YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
「・・・なにか見つかったか?」
「はい。博士の残したメモが。これを書いている最中に、襲われたようです」
ほう、メモを。なら何か有益な情報残してるな。絶対*1
「そっか。最期まで締まらねぇじいさんだったぜ。まったく」
「・・・読み上げますね」
私はひとつの計画の存在を突き止めた。名は【魔霧計画】。実態は未だ不明なままだが計画指導者は【P】【B】【M】の三名。いずれも人智を超えた魔術を操る、おそらくは英霊だ
「以上です」
「Mってのはさっきのやつか?」
「いや、違うな。もし本当にMならそう名乗るだろうさ。なぜならそっちの方が名が通ってるから。ならば奴はただの尖兵なんだろうさ。にしてもなぁんか嫌な予感しかしないんだよなぁ・・・でも原因わかんねぇし・・・」*2
「まあ、持って帰ってジキルにも読ませよう。で、だ。オレもひとつ面白いものを見つけたぞ。おい、こっち来い」
そして来たのは赤い髪で目を隠したツノの生えた少女・・・英霊そのものではないか。ネロやドレイクみたいな立場*3か?
「・・・ゥゥ」
「?」
ゲッ、話通じない系かよ!?言語話せ、そしたら何とか翻訳してやるから・・・!
『んー、こちらでは判別できないな・・・生体反応と動体反応までしか判らない。魔霧による感知関係の影響は屋内にも及ぶようだ。マシュや柳星はどうだい?』
「あ?なんでそこで柳星の名前が出てくんだよ。普通の魔術師じゃねぇのか?」
「俺ぁ魂の輪郭で相手を見るからな。魔霧にも邪魔されない感知方法だぜ」
「へえ、だから初めて会った時にオレに気付いてたのか」*4
「そゆこと。ちなみにマシュは目の前のコレが何か分かるか?」
「わたしには分かりませんね、モードレッドさんは、どうですか?」
「気配だけじゃ何とも言えないな。ま、外の魔霧のせいだろ。で、こいつが何なのかって?そんなのサーヴァントに決まってるだろ───って言いたいところなんだがな・・・オレの記憶じゃそのはずだったし*5・・・まあ、うん。こいつは人造人間。らしい」
ん?記憶?サーヴァントにはまだ成ってないのに?ということは・・・俺の知らない聖杯戦争、しかも確実につい数年前とかその次元だな。調べるにも何もわからないから調べられないんだよなぁ・・・あぁ、十四騎ってそゆことか
「人造、人間───ですか」
「奥の部屋の棺に入ってたんだけど。説明書きがくっついてたんだよ。ええとな。祖父ヴィクター・フランケンシュタインの制作した一体目の人造人間、だったかな」
『フランケンシュタインの怪物、だね。でも、小説に依れば最後は燃え尽きていたような?ボクの声は聞こえているかな?ええと、君は、フランケンシュタインの怪物かい?』
「・・・ゥゥ、ァ・・・ゥゥ・・・」
「あー、だめだ。叫び声だけで会話はできんよ俺は。感覚で分かるだろうサーヴァント組に任せる」
「言語機能が備わってないようですね。でも、どことなく分かります」
「・・・・・・」
「名前、でしょうか。怪物───という呼称ではやっぱり嫌ですよね」
「・・・ゥゥ」
あ、今のはなんとなく肯定してるように聞こえた。なるほど、この【何となく聞こえた】の精度を高めればいいのか、どうやれと?
「あ、じゃあ『フラン』はどうかな?」
おー、さすが立香名付けるの得意だよな
「・・・ゥ・・・」
「あ、喜んでいるみたいです。じゃあ、あなたはフランさん、ですね」
「・・・ゥ・・・」
「あなたは人造人間・・・であってますか?」
「・・・ゥ、ゥ・・・」
「サーヴァントじゃない、か。あー、成る程。
「?」
「いいや、こっちの話。ここに置いておいてもなんだし、取り敢えず、ジキルの所に連れて帰ろうぜ」
「・・・ゥ、ゥ・・・」
「お前の主人はもうここにはいない。だから、まあ、お前は何処に行ってもいいんだ。取り敢えずジキルのところにおいてやる。行くぞ。人造人間なら、魔霧の影響はないだろ」
「そう・・・でしょうか。そうとは限りません。危険な行為です」
「まぁ最悪俺がどうにかするさ。どうやら魔霧の魔力を使ったらその部分はただの霧になるっぽいからな。*6その性質使えば安全に進めるが・・・モーさんの言いたいことはそういうのがじゃないんだろ?」
「モーさんいうな!まぁ大丈夫だって、こいつ呼吸してねーもん。な、フラン」
「あーそういう。確かに呼吸の必要ないのか。ホムンクルスじゃなくて人造人間な辺りそこら辺も違うのかねえ・・・」
拠点に帰還してジキルにフランを渡して俺たちは結果待ちだった
「お待たせしたね。ある程度の結果は出たよ。この子───フランは、うん、人造人間だ。身体組成は霊体ではなかったよ。英霊じゃないね。この時代に生きる人間だ。いや、人造人間か。小説の記述が誤りだったのか・・・いや、そこまでは断言できないけれど」
「・・・ゥゥ・・・ァ・・・」
「うん?」
んー、俺にも何言いたいのか分からん
「ええと、その・・・彼女は、ええと・・・何と言ったらよいでしょう・・・」
「調査だ、とか言ってお前があちこち触ったんで、不満みたいだぞ。謝れ、ジキル」
ほへー、そんなこと言ってたのか。まぁ確かにあまりあちこち触られたくはないよなぁ
「えっ。あっ、ごめんよ。僕としたことが、英国紳士にあるまじき行為を」
「・・・ゥ」
あ、コレは何となく分かる
「?」
「わかってくれればそれでいい、的なニュアンスの声・・・でしょうか。今の発声は」
「そうだな」
「何で君たちわかるの???」
「まぁマシュには偶に【言語破綻者との会話方法】とか教えてるし・・・*7ほら、立香も参加する時あるだろ?それの応用なんじゃないかなぁ」
「ああ、なるほどね」
「なるほどね、君たちは・・・そっか。バーサーカーとも交流する機会があるからその時の為に準備しているのか。で───だね。僕の情報網に別件が引っかかったんだよ。ソーホーエリアに妙なものが現れた。何でも、屋内にまで入り込んできて市民を襲う、と」
こりゃまた、厄介なのが来たもんだね・・・
言語破綻者との会話方法
たまーに気分で開く。コレまでの特異点で遭遇した会話の難しかったサーヴァント(スパルタクスやタマモキャット)の記録からこの時はこういう意図で発言してて〜とか一貫してこういうスタンスだからこういうペースで話せば通じやすいかもしれない〜とか、そういうのを教えてるし皆で考える場である