狩人さんが今度はテラの大地に赴くようです   作:ron3studio

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「テラでも地底に潜る(とても不本意)(事故)のか。はぁぁぁぁあぁあァ……」

 

アーミヤから送られた座標へと急ぎ移動した狩人、端末に表示されるポイントを目前にして立ち止まり、アーミヤへと再度通信を掛ける。

 

「アーミヤ、送られた座標に到着した。窓から私が見えるか?」

 

『今見ますね、あっ、見えました!』

 

「中へ入る、扉を施錠してるなら開けておいて欲しい」

 

『特に何もしてませんので、そのままどうぞ』

 

「了解した」

 

扉に手を掛け、ゆっくりと開ける。アーミヤの言った通り、扉はすんなり……いや、かなり嫌な音を出しながら開いた。

 

「ハンターさん、ご無事で良かったです」

 

「そちらの被害は?私が引き受ける時に数名そちらに漏れただろう」

 

「ハンターさんのお陰で、擦り傷程度です」

 

「なら良い。それで、ここからどうする?増援はあるのか?」

 

「はい。少し時間は掛かりますが、ブレイズさんの小隊が増援として来てくれます」

 

「そうか。他の救出隊メンバーは既に脱出を?」

 

「既に各自での合流、もしくは離脱を指示しました。レユニオンに襲われている事も無かった様ですから、無事に離脱はしている物かと」

 

「ならば……残るは私たちのみか。あのフロストノヴァ?と言ったか。奴の仕込んだアーツの効果範囲から離れはしたものの、だからと言って奴らが追ってこない理由にはならん。移動するぞ」

 

「はい!」

 

 

———

 

 

「……追い込まれたな」

 

「ですが、ブレイズさんが来る筈ですから……」

 

移動の最中、またもスノーデビル小隊に捕捉され、これ以上の交戦は不利は避けようと逃げ続けていた物の、走って逃げた先には包囲網が敷かれていた。

 

「来るぞ」

 

全方位を囲まれ、詰みの状況。だがしかし、彼らには援軍が来ているのだ。心強い援軍が、空中から。

 

 

「姐さん上だ!」

 

チェーンソーのけたたましい音と共に、灼熱のアーツがフロストノヴァへと襲いかかる。

 

「良くやった……援護を、マズイッ!」

 

空中から落下してきたブレイズとそれを受け止めたフロストノヴァ、両者は拮抗してはいたが……落下により増えた速度と質量に地面が耐え切れず、崩落。そして狩人、ドクターは仲良く崩落に巻き込まれ地下の空間に落ちていた。

 

 

「……ものの見事に落ちたな」

 

「あぁ、死んでいない事に喜ぶべき……だ」

 

「それもそうか。見た所、四方は完全に崩落で塞がっていて、上は……こっちからは手出しせん方が良いだろう。高確率でペシャンコだ」

 

「同意する」

 

「そしたら私たちに出来ることと言えば、味方か敵かどちらかが掘り起こしてくれる事ぐらいだな。そこで魘されている奴共々……ハァ、少々大人しくなって貰おうか」

 

「殺すのは……ダメだ」

 

「あぁ?私が何でもかんでも殺す野蛮人だと思ったか?んな訳無かろうが」

 

狩人は崩落に巻き込まれていたフロストノヴァへ近付き、魘されている彼女の肩にそっと触れる。

 

「それは、君の力……なのか」

 

「そう言えば……少し前にも見ていたな。そうだな、そう思ってて構わん」

 

不思議な気配を少し漏らした狩人を見るのも何故か不躾かと思い、視線を逸らすように周りをもう一度見回すドクター。そんな事をしたとしても、現実は変わりはしないが。

 

「これで良かろう。さて……暇になった」

 

「少し、君について聞いてもいいかな」

 

「好きにしろ。物によっては答えん」

 

フロストノヴァから離れ、ドクターの前へと戻る狩人はぶっきらぼうにそう答える。

 

「ありがとう。君は……一体何者なんだ?」

 

「……何者か。見ての通り、ロドスのオペレーターだが」

 

「そう言うのじゃない、その力、雰囲気、異常さ……君は、人間じゃ—」

 

「よく頭が回る様だな、ドクター。だが、詮索のし過ぎは時に命を落とすぞ」

 

ドクターがその言葉を口にした瞬間、恐ろしい殺気と共にドクターの頭へ銃を突き付ける。

その目は鋭く、下手に何かを言えば殺されてしまうと思ってしまう程に。

 

「……」

 

「今はまだ、話す気にはなれんな。記憶を失っているのは確実だろうが……それでもと、疑ってしまうのでな」

 

一つ大きな溜息と共に銃をしまう狩人。ドクターから数歩程離れた位置へ移動し、腕を組む。

 

「じゃあ」

 

「疑いが晴れるように頑張りたまえ。この話はここで終わりだ。丁度そこのお嬢さんも目が覚めたようなのでな」

 

「……何故、目覚める前に殺さなかった。情けのつもりか?その男が居るのなら、殺す事など容易いだろうに」

 

「命を奪う為に戦っている訳ではない。それに……酷く凍えていた」

 

「私が寒さを感じる、か……今は、お前らを殺さない。これで貸し借り無しだ、と言いたいが。少し体が軽く感じる。そこの男が何かをしたのだろう……貸しが1つだ」

 

「少しだけ、だがな。マシになったのなら良かった」

 

「出口を探している様に見えたが」

 

「先に見たが、四方は完全に塞がっていて、下手に動けば更に崩れそうだ」

 

「今の我等に出来ることは無い、と言う事だな。大人しく上がどうにかするのを待つしかあるまいて」

 

「微かに……掘り起こす音が聞こえるな」

 

3人が視線を上に向ける、瓦礫を退かす様な音が微かに聞こえ、そして断続的にしている。その事から、ロドスかスノーデビルのどちらかが掘り起こし作業をしているのは間違いないと判断が出来た。

 

「我々を助けようとしている?」

 

「我々?助けが来れば、私かお前らかのいずれはここで死ぬ」

 

「そうとは限らない、かも」

 

「どちらにせよ、待つ以外に出来る事は無い。精々、自分たちの運が良い事を祈るくらいか」

 

「………既に貸しがあるが、頼みを……聞いてくれないか」

 

「聞こう」

 

「私はソイツの命を取らんのであれば何も言わん。好きにしろ」

 

狩人はそれだけ言い、静観の姿勢を示した。崩れた柱に背を預け、上の音を聞くのに集中し始める。

 

「私の側に、来てくれる?」

 

「良いのか?」

 

「構わない。ポケットの中に、キャンディが入ってある。それを1つ、私の口に入れて欲しい。肌に直接触れない様、気を付けろ」

 

ドクターはフロストノヴァの隣まで移動し、言われた通りにポケットを探りキャンディを取り出す。

 

「これか?」

 

「そう、それだ」

 

「少し、上を向けるか」

 

「ん……」

 

カロっと口に含む音と共に、砕く音も僅かに響く。

ドクターはフロストノヴァがキャンディを食べたのを確認し、安心する。

 

「お陰で、だいぶ落ち着いた」

 

「良かった」

 

「お前も1つどうだ?頼みを聞いてくれた礼さ、毒など入ってやしない。そこのお前も……食べるか?」

 

「いいや、私は"そういう"類のキャンディは好みでは無いのでな、気持ちだけ有難く受け取っておく」

 

「じゃあ、1つ……んむ……んん"っ"!?」

 

狩人はキャンディを避け、ドクターは食べる。

口に含み、舌に触れた瞬間……ドクターが悶える。

 

「な"ぁっ……!恐ろしい程っ、辛い……!」

 

「ふっ、ははっ……!すまない、よくこうやってイタズラをしていたんだが、今ではもうアイツら誰も引っ掛からなくてな」

 

「ドクター、良くもまあ無警戒に食べれたな。結果がそれだが」

 

フロストノヴァは一頻り笑ってから体を起こし、笑いながらドクターを見た後、狩人の方へと視線を向ける。

 

「ネタ明かしもしていないのに引っ掛からなかったのは貴様が初めてだ、よく避けれたな」

 

「貴公のアーツは氷を操るだろう?以前にも似た様なアーツを使う物は見て来てな、だが貴公みたく強力なアーツを振るう者は全員が感染末期で、体の何処かしらに異常をきたしていた」

 

「貴公の先の肌に直接触れるなという発言と、それまでの経験上とで考えて体の異常、外側もだが内側も有るだろうと踏んで遠慮したが……ビンゴだった様だ」

 

「そうだな、久しぶりこれで笑ったよ」

 

 

———

 

 

「む……光と、声が……ふむ、どうやら我らはどちらも運が良かった様だぞ?」

 

フロストノヴァとドクターが会話していると、上から光と共に声が入り込んでくる。それはスノーデビル小隊の者とブレイズ、アーミヤの声がごっちゃになっていた。

 

「ここだ!全員無事だ!」

 

「まさか……一緒になって探していたのか」

 

「その様だな」

 

「フッ……甘い奴らだ」

 

そうして3人は無事に地上へと戻り、各々の仲間たちの元へと帰る。

 

「3人はロドスに帰還して怪我の手当てを」

 

「了解です」「分かった」「ええ」

 

「お前たちも龍門へ向かうのだろう」

 

「はい」

 

「次に会う時は敵同士だ」

 

「フロストノヴァさん、私たちは—」

 

「だが今は違う……凍傷に効く。焼けるような痛みは消える筈だ」

 

「……感謝する」

 

「ロドスよ、素晴らしい戦いぶりだった」

 

「フロストノヴァ!ロドスに来ないか、そうすれば、君もスノーデビル隊も治療を受けられる。私たちは、戦わずに済むんだ」

 

「ドクター……」

 

「ならば私に勝ってみせろ、それが出来た時考えよう。さらばだロドス、2度と出会わないことを願う」

 

「ねぇ、スノーデビルの皆!今度一緒に飲もう!ブっ倒れるまでさ!後、君の腰にあるヤツ……味見させてよね」

 

「ぉわっ!ちょ……おい!」

 

ブレイズがそう言い、口元に傷のある男は慌てて静かにしろというジェスチャーを出すが……既に遅いだろう。スノーデビルにロドス、両者に柔らかな雰囲気が漂う。

 

 

「……行くぞ」

 

 

そしてスノーデビル小隊が見えなくなった頃、狩人がブレイズに向けて口を開く。

 

「何やら口約束を取り付けていたが……良い飲み仲間でも見つけた様だな」

 

「うん!」

 

「ならば、生きて欲しいか?」

 

「勿論!じゃないと一緒に飲めないじゃん!」

 

「フッ……それもそうだな。ようやくゲロ吐かれ役から卒業が出来そうだ」

 

「あーっ!言わないでよそれ!申し訳ないとは思ってるんだよ!」

 

「ならば吐くな。私の気持ちも考えろ。全く……」

 

狩人はブレイズに対してアレやコレや言っている物の、目元は柔らかく、少し笑っている。そして目を伏せ、ドクターの方へと向き直る。

 

「貴公は、彼女に死んで欲しくないと願うか」

 

「……あぁ」

 

「ならば……すべき事は分かるな。挫けるな、意志を示せ、彼女に打ち勝て、当事者として選択せよ」

 

「分かった」

 

「……貴公がどうするかを、期待しておこう」

 





はい、やる気が続く内に書いていきます。
フロストノヴァに似たようなアーツ使いを見てきた、に関してはバベル時代やロドス黎明期などの狩人さんも超絶戦力として考慮されて引っ張りだこだった時に敵に居たのを見てきた……って感じです。
えっ?ソイツらどうしたのかって?そりゃ敵なんで全員殺しました。

これで狩人さんがフロストノヴァ及びにスノーデビル小隊に目を付けました。フラグ確立!ヨシ!

感想……くれると……モチベーションが……上がります……(小声)

狩人さんの敵キャラとしての情報とか見たい人……います?

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