが死のうが死ぬまいがどっちでも良いのだよ。寧ろ厄ネタを持っているのなら今すぐにでも殺しておく方が事態が面倒な事にはならんだろうな。もしくは龍門で飼い殺すか……まあそんな所だろう」
「ミーシャは殺させない!俺が守るんだ!!!」
「ほぉ……意気込みは良いが、さて。どうやって守るのだ?」
「それは……」
「守りたい?その気持ちは結構。その意志は至って普通であり、尊い物だ。だが……どうやって守るのだ?」
「……」
「自身の力で降りかかる火の粉を振り払うか?知略を尽くし本人が気づかぬ内に平穏を齎すか?それとも……何者にも手の届かない場所に閉じ込めるか?」
「あぁどれでも良いだろう。だが貴様が取れる手段はいくつある?火の粉を振り払えるだけの力があるのか?手を下さずとも排することのできる知力はあるのか?何者からも手の届かない場所を用意し、持続させられるだけの財力があるのか?」
「殆ど無理だろうな。そのちっぽけな体で出来ることなど、高が知れている」
「うるさいっ!!!」
「では一つ聞こう。今貴様が取れるのは良くてミーシャを自身の力で守るくらいだ。だが、貴様は今何処に居て、守りたいと思うミーシャは何処にいる?」
「……」
「貴様は敵の大将首を取ろうと自身の命をチップにしてまでここに来て?ミーシャはここが鉱山として利用されていた頃に使われていた建物に置いてきたんだろう?」
「隙だらけではないか。今なら何の障害もなくミーシャを殺しに行けるだろうて。仮に私が行ったとして……10分もかからん内に殺せるだろうな」
「ああ俺の仲間が同胞がなんて言葉はよしたまえ。あんな連中、大して力も無く一度の肉壁くらいしか出来ん低脳だ。力ある者には蹂躙されるだけよ」
「誰から何を吹き込まれたのか知らんが、後を考えん自爆特攻をして……貴様、本当はミーシャの事などどうでも良くて、ただ感染者のために戦っている自分という存在に陶酔しているだけではないのか?」
「黙れぇッ!」
「小僧、一つ教えてやろう。人の手の届く範囲というのは狭い物だ、少し離れて仕舞えば、人一人すらも守れん。本当に守りたいと思うのならば、側から離れんことだな」
狩人はそう言い放ち、スカルシュレッダーの首元に何かを刺す。
「何、を……」
「鎮静剤だ、少々意識を落として貰う」
「こ……の……」
「次は選択を間違えんことだ。再び選択出来るチャンスなど、そうそう訪れる物では無いのだから」
鎮静剤の効果はすぐに現れ、スカルシュレッダーは意識を落とした。
一度戦場を見渡した狩人はスカルシュレッダーの拘束を解き、耳に付けてあるインカムを起動させる。
『ロドスオペレーター及び龍門近衛局の者に告ぐ、これ以上の戦闘行為は我々に不利益しか齎さない。撤退せよ』
『貴様、何を—』
『聞こえなかったか?それとも近衛局の隊長殿は各国で使われる公用語すらも理解できんのか?撤退せよと言った』
『だがミーシャが』
『それは私が回収に出向く。貴様らは全員撤退だ、邪魔になる』
『……』
『それとも、リーダー格をやられて怒りに燃えるレユニオンの集団を相手取るのを続けるのか?奴らは数だけは多い、いずれ数で劣る我らの方が耐えれんくなるぞ』
『……了解した』
『と言う訳で、ロドスのメンバーも聞こえてたな?ならばさっさと動け』
「これで良し。おい!!!そこのオペレーター!聞こえるな!?コイツを拘束して一緒にロドスに連れ帰れ!!!」
「さて、さっさとミーシャを回収しに行くとしよう。また
気を失ったスカルシュレッダーの傷の手当てやらなんやらを全てオペレーターたちに丸投げし、自分はミーシャの回収に行かんと動き始める。
「ちと高いが……まあ大丈夫だろ」
律儀にちゃんとした道から行くつもりが1ミリも無い狩人は、ショートカットをするべくちょっとした崖になっている所から下へと飛び降りる。
「……ぐぉぉぉお……割と高かった……」
この位なら平気やろ!な精神で飛び降りた結果、予想よりも高く落下ダメージを貰い悶えてしまうが、まあその程度で。この程度なら輸血液も使わんで大丈夫だろうと判断し、撤退する味方を横目に進み始める。
「おっ、アーミヤではないか」
「ぁ……ハンター、さん……」
「どうした、えらく元気がないな?戦場なんていう気が滅入る場所に居るのに、そんな辛気臭い顔をしてたら更に滅入るぞ」
「あの……そ、の……」
「気にするな、偶々運悪く流れ弾が掠っただけよ。死んでもおらんし、何もそこまで気にすることでも無いじゃないか」
「……ですが」
「良いと言っておろうが……まあ、それでも気にするのなら私が戻った時に少し話をしよう。な、だから今は他の者と一緒に撤退したまえ。ミーシャのことは任せろ、ちゃんと生きてまた会わせてやるとも」
「……はい」
「それで良い。また後でな」
ポンポンとアーミヤの頭を軽く撫で、迫り来るレユニオンの集団へと近付いていく。月光の聖剣とエヴェリンを取り出し一度大きく深呼吸をする。
「邪魔をしなければ死なずに済むものを……仲間だ同胞だと湧き立ち無謀な突撃をする、実に愚かだな」
「死ねぇ!」
「囲んで叩く、実にシンプルで効果的なやり方だ。しかしまあ……逃げ道が残っている様では意味もないが」
前方、左右斜めから一気に仕掛けてくる敵の攻撃を後ろへステップをし避け、横薙ぎで切り伏せる。
「流石
切り伏せた敵を踏み潰しながら更に前へと進む狩人。
メギャ……と痛ましく悍ましい音を周りへと響かせ、狩人の靴を言葉にするのも憚られる物が汚す。
「おっと、砂嵐に紛れ攻撃を仕掛ける。無謀な真正面突撃よりは良い選択だ……だが相手が悪かったな」
敵を捩じ伏せ砂嵐の中を進む狩人に、敵が後ろから攻撃をしてくる。しかしそれを避け、胴体を二つに分ける。
勢いよく振り抜いた聖剣が地面に突き刺さり、引き抜こうとするも更に敵が襲いかかってくるのを察知した狩人は一旦聖剣から手を離し、敵の横へとステップで潜り込む。
「スローイングダガーとあるが……刃物である事に変わりはないのでな」
ポーチから取り出したスローイングナイフを片手に、敵の頭を掴む。仮面も何もない首元目掛けてスローイングダガーを何度も何度も突き刺す。その度に返り血が狩人の顔を濡らし、染め上げる。
「ほらな?切れ味が大した事無くても切れるだろう?あぁもう聞こえんか」
命の灯火が消え去った肉の塊を動きを止めた敵へと放り投げ、聖剣を手に取る。
今や狩人は頭から血を浴び、ほぼ全身が返り血に染まった悍ましい姿である。
「ひっ……ば、バケモノ……」
「えぇ?心外だな、人のことを化け物呼ばわりするなど……大体、人としての理性を捨て去り、怒りのままに動く貴様らの方が人ではない化け物に相応しいと思うが?」
恐れ慄いたレユニオン構成員に問い掛けながら進む狩人は、レユニオンの者らからしてみれば恐ろしいバケモノにしか見えないのだろう。
事実、彼は人間ではない力を振るおうとしており、バケモノと言う指摘はあながち間違いではないが……だが、それだけである。
「少しばかり、大掃除をするとしよう」
月光を纏い、偽りの導きを齎した大剣が、ゆらめく。
両手で握り、構える。
暗い光が大剣から溢れ、形を成す。
「死ね」
横へと一閃、振るわれた大剣から大波とも言える光の波が、敵へと迫る。実体を持たぬソレは柔らかい物体を切るように、人体を切っていった。
殆どが避けられず、永遠に覚めない夢へと送られそこに残るは狩人ただ一人……ではなかった。
「ふむ……」
「……」
生き延びた男は、運が良かった。
第六感が猛烈なまでに警報を鳴らし、事前に伏せようとしていたからこそ生き延びた。
前方の今し方出来た肉塊に押され、そこに広がる惨状に同化するように倒れこんだのも、運が良かったと言えるだろう。
「一人程度なら、無視で良いか」
「……ッ!」
狩人は敵の一人が生きているのは分かってはいたが、この死体の中から探すのは時間の無駄だと思い、無視して先へと急ぐ。
見逃された男は運が良かった。もし狩人が先を急いでいなければ、殺されていたのだから。
「……行った、のか?」
狩人が去り、生者はただ一人となった場所に、男は身を持ち上げる。
傷のついた仮面を外し、周りを見渡した。
その瞳には、あの暗い月の光が刻み込まれていた。恐ろしい、あの光が。
———
「!だ、だれ!?」
「ミーシャ、ここに居たのか」
「ヒッ!や、やだ!来ないで!」
「……いや、私だが……もういい、一旦眠れ」
狩人は失念していたが、今現在狩人は頭から胴、手と足にととんでもなく血と脳漿のミックスがベッタリと付着しており、一般人のミーシャからしたらとても恐ろしい存在にしか見えないのである。
「……よし、戻るか」
説得も面倒だと思った狩人はミーシャを眠らせ、担ぎ上げロドスの面々が撤退した地点まで戻り始める。
帰り道は、そこかしこに倒れている敵を優雅に見下しながらの凱旋である。
———
「戻った……全員お集まりのようだな?一名程お客様が来ている様だが」
「あらぁ、クソジジイじゃないの。まぁだあのクソババアのケツを追っかけてるのかしら?」
「随分と誇張された物言いだな、W」
「事実じゃないかしら」
「まさか。さて、お喋りは充分か?」
「ええ。本当はアンタが抱えてるミーシャで色々しようと思っていたのだけれど、邪魔されて暇になったからアーミヤの顔を見に来たのよ。それも終わったし、退散させて貰うわ」
「待て、W!」
「あ、スタングレネ——目がぁぁぁぁぁああ!!!!」
Wが窓から飛び降りる際に残したスタングレネードをモロに喰らった狩人はム◯カよろしく目を覆い悶え、他の者は防御が間に合っていたのか少し顔を顰める程度に終わっている。
「隊長、追いますか?」
「いや、無駄だろう。周辺に爆発物が無いか調べさせろ。コイツは救護班に連れて行ってやれ」
「ハッ!」
「……それで、貴様」
Wがスタングレネードを置き土産に退散し、狩人は悶えチェンはホシグマに指示を出す。
「ん?なんだ隊長殿」
「ミーシャの身柄は—」
「ロドスで保護する。今の彼女は到底龍門に引き渡して良いような体調ではない。貴公らも彼女が死んでは困るのだろう?ならばこちらで保護し、治療を施す」
「貴様……」
「あぁ良いぞ?そちらに引き渡してむざむざと死なせて何も得られませんでしたでも。まあ……そうなったら実に愚かで笑えるがな」
「……」
「それに……貴公ら、一度ミーシャを奪われているではないか。えぇ?手強いサルカズの傭兵集団が襲ってきたとは言えども、たった一人の護衛すらも碌にこなせん集団には預けたいとはもう思わんなァ」
フルスロットルでチェンを煽り散らかしつつも、ミーシャをアーミヤたちに預ける狩人。彼はチェンのことが嫌いなのか、とてもウッキウキに煽っていく。
「……」
「都市を守る組織がその程度とは、上も大した事ないのだろうな……隊長さん?」
「貴様ッ!」
「激情に身を任せて私を殺すか?さぞ大問題になるだろうなぁ、龍門の信頼にも傷が付くのではないか?ま、私には全く関係無いから殺してくれても構わんがね」
「隊長、そこまでに……」
「……アーミヤ、ロドスに戻るぞ。仕事は終わった」
チェンがホシグマに制止されるのを見た狩人はそちらから視線を外し、アーミヤたちの方へと向き直る。
「は、はい」
「ではな隊長殿。もし、また龍門との協働があった際は……こうならない事を願っておこう」
———
「さて……うむ、良い景色だ」
龍門のスラム街、その何処かにある建物の屋上に、狩人とアーミヤは居た。狩人は錆た手摺りに体を預け、アーミヤはその横で少し暗い表情をしている。
「まあそう身構えるな。ちょっとした話をするだけよ」
「まずはまあ、先の誤射については気にするな。あれはその時の最適解を選んだ結果、タイミング悪くカチ合ってしまっただけ。な?誰が悪いとも言えんだろう?」
「忘れろとは言わんがな。ずっとその事で悩んでもどうしようもないのだ、ある程度の所で踏ん切りは付けたまえ」
「でだ。本題はここからよ。もしも、あの時私が間に割り込まず、貴公の放ったアーツがスカルシュレッダーに当たったとしら……貴公はどうする?」
「自身のしでかした事を受け入れられずに、現実から目を背けるのか?それとも、人を殺すと言うことを体験し覚悟を決めれたのか?」
「戦場では、生かすことよりも殺すことの方が簡単だ。貴公のその理想は、赤の他人からすれば笑いの種にしかならん。人を殺さずに、障害を排除する?短期的に見れば出来るかもしれないが、長期的に見れば……いつかは崩れ去る理想だ」
「今回がそうだろう?私がいなければ、貴公は敵とは言えども人を殺していたのだ。その理想は、茨の道どころでは無いのだ」
「そして……貴公はついさっきまで会話を交わした者を、躊躇なく殺せるか?」
「ミーシャはスカルシュレッダーの親族だった、親族が殺されたら……ミーシャが復讐、もしくはそれに準ずるものに至ってもおかしくはない」
「親しい者が死んで、怒りを覚えない者はおらん。そしてその怒りの矛先が何処に向くのかも……分かるだろう?」
「貴公は、そうなった時に。敵となった者を殺せるか?」
「殺す……」
「……極端な例を出そう」
狩人はそう言い、手摺りに預けていた体の向きをアーミヤへと向けてから、銃を構える。その銃口は、アーミヤに確かに向けられており、引き金一つでアーミヤの命を奪える状況へと変わった。
「さぁどうする。貴公は何をするべきだ」
「どうするって……」
狩人はアーミヤに催促する。判断を、どうするべきかを。
「自身の立場を考えろ、貴公の背負う責任の重たさを。貴公は組織のリーダーであり、その下につく者たちを先導する者だ。ならば貴公は死んではならん。リーダーが死んだ組織に待ち受ける最悪の結末は瓦解、そうなれば、ロドスの理念など塵すら残らず消え去る可能性すらあるだろう」
「そうならん為に、貴公は生きねばならん。進む方向を示さねばならん。下につく者たちを安心させねばならん。だからこそ、前まで仲間であった者であれ誰であれ、敵となった者に躊躇してはいけないのだ」
「本来ならば、こうした状況になった時点で貴公は私を殺すべきだ。戦場では一瞬の躊躇が命取りになる。少し迷えば、死ぬのは貴公だ」
「良いか、その夢を否定するつまりはない。その心を否定するつもりはない。その躊躇や、甘ったるいと言われるような理想が、人として繋ぎ止めてくれる物になり得るからだ。だがな、それだけではどうしようもない時がいつか、必ず来る」
「良いな。覚悟はしておけ。でないと、貴公の命が危うくなる」
「……はい」
一頻り言った所で、構えていた銃を下ろし腰へとぶら下げる。
「続けれる内は今のようにすれば良い。その理想を支持する者はロドスに多く居る。支えてくれる者も居る。無理な時は……私を使えば良い。慣れているからな」
「貴公にはな、結構期待しているのだ。だからこそ、貴公が道半ばで倒れるような事は見たくないのだ」
「……やはりこういったことはするもんじゃない。慣れん」
「ふふっ……ありがとうございます。少しだけですけど、心構えができたような気がしますから」
「なら良い、少しだとしても出来ている出来ていないでは雲泥の差があるのだから……おっと、かなり時間を食ってしまったな。そろそろ帰るとしよう、ケルシーに怒られたくは無いのでな」
「そうですね、ケルシー先生が怒ると怖いですから、早く帰らないと」
「……アーミヤ、貴公の進もうとしている道は長く険しい道のりだ。道中、貴公の意志を挫くような出来事も多く降り掛かるだろう。それでも、貴公はその道を進むのか?」
「はい。私には、着いてきてくれる仲間が居ますから」
「そうか。なら、帰るとしよう。仲間の待つロドスにな」
———
「随分と遅い帰りだな、ハンター」
「いやぁ、ちょっと寄り道をしておってな。あ、もちろんアーミヤが危ない目にはあっとらんぞ」
「それは分かってる……が、一旦そこで立っていろ」
「うむ、分かった」
「アーミヤ、お帰り。ゆっくり休むといい」
「はい、そうさせて貰いますね。ケルシー先生。では、ハンターさんもまた明日!」
「「また明日」」
「……あれ?ケルシー?何処にいくんだー?おーい?」
アーミヤを見送り、ケルシーがスタスタと何処かへ行ってしまうが言われたこともありその場から動かない狩人。
ケルシーは何やら職員に話しかけており、相手も慌てて動き始めた。
「はて、一体何を……」
訳もわからず数分程そこに突っ立っていると、ケルシーが戻ってくる。その手にはたっぷりと水の入ったバケツを握りしめて。
「バケツぅ?なにを—ブフォ」
「まさか、あのままロドス艦内に戻ろうとは思っていないだろうな?」
「……あ」
バケツから放たれた水を顔面から浴び、全身ビチャビチャになった状態で言われた言葉でハッとする。自分が返り血塗れだった事に。
「はぁ……君も知っての通り、ロドスには様々は人がいる。その中には、子供もいる。あんな状態の君が、子供に与える悪影響は計り知れない」
「そうだな、うむ……私が悪かった」
「とにかく、艦内に入る前に着替えをするように。仕切りのある空間はあそこにある。君はどうやってしているのか分からない早着替えも出来るのだろう?なら可及的速やかに着替えるように」
「了解した」
ケルシーに言われるがまま仕切りのある空間(資材の箱で視線が遮られているだけ)で、狩人は早着替えを行いいつもの服装へと戻った。
「着替えてきた」
「いつも思うが、君とはかなり長い付き合いになるが……未だに理解し切れない部分が多くある」
「えぇ?せんでいいせんでいい。ちょっと分からんくらいが丁度良い、全部を知るなど……耐えれるか怪しい」
「そうか。何はともあれ、お帰り、ハンター」
「……あぁ、ただいま。ケルシー」
「やはり様々な観点からアーミヤにもモツ抜きを—」
「Mon3tr、このバカをやれ」
(待ってましたと言わんばかりの咆哮)
「バカめ!左回りの変態を3積みした私に追い付けるとでも?!アッ初速で負けt」
狩人さん、ケルシー以外は結構どうでも良いと思っちゃうのでレユニオン側のキャラを生かす為にはロドス側のキャラ(狩人さんと接点あり)がフラグを立てないといけないんですね。
今回だとミーシャはアーミヤとのお約束があったので、狩人さんも動きました。無かったら?殺してたよ。
最後にすごいどうでも良いこと言っていい?言うね、ありがとう。
今の狩人さん(二次創作お決まりご都合主義状態)なら月光の聖剣でエクスカリバーモドキできると思うんですよね()